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映画『フラクチャード』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『フラクチャード』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フラクチャード』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『フラクチャード』の結末までのストーリー
  • 『フラクチャード』を見た感想・レビュー
  • 『フラクチャード』を見た人におすすめの映画5選

映画『フラクチャード』の作品情報

フラクチャード

製作年:2019年
上映時間:100分
ジャンル:サスペンス
監督:ブラッド・アンダーソン
キャスト:サム・ワーシントン、リリー・レーブ、スティーヴン・トボロウスキー、アッジョア・アンドー etc

映画『フラクチャード』の登場人物(キャスト)

レイ・モンロー(サム・ワーシントン)
リフォーム会社に勤務。規律を守る律義な性格だが、8年前はアルコール依存症で前妻を事故で亡くしている。6年前にジョアンと結婚し、ペリーを儲ける。精神疾患を患っているが、本人に自覚はない。
ジョアン・モンロー(リリー・レーブ)
レイの2人目の妻でペリーの母親。金髪の女性で夫婦仲はあまり良くなく、いつも喧嘩ばかりしている。娘を深く愛し大切にしている。
バートラム医師(スティーヴン・トボロウスキー)
ペリーの傷を診た老医師。温和で優しい印象がある。
アイザックス医師(アッジョア・アンドー)
バートラム医師と交代し、夜勤に入った医師。髭を蓄えている。
ペリー・モンロー(ルーシー・カプリ)
レイとジョアンの娘。幼いながらも非常に利発で可愛らしい。レイが大好き。

映画『フラクチャード』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『フラクチャード』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フラクチャード』のあらすじ【起】

感謝祭の日、レイ・モンローは妻ジョアンと幼い娘ペリーの3人で実家へ訪れた後、帰宅の途に就いていた。ジョアンとは大分前から夫婦仲はあまり良くなく、車中では口喧嘩が絶えない。ペリーが排泄を訴えたため、最寄りのガソリンスタンドへ寄ったが、トイレ後おもちゃのコンパクトがいなくなったと騒ぎ出す。ジョアンがトイレへ探しに向かっている間、レイは娘が座っている後部座席を探すことに。

ところが、そうしている間にペリーへと野良犬が迫る。すぐそばには建設途中の工事現場が放置されており、犬に怯える娘は後退りして今にも落ちそうである。レイは犬を追い払ったが、その拍子にペリーは工事現場へ落下。レイも娘を追って3メートル近くある工事現場の底へ転落してしまうのだった。

幸い、ペリーとレイに命の別状はなかったが、娘が腕の痛みを訴える。ジョアンも慌てて戻って来て、夫婦は急いで近くの病院へ向かった。しかし、病院は酷く混雑しており呼ばれるまで待てと言われる。

しばらく後、別室へ呼ばれ酷く事務的な質問を受けようやく診察へ。老齢なバートラム医師が娘を診てくれた。バートラム医師はとても優しかったが、転落時に頭を打ったことから医師は頭部スキャンをしたいと言う。レイは家族のためならどんなことでもすると断言した。

映画『フラクチャード』のあらすじ【承】

検査室へ向かう際、付き添いは1人しか許可できないと言われジョアンが付き添う。レイは待合室で待つことに。待っている間、転寝してしまったレイ。外はもう日が暮れそうになっている。いくら何でも時間がかかりすぎではないだろうか。受付に聞くとバートラム医師はもう帰ったと言う。しかも、ペリーの名前は患者として記録が残っておらず、CTスキャン室には午前以降、幼い少女の検査はしていないらしい。記録に残っていなければ、いないも同然である。

レイは隙を突いて診察室へ向かったが、看護師とアイザックス医師に止められてしまう。事情を話して調べてもらったが、モンローはいないと言われる。対応してくれた看護師を発見したため、話を聞くと頭部の怪我の治療に訪れたのはレイだけだったらしい。レイは動揺して暴れてしまい、催涙スプレーと鎮静剤を打たれ別室へ連行されてしまうのだった。

警備員が去った後、鎮静剤でふらつく自分を叱咤し、アドレナリンを探し出して自らへ大量に投与したレイ。どうにか意識を覚醒させ、部屋から脱出。すぐに追手がつけられ、レイは病院内を駆け回り外のゴミ箱に隠れて追手を撒いた。一旦、自分の車へ退避。一息ついた時、パトカーが見えたため、慌てて状況を説明した。

