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映画『フォクスター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フォクスター』の概要:ウクライナ発の痛快SFアクション!コミックスが大好きでイラストレーターを目指しているマックスは、学校で虐められ、片思いしている女の子にも話しかけられず、母親からは犬を飼うことを反対され孤独な日々を送っていた。ある日高架下で落書きをしていた彼は、偶然にもロボット工学の研究室から盗み出されたナノボットを手に入れる。

映画『フォクスター』の作品情報

フォクスター

製作年:2019年
上映時間:90分
ジャンル:SF、アクション
監督:アナトリー・マテシュコ
キャスト:ボーダン・コジー、ローマン・ハライモフ、ヴラディスラフ・マムチャー、トマシュ・オスヴィーチンスキ etc

映画『フォクスター』の登場人物(キャスト)

マックス・スコリク(ボフダン・コージイ)
コミックスが好きなオタク少年。夢はイラストレーターになることだが、どうせ無理だとはなから諦めている。クラスメイトのソーニャに想いを寄せているが、ソーニャの彼氏であるダンとその取り巻きに虐められ、彼女のことを遠目で見る日々を過ごす。共働きの両親へ「犬を飼いたい」と言い続けているも、部屋の片づけすらできないのに犬は飼えないと反対されている。深夜に家を抜け出し高架下で落書きをしていたところ、ヤモリが落とした筒状の缶をスプレー缶と勘違いし壁へ噴射、理想とするロボット犬の姿を描き、それが実体となる。
アレックス(ダリア・ポールニナ)
GR社で高性能ナノボットを開発した研究者。盗まれたナノボットを独自に追跡し、マックスに辿り着いた。高度なセキュリティを簡単に破ったヤモリには感服している。
ヤモリ / ゲッコー(マキシム・サムシェク)
ミロンから通称“ヤモリ”と呼ばれている青年。盗みのプロ。父親がミロンに大きな借金をしており、そのツケを払うために盗みなどのハイリスクな犯罪を担がされている。ナノボットを狙う中で、まだ幼いマックスを巻き込もうとするミロンへ反抗心を抱く。
ソーニャ(ヴィターリア・ターチェン)
マックスのクラスメイト。ダンはソーニャのことを「自分の彼女だ」と言い触らしているが、実際には違う。フォクスターの力を借りて自分へアピールするマックスに惹かれていく。
ダン(マクシム・ロディオノフ)
マックスを虐める乱暴なクラスメイト。ソーニャのことを「自分の彼女だ」と言い触らし、彼氏然と接している。ソーニャの関心を奪ったマックスに復讐するため、彼のことを探していたヤモリに個人情報を渡してしまう。
ミロン(トマシュ・オスヴィーチンスキ)
自身の名を冠したミロン・コーポレーションの悪徳社長。手下の企業スパイからGR社のナノボットの存在を聞くと、仮装通貨を自在に動かし街の支配者となろうと考え、ヤモリにナノボットを奪うよう命じた。

映画『フォクスター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フォクスター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フォクスター』のあらすじ【起】

虐められっ子のマックスは、良き友人となる犬を飼いたがっていた。しかし、彼の母親は「片づけもできないのに世話できる?」とだらしない性格の息子を叱っては、犬を飼うことに反対した。

GR社では、高性能ナノボットを開発したアレックスがプレゼンを行っていた。ミロン・コーポレーションから企業スパイとして研究室へ潜り込んだ男は、新しいナノボットはどんなウイルスにも対応・撃退でき、データの保護にも有効であると聞くや、急いでミロンへ報告しに向かった。ナノボットは究極のハッカーであると聞かされたミロンは、ヤモリを呼び付けナノボット強奪を命じた。

GR社のラボへ侵入したヤモリはナノボットを手にしたが、警備員に見つかり追われてしまった。彼が深夜の街を逃走する一方で、家を抜け出したマックスは高架下で音楽を聴きながら壁に落書きをしていた。橋の上で攻防戦を繰り広げたヤモリはナノボットの入った缶を落としてしまい、マックスは足元にある見慣れない缶をスプレー缶と勘違いし壁へ噴射した。すると、自分の思った通りにロボット犬の姿が描きあがった。缶を回収しに来たヤモリは壁に描かれた犬を見て、「クールだ」とマックスを褒めた。

