この記事では、映画『キラーコンドーム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『キラーコンドーム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『キラーコンドーム』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:コメディ、ホラー
監督:マルティン・ヴァルツ
キャスト:ウド・ザメル、ペーター・ローマイヤー、イリス・ベルベン etc
映画『キラーコンドーム』の登場人物(キャスト)
- ルイジ・マカロニ(ウド・ザメル)
- 32センチの男性器を持つ、ゲイの刑事。コンドームに片方の睾丸を噛みちぎられ、事件解決と復讐を誓う。いつもくわえタバコで、渋い男。
- ビリー(マルク・リヒター)
- 男娼。マカロニに誘われ、体を許す。心身ともにマカロニを好きになる。若く、美しい男。
- ボブ・ミラー(レオナルド・ランシンク)
- 元警察。過去にマカロニと体の関係があった。今は女装をして、ホテルのバーで歌を歌っている。マカロニに未練を抱いている。
- ボリス・スミルノフ(ラルフ・ヴォルター)
- 生化学の研究者で、ゴム研究所の所長。監禁され、キラー・コンドームを作らされている。ゼリーが大好きな博士。
映画『キラーコンドーム』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『キラーコンドーム』のあらすじ【起】
ニューヨークにあるいかがわしいホテル。このホテルに今、ある男女が入ってくる。教授と女子大生という関係の二人。教授は女子大生を騙してこのホテルに連れて来た。教授は女子大生に、単位と引き換えに性行為を要求する。女子大生は泣きながら服を脱ぎ始める。備え付けのコンドームを手に取った教授。いきなり自分の性器にコンドームを装着すると、教授の性器から血しぶきが上がる。
このホテルでは、同じような事件が4件も起こっていた。警察は、娼婦が男性の性器を噛みちぎったとして捜査を開始する。事情聴取には、女子大生の姿もあった。
この事件を担当するのは、マカロニという名前の刑事。くわえタバコでニューヨークの街を闊歩し、この街は病んでいるというセリフを吐くマカロニは、捜査のために事件のあったホテルへと向かう。
そのホテルで、美少年を見つけたマカロニ。彼は、ビリーという名前の男娼で、マカロニはビリーに興味を示す。マカロニは、ゲイなのだ。
映画『キラーコンドーム』のあらすじ【承】
マカロニはビリーを誘って、昨晩教授と女子大生が事件を起こした部屋へと向かう。途中、マカロニが以前に関係を持ったボブという男が二人の邪魔をする。ボブはマカロニに未練があり、未だに愛しているという。しかし、マカロニはボブを相手にしようとしない。
ボブを追い払い、部屋へと入ったマカロニとビリー。早速二人は服を脱ぎ始める。ボブの性器を見たビリーは驚愕する。ボブは、32センチの男性器を持つ男だったのだ。
行為の途中、備え付けだったコンドームが勝手に動き出す。それを追いかけたマカロニは、片方の睾丸を食いちぎられてしまう。
病院に入院することになったマカロニ。担当する女医に、しっかりと薬を飲むようにマカロニは注意される。
その後、同じホテルで同じような事件が多発する。マカロニが入院している間に、13人の被害者がでてしまう。マカロニは、仇打ちだと言ってコンドームへの復讐を誓う。
捜査を開始したマカロニの前に、ビリーが姿を現す。ビリーはマカロニに、体だけでなく心も惹かれていた。しかし、マカロニは体だけの関係を求めようとする。そして、ビリーを追い払う。
映画『キラーコンドーム』のあらすじ【転】
ホテルの監視を始めたマカロニ。すると早速事件が起きる。上司から、警察の威厳のために事件から手を引けと言われるマカロニ。しかし、彼は復讐のために捜査を諦めないと訴える。
警察の内部や世間一般では、コンドームが事件を起こすということは奇想天外すぎて信じられていない。その代わりに、娼婦やビリーが犯人として指名手配されてしまう。マカロニは、この現状に落胆する。
ボブがマカロニの自宅に侵入し、体の関係を強要する。ボブは、ホテルからキラー・コンドームを持参していた。それを知ったマカロニは、まずはキラー・コンドームの退治が最初だとボブに言う。マカロニはガスホースをキラー・コンドームに噛みつかせ、膨らませて破裂させるとこに成功する。
大量生産されたキラー・コンドームが暴れまわる。その頃、事件のあったホテルへと向かったマカロニは、ビリーが男娼として働いているのを見つける。二人はお互いにお互いを意識し始め、エレベーターの中で抱き合う。
映画『キラーコンドーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
