映画『フェリーニのアマルコルド』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「フェリーニのアマルコルド」のネタバレあらすじ結末と感想

フェリーニのアマルコルドの概要:フェデリコ・フェリーニ監督が、少年時代を過ごした故郷の町の1年を通して、そこでたくましく生きる人々の日常をユーモラスに描く。「アマルコルド」とは、フェリーニ監督の生まれ故郷リミニの方言で、「私は覚えている」という意味。どの登場人物もエネルギッシュな生命力に溢れている。

フェリーニのアマルコルドの作品情報

フェリーニのアマルコルド

製作年:1974年
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:監督フェデリコ・フェリーニ
キャスト:ブルーノ・ザニン、プペラ・マッジオ、アルマンド・ブランチャ、マガリ・ノエル etc

フェリーニのアマルコルドの登場人物(キャスト)

チッタ(ブルーノ・ザニン)
イタリア北部の小さな港町で暮らす15歳の少年。悪友たちと悪さばかりして不良ぶっているが、まだまだウブで子供っぽい。大人の女性のグラディスカに憧れを抱いている。小学生くらいの弟がいる。
チッタの父(アルマンド・ブランチャ)
建築関係の仕事でそれなりに成功している。政治には無関心なマイペース型で、ファシストの集会にも参加しない。実の父親と同居している。弟は精神病院に入院中。すぐに怒鳴るが、根は優しい人物。
チッタの母(プペラ・マッジョ)
わんぱく息子や頑固な夫に腹を立てながらも、家族の面倒をよく見る心優しい母親。チッタの父とはよく口喧嘩をするが、とても愛し合っている。
グラディスカ(マガリ・ノエル)
本名は二ノーラ。グラマラスなセクシー美女で、町の男たちの憧れのマドンナ。いい気になっているうちに婚期を逃してしまい、早く幸せな結婚をしたいと焦り始めている。

フェリーニのアマルコルドのネタバレあらすじ

映画『フェリーニのアマルコルド』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

フェリーニのアマルコルドのあらすじ【起】

ファシズム政権下の頃のイタリア北部。15歳のチッタが暮らす小さな港町では、春の訪れを告げる綿毛が舞っていた。綿毛が舞うと人々は春を感じ、心が湧き立つのだった。

今日は町の広場で、春の訪れを祝う火祭りがある。夜になり、町の人々は続々と広場に集まってくる。通りでは、全盲のアコーディオン弾きが音楽を奏で、白痴の娼婦が男たちにからかわれている。大焚き火の上で燃やされる魔女の人形が登場すると、人々は歓声を上げる。町一番の美女であるグラディスカは、今日も男たちの注目の的だ。人々は、思い思いにお祭りを楽しむ。

思春期を迎えた子供たちは、異性に興味津々で、チッタも例外ではない。チッタが通う学校の教師は、みんなそれぞれに個性的だ。生徒も優等生から落ちこぼれまでいろいろいて、校内は自由な雰囲気に満ち溢れている。勉強があまり得意でないチッタは、悪友たちとよく先生や同級生をからかって楽しんでいた。

チッタの父は建築関係の仕事をしている頑固親父だった。チッタの家族は両親と弟と祖父、そして母方の弟夫婦も同居しており、食卓はいつも賑やかだ。母はおいしい手料理をテーブルに並べてくれた。チッタの躾のことなどで、両親はよく激しい喧嘩をしていたが、他の家族は知らん顔して食事を続けるのだった。

そんなチッタが密かに想いを寄せているのが、大人の女性のグラディスカだった。チッタは悪友たちと町で悪さをしつつ、彼女のあとを追いかけていた。

フェリーニのアマルコルドのあらすじ【承】

チッタと悪友たちは、教会で聖体拝領の儀式に出る。懺悔の時、チッタは神父から「淫らな行為をするなよ」と注意される。しかしチッタの頭の中は淫らな妄想でいっぱいだった。ある夏の日、映画館でグラディスカと2人きりになったチッタは、思いきって彼女の太ももを撫でてみる。しかしグラディスカに「何か探し物?」とからかわれ、非常に恥ずかしい思いをした。チッタはそのことを思い出し、神父に「一度だけ間違いを犯しました」と告白する。神父はそれで満足し、祝福を与えてくれた。

町にファシスト党の党首一行が来ることになり、町中の人々が通りに出て、盛大に彼らを出迎える。広場で開かれた集会では、チッタたち学生も演舞を披露し、ムッソリーニ首領のモニュメントに敬意を表す。しかし政治に無関心なチッタの父は、集会には出なかった。

