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映画『フランティック』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『フランティック』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フランティック』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『フランティック』の結末までのストーリー
  • 『フランティック』を見た感想・レビュー
  • 『フランティック』を見た人におすすめの映画5選

映画『フランティック』の作品情報

フランティック

製作年:1988年
上映時間:120分
ジャンル:サスペンス
監督:ロマン・ポランスキー
キャスト:ハリソン・フォード、エマニュエル・セイナー、ベティ・バックリー、ジョン・マホーニー etc

映画『フランティック』の登場人物(キャスト)

リチャード・ウォーカー(ハリソン・フォード)
アメリカ人医師。学会に参加するために妻とパリを訪れる。自分がシャワーを浴びている最中に妻が失踪し、彼女を探すため奔走する。
サンドラ・ウォーカー(ベティ・バックレイ)
リチャードの妻。パリを訪れるのは新婚旅行依頼で、とても楽しみにしていた。空港で荷物を取り違えてしまったことから、事件に巻き込まれる。
ミッシェル(エマニュエル・セニエ)
運び屋。空港でサンドラのスーツケースを持ち帰ってしまった。

映画『フランティック』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『フランティック』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フランティック』のあらすじ【起】

医師のリチャードは、学会に出席するため妻、サンドラと共にパリを訪れた。ホテルにチェックインして部屋に入ると、サンドラのスーツケースが他人の物だと気付く。空港で荷物を取り違えてしまったのだ。リチャードは空港に電話を掛けスーツケースを受け取りに来るよう依頼した。

家に置いてきた子供達に電話を掛け安否確認をしたリチャードは、シャワーを浴びる。その間部屋に掛かってきた電話をとったサンドラは、何者かに呼び出され部屋の外へ出ていってしまった。リチャードは部屋に運ばれてきたモーニングを食べ、眠りから目覚めた時にようやく妻がいないことに気付く。

一通りホテル内を探したリチャードは、フロントで妻がいなくなったと相談した。支配人や警備係が妻を探すも見つからず、リチャードはホテルの外まで探す範囲を広げる。すると、ホテルの向かいにあるバーで、中東系の男が女を無理やり車に押し込んでいたという情報が入ったので現場へと案内して貰った。細く奥まった通りに妻のブレスレットを見つけたリチャードは、警察に助けを求める。

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映画『フランティック』のあらすじ【承】

警察のみならずアメリカ領事館にも助けを求めるリチャードだったが、誘拐であるという証拠が乏しく、単なる浮気であると思われ相手にされなかった。

ホテルに戻ったリチャードは、サンドラが間違って持ってきたスーツケースを開けてみる。中にはデデという人物の名前が書かれたマッチと、自由の女神像のミニチュアが入っていた。リチャードは、デデに話を聞くためブルー・パロットというバーへ向かう。

ブルー・パロットに着いたリチャードは、デデが2日も店に顔を出していないことを知ると、大金を払い彼の住所を聞き出す。アパートに着くと部屋の鍵が開いており、中に入るとデデはキッチンで殺されていた。そこへ女から留守電のメッセージが入ったが、フランス語が分からないリチャードはテープごと持ち帰る。

ホテルへ戻ったリチャードは、ホテルマンに女からの留守電メッセージを訳させた。電話の相手はミッシェルという名前で、スーツケースをロッカーに預けたのに報酬が支払われていないという内容だった。彼女は夜にデデの元へ行くとメッセージを残していたので、リチャードは彼女とコンタクトを取るため再びデデのアパートへと向かった。

映画『フランティック』のあらすじ【転】

ミッシェルはリチャードと会い、ようやくスーツケースを取り違えたことに気が付いた。彼女はデデから仕事を貰っていた運び屋だが、荷物を間違えて渡してしまったためデデのさらに上にいる雇い主から追われる身となってしまった。間違えて渡されたサンドラのスーツケースには当然彼らの目的の物など入っておらず、持ち主を特定した雇い主はサンドラを誘拐したという訳だ。本当の中身は、ミッシェルも知らなかった。リチャードは、自分の手元にあるスーツケースを渡せば妻が返ってくると信じ、黒幕とコンタクトを取ろうとする。

リチャードがホテルに戻ると、部屋に警察が訪れた。サンドラの失踪以外に被害はないかと訊ねられるが、犯人まであと一歩のところまできたリチャードは捜査を断る。しかし、デデの部屋から留守電のテープが盗まれていたことと、ホテルマンにテープの翻訳を頼んだことに関連がないかどうか疑われてしまう。

リチャードがミッシェルのアパートへ着くと、中から男達の声がする。彼らは雇い主の手下で、スーツケースの中に入っていた自由の女神像のレプリカを探しているようだった。リチャードは、彼氏のフリをして男達を追い払う。

