2017年に公開され爆発的ヒットを博した『オリエント急行殺人事件』。その続編が、2020年とうとう公開。名探偵ポワロを務めるのは、前作に引き続きケネス・ブラナー。ポワロが更なる難事件に挑む。
映画『ナイル殺人事件』の作品情報
- タイトル
- ナイル殺人事件
- 原題
- Death on the Nile
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2022年2月25日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ミステリー
- 監督
- ケネス・ブラナー
- 脚本
- マイケル・グリーン
- 製作
- リドリー・スコット
マーク・ゴードン
サイモン・キンバーグ
ケネス・ブラナー
ジュディ・ホフランド - 製作総指揮
- マシュー・ジェンキンス
ジェームズ・プリチャード - キャスト
- ケネス・ブラナー
ガル・ギャドット
アーミー・ハマー
アネット・ベニング
トム・ベイトマン
レティーシャ・ライト
アリ・ファザル
ドーン・フレンチ - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ディズニー
映画『ナイル殺人事件』の作品概要
あまりにも有名なミステリー作品である、『オリエント急行殺人事件』。これまで何度もメディア化されてきた名作中の名作に、実は続編があったことを知っていただろうか。それが本作の原題になっている、『ナイルに死す』なのである。あまりにも衝撃的な終わり方を迎えた前作の事件。その事件を経験した名探偵ポワロが、新たな難事件に挑む。ポワロを演じるのは、前作に引き続き名優ケネス・ブラナー。ケネスは本作で監督も務めており、まさに彼の全力が注がれた作品であると言える。前作は爆発的ヒットを記録したため、その勢いに乗ることができるだろうか。
映画『ナイル殺人事件』の予告動画
映画『ナイル殺人事件』の登場人物(キャスト)
- エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)
- 『灰色の脳細胞』を武器に数々の事件を解決してきた名探偵。自らを世界最高の探偵と自負しているナルシスト。
- リネット(ガル・ギャドット)
- 大富豪の娘。新婚旅行で豪華客船に乗り込んでいたが、何者かに殺害されてしまう。
- サイモン(アーミー・ハマー)
- リネットの夫。元々はジャクリーンという女性と付き合っていたが…?
映画『ナイル殺人事件』のあらすじ(ネタバレなし)
オリエント急行での殺人事件を見事に解決した、名探偵エルキュール・ポアロ。そして、そんなポアロはその日豪華客船に乗り込んでいた。エジプトのナイル川を巡るその旅。しかし、豪華客船の中で、突如として恐ろしい殺人事件が起こってしまう。殺されたのは、大富豪の娘であるリネット。リネットは、夫であるサイモンと新婚旅行のためにこの船に乗り込んでいたのだった。殺人事件が起こったことで、船上は密室殺人の現場となってしまう。事件の調査に乗り出したポアロ。その頭脳を駆使し、確実に核心へと近づいていく。しかし、この事件は、ポアロの人生をも左右するあまりに大きいものだったのだ。果たして、ポアロを待ち受けている真相とは。
映画『ナイル殺人事件』の感想・評価
エルキュール・ポアロシリーズ
この世には多くの名探偵が存在する。シャーロック・ホームズ、金田一耕助、明智小五郎など、彼らが次々と難事件を解決していく様子は数多くのミステリーファンの心を掴んできた。そして、本作の主人公であるエルキュール・ポアロもその一人。それまでのミステリー界では、シャーロック・ホームズが圧倒的な存在感を誇り、探偵と言えばホームズという印象が根強く残っていた。しかし、そんなミステリー界に一石を投じたのが、この名探偵ポワロである。これまでクールなイメージであった探偵という中に、見事にコメディ要素を入れ込んでみせたのだ。それによって、様々な世代がより手軽にミステリー作品を手にとりやすくなった。まさに、ミステリーを世にさらに広めたシリーズであると言える。ミステリー作品好きであるならば、ぜひ一度は見なければいけないシリーズである。
アガサ・クリスティ原作作品
例えあまり小説を読まないという人でも、アガサ・クリスティの名前は聞いたことがあるのではないだろうか。それだけ著名なミステリー作家であるのが、このアガサ・クリスティなのである。勿論、ミステリーファンであれば知っているどころか神として崇められている存在である。ミステリーの女王として人々から愛され続けた彼女の最大の魅力は、まずキャラクターに非常に愛嬌があること。ポアロ然り、登場人物一人一人にしっかりとしたキャラクター性があるため、読者もキャラに感情移入しやすくなる。さらに、実はアガサは元看護師という経歴があり、その際に薬や医療の知識を学んでいる。そういった知識も、言わずもがな作品作りに活きているのだろう。映像作品だけでなく、是非原作にも挑戦してほしい。
超豪華キャストが集結
本シリーズの最大の特徴といえば、キャスト陣のあまりの豪華さではないだろうか。前作である「オリエント急行殺人事件」でも、ジョニー・デップやジュディ、デンチ、ウィレム・デフォーといった超豪華メンバーが集結。こういった豪華キャストに引かれ、原作の『オリエント急行殺人事件』を知らずに映画館に足を運んだという人も多い。そして、最新作も前作に負けず劣らず華やか。ガル・ギャドットやアーミー・ハマーなど、今をときめく人気キャストが多く出演している。勿論、名優が多く出ていれば良作というわけではない。しかし、本シリーズが豪華キャストかつストーリーとしても面白いことは前作で既に証明済。同じ面白い作品であれば、キャストが豪華である方が画面も華やぐだろう。
映画『ナイル殺人事件』の公開前に見ておきたい映画
オリエント急行殺人事件(2017)
