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映画『フロンティア(2017)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フロンティア(2017)』の概要:都市開発の現場に第2次世界大戦時の防空壕が発見されたが、若きビジネスマンは防空壕の崩落事故に巻き込まれてしまう。それ以来、過去の世界へ飛ぶことができるようになるが…。先祖の軌跡を共に歩み、自らに繋がる血筋を守ることで愛を知る様を描いている。

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映画『フロンティア』の作品情報

フロンティア

製作年:2017年
上映時間:100分
ジャンル:SF、アクション、戦争
監督: ドミトリー・チューリン
キャスト:パヴェル・プリルチニー、クリスティーナ・ブロスカヤ、アレクサンドル・コルシュノフ、セミョン・トレスクノフ etc

映画『フロンティア』の登場人物(キャスト)

ミハイル・シューロフ(パヴェル・プリルチニー)
傲慢で非情なビジネスマン。父ニコライの教えを信じ利己的。都市開発現場にて、エリザヴェータと出会い一目惚れする。防空壕の崩落事故に遭い、過去世界へ飛ぶことになり、自らの血筋を知ることになる。
エリザヴェータ(クリスティーナ・ブロスカヤ)
考古学者で戦争時の防空壕の調査をしている。採掘現場の防空壕跡を残そうと抗議運動を配信しているところで、ミハイルと出会う。黒髪の美しい女性。
ニコライ・シューロフ(アレクサンドル・コルシュノフ)
ミハイルの父親。戦争孤児として施設にて育った。愛は弱さだと息子に口酸っぱく教えている。他人を愛するよりも、自分だけを愛せと言う。現在は老齢のため、車イス生活を送っている。
アレクセイ・シューロフ(セミオン・トレスクノフ)
第2次世界大戦時、兄と父を戦争で亡くし仇を討つために出兵。ミハイルの祖父。出兵当時は16歳。勇敢で深い愛情を持っている。

映画『フロンティア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フロンティア(2017)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フロンティア』のあらすじ【起】

都市開発地域の現場にて、第2次世界大戦時の防空壕が発見され抗議運動が勃発したと連絡を受けたミハイル・シューロフ。彼は開発を進める若きビジネスマンであったが、歴史などに興味はなく一計を案じて工事を進めようと考える。
抗議運動を行っていたのは、考古学者のエリザヴェータという美しい女性だった。一目見て彼女に惹かれるミハイル。説得と称して調査結果を聞くことにした。

防空壕跡には当時の兵士や看護師の遺体、持ち物などが残されている。エリザヴェータは調査するうちに謎と出会う。それは当時の指揮官がアレクセイ・シューロフという将校だったからだ。ミハイルと同じ苗字であったが、彼は彼女の話を否定。勢いで防空壕を支える柱の杭をつい引き抜いてしまう。直後、柱が崩れ2人は崩落に巻き込まれてしまうのだった。

杭を手にしたまま意識を取り戻したミハイルだったが、周囲の景色はこれまでと一変している。目の前には2人の将校が立っており、戦場の状況を話し合っていた。話の内容からすると、戦況は思わしくないらしい。どういうことか、理解が及ばない。

しかし、そこへ爆撃機による攻撃が行われ橋頭堡へ避難したミハイルは、川岸で会話をしていた将校を見かけ、彼の後を追うことにした。もしかしなくても、ここは戦場である。彼の姿はどうやら周囲に認知されていない様子。恐らく、将校はアレクセイ・シューロフだと思われる。周囲に認知されないうちは、攻撃を受けても怪我はしないようだ。

アレクセイは兵士を勇気づけている。ミハイルはそれを横目に、自分が戻るには手にした杭を元に戻せばいいのだと理解した。兵は疲弊しきっており絶望の色が濃い。軍に応援要請はしているが、恐らくそれも見込めないだろう。その間、本部と思われる防空壕へ辿り着いたミハイルは、杭を戻そうとするも嵌る場所が見つけられず。

そこで、看護師や女性兵を船で避難をさせるという話を耳にしたミハイル。川岸で杭を捨て自分も逃げようとしたが、失敗。アレクセイが戦場の指揮を執ることになり、自分の防空壕を本部にすると聞く。それなら、帰る望みはまだある。ミハイルは杭を拾って再び、アレクセイの後を追った。

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映画『フロンティア』のあらすじ【承】

激しい戦況の中、恐怖は募る。現実だと認知すれば、自分にも害が及ぶことを知ったミハイル。どうにかアレクセイと共に防空壕へ。敵はすでに橋頭堡へ侵入している。いよいよをもって、全滅は免れない。兵士達は最期を迎えるべく、それぞれに心を決め次々に自害。ミハイルは杭を元に戻したが、何も起こらずに果てる兵士達を目の当たりにした。そして、最後に残ったアレクセイが自害すると共に、ミハイルもまた現実世界へと帰還するのだった。

崩落事故に巻き込まれたエリザヴェータは、救急搬送されたらしい。だが、ミハイルは無事で怪我と言えば右肩が痛む程度。未だ醒めやらず茫然とするミハイル。とにかく次の予定に向かわなければならない。都市開発を進める上役との食事のため、レストランへ向かった。しかし、そこで自分にしか見えない時空の竜巻を発見してしまう。一旦、トイレにてクールダウンし、エリザヴェータの見舞いへ行くことにした。

だが、エリザヴェータは意識不明に陥り、面会謝絶となっている。追い出された彼はその足で父親ニコライがいる施設へ。ニコライは戦争孤児で施設の看護師にシューロフと名付けられた。しかし、父親は多くを語らず愛は弱さだと言い張る。その教えは息子のミハイルにも受け継がれ、今の彼を作り上げたと言っても過言ではなかった。

そこでミハイルは父親が育った施設へと向かったが、すでに閉鎖されて入れない。諦めて帰ろうとしたミハイルの前にまたも時空の竜巻が発生。彼は巻き込まれないよう逃げ回った。そうして、過去の戸籍を保管している保管庫へ避難。ここも老朽化のため、移転する予定らしい。父の記録を探してもらったが、戦争で紛失したため、見つかられないと言われた。だが、ミハイルには過去が見える。棚の足を支えるためにニコライのファイルが使われたようだ。直後に避難警報が出たため、恐らくはそのまま忘れられたのだろう。ミハイルは棚の足の部分から、ニコライのファイルを取り出した。

映画『フロンティア』のあらすじ【転】

ファイルには父親の出生も記されている。これでアレクセイが自分の先祖ではないことが証明されるだろう。エリザヴェータが言う謎は解明された。そのはずだった。だが、彼女の助手を務める青年から、アレクセイには息子が2人いたと聞かされる。親戚は今も健在らしく、住所を教えてもらった。そこでもまた、過去の世界を垣間見たミハイル。
自分の頭がおかしくなったと思い脳検査をしてもらったが、異常はない。そこへ、エリザヴェータの助手が決死の反対運動を行っていると知らせが入り、現場へ急行。彼はシューロフの記録を新たに入手したと、ミハイルに認識票を手渡してくる。

認識票を開いたミハイルは、またも過去の世界へ。また戦場である。認識票に記載されていた名前はパーヴェル。候補者は3人もいたため、つかず離れずに行動。川を渡る筏に乗っていたが、敵軍からの襲撃にて自分も傷を負うことに気付いた。戦いは激化の一途を辿っている。3人の青年を追いかけ、ミハイルは命からがら戦場を駆け抜けた。その間に2人の青年が死亡。残された青年は負傷した先輩兵を連れて、基地へ引き返した。しかし、連れ帰った兵の傷は深く、川を越えた先の病院へ搬送しなければ助からないと言う。そこで残された青年は兵をつれて、氷が張った川を渡ることにした。

弾丸や砲弾が飛び交う中、青年は必死に進んで行く。その後をミハイルも進む。そうして、無事に川を渡り切った。青年がどうやらパーヴェルだったらしい。彼は再び、岸の向こう側へ戻ったが、その途中で爆撃に遭い命を落としてしまう。同時にミハイルも腹部を負傷。彼は青年に認識票を渡し、代わりにオペラグラスを受け取った。

映画『フロンティア』の結末・ラスト(ネタバレ)

現実世界へ戻ったミハイルは満身創痍となりながら、都市開発の工事を一時中断し、オペラグラスを渡しに向かう。その家はシューロフ家とも縁のある家だった。父親アレクセイと同じ名前を持つ次男アレクセイは当時16歳だったが、婚約者との間に子供ができていることを知らなかった。彼は父と兄の仇を討つため、戦争へ出兵することを決意。

当時のことを知る女性と会ったミハイルは、彼女からアレクセイへの手紙を預かる。しかし、手紙を届けようとした矢先、エリザヴェータが心停止したというメールが入り、病院へ向かう。だが、そこで彼が見たものは信じ難い事実だった。

エリザヴェータは助かったが、振り向くと自分に蘇生処置が施されている。どうやらこれまでのことは、死の縁にいたが故のことだったらしい。防空壕の崩落に巻き込まれたミハイルとエリザヴェータは、共に意識不明に陥っていたのである。心停止したミハイルに医師が言う。15分待って復活しなければ死亡診断を出すと。その言葉に、それまで止まっていたミハイルの腕時計が時を刻み始めた。急がなければ手紙が届けられない。

ミハイルは祖父アレクセイへ手紙を届けるため、過去の世界へ。そこはまたも戦場であった。アレクセイの後を追って、銃弾が飛び交う中を走り抜ける。しかし、屋上へ向かったミハイルと隊は、砲撃にてほとんどが死に絶えてしまう。生き残ったのはアレクセイのみ。彼は援軍を呼ぶために屋上で旗を掲げた。だが、そこへ敵軍の追手が現れ、ミハイルは咄嗟に身を挺して祖父を守った。そのせいでミハイルは再び死の縁へと立たされる。彼はアレクセイへと手紙を渡し、勇敢な祖父を称え意識を失った。

気が付くと病院のベッドの上だった。どうやら間に合ったらしい。彼は医師に心から礼を言う。傍らを見るとエリザヴェータがいた。ミハイルは彼女へと愛を告げ、息子を心配して施設から駆け付けた父へと笑みを見せるのであった。

映画『フロンティア』の感想・評価・レビュー

都市開発の採掘現場に第2次世界大戦時の防空壕が発見され、非常で利己的なビジネスマンと考古学者が防空壕の崩落に巻き込まれる。それ以降、主人公は過去の世界へと飛ばされてしまうという話。戦争で記録が紛失したせいで、自らの先祖が分からない主人公。過去世界を追体験することで自らに繋がる先祖を知り、それに伴い愛情を見出す。

ロシアの作品であるが、過去への入り口として時空の竜巻が出現するという演出が面白い。ビジネスマンが戦場を逃げ回るという違和感も良いが、ヒロインとの接点が少ないのに彼女へ深い愛情を抱く理由が判然としない。一目惚れという理由だけでは、少々弱い気がする。(MIHOシネマ編集部)

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