再びホテルへ戻ると、なんとサンドラから電話があったという。1時に掛け直すという伝言があったため待っていると、男から電話が入った。ボーブールの駐車場に自由の女神像を持って来いと指示されたリチャードは、ミッシェルと共に駐車場へと向かった。

映画『フランティック』の結末・ラスト(ネタバレ)

引き渡し場所に着く前に、リチャードとミッシェルは自由の女神像を割ってしまう。中にはクライトロンという核の一種が入っており、悪者に渡せば世界が危機に曝されるような危険物だった。

リチャード達が駐車場に着くと、サンドラと黒幕の乗った車が近づいてきた。リチャードは妻と交換でクライトロンを渡そうとしたが、情報を聞きつけて追ってきた警官が発砲し、黒幕を乗せた車は走り去ってしまう。彼らを逃がしたリチャードだったが、サンドラの捜索に協力してくれていたホテルマンから、犯人はアラブ人のスパイであることを聞かされる。

リチャードはクライトロンを所持している状況を逆手にとり、アラブ人達に引き渡し場所を指示すると、ミッシェルを伴い橋へ向かった。彼らがボートにサンドラを乗せてやって来たので、リチャードはクライトロンを渡し、無事に妻と抱擁を交わした。しかし、そこへ警察が到着して銃撃戦になってしまい、ミッシェルが流れ弾に当たって死んでしまった。死ぬ間際、アラブ人からクライトロンを奪っていたミッシェルに代わり、リチャードがクライトロンを川に投げ捨てた。

映画『フランティック』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

オチに辿り着くまでが非常に長いストーリーだが、若き日のハリソン・フォードを堪能できるので見応えのある作品だった。

自分がシャワーを浴びている少しの間に妻が失踪するというシチュエーションが、出張先の海外を舞台にしている分非常にあり得る設定に感じた。言葉もろくに通じず、土地勘もあまりないという条件で家族を探すなど、考えただけで冷や汗が出る。

多々中だるみするシーンが見受けられるが、感情移入しやすい作品だった。(MIHOシネマ編集部)


パリを舞台にしたサスペンスというだけで惹かれましたが、まさかこんなに重くて緊迫感のある物語とは思いませんでした。ハリソン・フォード演じる医師が、突然失踪した妻を必死に探す姿には胸が締め付けられます。現地の言葉も通じず、誰も真剣に取り合ってくれない孤独な状況がリアルで、観ていて本当に不安になります。ラストでようやく妻を救い出すも、その代償の大きさに衝撃を受けました。(30代 男性)


ハリソン・フォードの演技が素晴らしかった。平凡な医師が突然スパイ映画のような世界に巻き込まれ、苦しみながらも妻を取り戻そうとする姿は、リアルな夫婦愛を感じました。終始抑えめな演出なのに、緊張感はずっと高まっていて、派手なアクションがなくてもここまで面白くなるのかと感心しました。最後の選択には胸が痛みましたが、人間ドラマとして非常に完成度が高い一本です。(40代 女性)


妻が突然パリのホテルで消えるという導入から引き込まれました。観客も主人公と同じように情報が少なく、何が起こっているのか分からないまま進むので、とてもスリリングでした。徐々に明かされる“誤って持ち帰ったトランク”の中身と、それに絡む組織の存在がリアルで怖い。無力感と焦燥感が画面から滲み出ていて、ずっと緊張しっぱなし。ラストの逃走劇には手に汗握りました。(20代 男性)


全体的に静かなテンションで進む映画ですが、その中にある緊張と不安がじわじわと効いてきて、とても見応えがありました。ハリソン・フォードが徐々に追い詰められていく過程が丁寧に描かれていて、感情移入しやすいです。行動力と冷静さのバランスが絶妙で、ただの医師なのに“普通の人の英雄像”を見せてくれました。ロマン・ポランスキー監督らしい、ヨーロッパ的なサスペンスでした。(50代 男性)


この作品の素晴らしさは、アクションではなく“心理的な追い詰め”にあると思います。ハリソン・フォード演じるリチャードが、言葉も文化も通じない場所で孤軍奮闘する姿は、観ているこちらも不安になります。協力者となる若い女性との関係性も絶妙で、最後には深い信頼が生まれているのが感じられました。最終的にすべての真相が明らかになる流れもスマートで見事でした。(40代 女性)


旅行先で突然家族が消えるという悪夢を描いた作品として、非常にリアルでした。誰も本気で助けてくれない中で、夫が一人で情報を集めていく過程がスリリング。事件の背後にある政治的な陰謀や“核爆弾の起爆装置”という設定には驚きましたが、あくまで夫婦の再会がテーマであり、感情に訴えるドラマになっています。派手さよりも緻密さが光る、大人向けサスペンスです。(60代 男性)