生化学の研究者で、ゴム研究所の所長だったスミルノフが行方不明になっていたという情報が警察に入る。
鼻を噛まれた被害者の女性が、スミルノフの写真に写っている男が教会でコンドームを持っていたと証言する。警察は、急いで病院内にある教会へと向かう。
教会の中に、秘密の地下室を発見したマカロニ。そこには、キラー・コンドームを作るスミルノフがいた。キラー・コンドームの正体は、人工生物だったのだ。
黒幕は、病院でマカロニがお世話になった女医だった。彼女は狂信的な聖書信者で、子孫を残すこと以外の性行為を罪だと思っていた。それでスミルノフを監禁し、キラー・コンドームを生産していたのだ。
マカロニは、地下室に監禁されていた人達を救い出し、女医を追い込む。ビリーを人質に取った女医にマカロニは、人間の自由について説く。たとえ男同士だろうと、人は自由に愛して良いのだと語る。女医は観念し、大量のキラー・コンドームが蠢いている水の中に飛び込み自殺をする。
事件は無事に解決する。マカロニは刑事を引退する旨を上司にして、ビリーと一緒に歩き出すのだった。
映画『キラーコンドーム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
タイトルからして分かるが、決して真面目に観てはいけない作品である。こういったキラーシリーズといえば、アタックオブザキラートマトなど様々なものがあるが、この作品が一番有名どころではないだろうか。いわゆるB級映画に当たるので、期待して観ると痛い目を見てしまうが、話のネタとしては最適なので、あくまでも軽い気持ちで鑑賞する事をオススメする。一応同性愛についてのメッセージも込められているので、軽いオチはついている内容となっている。(男性 30代)
絶対にB級作品だし「なんだこれ」と思うだろうから見ちゃダメだと分かっていても、見たくなってしまうコアなファン向けの作品。タイトルからして真面目なストーリーでは無いのは分かっていましたが、それにしてもコンドームが生きているというありえない展開は苦笑の連続でした。
コンドームに噛みちぎられて血が噴き出すシーンから始まりますが、その後はゲイの恋模様を描いたラブストーリー的な要素もあり、ラストはまさかの犯行動機。とにかくハチャメチャな作品でした。(女性 30代)
とんでもないタイトルに釣られて観たけど、予想以上にシュールでブラックな笑いに溢れた映画だった。人喰いコンドームという時点でぶっ飛んでるのに、意外と社会風刺も効いてる。ゲイの刑事が主人公という設定も当時としては珍しく、予想外に真面目な部分もある。ラストの親子関係のオチには苦笑いしました。(20代 男性)
ホラーとコメディの境界線を見事にぶち壊した問題作。最初は冗談だと思って見始めたけど、意外と丁寧に作られていて驚いた。スプラッター描写も派手で笑えるし、LGBTQ+の描写もただのギャグではなく芯を感じた。馬鹿馬鹿しいけど、どこか切ない余韻がある。(30代 女性)
80〜90年代のカルト映画特有のチープさが逆にクセになる。ニューヨークの陰鬱な雰囲気と、襲ってくるのがコンドームっていうギャップが絶妙。犯人の動機も「男が無責任に性を扱いすぎるから」という割と真っ当な怒りで、妙に納得しそうになった。笑えるけど考えさせられる珍作。(50代 男性)
最初から最後まで「なにこれ?」って感じで観てたけど、気づいたら楽しんでた。コンドームが人間を襲うって、突飛なアイデアなのに最後までテンション落ちないのがすごい。ゲイの探偵と若い男との恋愛が意外と感動的だったのもポイント高い。変な映画だけど、嫌いになれない!(20代 女性)
予想外に真面目なテーマをはらんだおバカ映画。男の欲望や社会の性に対する歪みを、食人コンドームというジョークで包んで描いている点に唸らされた。ゲイの主人公が真剣に恋愛してるところも、思ってた以上に誠実だった。バカバカしさとメッセージのバランスが絶妙。(40代 男性)
コメディホラーとしては十分すぎるクオリティ。とにかくアイデア勝負の一本。グロいけど不快じゃなく、むしろ可愛い(?)キラーコンドームの造形が妙に愛嬌ある。性的マイノリティの描写が古くならず、今でも十分観る価値あり。珍品好きにはたまらない映画。(30代 女性)
くだらないけどクセになる!この映画の魅力は、B級に見せかけて実は意外と緻密に作られてるところ。特にクライマックスの実母との対決は、笑っていいのか泣いていいのか分からなかった(笑)。シニカルなユーモアが効いてて、深夜に観るには最高の一本。(60代 男性)
ぶっ飛びすぎてて逆に感動した。真面目に観ようとするとアホらしいけど、これはもう“ノリ”を楽しむ映画。主演の刑事が恋する相手を守るために戦う姿が、めっちゃ熱くて謎にカッコよかった。ホラーとして観るより、ラブストーリーとして観ると味がある。(10代 女性)
映画『キラーコンドーム』を見た人におすすめの映画5選
ブレインデッド(1992)
この映画を一言で表すと?
血しぶきと笑いが吹き荒れる、スプラッターコメディの金字塔。
どんな話?
過保護な母親が謎の猿に噛まれてゾンビ化!主人公は母を守ろうとするも、次々に感染が広がり街は大混乱に。血と内臓が飛び散る中で、奇妙な親子愛が描かれるホラーコメディ。
ここがおすすめ!
『キラーコンドーム』同様、グロテスクとコメディが絶妙に融合。特に後半のスプラッターシーンは史上最多の血量とも言われる伝説的演出!バカバカしいのに、どこか人間臭い感動すらあるのが魅力。
スリザー(2006)
この映画を一言で表すと?
寄生虫×ラブコメ×田舎町、奇妙で愛おしいホラーSF。
どんな話?
田舎町に墜落した隕石から、未知の寄生生命体が出現。町の住民が次々と侵食されていく中、主人公は人類と妻の命を守るため奮闘する。ギャグとグロが共存する異色のエンタメ作品。
ここがおすすめ!
ユーモアとホラーのバランスが『キラーコンドーム』を思わせる一本。グロテスクだけどどこか人情味があり、愛すべきB級テイストが満載。ジェームズ・ガン監督の原点ともいえるカルト作品。
バスケットケース(1982)
この映画を一言で表すと?
“分離された双子”が巻き起こす、愛と狂気のホラー。
どんな話?
バスケットの中に潜むのは、手術で分離された奇形の双子。兄弟の奇妙な絆と復讐劇を描いた、80年代カルトホラーの傑作。チープな映像と過激な展開が癖になる一本。
ここがおすすめ!
不気味なのに泣ける、そんな不思議な感情を呼び起こす作品。低予算ながらアイデア勝負で観る者を惹きつけ、グロとユーモアの間を器用に行き来する点が『キラーコンドーム』ファンにぴったり。
トキシック・アベンジャー(1984)
この映画を一言で表すと?
正義と汚物が爆発する、地球一臭いヒーロー映画!
どんな話?
いじめられっ子の青年が有毒廃棄物で変異し、怪力ヒーロー「トキシー」に変身!街の悪を次々と倒していくが、その姿は醜悪で涙なしには語れない。トロマ映画の代名詞的カルト作品。
ここがおすすめ!
過激な暴力描写にブラックユーモアを加えた独特の世界観は、『キラーコンドーム』と同じ“笑えてグロい”ジャンル。下品なのに妙にヒーローしてるバランス感がクセになります。
ラバー(2010)
この映画を一言で表すと?
タイヤが人間を殺す、それだけ。でも最高にアート。
どんな話?
目覚めた意識を持つ“タイヤ”が、念力で人々の頭を爆発させていく。なぜ?どうして?そのすべてが「意味はない」。そんなメタ的かつ異常な作品が観客の常識を破壊してくる。
ここがおすすめ!
『キラーコンドーム』が好きなら、この“タイヤ殺人”映画も絶対ハマるはず。常識を逆手にとった作風、意味のなさを楽しむセンス、そして妙な哲学性まで、すべてがぶっ飛んでいて面白い!
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