その夜、反ファシストの連中が町を停電させるという事件が起こる。集会に不参加だったチッタの父は容疑者として疑われ、ファシストの拷問を受ける。心配した母は家の前で父を待ち、深夜に帰ってきた父を風呂で洗ってやる。父はひどい目にあったが、それでも反骨精神を失ってはいなかった。

町には、バカバカしい噂がよく流れた。例えば、グラディスカがそう呼ばれるようになったのは、ある国の王子の接待役に任命され、ベッドに入って「グラディスカ(お受けください)」と言ったからだとか。他には、アラブの首長が30人の側近を連れてやってきた時、豪華な浴室には28人もの美女がいたとか。こういうデタラメな噂は、たいがいホラ吹きの豆売り男が流していた。

その夏、チッタの家族は精神病院に入院中の父方の叔父さんを連れ、馬車で田舎の農場へ出かける。病院の職員は大丈夫と言っていたが、道中で叔父さんはボタンを外さずに放尿し、ズボンを汚す。農場では、ちょっと目を離した隙に高い木に登ってしまい、「女が欲しい!」と叫び続ける。父や祖父がどう説得しても降りてこないので、結局病院の人に来てもらう。小さな看護師が「降りといで、遊んでやんないよ」と声をかけると、叔父さんはあっさり降りてきて、ニコニコしながら病院へ帰っていく。

フェリーニのアマルコルドのあらすじ【転】

夏真っ盛りの頃。沖合にアメリカの大型客船がやってくるというので、人々は小型ボートに乗り込んで海に出る。星空の下、人々はそれぞれのボートで語り合う。グラディスカはセンチメンタルな気持ちになり、「夫と子供のいる平凡であたたかい家庭が欲しい」と泣き出す。真夜中、ついに大型客船が姿を現す。みんなは、その壮大な姿に感動する。

秋の終わり。町中に深い霧が立ち込める。祖父は家の前で迷子になり、チッタの弟は霧の中で立派なツノを持った牛と遭遇する。チッタと悪友たちは休業中のグランドホテルの敷地に入り、賑やかだった夏のホテルを思い出す。

冬がやってきた。町中をスーパーカーが失踪するカーレースの日。人々は思い思いの場所でレースを楽しむ。閉店間際のタバコ屋へやってきたチッタは、巨漢の女店主と2人きりになる。女店主はシャッターを下ろし、チッタをからかい始める。欲情した女店主は巨大な乳房をチッタに押し付け、「吸って」と挑発する。興奮したチッタは、どうしても息を吐いてしまい、興ざめした女主人に追い出される。チッタはショックで寝込んでしまう。

チッタは熱にうなされ、母に看病してもらう。チッタは、初めて母に、父との馴れ初めを聞く。母は両親の反対を押し切って、駆け落ち同然で父と結婚していた。母の思い出話を聞くうち、チッタは急に自分が惨めになり、子供のように母に泣きつく。

フェリーニのアマルコルドのあらすじ【結】

「初雪が降った」という知らせを聞き、町の人々は外へ出てみる。雪は降り続け、あっという間に町は雪景色となる。チッタと弟は喜んでいたが、父は仕事ができずにうんざりしていた。

この年は記録的な大雪となり、町には雪の壁ができる。チッタの母は体調を崩し、病院に入院する。父と一緒に母の病院を訪れたチッタは、お見舞いに花を持っていく。母は顔色が悪く、あまり調子が良くなさそうだった。それでも、家族のことばかり心配していた。

町の広場で悪友たちと雪合戦をしていたチッタは、伯爵のところから逃げ出した孔雀を見る。雪景色の中、大きく羽を広げた孔雀は美しかったが、イタリアでは、孔雀を不吉なものとする迷信があった。

翌日の早朝、目を覚ましたチッタは母の訃報を聞く。チッタはあまりのショックで母の寝室に閉じこもる。教会でのお葬式の途中、母の弟は気絶してしまう。父は気丈に振る舞っていたが、本当は誰よりも母の死を悲しんでいた。多くの人がチッタの母の死を悼み、葬列を見送る。母がいなくなり、家の中は火が消えたように静かになってしまった。

再び春がやってきた。綿毛の舞う野原では、グラディスカの結婚式が行われる。グラディスカは、まじめな憲兵のもとへお嫁にいくのだ。盲目のアコーディオン弾きが音楽を奏で、町の人々はグラディスカの幸せに乾杯する。グラディスカは新郎に手を引かれ、町を去っていく。彼女は町の人たちとの別れがつらくて泣いていた。少年たちはグラディスカの乗った車を追いかける。しかしその中にチッタの姿はなかった。彼はグラディスカが去る前に帰っていた。きっと彼女を見送るのが寂しかったのだろう。

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