“普通の男”が非常事態に巻き込まれる展開が大好きで観ましたが、想像以上に地味で重厚なサスペンスでした。フォード演じる医師の焦りと怒りが伝わってきて、自分だったらどうするかと考えさせられました。パリの街が美しい反面、冷たく感じられる演出が見事。協力者のミシェルとの関係が物語に奥行きを与えていて、彼女の最期には胸が痛みました。静かだけど、強く記憶に残る映画です。(30代 男性)


妻を探しているだけなのに、次第にスパイ的な陰謀に巻き込まれていく流れが面白い。でも、全体はあくまでリアリスティックに描かれていて、そこが逆に怖さを感じました。ハリソン・フォードの演技は抑えめだけど、内面の動揺がしっかり伝わってきて好感が持てます。最後にすべてが収束していく展開も美しく、スリラーというよりヒューマンドラマとして心に残りました。(20代 女性)


アクションスターのイメージがあるハリソン・フォードが、派手な戦いではなく、知性と忍耐で危機を乗り越える姿を見せてくれる作品で、新鮮でした。ミシェルという謎の女性が少しずつ重要な役割を果たしていき、最終的に彼女が命を落とす場面はとても切なかったです。スパイもののようでいて、人間の感情を丁寧に描いたサスペンスは希少だと思います。名作です。(50代 男性)

映画『フランティック』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フランティック』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

フライト・プラン

この映画を一言で表すと?

密室で“消えた娘”を探す母の、疑心と孤独に満ちたスカイ・サスペンス。

どんな話?

夫の死を機にベルリンからNYへ向かう飛行機の中で、突然娘が消えた。誰も娘を見ていないという中、母親は孤立無援で真相を追う。舞台は飛行中の機内、緊張感が息もつかせぬ展開を生む密室サスペンスです。

ここがおすすめ!

『フランティック』のように“突然消えた家族”をめぐる陰謀と孤独な追跡劇が展開。ジョディ・フォスターの迫真の演技と、閉ざされた空間での心理戦がスリリング。観客も主人公と一緒に疑心暗鬼になります。

逃亡者(The Fugitive)

この映画を一言で表すと?

愛する人の死の真相を追う男の、孤独で執念深い逃走劇。

どんな話?

無実の罪で妻殺しの容疑をかけられた医師が、自らの潔白を証明するため逃亡しつつ真犯人を追う物語。FBIに追われながらも真実へ迫るその姿は、サスペンスとヒューマンドラマの両面を持つ傑作です。

ここがおすすめ!

ハリソン・フォード主演で、『フランティック』のように市井の男が巨大な陰謀と対峙する構図が共通。逃亡中に次第に真相が明かされていく展開はスリリングで、感情移入しやすく緊張感が持続します。

ペイバック(Payback)

この映画を一言で表すと?

奪われた金とプライドを取り戻す、クールでビターな復讐劇。

どんな話?

仲間に裏切られ、撃たれて金も妻も奪われた男が、生き延びて冷静に復讐を遂げるクライム・スリラー。無駄口を叩かずに淡々と行動する主人公のスタイルが、独特の緊張感を生み出しています。

ここがおすすめ!

『フランティック』同様、主人公が巻き込まれ型でありながら、自力で真相に迫っていく姿が共通。スタイリッシュな映像とブラックユーモアも効いていて、シンプルで痛快なリベンジ劇を楽しめます。

テイキング・オブ・デボラ・ローガン(The Taking of Deborah Logan)

この映画を一言で表すと?

不可解な失踪と記憶の謎が重なる、緻密で怖ろしいドキュメンタリー風スリラー。

どんな話?

認知症の女性を題材にしたドキュメンタリーを撮影する中で、不可解な出来事が次々と起きていく。単なる病気と思われた症状の背後に、恐ろしい真実が隠されていた──。ドキュメント形式で描かれる異色ホラー。

ここがおすすめ!

『フランティック』のように“行方不明”と“知らないうちに巻き込まれていた陰謀”という構造が重なります。サスペンスではなくホラー寄りですが、真相が明かされていく過程は共通のスリルを感じます。

地獄の黙示録(Apocalypse Now)

この映画を一言で表すと?

狂気と混乱の中で、真実と人間の本性を追う壮絶な心理戦。

どんな話?

ベトナム戦争下、軍に背き密林に消えたカーツ大佐を処刑するために派遣されたウィラード大尉が、奥地へと向かう中で次第に自らの精神も蝕まれていく。戦争を舞台にした壮大で哲学的なサスペンスドラマ。

ここがおすすめ!

『フランティック』同様、主人公が異国の地で孤立し、混乱と緊張の中で“見えない敵”と対峙していく構成。重厚な演出と深いテーマが特徴で、サスペンスというより魂を揺さぶる体験が待っています。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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