2017年に公開された、エルキュール・ポアロ最初の事件。時間軸としては、最新作の前編にあたる作品。登場人物は殆ど入れ替わっているため、前作を見ていなくても楽しめるが、見ていれば最新作がより楽しめること間違いなし。その日、名探偵エルキュール・ポアロはオリエント急行に乗り込んでいた。とある事件を解決したばかりだったポアロは、列車の旅を悠々自適に楽しんでいたが、しかし、その列車内で殺人事件が起きてしまう。捜査に乗り出したポワロ。しかし、聞き込みを続けてみると、なんと乗客全員にアリバイがあることが判明したのだ。そんな中でも、確実に真相へと近づいていくポアロ。しかし、事件を解き明かしていくにつれ、彼の心の中にはとある葛藤が生まれていくのだった。
ナイル殺人事件(1978)
『ナイルに死す』と言えば、1937年にアガサ・クリスティが発表した小説のタイトル。クローズド・サークル、いわゆる『密室もの』のミステリー作品で、今尚名作として名高い作品である。そして、この『ナイルに死す』が映画化されるのは、実は今回が初めてではないのだ。それが、1978年に映画化された本作。アガサ・クリスティの作品はトリックが巧みであることに定評がある。その繊細なトリックを見事に映像化できるのか、といったところが本作を映像化する上での課題だった。映像化の仕方によっては、名作が全くの駄作になってしまうということもあるのだ。しかし、本作はそのハードルを見事に超えてみせた名作。第51回アカデミー賞で衣装デザイン賞を獲得した、華やかで画面が美しい一作でもある。
詳細 ナイル殺人事件(1978)
SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁
エルキュール・ポアロは、言わずもがな世界に名が知れた名探偵。そして、シャーロック・ホームズもまた、現代に尚語り継がれている名探偵である。あまりに有名であるが故、シャーロック・ホームズは何度もメディア化されてきた。そして、今回はイギリスのBBCで放送されていたドラマ『SHERLOCK』の初の劇場版。このSHERLOCKは英国アカデミーテレビ賞、通称BAFTAを獲得した超人気シリーズ。このSHERLOCKはあのシャーロック・ホームズが現代に生きていたら、という特殊な設定が話題となった。しかし、本作ではなんと、現代とオリジナルの時代のシャーロックが交差するという複雑な設定をしている。しかし、シャーロキアンが見れば確実に楽しめる一作となっており、シャーロキアンがシャーロキアンのために作り上げた見事な一作。
映画『ナイル殺人事件』の評判・口コミ・レビュー
『#ナイル殺人事件』
雄大なナイル、古代遺跡の風景とラグジュアリーな映像美にとことん惹き込まれる。愛から生まれる欲望は、お金以上に人を狂わせる。それでも完全犯罪は存在せず、そのトリックには何処か落とし穴が。名探偵の推理は、ショータイムの始まり。最後の一瞬まで目が離せない、最高傑作。 pic.twitter.com/My8IBohKCr— 桔梗。 (@jpbotanical) February 26, 2022
『ナイル殺人事件』
魅力的なキャラクター、ひねりの効いたストーリー、哀愁を帯びたジャズ音楽、そして『愛』という大きなテーマ。ケネス・ブラナーは、今回もポアロ役で素晴らしい演技をしている。スクリーンに映るたびに魅了される。カメラワークも印象的。古風なエンターテイメント。 pic.twitter.com/FFtGXevZcY— ムービーメン (@Stan_n_movie) February 26, 2022
『#ナイル殺人事件』新作映画35本目
“さすがポワロさん”と名推理を披露すれば悲劇が起きる。
愛ほど曖昧で不確かなものはない。一方この映画では確かな愛が強く描かれる。無音が続くその間…私の頬には涙が伝った。正直犯人は想像つく。ただ本質はそこではない。幾多もの愛を目撃せよ。 #EDDIE映画2022 pic.twitter.com/pFgMfhjL7n— EDDIE@KingsFan👑 (@eddie2yuji) February 25, 2022
『ナイル殺人事件』観た〜。新婚旅行、豪華客船、訳有り乗船客達とフラグ立ちまくりな王道ミステリ。事件が起きてからは容疑者達との会話の応酬が作品の核になるので人物の名前と関係性は頭に入れて挑んだ方が作品を楽しめると思いました。”犯人はこの中にいる”は人生で一度は言ってみたいワードです。 pic.twitter.com/fp4BuQ1wkL
— トモヤミ@映画好き夫婦 (@yauyu_tomoyami) February 27, 2022
『ナイル殺人事件』
原作知らなくてもほぼ中盤には(というか事件勃発時には)犯人分かってしまう。謎解きの面白さよりも様々な愛の形をテーマに練り直したシナリオを楽しむ映画でした。
あと景色の引きはあったけど、船上というせいか人物の引きのショットがない。そのせいで画面が単調で残念だった。 pic.twitter.com/her2A8r0xy— めぐみ (@megumi_no) February 27, 2022
映画『ナイル殺人事件』のまとめ
ミステリー作品、特に連続殺人事件をテーマにしている場合など、どうしてもストーリーはシリアスになりがち。しかし、本シリーズは主人公であるポアロのキャラも相まって、良い意味でシリアスになりすぎることなく物語が進んでいく。そのため、あまり集中しすぎずに作品を楽しみたい、ミステリー作品の固すぎる雰囲気が苦手という人にも楽しめる作品になっているのだ。また、注目したいのが主演を務めるケネス・ブラナーの『発音』。ブラナーは、ポアロを演じるにあたり敢えてベルギー訛りの英語を習得しているのだ。そんな、俳優の役作りの凄まじさも堪能できる一作。果たして、今回はどのような事件がエルキュール・ポアロを待っているのか。
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