映画『フェイフェイと月の冒険』の概要:ディズニーの伝説的アニメーター、グレン・キーンの初監督長編作品。月の女神の存在を頑なに信じる少女が自作のロケットで月へ向かうが、月の女神は宝物を持って来いと言う。少女は懸命に宝物探しを始めるが…。
映画『フェイフェイと月の冒険』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:ミュージカル、アニメ
監督:グレン・キーン
キャスト:キャシー・アン、フィリッパ・スー、ケン・チョン、ロバート・G・チュウ etc
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映画『フェイフェイと月の冒険』の登場人物(キャスト)
- フェイフェイ(キャシー・アン)
- 月の女神の実在を頑なに信じる少女。母親を病で亡くし、父親と二人三脚で月餅店を繁盛させてきたが、父親が再婚相手を連れて来たことで反発する。愛する人に一途なチャンウーに憧れを抱いている。白兎のバンブーとはいつも一緒。
- チン(ロバート・G・スー)
- フェイフェイの再婚相手の連れ子。8歳のやんちゃな男の子でいたずら好き。カエルを飼っている。フェイフェイを姉と慕い、月へ向かうロケットにこっそり乗り込んでくる。勇気と意思の強さを持つ。
- チャンウー(フィリッパ・スー)
- 月の女神。愛する人ホウイーとの再会を願い3000年の時を待ち続けている。非常におしゃれで美しい。月の都市ルナリアの統治者で、市民のルナリアンから熱烈に慕われている。
- ゴビ(ケン・チョン)
- チャンウーの相談役で、緑色のハリセンボンのような姿をしている。とてもおしゃべり好きで陽気な歌を好む。フェイフェイと共に宝物探しをする。
- フェイフェイの父親(ジョン・チョー)
- 月餅店を営んでいる。妻亡き後、娘のフェイフェイと二人三脚で店を切り盛りするも、再婚相手を連れて来たことでフェイフェイに拒絶される。
- フェイフェイの母親(ルーシー・アン・マイルズ)
- 月の女神の話がとても上手で、フェイフェイをとても愛していた。夫と共に月餅店を切り盛りしていたが、病を患い亡くなってしまう。
映画『フェイフェイと月の冒険』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フェイフェイと月の冒険』のあらすじ【起】
幼い少女のフェイフェイは両親が語る宇宙の話や、月の女神チャンウーの話が大好き。チャンウーは元々人間で愛する男性ホウイーと幸せになるはずだった。だが、彼女は不死の薬を飲んでしまい月の女神となってしまう。チャンウーはいつかホウイーとの再会を願っているが、彼は地球で寿命を終えてしまった。チャンウーが涙を流すと空の星屑になると言われている。
フェイフェイの両親は月餅の店を営んでいる。家族伝来の月餅は人気があり、フェイフェイも幼い頃から両親の手伝いを進んで行う快活で優しい子だった。ところが、フェイフェイが成長するにつれ、母親の体調が悪化。やがて母親は病によって命を落としてしまう。
それから4年が経ち、最後のプレゼントとなった白兎バンジーも大きくなった。フェイフェイは父親と共に月餅店を切り盛りするようになる。
ところがある日、父親が恋人を連れて来る。しかも父の恋人は一児の子持ちで、8歳のチンというちょっと変わった男の子だった。
中秋節で親族一同が揃って食事会を行う中、チャンウーは伝説でいるはずがないという伯母たち。フェイフェイは断固否定し、チャンウーは必ずいてたった1人の愛する人を待ち続けていると怒鳴りつける。父親と新恋人が親密な様子なのが、より苛立ちを増幅させた。その日の夜、食事会から逃げて早々にベッドへと潜り込んだフェイフェイだったが、バンジーが窓から外へ出て行ってしまう。フェイフェイは焦って追いかけ生前、母親と共に月を眺めた川の畔へと辿り着く。
映画『フェイフェイと月の冒険』のあらすじ【承】
フェイフェイは月を眺めながら、チャンウーに会いに月へ行こうと考え早速、ロケット製作に着手。何度も試作を重ねては失敗する日々を送った。そしてある日、とうとう自作ロケットを完成させる。磁力を利用してスピードアップを図り、いざ月へ。ところが、ロケットは空の途中で浮力を失い落下してしまう。
その最中、ロケット内にチンが潜んでいることが判明。2人は落下の危険に焦りまくるが、月から強い光が降り注ぎ、ロケットを月へと誘導するではないか。不思議な現象に茫然としたが、突然翼を持つ2頭の赤獅子が現れロケットは軌道を外れて月へと不時着するのだった。
酷い衝撃を経てロケットは粉砕。宇宙服も破れてしまうが、再び赤獅子が現れ2人を咥えて移動。向かった先は色とりどりの建物が宙に浮かぶ空中都市だった。真空であるはずの宇宙空間で不思議なことに呼吸ができる。建物の中へ案内されたフェイフェイとチンは、そこでまるでアイドルのようにライブを開催するチャンウーと出会う。
そこは、チャンウーが統治する月の空中都市ルナリア。月の女神はフェイフェイに宝物を献上しろと言う。だが、フェイフェイは何も持っていない。チャンウーはフェイフェイが持っていたはずの宝物でホウイーを取り戻そうとしているらしい。女神はフェイフェイが宝物を持っていないと知ると、月のどこかに落としたのだろうと考え空中都市の市民ルナリアンに褒賞を掲げ、宝物を探して来いと命令するのだった。
フェイフェイはチンを置いて、宝物探しへ出発。一方、置いて行かれたチンは宮殿内を探索し、チャンウーに見つかってしまう。女神はチンに卓球勝負を挑み宝物の在り処を聞き出そうとする。チンは義姉のために懸命に卓球勝負で奮闘。とうとうチャンウーとの勝負に勝利する。しかし、女神はこの結果に激怒してしまい、チンを部屋に閉じ込めてしまう。
映画『フェイフェイと月の冒険』のあらすじ【転】
その頃、鶏のような姿をしたルナリアンと仲間になったフェイフェイは、不時着したロケットを目指して月面を激走。ロケットへ辿り着くと、自称チャンウーの相談役だというゴビがいる。ゴビは何らかの失敗をして、宮殿から追い出されてしまったらしい。鶏のルナリアンはロケットにあったチャンウーの人形を宝物だと思い込み、フェイフェイとゴビを置いて行ってしまった。
月面をゴビと共に徒歩で進んでいたフェイフェイ。道中、巨大カエルのルナリアンと遭遇し、背中に乗せてもらう。ゴビはとてもおしゃべりでひょうきんな性格だったが、チャンウーの前で歌を唄ったことで追い出されたらしい。チャンウーはホウイーが死ぬまでとても優しく美しい女神だった。だが、ホウイーが死んでからは周囲を遠ざけてしまったようだ。
カエルでの移動中、人形を持った鶏がいるのを見かける。ゴビとフェイフェイは人形を取り戻すべく奮闘するが、人形が粉々になってしまう。落ち込んでしまったフェイフェイは、ゴビに促され持って来た月餅を一口齧った。すると、その中からお守りにしていた翡翠の飾り石が出てくる。一つの円を半分に割った形の石が宝物だと判明し、フェイフェイは元気を取り戻しチャンウーに届けようと決意。
その頃、監禁部屋のドアの破壊に成功したチンは、なぜか耳の先をピンク色に光らせたバンブーと合流。フェイフェイ救出へと出発する。2人は宮殿内で遭遇し、チャンウーの元へ。
チャンウーはフェイフェイが持って来た宝物と自分が持つ欠片を合わせ、魔法の薬を振りかけた。すると、宮殿内に緑が復活。そうしてチャンウーは愛するホウイーと3000年の時を経て再会。しかし、ホウイーはすでに寿命を終えた身であることを告げ、天へと帰ってしまう。チャンウーは絶望してしまい、ルナリアには闇が訪れた。
映画『フェイフェイと月の冒険』の結末・ラスト(ネタバレ)
何者をも拒絶し、悲しみに閉じ籠ってしまったチャンウー。見えない壁が拒絶し誰も入れないはずが、なぜかフェイフェイだけは中へ入れてしまう。フェイフェイは勇気を持って中へ入り女神の元へ向かった。愛する人を失った悲しみはチャンウーが感じているものと同じ。フェイフェイは母親との別れを思い出し、悲しみに暮れてしまう。すると、チャンウーが近寄って来てフェイフェイを励ましてくれる。このことでチンが大切な存在なのだと気付いたフェイフェイ。今度は彼女がチャンウーを励ました。チャンウーもまたゴビを始め、2頭の赤獅子、ルナリアンが傍にいてくれることに気付く。
チャンウーは前向きになり、ルナリアに光が戻った。フェイフェイはチャンウーの相棒ジェイド・ラビットと恋仲になったバンジーと別れを惜しみ、チャンウーやゴビに見送られながら、赤獅子に乗って地球へ。疲れて寝てしまったチンを背負い、家の前まで来ると父親が心配して待っていてくれた。
1年後の中秋節。親族が集まり和気藹々と食卓を囲む。父親も再婚し家族仲は良好。今年は父親と2人だけで、いつもの川の畔にやって来て月を眺めた。いつかの白い鳥が彼女の前に現れ、羽でフェイフェイの髪を撫でて飛んで行く。どこか清々しく、楽し気な月夜だった。
映画『フェイフェイと月の冒険』の感想・評価・レビュー
中国の神話を基に制作された作品で、とにかくクオリティが高い。中国ならではの衣装や柔らかいタッチに豊かな表情。ウサギの表情や目の動きですら、繊細で感情表現が良く分かる。ストーリーも簡潔でストレート。アニメのミュージカルなので作中で歌を唄うのだが、その歌もまたいい。色彩も豊かだし、ストレートだけに伝えたいことが真っすぐに刺さる。とても良質で素敵な作品だった。(MIHOシネマ編集部)
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