警官と一緒に再び病院へ向かったレイ。警官はレイの話を信じ、診察したバートラム医師を呼び出すよう命令。更にCTスキャン室は3階だとアイザック医師は言っていたが、妻と娘を見送ったレイはエレベーターが地下へ向かうのを見ていた。

映画『フラクチャード』のあらすじ【転】

ひとまずはCTスキャン室を見せてもらったが、診察記録はない。ようやくバートラム医師がやって来たため、彼から話を聞くとレイは確かに今朝、病院へ来たが、話す言葉に一貫性がなく検査を断って待合室で待つと言い張ったらしい。しかも、ジョアンではなく既に亡くなった前妻の名前を口走っていたらしい。

そこで、待合室の監視カメラ映像を確かめることに。しかし、カメラは古く映像は飛ぶし、カメラのアングルも固定でレイは映っているが、ジョアンとペリーが映っている映像はない。これでは家族がいたという証拠にはならない。そこで、レイはガソリンスタンドの売店の女が見ていたはずだと言う。その前に診察室でペリーのマフラーを発見。そこへ、軍の精神科医が呼ばれレイと共にジョアンとペリーを捜そうと言ってくれる。

周囲は誰もが、レイは精神異常をきたしていると思っている。前妻は交通事故で亡くなっており、その時レイはアルコール依存症でもあった。それは8年前のことでジョアンと結婚したのが6年前のこと。事故以降、レイは断酒し規程速度もきっちり守っていた。
ひととおり、レイの話を聞いた精神科医は事故現場へ向かってみた方が良いと進言。一行はパトカーにてガソリンスタンドの工事現場へ向かった。

警察犬にペリーのマフラーの匂いを嗅がせ捜索開始。すると、工事現場の穴の底でペリーのおもちゃのコンパクトが見つかり、更に大量の血痕も見つかった。レイは自分の血だと言い張ったが、精神科医はレイへと事故の前の状況をもっときちんと思い出せと言う。話を聞いた精神科医は、全てはレイが作り上げた妄想ではないかと話した。ジョアンとペリーはレイが殺したのではないかと。

映画『フラクチャード』の結末・ラスト(ネタバレ)

詰め寄られたレイは茫然自失となり、警官に逮捕されてしまう。しかしその時、警察犬が激しく吠える。レイはペリーが穴に落ちたのは現実に起きたことだと思い直し、警官から銃を奪い精神科医を人質に取った。それから近くの倉庫へ警官と精神科医を閉じ込め、パトカーを奪って病院へ。

レイは銃を手に裏口から中へと入った。見舞客を装って中を進む。8年前の事故当時の記憶が頭を過ったが、その後は白衣を着用し医師に成りすました。ところが、エレベーターで地下2階へ向かおうとしたが、鍵がなければ行けないことに気付く。そこで、レイは警備員を銃で脅し緊急停止したエレベーターの中で乱闘。どうにか警備員の意識を奪って鍵を入手し、目的の地下2階へと向かった。

ある部屋に入ったレイはそこで臓器を奪われた患者の遺体を発見。事務的な質問の中でも臓器提供に登録しろとしつこく言っていたことを思い出す。内臓の全てを奪われた患者は今朝、頭部外傷で救急搬送されて来た若者だった。他にも両目を取られた遺体もある。どうにか落ち着きを取り戻したレイは先に進んだ手術室で、今にもペリーが手術されそうになっている現場を発見。レイは銃を手に部屋へ飛び込んだ。すぐそばには意識を奪われたジョアンもいる。

アイザック医師と看護師は日中、レイが騒いだ時に対応した者達だった。レイは威嚇のつもりで銃を発砲。弾丸はガス管を破損させた。妻と娘を助けたレイだったが、隙を突いて看護師が飛び掛かって来る。レイは危うく鎮静剤を打たれそうになったが、ガス管に引火し軽い爆発が発生。医師や看護師は吹き飛ばされた。

ジョアンとペリーを車に乗せ早々に脱出。夜明けが近い。レイは童謡を唄い始めたが、後部座席には手術中だった青年が横たわっており虫の息である。ペリーと共に穴へ転落したレイは、頭部を強打し一時的に錯乱状態だった。ペリーはその時点で、すでに亡くなっておりジョアンもまたレイに突き飛ばされ飛び出ている杭で命を落としていた。

