12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『グリフターズ 詐欺師たち』の概要:14歳で息子のロイを出産したリリーは、今はボーボーというノミ屋の元締めの下で犯罪に手を染めながら生計を立てていた。息子のロイも25歳になり、母と同じように犯罪の道へと進んでいた。ある日ロイの恋人マイラが、彼に信用詐欺の話を持ち掛ける。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』の作品情報

グリフターズ 詐欺師たち

製作年:1990年
上映時間:109分
ジャンル:サスペンス
監督:スティーヴン・フリアーズ
キャスト:ジョン・キューザック、アンジェリカ・ヒューストン、アネット・ベニング、パット・ヒングル etc

映画『グリフターズ 詐欺師たち』の登場人物(キャスト)

ロイ・ディロン(ジョン・キューザック)
主にバーテンダーを相手にイカサマを働いている詐欺師。リリーが14歳の時に産まれた子。マイラとは互いに素性を隠して交際しているが、2人で旅行した際にイカサマ師であることが彼女にバレてしまう。母リリーはロイの仕事に気付いていた。
リリー・ディロン(アンジェリカ・ヒューストン)
ロイの母親。14歳の時にロイを出産し、人前ではロイを弟だと紹介していた。ノミ屋の仕事の合間に息子と8年ぶりの再会を果たし、イカサマ師として犯罪に手を染める我が子に足を洗うよう説得する。ロイの恋人であるマイラのことは毛頭気に入らない。
マイラ・ラングトリー(アネット・ベニング)
ロイの恋人。色仕掛けで偽の宝石を売りさばいたり家賃を踏み倒したりしながら生活している。素性を隠してロイと交際していたが、2人で旅行した際にロイがイカサマ師であることを知り信用詐欺の話を持ち掛ける。リリーのことは全く好ましく思っていない。
ボーボー(パット・ヒングル)
ノミ屋の元締めでリリーのボス。情け容赦ない冷徹な男。リリーのことはそれなりに信用しており、ロイの入院費に充てるため彼女がくすねた1万ドルを、強烈な脅しをかけながらも渡してやった。
コール(J・T・ウォルシュ)
かつてのマイラの相棒。業界では有名な犯罪者で、信用詐欺を得意としていた。年に2、3回の仕事で大金を稼いでいたが、精神に異常をきたして引退した。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のあらすじ【起】

リリーは競馬場でノミ行為をしていた。仕事が終わり元締めの事務所へ電話をかけると、仲間から、その足でカルフォルニアへ向かいラホイヤの競馬場で仕事をしてくるよう指示を受けた。リリーは、ロスに寄ってからラホイヤへ向かうと告げる。

ロイはバーテンダー相手にイカサマを行い、小銭をくすねる生活を送っていた。しかし、ある時ついにイカサマがばれ腹を殴られる。あまりの痛みにロイは、気を失いながら白昼夢を見た。かつて自分にイカサマの手口や極意を教えてくれた老人の夢である。老人は、イカサマ師は相棒を作るなと繰り返しロイに教えてくれた。ロイが目を覚ますと恋人のマイラが部屋を訪れていた。

翌朝、ロイが連泊しているホテルのフロントから電話がかかってきた。母親のリリーが自分を訪ねて来たと言う。ロイはリリーを部屋へ招き入れたが、8年ぶりの再会は感動的なものではなかった。ロイの顔色がみるみるうちに青ざめ、体温も下がっていったのだ。異変に気付いたリリーはすぐさま救急車を呼び、緊急手術を受けたロイは一命を取り留めた。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『グリフターズ 詐欺師たち』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のあらすじ【承】

リリーとマイラはロイの病室で初めて顔を合わせた。リリーは浮ついた息子の恋人に不快感を表し、マイラは突然現れた母親に嫌味な態度をとって2人は険悪な雰囲気になる。リリーは素性の知れないマイラのことが心底気に入らず、堅気の若い娘、キャロルをロイ専属看護師として雇い息子と恋人関係を結ばせようと画策した。しかし、それを知ったロイはマイラと共にラホイヤへ旅行することを決めた。

ロイの見舞いを終えたリリーは、仕事のためラホイヤの競馬場へと向かっていた。本来ならボーボーに指定された馬へ金を賭けるのだが、リリーはロイの入院費を工面するため別の馬に賭けていた。おかげでリリーは1万ドル勝ったが、その金をくすねようとしていることがボーボーにバレてしまう。リリーはボーボーに、金が要る理由を正直に話した。ボーボーは彼女の右手に葉巻を押し付け酷い脅しをかけたが、最後には1万ドルを渡し、次は無いと灸をすえた。

一方でロイとマイラは、列車に乗ってラホイヤへと向かっていた。ロイが食堂車で水夫相手にイカサマをしている様子を見て彼の正体を知ったマイラは、信用詐欺の計画を持ち掛ける。マイラはかつて、業界では腕利きとして有名なコールという男と組み詐欺を働いていた。年に2、3回の仕事で贅沢な暮らしができる快感を忘れられないマイラは、ロイを相棒へと誘う。しかし、イカサマ師は相棒を作るなという教えを守るロイは「こっちがカモられる」という危機感を拭えず返事を保留する。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』のあらすじ【転】

