映画『フレッシュ・デリ』の概要:独立し新しく肉屋を開いたビャンとスヴェン。ところが客はまったく来ずあまつでさえ事故で死人を出してしまう。困り果てたスヴェンはそのまま死体の肉を売るが、それ以降店は大繁盛する。そして犠牲者は増えていく。
映画『フレッシュ・デリ』 作品情報
- 製作年:2003年
- 上映時間:96分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:アナス・トマス・イェンセン
- キャスト:ニコライ・リー・コス、マッツ・ミケルセン、ボディル・ヨルゲンセン、リーネ・クルーセ etc
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映画『フレッシュ・デリ』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『フレッシュ・デリ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『フレッシュ・デリ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『フレッシュ・デリ』 あらすじ【起・承】
ビャンとスヴェンはソーセージ屋で働いている。意地悪なホルガーの構える店の裏方としてこき使われている二人はある時独立しようと決心する。
ところが新しい店を構えるには大金が要る。思いつめたビャンは寮養所にいる寝たきりの双子のもとを訪ねる。ためらいながらも兄弟の生命維持装置を切ることを決意。
両親と妻の墓参りに来たビャン。そこで一人の女性、アストレッドと出会う。会話がてら店の宣伝をするも彼女は葬式が忙しいと去っていく。
オープン当日、二人の店にはまったく客が来ない。
客足が良くない日が続くも、業者の男に冷蔵庫の修理を頼む二人。その夜スヴェンは気づかず、冷蔵庫に男を残したまま鍵を閉めてしまう。
翌朝妻、ティナと言い争うスヴェン。お互いのすれ違いからティナは去っていく。店の準備をしようとし、不審な雰囲気に気づき冷蔵庫を開けるスヴェン。そこには冷たくなった男が横たわっていた。
動揺するスヴェン。そこにホルガーがやって来て大事な食事会があるから商品を売れと圧力をかける。
ビャンに相談するスヴェン。通報するよう言うビャンは男の遺体を確認するも片足がないことに気づく。なんとスヴェンは男の片足でマリネを作りホルガーに売ったのだ。
映画『フレッシュ・デリ』 結末・ラスト(ネタバレ)
ひとまず死体を使い切り、これで終わりにしようと言うビャン。しかしスヴェンは多くの客に囲まれ商品を欲されたことから愛情承認欲求が満たされたことを感じたと告げる。
そしてスヴェンは再び店で人肉を売る。
場面は変わり寮養所。まさに生命維持装置を切ろうとしていたその時ビャンの双子、アイギルが目を覚ます。
店が繁盛するにつれ犠牲者が増えていく。アイギルは店に通い続けビャンへ動物の模型を渡し続ける。
ホルガーはかつて人肉を食べたことのある男から、二人の店の肉は味がおかしいと聞く。
アイギルとアストレッドは偶然墓場で出会う。何も知らずアストレッドに会いにきたビャンは会話している二人を見て腹を立て出て行く。
衝動的にティナをも殺してしまったスヴェン。ホルガーはとうとう人肉に気づく。
アイギルとビャンの過去をホルガーから聞かされるアストレッド。鶏を抱えアイギルとアストレッドは店を訪れるが、体調の悪いスヴェンは二人を冷蔵庫に閉じ込める。
アストレッドのもとを訪れるも行き違いになるビャン。慌ててビャンは店に戻りアストレッドを助け出す。
一命を取り留めるも怯えてビャンを拒絶し逃げるアストレッド。暴れ始めるビャンからスヴェンも逃げ出す。
とうとう店に食品局が訪れる。しかし店にはなんの異変もなく人肉のかけらもない。
実は人肉が人を惹きつけたのでなく、スヴェンのマリネ液が人を惹きつけていたのだった。
再びともにいるビャンとアストレッド。海ではビャンとアイギルが戯れていた。
映画『フレッシュ・デリ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『フレッシュ・デリ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
スリラー、ホラーというよりはヒューマンドラマ
パッケージやあらすじから、人肉を売るために追い詰められる犠牲者の凄惨な描写や次第に来るっていく男二人など典型的なホラーのイメージがつきやすいが、ストーリー自体は穏やかでありグロテスクな描写も少ない。
そして主役二人の心情描写も丁寧である。
人肉を売るという異常な環境においても、どこかノスタルジックで穏やかな雰囲気が映画全体に漂っているのはこうした描写のおかげであろう
家族あるいは他人との関係について
本作品では、事故とはいえ人肉を売って店が繁盛して以降の犠牲者が増えていくというホラーストーリーの面ともう一つ他人との絆について描く面を持っている。
この二つの面は一見矛盾しているが物語のなかで上手く関わっている。
たとえば障害を持つ弟アイギスのせいで、ビャンは両親と妻を失う。アイギスを許すことの出来ないビャンであったかアストレッドと出会い、彼の心に変化が訪れる。
一方でスヴェンは気難しい男だ。彼はこれまで誰からも愛されたことがないと感じる。
彼は生真面目だがどこか感覚がずれているのだ。だが物語の最後、店の繁盛は彼のマリネ液のおかげであったことが判明し、また信頼する仲間を手にすることもできた。
しかし一方でとってつけたように感じるエンディングでもあった。
あったはずの冷蔵庫の死体はどこに消えたのか。ビャンはアストレッドやアイギルまでも閉じ込めたスヴェンを許せるのか。そしてなぜアストレッドは再びビャンのもとに戻ったのかなど疑問点は残るばかりである。
映画『フレッシュ・デリ』 まとめ
ハンニバルで話題のマッツ・ミケルセンのもう一つの「人肉代表作」と言える。
異様なまでにデコを出し汗を欠くマッツが見られるのでそこだけでも十分に面白い。
またビャンとアイギスの二役を演じるニコライ・リー・ルーカスの演技の振れ幅の差も素晴らしい。
意外にも人間関係描写が丁寧なので、ヒューマンドラマの映画であると言われても不思議ではない。
しかしやはりラストの失速感が多少感じられてしまい、俳優陣の演技でどうにか作品がもっている部分も大きいと言える。
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