映画『フラッシュ・ゴードン』の概要:宇宙の支配者であるミン皇帝は、地球に様々な災害を発生させた。時を同じくして、アメフトのスター選手であるフラッシュは、小型飛行機に乗り込み空へと飛び立った。だが、途中で空に異変が起こり、パイロットがいなくなる事件が起こる。
映画『フラッシュ・ゴードン』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:SF、アクション
監督:マイク・ホッジス
キャスト:サム・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー、メロディ・アンダーソン、オルネラ・ムーティ etc
映画『フラッシュ・ゴードン』の登場人物(キャスト)
- フラッシュ・ゴードン(サム・J・ジョーンズ)
- アメリカンフットボールのスター選手。前向きで明るい性格。女性の誘惑に流されやすい。
- デイル・アーデン(メロディ・アンダーソン)
- 旅行会社の添乗員。飛行機が苦手。フラッシュと飛行機で乗り合わせ、ザーコフ博士の研究室に不時着したことから、ミン皇帝との戦いに巻き込まれていく。ミン皇帝に気に入られ、結婚させられそうになる。フラッシュのことが好き。
- ミン皇帝(マックス・フォン・シドー)
- 宇宙の支配者。1000年ごとに地震や嵐を発生させることで星を試し、自分にとって有害な生命体がいるか判断している。今回は地球に目をつけ、ザーコフ博士が気付いたことから、滅ぼすことを決める。残虐な性格で、人を殺すことに戸惑いがない。
- ハンス・ザーコフ博士(トポル)
- 元NASAの科学者。月が12度も軌道を逸れていることに気づき、地球が攻撃を受けていることを知るが誰も信じてはくれず、NASAを追われることとなった。
- オーラ姫(オルネラ・ムーティ)
- ミン皇帝の娘。父に甘やかされているため、我儘な性格。人を騙すことが得意。フラッシュのことを一目で気に入り、命を助ける。
- バリン公(ティモシー・ダルトン)
- オーラ姫の婚約者。オーラ姫が好き勝手に振る舞うことに嫌気がさしながらも、好きなため我慢している。
- バルタン公(ブライアン・ブレスド)
- 空を飛ぶことができる、鷹人の部族。バリン公と仲が悪く、常に争っている。
- クライタス将軍(ピーター・ウィンガード)
- ミン皇帝の部下。常に仮面を着けている。オーラ姫のことを気に入っている。
- カーラ将軍(マリアンジェラ・メラート)
- ミン皇帝の部下。美しい女性の将軍。ミン皇帝に忠誠を誓っている。
- マンソン(ロビー・コルトレーン)
- ザーコフ博士の助手。宇宙に調査に行くと言うザーコフ博士によって、シャトルに乗せられそうになるが、逃げ回って拒否の意思を示す。
映画『フラッシュ・ゴードン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フラッシュ・ゴードン』のあらすじ【起】
ミン皇帝は宇宙を観覧中に“地球”を発見する。平和そうな星だと皮肉り、機械を使って地震を発生させた。ミン皇帝は他にも“ハリケーン”や“熱いあられ”、“台風”などを自由に発生させることができた。
フラッシュは小型飛行機に乗り合わせた、美しい女性(デイル)に声を掛けた。デイルは旅行会社に勤める添乗員にも関わらず、飛行機が苦手で怯えていた。フラッシュは話をしながら恐怖を和らげようとするが、空が突然赤く染まり、厚い雲に覆われだした。
朝にも関わらず、太陽が出ていなかった。元NASAの研究者だったハンス・ザーコフ博士は助手のマンソンに、月の動径を調べるよう指示を出した。その頃、ニュースでは天体異変に特別な理由はないとNASAが発表していた。だが、ザーコフ博士は12度も月が軌道を逸れていることを知り、自分の考えが正しかったことを確信した。その考えとは、月が宇宙から巨大な圧力を受け、地球が攻撃されているというものだった。
空に一瞬ミン皇帝の顔が映り、小型飛行機のパイロットが忽然と消えた。フラッシュとデイルは必死に操縦するが、強い風に阻まれ機体は墜落するばかりだった。とりあえず2人は着陸することにした。小型飛行機はザーコフ博士の研究室に突っ込んで止まった。
ザーコフ博士はマンソンを連れて宇宙に行こうとしたが嫌がられたため、デイルを連れて行くことにした。親切な振りをして電話があると嘘を吐き、フラッシュ達をシャトルの中へと案内した。ザーコフ博士は銃で脅しながらフラッシュを外に出そうとするが、隙を突いて反撃され、揉み合っている内にシャトルが作動してしまう。
映画『フラッシュ・ゴードン』のあらすじ【承】
フラッシュ達が乗ったシャトルはミン皇帝領に不時着した。フラッシュは友好的に挨拶し握手しようとするが、護衛に捕らえられてしまう。フラッシュ達はミン皇帝に謁見することになった。フラッシュ達の目の前で、様々な部族がミン皇帝に貢物を披露していた。だが、ミン皇帝を殺害しようとした王子が、体の動きを止められ殺されてしまう。
ザーコフ博士は攻撃を止めるようミン皇帝に進言するが、受け入れられなかった。ミン皇帝はザーコフ博士達地球人を馬鹿にすると、デイルに不思議な力を使い意思を奪った。すると、デイルは美しく踊り出した。ミン皇帝はその姿に感動して、別室に連れて行くよう部下に指示を出した。フラッシュはデイルを助けるために戦うが、捕まってしまい処刑されることが決まった。デイルはフラッシュが毒ガスによって処刑されるのを、泣きながら見ていた。
処刑後、ミン皇帝の娘のオーラ姫は、処刑を執行した医師と共にフラッシュの亡骸を見に来た。医師がフラッシュの腕に注射器を打ち、オーラ姫がフラッシュにキスをすると、フラッシュの目が覚めた。オーラ姫はフラッシュのことが好きになっており、父に内緒で命を助けたのだ。
フラッシュはオーラ姫と逃げている途中で、ザーコフ博士がミン皇帝に尋問を受けているのを見てしまう。助けに行こうとするがオーラ姫に止められてしまう。ミン皇帝は1000年ごとに星をテストしていることをザーコフ博士に話した。地震や日食などの不可解な現象を起こし、自然災害だと見なされれば無害な存在だと判断し、異変を察知すれば自分達を脅かす存在として危険があると判断する。そして、神ダイザンを呼び寄せ、星を破壊してしまうのだ。ザーコフ博士は自分のせいで地球が危険な目に遭うと知り、愕然とした。
映画『フラッシュ・ゴードン』のあらすじ【転】
ミン皇帝の部下のクライタス将軍はザーコフ博士の脳を弄り、記憶を消去しようとした。だが、人間には完全な消去は耐えられないと思い、同じくミン皇帝の部下のカーラ将軍にレベル3までの処置を頼んで去っていった。カーラ将軍はクライタス将軍がいなくなると、勝手にレベル6の処置を施した。
フラッシュはオーラ姫の宇宙船の機械を使い、仲間を連れて助けに行くとテレパシーでデイルに伝えた。デイルはフラッシュが生きていたことに驚くが、心から喜んだ。現在デイルはミン皇帝の寝室に閉じ込められていた。フラッシュは隙を見て逃げろと、デイルに伝えた。
デイルは奴隷を酔わせて衣装を着替え、寝室から逃げ出した。カーラ将軍とクライタス将軍は監視カメラでデイルを捜索し、スパイとして配下につけたザーコフ博士を向かわせた。デイルはそんな事情は知らず、フラッシュが生きていることを話してしまう。クライタス将軍はデイル達を泳がし、フラッシュを見つけることにした。その後、ミン皇帝にそのことを進言した。ミン皇帝は裏切り者が誰であっても始末するよう指示を出した。
オーラ姫は婚約者のバリン公に助けを求めた。バリン公はミン皇帝に対して反逆行為になるから嫌だと断るが、オーラ姫は自分の美貌を使い、フラッシュを匿ってもらった。オーラ姫は1人で城へと戻るが、クライタス将軍とザーコフ博士に捕まり尋問される。父も助けてはくれなかった。
ザーコフ博士とデイルはフラッシュに会いに行く途中で、バリン公と敵対関係にある部族の、バルタン公の手下に捕まってしまう。バルタン公はミン皇帝にデイルを送り、温情を得ようとしていた。ザーコフ博士とデイルは、バリン公の元にデイルがいることを話し、今がミン皇帝を倒すチャンスだと説得した。
映画『フラッシュ・ゴードン』の結末・ラスト(ネタバレ)
バリン公はオーラ姫との約束の手前、フラッシュに直接手を下すことはできないため、試練を与えた。それは、切株の中に1つだけケモノを入れ、手を入れて安全か確かめる儀式だった。フラッシュは怖がって嫌がるが、バリン公が自ら手を入れ、臆病者と罵った。フラッシュも負けじと手を入れ、お互い交互に手を入れて確認した。フラッシュが手を入れると、ケモノに手首を噛まれてしまう。そのケモノの傷は体内に入ると、死が訪れるまで狂気が続く恐ろしい毒になった。フラッシュが死を願うと、バリン公は剣を鞘から取り出した。フラッシュは隙を突いて剣を奪い、逃げ出した。噛まれたのは演技だったのだ。
バリン公はフラッシュを追いかけて殺そうとするが、バルタン公の手下に止められ、バルタン公の元まで連れて行かれる。デイルはフラッシュとの再会を喜び、ザーコフ博士に聞いた情報を教えた。それは、月が地球に激突するまで、後14時間しかないということだった。だが、話している途中で、2人は引き離されてしまう。フラッシュはバリン公の申し出により、1対1で決闘することになった。フラッシュが勝ってバリン公が下に落ちそうになるが、フラッシュは見捨てることなくバリン公を助けた。2人は仲直りをして、ミン皇帝を倒すため協力することにした。
クライタス将軍が宇宙船に乗ってバルタン公の城までやって来た。そして、ザーコフに裏切り罪で処分することを告げ、バリン公を逮捕しようとした。バリン公は反撃し、フラッシュがクライタス将軍に体当たりして棘の上に飛ばした。クライタス将軍は体中に棘が刺さり、亡くなってしまう。バルタン公はミン皇帝の報復を恐れて、仲間と共に逃げていった。
ミン皇帝がやって来て、フラッシュに王様にならないかと提案を持ち掛けてきた。フラッシュに興味を持ったのだ。だが、地球の領土は災害でボロボロになり、残った人達はミン皇帝の奴隷として支配下に置くつもりだった。フラッシュが話を断ったため、ミン皇帝はデイルとザーコフ博士を連れて、バルタン公の城を攻撃した。デイル達はフラッシュが殺されたことを悲しむが、フラッシュは城が倒壊する前に残されていた機械を使い脱出していた。
オーラ姫は捕らえられていたバリン公とザーコフ博士を救い出した。フラッシュはバルタン公とバルタン公の仲間と共に、ミン皇帝の手下達をやっつけ、戦艦を乗っ取った。カーラ将軍は無線が途絶えたことを不審に思い、戦艦への攻撃を指示した。フラッシュは戦艦をミン皇帝の城に当てて攻撃するため、バルタン公を逃がし、1人で操縦し続けた。
バリン公達は協力してカーラ将軍を倒した。バリン公はフラッシュが攻撃を仕掛けていることを知り、1人で先を進み、城にバリアを張っている機械を破壊した。フラッシュは戦艦ごと城に突っ込んだ。ミン皇帝は戦艦の先端が腹に突き刺さってしまう。フラッシュに攻撃する力は残っていなかったため、自分に使い姿を消した。地球は無事に救われた。
バリン公が次の皇帝の座に就き、バルタン公が将軍となった。だが、どこか遠くで、ミン皇帝の笑い声が響いていた。
映画『フラッシュ・ゴードン』の感想・評価・レビュー
伝説のバンド、クイーンによる楽曲の格好良さが光るが、作品とどこか噛み合えていない印象があった。
劇中のミニチュアや衣装、演出に至るまで、どこか古臭く、チープな作りである印象が強く、物語としても、深みが足りず、特にミン皇帝のキャラクターが短絡的で、ただ悪い奴という印象しか残らず、キャラクターに感情移入しようにも、情報が足りないと思うところがあった。
クイーンの楽曲「Flash」に時折流れる劇中のセリフやPVの出所がわかるだけでも、一見の価値あり。(男性 20代)
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