翌朝ロイは、母の元を訪ね入院費の4千ドルを返した。リリーはロイに、イカサマから足を洗うよう説得する。ロイは、相棒がいないからすぐに辞められると反論したが「みんなそう言うわ」と呆れられてしまった。お互い素直に会話ができないまま、リリーは次の仕事が終わったらボルティモアに戻るとロイに告げ再び競馬場へと行ってしまった。そうして仕事へ向かったリリーの後を、マイラが尾行していた。ロイが頑なに相棒の話を断るのは、母親が口入れしているからだと思い込んでいたためだ。邪魔な母親の足元を掬うため競馬場に紛れ込んだマイラは、リリーがボーボーからせしめた金を車のトランクに隠している現場を目撃する。

旅行から帰ってきてからも、マイラはロイを相棒にしようと粘っていた。ロイは彼女の提案を頑なに拒み、ついには喧嘩に発展してしまう。俺を巻き添えにするなと怒鳴るロイに対しマイラは、母親のリリーと男女関係にあるから自分を拒否するのかと激昂。ロイは堪らずマイラを殴って追い返すが、マイラは「今に見てなさいよ」と彼らに復讐を誓う。

ようやくマイラと縁を切ったロイは、リリーに電話した。今なら素直に話しができるかもしれないから今夜会いに行くと伝えると、リリーは快諾。夜を迎え、息子を待つリリーの元へ電話が掛かってきた。彼女の仕事仲間が「誰かが、お前が車に大金を隠してるとタレ込んだぞ、ボーボーは裏切られたと言ってる」と警告の電話を寄越したのだ。リリーは電話の内容を最後まで聞くことなく、着の身着のままで逃げ出した。リリーはボーボーの手下から追われる身となってしまった。さらに、逃げ去ったリリーの後をマイラも追っていた。

逃げたリリーは安モーテルへと身を隠した。彼女を尾行していたマイラも同じモーテルへと入る。フロントの女性からリリーの泊まっている部屋を聞き出すと、マイラは眠っているリリーの首を絞めたのだった。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

ロスにいるロイの元へ、リリーが自殺したと一報が入った。「母は自殺するような女じゃない」と動揺するロイに刑事は「口に銃を咥えて自殺したようで、人相や歯形から身元が分からなかった」と告げた。身元確認のため頭部がグシャグシャの遺体を見せられたロイは、服装や、僅かに識別できる髪型から母親に間違いないと認めた。しかし、よく見ると右手に葉巻を押し付けられた時の火傷が無い。母の服を着させられているだけで、それはマイラの遺体だったのだ。堪え切れない微笑みを噛み殺したロイは、早足に遺体安置所を後にした。

ロイの部屋には、マイラの服を着たリリーが訪れていた。ボーボーの追手から逃れるため、ロイがイカサマで稼いだ金を全て盗もうとしていたのだ。ロイが帰って来ると、焦燥したリリーは「お金を頂戴!」と息子に迫る。ロイは、自分も犯罪から足を洗うから、就職して酒をやめて、まともな暮らしをしようと母を説得する。暮らしを変えるなら今だと話し合う2人だったが、やはり逃走資金が欲しいリリーは、水を飲もうとグラスを口に運ぶロイを金が詰まった鞄で思い切り殴った。

殴られた衝撃で割れたグラスの破片はロイの首元に刺さり、勢いよく血が溢れ出た。ロイは散らばった金の上で絶命。リリーは、泣きながら息子の周りに落ちた金を集めた。手に付いた息子の血を洗い、金を鞄に詰め直したリリーは、冷たい眼差しでホテルを後にした。

映画『グリフターズ 詐欺師たち』の感想・評価・レビュー

息子が積極的に歪な親子関係を修復しようとする姿が健気な、家族をテーマにしたサスペンス映画である。最終的に母親の手にかかって息子が死んでしまうため救いのないストーリーではあるが、その死因が日常に潜む「うっかり死」である部分が一番救いがない。リリーを演じたアンジェリカ・ヒューストンには、『アダムス・ファミリー』のモーティシアのイメージしかなかったため黒装束でない彼女の姿はとても新鮮だった。(MIHOシネマ編集部)


騙し合っている男女が、最後はハッピーエンドとなるストーリーかと思いきや、親子の絆を取り戻そうとする息子と若くして息子を産んだ母親の歪んだ愛情が描かれた複雑な作品でした。
イカサマ師、詐欺師と呼ばれる人たちは、現実の世界ではもちろん悪い人なのですが、こういった映画、しかも洋画の作品で描かれるとかっこよく見えてしまうことありますよね。
今作でジョン・キューザック演じるロイも、生粋のイカサマ師ですがどこかかっこよく見えてしまいます。
ラストはまさかの展開で、なんとも切なくなりました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー