映画『フェリチタ!』の概要:自由奔放な両親と過ごす、夏休み最後の日。イヤーマフを付けて世界を遮断する11歳の少女は予想だにしない出来事に巻き込まれ、長い夜を迎えることとなった。主演は監督の娘・リタ・メルルが演じている。
映画『フェリチタ!』の作品情報
上映時間:81分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ブリュノ・メルル
キャスト:ピオ・マルマイ、リタ・メルル、カミーユ・ラザフォード、オレルサン etc
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映画『フェリチタ!』の登場人物(キャスト)
- ティム(ピオ・マルマイ)
- 刑務所から出所したばかりの父親。普通であることに面白みを見いだせず、いつも冗談とは思えないような作り話をトミーとクロエに聞かせている。
- トミー(リタ・メルル)
- ティムの11歳の娘。自由奔放な両親と夏休みの間は一緒に過ごしている。現実から目を背けたいときにはイヤーマフをして全てを遮断する。
- クロエ(カミーユ・ラザフォード)
- ティムの妻。冗談ばかり言うティムを冷静な目線で見守る存在。あまり表情の変わらないトミーを理解しようと寄り添っている。清掃の仕事をして一家を支える。
映画『フェリチタ!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フェリチタ!』のあらすじ【起】
両親と外食するトミーは浮かない顔をしている。トイレから席に戻り早々にイヤーマフをしたトミーは外の音を全てシャットダウンした。向かいの席に座る幸せそうな子供に意地悪な表情で目線を返すトミー。父親・ティムが何度も話しかけていることに気付き、トミーはイヤーマフを外す。
ティムは「若かりし頃の話だ」と深刻な表情で話し始めた。実は2組のカップルでルームシェアしていたというティム。もう一組のカップルが突如姿を消し、残された赤ん坊がトミーだと言うのだ。さらに本当の父親は人気ラッパー・オレールサンだと語るティム。大きなため息をついて「面白すぎるね」とトミーは笑い飛ばす。これは「いつも通り」のやり取りだったのだ。
家族の朝食も早々に切り上げて一人で遊ぶトミー。「今日は大丈夫。」と自分に言い聞かせていた。新学期間近のトミーは、ティムに持ち物をチェックして欲しいとお願いする。同級生との会話のシミュレーションも済んだトミーは、母親・クロエに唯一入ることのできない屋根裏部屋について尋ねるがはぐらかされてしまった。その矢先、クロエの携帯に一本の連絡が入る。慌てだしたクロエはティムに「帰ってくる」と叫ぶのだった。
逃走準備を始めるクロエ。優雅にビールを飲んでいるティムに喝を入れる。のんびりと帰り支度をするティムに変わってトミーは原状回復に走らされた。この一家は長期不在の家に不法占拠し暮らしているのだった。
映画『フェリチタ!』のあらすじ【承】
トミーが気に入っていた猿のぬいぐるみだけ持ち帰ってもいいとクロエは言うが、トミーは首を横に振る。家主と鉢合わせそうになりながら、何とか慌ただしく逃げ出した3人。岩場の影に隠してあった車に乗り込み、「Felicità(フェリチタ)」と陽気に歌う両親を横目にトミーはイヤーマフで全てを遮断するのだった。
一つの家を離れるとき、トミーの世界の中には宇宙服を着たライダーが登場する。その日もライダーに手を振ったトミーは、両親と一緒に昼食を済ませ仮住まいの小さな船へ向かった。道中何者かの目線に怯えるティム。清掃の仕事に向かうためクロエは準備を始めた。動揺していたティムは、結婚前に出演したアダルトビデオが流出してしまい旧友・マルコに脅されているというクロエの冗談にもすっかり騙されるのだった。
ティムとトミーは二人きりで過ごす。何度目かの新学期の準備を一緒にして、映画を見る。穏やかな時間を過ごしていたが、仕事が終わる時間になってもクロエと連絡がつかなかった。
映画『フェリチタ!』のあらすじ【転】
トミーは不意にティムが刑務所にいた理由を尋ねる。「人生の選択を誤った」とだけ話すティムは何度も携帯を気にしてクロエの帰りを待っている。夜暗くなってもクロエは戻らず、ティムはトミーを連れて町に繰り出した。
爆音で音楽が流れるバーにはクロエの姿はない。マルコの姿を見かけ、ティムは疑いの眼差しを向けながらクロエの行方を尋ねる。何も知らないマルコに掴みかかりそうな勢いのティムは、納得のいかない表情で店を後にする。去り際、見知らぬ人の荷物に手をかけたティム。その様子をトミーは悲しそうに見ているのだった。
車の鍵を盗んできたティムは、高級なスポーツカーの鍵だったことに気付き浮かれている。スポーツカーに乗り込み家路についた二人。道中でクロエが乗っていたはずの車を見つけ、トミーを残しティムは一人山中に捜索に行ってしまった。
車で一人待つトミーはライダーと会話をする。「いい子にして待っているか、ティムを追うのか」選択を迫られたトミーは、ティムが何か事件を起こしてしまっているのではないかと想像し怯えるのだった。
イヤーマフをして待つことにしたトミーの元に、ティムとクロエが戻ってくる。クロエの手には猿のぬいぐるみが握られている。不法占拠していた家の屋根裏に忍び込もうとしたティムは、通報され警察に追われる身となった。
映画『フェリチタ!』の結末・ラスト(ネタバレ)
ティムと別れ、トミーはクロエに真相を聞き出す。ティムたちと別れ、クロエは不法占拠していた家に清掃に向かった。清掃中に家主は娘に猿のぬいぐるみを捨てるように言い放つ。娘が悲しそうに海に投げ捨てたぬいぐるみを、クロエは拾おうとした。水が苦手なクロエは何とか拾ったものの、戻れなくなってしまったというのだ。
警察から逃げきったティムはトミーを連れて新生活を送ろうとするが、クロエは反対する。新学期が始まればトミーはベルギーに住むクロエの兄の家に預ける予定だったからである。喧嘩する二人を横目に、トミーは車のキーを抜き取り逃げ出した。
トミーの気持ちを察した二人は、新学期の初日だけは学校に送り届けると約束し盗んだスポーツカーで走り出した。学校の前にスポーツカーを乗りつけ、遅刻しないようトミーを見送ったティムとクロエ。しかしその矢先、警察が駆けつけトミーの前ティムは逮捕されてしまう。
数年後、出所するティムを迎えに行ったクロエとトミー。イヤーマフが不要になったトミーは、笑顔でティムの帰りを喜ぶのだった。
映画『フェリチタ!』の感想・評価・レビュー
序盤、ティムとクロエが車中で歌う曲が印象に残る。まるで人生に何の不満もないような表情の二人だが、大人らしく現実から逃げているから皮肉的である。親子3人の関係性はすぐに伝わり、たった1日の出来事を見ているのだがエンディングを迎えるころには長く見守ってきたような感覚に陥るから不思議だ。複雑な環境ながら、比較対象となる父娘が登場することでしっかりとした愛情も見せつけてくれる一作である。(MIHOシネマ編集部)
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