ヤモリはGR社から持ち出した缶をミロンへ渡したが、中には何も入っておらず、再びナノボットを探すよう命じられた。

マックスによって描かれたロボット犬は、壁から抜け出し立体となった。ロボット犬は自分を生み出したマックスの後を、透明になって追いかけた。

ナノボットを盗まれたアレックスは、警察の捜査を信用せずに自ら犯人捜しを進めた。彼女はナノボットの活動を停止させる電波中和銃を用意すると、ナノボットが行動を起こした際に発せられる信号を頼りに追跡を開始した。

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映画『フォクスター』のあらすじ【承】

ナノボットの在り処を探すヤモリは、缶を落とした高架下へ再び足を運んだ。彼は昨夜の少年が描いていた犬の落書きが綺麗に消えていることに気付き、側にあった「マックス」というサインを手掛かりに少年を探した。

透明化したまま学校へ行くマックスに付いて回るロボット犬は、ダンに虐められるマックスに反撃の手を貸した。見えない力によって思い通りに体が動いたマックスは、困惑しつつも彼らを返り討ちにした。その帰り道、ペンを買いに店へ寄ったマックスは魔が差して色ペンを万引きしようとしたが、再びロボット犬の見えないサポートによって未遂に終わった。

高架下を訪れ自分の落書きを確認しようとしたマックスは、自分の傑作が消えていることに気付き唖然とした。すると、透明化していたロボット犬が遂に姿を現し、マックスへ話しかけた。驚いたマックスは逃げ出し部屋へ戻ったが、透明になって付いて来たロボット犬は「僕は極小のナノボットでできている、君が描きたがってたからロボット犬になった。生みの親に仕えるようにできてる」と説明した。その日の夜、物怖じしてコミックアート・コンテストへの応募を悩むマックスに代わり、ロボット犬は彼のイラストを送信した。

コミックショップの監視カメラからナノボットを持つ少年を見つけたアレックスは、彼と共にいるナノボットを追跡した。

「犬」について学び公園へ行きたがるロボット犬は、マックスが本物の犬の姿を望んだため生体そっくりに擬態した。人語を操るロボット犬は彼へワイヤレスイヤホンを渡すと、彼と自然に会話できるよう配慮し、マックスは憧れだった「犬の散歩」や遊びを楽しんだ。ナノボットの反応を追ってマックスを監視していたアレックスは、ナノボットが本物の犬に変貌を遂げ人間の感情を学んでいることに興味を持ち、秘かに「ディープラーニングの成功ね」と喜び回収を先送りにした。

映画『フォクスター』のあらすじ【転】

「犬」と遊ぶマックスはソーニャに話しかけられ、ペットの名前はフォクスターだと紹介した。アート・プラットホームに行くと言い友人らと公園を去る彼女を引き留められなかったマックスは、ダンがいるからソーニャへ想いを伝えられないとフォクスターへ打ち明けた。フォクスターは彼をアート・プラットホームへ連れて行くと、ソーニャの前でダンスバトルを披露していたダンへ対抗するため、マックスを爽やかイケメンにイメチェンさせた。

「マックス」を探すヤモリはミロンからナノボットの回収を急かされる中で、アート・プラットホームでパフォーマンスと共にグラフィックを完成させた少年がいると知り会場を訪れた。壁を垂直に登ったり、空中で制止したりするマックスのパフォーマンスを撮影していたダンは、「マックス」を探すヤモリに声をかけられ、マックスがトラブルに巻き込まれるのを期待して彼の名前と住所をヤモリへ渡した。

ソーニャの心を掴んだマックスは、家へ入る前に透明に戻るようフォクスターへ言ったが、尾行していたヤモリは忽然と消えた犬を目撃してしまった。そんなマックスは帰宅するなり父親の転勤に伴う引越しを知り、両親の制止を振り切って家を飛び出した。マックスを追いかけた父親は、道路に飛び出した瞬間車に撥ねられてしまった。

