映画『フェリスはある朝突然に』の概要:高校生フェリスは仮病の達人である。ある晴れた日、ズル休みを成功させたフェリスは親友とガールフレンドを連れ出し街に繰り出す。人生を満喫しないと損だというフェリスの信条は、時代を問わず今なお多くの共感を呼ぶ。
映画『フェリスはある朝突然に』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、青春
監督:ジョン・ヒューズ
キャスト:マシュー・ブロデリック、アラン・ラック、ミア・サラ、ジェニファー・グレイ etc
映画『フェリスはある朝突然に』の登場人物(キャスト)
- フェリス・ビューラー(マシュー・プロデリック)
- シカゴの郊外に暮らす高校三年生。誰からも愛され、何事も上手くいくという天性を持っている。仮病の達人。
- キャメロン・フライ(アラン・ラック)
- フェリスの親友。裕福な家で生まれ育ったが、家庭的な愛情に飢えている。ネガティブ思考で病気がち。
- スローアン・ピターソン(ミア・サラ)
- フェリスのガールフレンド。高校二年生。フェリスやキャメロンの良き理解者。
- ジニー・ビューラー(ジェニファー・グレイ)
- フェリスの妹。フェリスと同じ高校に通う。自分と違って何でも上手くいく兄が気に食わない。
- ルーニー校長(ジェフリー・ジョーンズ)
- フェリス達が通う高校の校長。フェリスが他の生徒に悪影響を与えると考え、フェリスの仮病を暴こうとする。
- ケイティ・ビューラー(シンディ・ピケット)
- フェリスの母。常にフェリスの嘘に騙される人の良い女性。フェリスを溺愛している。
- トム・ビューラー(ライアン・ワード)
- フェリスの父。妻と同じく、フェリスの嘘に全く気付かない。
- キャメロンの父(デイブ・シルベストリ)
- シカゴの大企業経営者。ヴィンテージのフェラーリを所有している。
- 薬物中毒の青年(チャーリー・シーン)
- ジニーが警察署で出会う青年。ジャンキーだが的を射た意見を述べる。
映画『フェリスはある朝突然に』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フェリスはある朝突然に』のあらすじ【起】
シカゴ郊外に暮らす高校生フェリスは、人生の短さに気付いている。フェリスは度々仮病を装って学校をズル休みしている。
ある晴れた日、「こんな天気の良い日に学校に行くなんて」と思ったフェリスは、またしても仮病を使って学校を休む。気の良い両親はフェリスの巧みな演技にすんなり騙されるが、妹のジニーだけはフェリスの嘘に気付いている。
フェリスは、両親が帰宅する夕方6時まで、今日を満喫しようと決める。フェリスは、本当に体調を崩して学校を休んでいる親友のキャメロンを電話で呼び出す。キャメロンは渋々車を出し、フェリスを迎えに行く。
フェリスの通う高校の校長は、職場にいるケイティに電話をかけ、フェリスが今学期9回も欠席していることを伝える。フェリスを信頼しきっているケイティは、校長の話を信じない。フェリスを以前から苦々しく思っている校長は、フェリスのズル休みを暴いて留年させてやろうと企む。
フェリスは、恋人スローアンを学校から連れ出そうと考える。キャメロンはスローアンの父親の声真似をして校長に電話をかける。偽の訃報を信じた校長は、スローアンを早退させる。
フェリスは、キャメロンの父親が愛蔵しているフェラーリに目をつける。キャメロンが止めるのも聞かず、フェリスはフェラーリのエンジンを入れる。諦めたキャメロンは後部座席に乗り込む。
フェリスは、学校の前で待っていたスローアンを乗せる。三人はシカゴの中心部へ向けてフェラーリを飛ばす。
映画『フェリスはある朝突然に』のあらすじ【承】
学校内ではフェリスが重病だという噂が広まり、生徒たちはフェリスを救うための募金を始める。唯一フェリスの仮病を知っているジニーは腹立たしくてたまらない。
シカゴの中心部に着いたフェリス達は、駐車場にフェラーリを預けて街を散策する。キャメロンはフェラーリが盗まれないか気を揉む。
フェリス達は、ウィリス・タワーに昇り、シカゴ証券取引所を見学し、富豪を装って高級レストランで食事をする。偶然、同じレストランに来ていたキャメロンの父親と出くわすが、三人はサングラスをかけて正体を隠し何とか切り抜ける。
続けてフェリス達は、リグレー・フィールドでシカゴ・カブスの試合を観戦し、シカゴ美術館で名画を鑑賞する。
交差点で、三人が乗ったタクシーの隣にキャメロンの父が乗ったタクシーが停車する。フェリスとキャメロンが座席下に隠れ、事なきを得る。キャメロンの父が手にしている新聞には、フェリスの高校で募金が集まっているという記事が載っている。
校長はフェリスの自宅の前へ来ている。校長が呼び鈴を鳴らすと、録音されたフェリスの声で応対が繰り返される。呼び鈴の細工に気付いた校長は、フェリスのズル休みを確信する。校長はフェリス宅への侵入を試みるが、犬に追い返され失敗する。
シカゴの街中では、盛大なパレードが催されている。フェラーリが気になって憂鬱なキャメロンを元気付けるため、フェリスはパレードカーに乗り込んで熱唱する。曲に合わせて観客達も踊り出し、パレードは大いに盛り上がる。