レイはショックのあまり、自ら記憶を作り出し妻と娘の遺体を車のバゲージヘ運び入れ、その記憶すらも自ら消し去ったのだ。病院が不法に臓器売買をしていた事実もなく、全てがレイの妄想である。彼はルームミラーに映るジョアンとペリーに話しかけながら、車を走らせるのであった。

映画『フラクチャード』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

NETFLIXにて配信されたアメリカのスリラー映画で、主演はサム・ワーシントンが務め、素晴らしい演技力を披露している。彼の演技力があったからこそ、今作がより面白くなっていると評価されている。

主人公は8年前、前妻を事故で亡くしており、その時に身籠っていた子供も亡くなっている。しかも、当時は彼自身アルコール依存症であったことから強い後悔を抱え、精神的にも危うい状態だった。再婚した後、多少は精神的に安定していたのだろうが、転落事故で娘が亡くなったことで精神状態が均衡を崩す。ストーリー上はその事実が巧妙に隠され、主人公の混乱した思考状態で進む。ラストシーンで真実が明らかになるため、サム・ワーシントンの演技力がいかに高いかが証明される仕組みだ。なかなかに面白い作品。(MIHOシネマ編集部)


最初は医療ミステリーかと思って観ていたが、物語が進むにつれ、すべてが主人公レイの“心の歪み”によるものだとわかる展開に鳥肌が立った。妻と娘を探す彼の必死さがリアルで、観客も彼と同じ幻覚に巻き込まれるような感覚になる。ラストで、彼が信じていた「妻と娘を救った」という記憶が妄想だったと明かされる瞬間、胸が締めつけられた。恐ろしくも哀しい心理スリラー。(30代 男性)


この映画は「信頼できない語り手」の恐ろしさを見事に描いている。序盤の事故シーンからずっと違和感があったが、まさか彼自身がすべてを作り出していたとは。愛する家族を失った父親の心の崩壊が、こんな形で表現されるとは思わなかった。観終わったあと、現実と幻覚の境界を考えさせられる。サスペンスとしてだけでなく、深い悲劇としても秀逸。(40代 女性)


Netflixオリジナルの中でもかなりの完成度。序盤の展開はスローだが、徐々に「何かがおかしい」と感じさせる演出がうまい。病院のスタッフ全員が嘘をついているように見えるのに、実際はすべて主人公の妄想という衝撃。娘と妻を“救った”と思っているラストの彼の笑顔が、逆に悲しすぎる。人間の心の脆さを突きつけられる作品。(20代 男性)


娘を守りたい父親の愛情が、狂気に変わっていく過程が見事。観客は最後までレイを信じているからこそ、真実が明かされたときの衝撃が倍増する。あのラストで、彼が車の後部座席に遺体を乗せて走っていると分かった瞬間、背筋が凍った。映像のトーンや音楽も不穏で、心理的な不安を増幅させる。深い余韻が残るスリラー映画。(50代 男性)


最初から最後まで「これは夢か現実か」を観客に問い続ける構成が秀逸。主人公が見ている世界がどこまで真実なのか分からず、まるで観る側まで混乱する。ラストで彼が信じていた“救出劇”が妄想だったと判明し、すべてのシーンが一瞬で悲劇に変わる。この映画は、サスペンスというより心理崩壊の物語だと思う。切なくも怖い傑作。(30代 女性)


愛する者を失った男の心が壊れていく過程を、サスペンスとして描いた秀逸な作品。最初は病院の陰謀ものかと思わせておいて、最後にすべてが彼の妄想とわかる構成が見事。観る人によってはホラーよりも怖い。レイが「彼女たちは車にいる」と信じ込んでいる姿があまりにも哀れで、観終わった後もしばらく余韻が消えなかった。(40代 男性)


この映画は“真実を知ることが必ずしも幸せではない”ことを突きつけてくる。妻と娘の死を受け入れられない父親が、無意識に都合の良い現実を作り上げてしまうという残酷な物語。ラストシーンの彼の穏やかな表情が逆に痛ましい。映像の色彩が寒々しく、彼の心の空洞を映し出しているようだった。心理サスペンスの隠れた名作。(20代 女性)