ヤモリは父親から逃げるマックスが落としたフォクスターの欠片を拾ってミロンへ届けたが、そこから複製が作れないと知った彼はマックスごと「犬」を連れて来いとヤモリへ命じた。

マックスは、父親を助ける能力があったのにそれを駆使しなかったフォクスターを責めた。マックスは「逃げたがっていた君の気持ちを尊重した」と言うフォクスターへ「友だちだと思ってたけど、君って何なの?」と怒り、ワイヤレスイヤホンを投げ捨て父親の病室へ向かった。

マックスの父親は、腕を骨折しただけで一命は取り留めた。病室で冷静に語り合った家族は引越しを取りやめ、マックスは自分を待っていたフォクスターと和解した。そこへ事故の話を聞いて心配したソーニャが駆け付け、二人は違法駐車されたスポーツカーに乗ると、透明化し姿を隠したフォクスターの力を借りてドライブへ出かけた。

映画『フォクスター』の結末・ラスト(ネタバレ)

マックスとソーニャが乗る車はアレックスをはじめ、少年を巻き込みたくないと思いつつも追うヤモリ、躊躇いを見せたヤモリを監視するよう命じられたミロンの腹心アルカンに尾行されていた。自分の他に不審な男達がナノボットを追っていると感じたアレックスはスポーツカーに向けて電波中和銃を放ち、フォクスターの機能を低下させた。

ソーニャは、「ちゃんと運転しろ」と“幻の友達”へ怒鳴るマックスに恐怖を感じ、車から後ずさった。そこへアルカンが忍び寄り、彼は子供達を連れ去った。三人が去りようやくナノボットに近付いたアレックスは、フォクスターと名乗る彼から「子供達を助けてくれ」と頼まれ、マックスが持つイヤホンの信号を頼りにミロン・コーポレーションへ向かった。しかし、イヤホンは既にアルカンに奪われており、アレックスとフォクスターの会話は彼に筒抜けだった。アレックスもまたミロンの元に囚われてしまった。

ミロンは、フォクスターの“飼い主”を変更するようアレックスに迫った。ソーニャを人質に取られた彼女はミロンやマックス、ヤモリと共に自社のラボへ戻り、情報を書き換えるフリをした。ミロンはその間にナノボットを使用して野望を達成すると豪語し、ヤモリはその発言を録画し警察へ送信、アレックスとヤモリはアイコンタクトを取りフォクスターを解放しミロンの動きを封じさせた。

自由になったフォクスターはマックスへ「あんなイカレ野郎の兵器になんかなりたくない」と言い、自分を解体するよう願った。マックスがフォクスターをナノ粒子に戻した時、拘束が解けたミロンは再びソーニャを盾にすると、警察から逃げるために屋上へ向かった。

実体を失ったフォクスターは、マックスの体内に存在を隠した。ソーニャを助けようと勇気を振り絞ったマックスはフォクスターの力を借りて超人的な動きを体得し、ミロンを倒してソーニャを救った。

固定の姿を持たなくなったフォクスターを缶へ戻したアレックスは、厳重な警備を破ってナノボットを盗んだヤモリに「情報漏れ防止とセキュリティのプロを募集してる」と声をかけ、彼を雇用した。

街の大悪党ミロンとの闘いから数日経ち、マックスの元にはコミックアート・コンテスト最優秀賞の通知が届いた。彼は本物のアーティストと1年働けるインターンシップの権利を得、さらに、両親から本物の子犬をプレゼントされた。犬の名前はフォクスターで決まりだった。

映画『フォクスター』の感想・評価・レビュー

ウクライナで大ヒットを記録したSFアクション・アドベンチャー。犬を飼いたいと望む孤独なオタク少年が偶然ナノボットを手にし、理想のペットと共に街の悪党と戦う物語。多少設定の曖昧な部分に目を瞑れば、子供と楽しく観ることのできる痛快なアクション映画だった。

マックスはイラストを描くのがとても上手であることを、もう少し詳しく見たかった。本当は才能に溢れているにも関わらず、両親の仕事に振り回され、友人に恵まれない孤独な少年という背景がはっきりしていればより応援したくなったかもしれない。(MIHOシネマ編集部)

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