パレード終了後、フェリス達は再びフェラーリに乗り込み帰路につく。
映画『フェリスはある朝突然に』のあらすじ【転】
フェリスの自宅には教職員達から見舞いの花が届き、ガスタンクには「フェリスを救おう」というペイントが施される。街中にフェリスが危篤との噂が広まり、大勢がフェリスを心配している。
フェリスの仮病を暴いてやろうと、ジニーは早退して帰宅する。ジニーが玄関を開けた隙に、庭先に隠れていた校長が家の中に侵入する。ジニーは校長を強盗と勘違いし、校長を蹴り飛ばして気絶させる。ジニーは警察に通報するが、イタズラと思われ相手にされない。
目を覚ました校長は、フェリスの家から出て行こうとする際に慌てて財布を落とす。校長の車はレッカー移動されている。
シカゴからの帰り、キャメロンはフェラーリの走行距離が増えていることに気づき、父親に気付かれることを恐れて茫然自失となる。
キャメロンの自宅へ戻ったフェリスとスローアンは、プールでくつろぐ。ショックで硬直したままのキャメロンは、いきなりプールに転落する。キャメロンはしばらく気を失っていたが、フェリスの呼びかけにより目を覚ます。
ジニーは強盗の件を通報するため、自ら警察に出向している。薬物所持で連行されたある青年が、ジニーに話しかける。話の成り行きから、ジニーは自分の悩みを青年に打ち明ける。青年はジニーに、兄を憎むのではなく自分を見つめ直せ、とアドバイスする。ジニーと青年は恋に落ちる。
映画『フェリスはある朝突然に』の結末・ラスト(ネタバレ)
正気に戻ったキャメロンは、今日のおかげで過去の自分を振り切ることができたと、フェリスとスローアンに話す。キャメロンは、父親に臆することなく自分の意見を述べる勇気を手に入れた。
キャメロンが父親への反発にフェラーリを蹴りつけると、動き出したフェラーリは窓を破って階下の庭へ転落する。三人は蒼白するが、キャメロンは自分が責任を取る、と頼もしい面を見せる。
フェリスとスローアンはキャメロン宅を後にする。両親の帰宅時間までにベッドに戻っていなければならないフェリスは、スローアンにキスをして、自宅を目指して走り出す。
警察へ迎えに来たケイティと共に、ジニーは自宅へ向かう。ジニーが運転する車の前に、突然フェリスが飛び出してくる。フェリスの尻尾をつかんだジニーは、フェリスより早く帰宅するために猛スピードで車を飛ばす。ケイティはフェリスに全く気付いていない。
フェリスの父トムも、車で自宅に向かっている。トムは走っているフェリスを目撃するが、自分の息子だと気付かない。
何とか両親より早く家に辿り着いたフェリスの前に、待機していた校長が現れる。ズル休みの証拠を押さえた校長はフェリスを脅す。フェリスの直後に帰宅したジニーが、機転を利かせてフェリスを援護する。ジニーは校長の財布を手に、フェリスを解放しないと強盗で訴えると告げて校長を追い返す。
フェリスは大急ぎでベッドに戻る。フェリスの部屋に入ってきた両親は、一日中寝込んでいたという息子の嘘を信じる。
フェリスが、「人生は短い、楽しまないと嘘だ」と観客に語りかける。
映画『フェリスはある朝突然に』の感想・評価・レビュー
題名からして全然期待していなくて、なんとなく見始めたら面白くてやめられなかった作品。高校生のずる休みの一日のお話だが、こんなにハチャメチャな楽しい一日はない。特にパレードでのtwist and shoutを絶唱するフェリスのはじけっぷりといったらない。 見ているこっちも思わず体がリズムを刻んでしまう。リグレーフィールド球場や美術館などのシカゴの観光名所が出てきて、シカゴ好きの人も楽しめるかも。若き日のマシュー・プロデリックもキュート。(女性 40代)
こころの片隅に、いつでもこの映画があって、人生の事あるごとに思い出したりもう一度見たくなる作品。「人生は短い。楽しまなきゃウソだよ。」という語りかけで終わるラストは不思議な余韻を残す。誰しもが、フェリスのような生き方がしたい、こんな人になってみたいと少なからず思うであろう。ある日突然というところがとても良い。後先考えずに楽しいことをとことん追求する一日を過ごしてみたい。
親友や彼女を引き連れて、フェラーリを飛ばす爽快さが気持ち良く、若き日のマシュー・ブロデリックは粗削りな輝きに満ちた青年を好演している。コメディでありながら自分の人生と向き合いたくなる絶妙な作品。(女性 30代)
ナレーションの代わりに主人公フェリスが画面に向かって話しかけてくる演出を使い、観賞している側もフェリスの自由気ままな行動やポジティブな思考に巻き込まれているような感覚になる。
フェリス達が好き勝手に遊んでいる姿を見ていると、学校生活の中で親や先生の言う通りにしたくない気持ちや、ずる休みして遊ぶ楽しさと特別感があったことを思い出す。何でも上手くいってしまうフェリスのようにはなれないけれど、短い人生を思いきり楽しまなくちゃと思わせてくれる作品である。(女性 30代)
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