途中までは「病院が何かを隠している」と思い込んでいたので、真実がわかった瞬間に完全にやられた。レイが見ていたのは幻想であり、彼が信じていた“陰謀”は自分自身の心の産物。演出が非常に巧妙で、観客も主人公の幻覚に騙される構造が見事。Netflix作品の中でも特に心理描写が際立っている。最後の一秒まで目が離せない。(30代 男性)


「父親の狂気」をここまでリアルに描いた作品は珍しい。家族を想う気持ちが狂気へと変化していく描写が恐ろしくも切ない。中盤で病院内の人々が彼を“嘘つき扱い”する場面も、実は真実だったという皮肉な構成。現実と妄想の境界が完全に崩壊したラストは、静かな悲劇として心に残る。心理スリラー好きに強くおすすめ。(50代 女性)

映画『フラクチャード』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フラクチャード』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

シャッター アイランド(Shutter Island)

この映画を一言で表すと?

真実を追う男が、自らの心の闇と狂気に飲み込まれていく衝撃の心理スリラー。

どんな話?

孤島の精神病院から患者が失踪し、連邦保安官テディが捜査に乗り出す。しかし、調査が進むにつれ、島そのものが何かを隠していると感じ始める。次第に現実と幻覚の境界が崩れ、彼が直面する“真実”は想像を絶するものだった。

ここがおすすめ!

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオの名タッグが生み出した、心理サスペンスの金字塔。観るたびに解釈が変わる深い構成で、『フラクチャード』同様「何が現実か分からない」恐怖を堪能できる。

フォーガットン(The Forgotten)

この映画を一言で表すと?

「母親の記憶」さえも奪われた世界で、ひとり真実を追う女性の物語。

どんな話?

飛行機事故で息子を亡くした女性が、ある日突然「そんな子はいなかった」と周囲に言われる。彼女の記憶は幻なのか、それとも何か巨大な陰謀が隠されているのか――母の執念が現実の構造そのものを揺るがすサスペンス。

ここがおすすめ!

ジュリアン・ムーアの鬼気迫る演技が圧巻。愛する家族を信じ続ける強さと、現実が崩れていく恐怖を同時に体感できる。『フラクチャード』と同じく、“愛と狂気の境界線”を描いた秀逸なサイコスリラー。

セッション9(Session 9)

この映画を一言で表すと?

廃墟の精神病院に潜むのは“過去の闇”か、それとも人間の狂気か。

どんな話?

老朽化した精神病院の清掃作業を請け負った作業員たちが、次第に不可解な現象に巻き込まれていく。彼らが発見した古い録音テープには、恐ろしい真実が隠されていた。静かな不安と心理的恐怖がじわじわ迫る異色ホラー。

ここがおすすめ!

ホラーとサスペンスの絶妙な融合。派手な演出はないが、人間の心が壊れていく過程をリアルに描く。『フラクチャード』のように、観る者の精神まで侵食してくる没入感が魅力。静かに狂気が広がる名作。

ミスティック・リバー(Mystic River)

この映画を一言で表すと?

失われた“家族”と“正義”をめぐる、魂を揺さぶるサスペンスドラマ。

どんな話?

幼なじみの3人の男。ある日、そのうちの1人の娘が殺される事件が発生する。警察の捜査とともに、それぞれの過去が暴かれ、友情と正義の間で揺れる男たちの心に取り返しのつかない悲劇が訪れる。

ここがおすすめ!

クリント・イーストウッド監督による重厚な人間ドラマ。表面的な事件の裏に潜む“心の傷”が『フラクチャード』と重なる。ショーン・ペンとティム・ロビンスの演技は圧倒的で、観る者の感情を深く揺さぶる。

ザ・マシニスト(The Machinist)

この映画を一言で表すと?

眠れぬ男が見たのは現実か、それとも罪の幻影か――狂気の心理サスペンス。

どんな話?

1年近く眠っていない工場労働者トレヴァー。彼の周囲で次々と奇妙な出来事が起こり、現実が歪み始める。やがて、彼の罪と記憶に隠された恐ろしい真実が浮かび上がる。心身ともに壊れていく姿を描いた衝撃作。

ここがおすすめ!

クリスチャン・ベールが体重を極限まで落とした鬼気迫る演技で知られる。『フラクチャード』と同様、罪悪感と幻覚が入り混じる物語で、観る者を精神的に追い詰める。静かな狂気と心理的リアリティが見事なサスペンス。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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