映画『エスケープ・ルーム(2017)』の概要:恋人の誕生日プレゼントに、密かなブームとなっており幻のゲームと言われるエスケープ・ルームのチケットを渡したヒロイン。彼女は恋人を含め、友人達と脱出ゲームへと挑むことになるが、そのせいで凄惨な悲劇が彼らを襲うのだった。
映画『エスケープ・ルーム』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:ウィル・ワーニック
キャスト:エヴァン・ウィリアムズ、アナベル・スティーヴンソン、エリザベス・ハワー、ダン・J・ジョンソン etc
映画『エスケープ・ルーム』の登場人物(キャスト)
- タイラー(エヴァン・ウィリアムズ)
- アメフト好きの男性。クリステンと長年、恋人関係にある。非常に賢く、発想力はかなり高め。ナターシャの誘惑を手酷く突っぱねている。見栄張りでプライドが高い。
- ナターシャ(アナベル・スティーヴンソン)
- 黒髪の美女でアンダーソンと夫婦関係にある。情けない夫には不満だらけで、賢いタイラーに乗り換えようとしている。
- クリステン(エリザベス・ハワー)
- タイラーの恋人で金髪の美女。発想力が非常に高く、ナターシャとタイラーの関係を訝しんでいる。エスケープ・ルームのチケットを入手し、ゲームへの参加を促す。
- アンダーソン(ダン・J・ジョンソン)
- ナターシャの夫。黒縁のメガネをかけている。秀才だが、ナターシャやタイラーよりは発想力が足りない。どこか情けなさが目立つ。
- コンラッド(ジョン・イエラルディ)
- タビーと恋人関係にある、黒髪の青年。タビーに夢中で肉欲的。いつでも盛っており、発想力は並。
- タビー(ケリー・デルソン)
- 白金の美女でコンラッドの恋人。タイラーの妹で少々学が足りないが、愛嬌いっぱいの可愛いらしさがある。
映画『エスケープ・ルーム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エスケープ・ルーム』のあらすじ【起】
恋人同士のタイラーとクリステン。その日はタイラーの誕生日で、クリステンは数カ月をかけ恋人のために準備をしてきた。
誕生日プレゼントは、密かなブームとなっており幻のゲームと言われるエスケープ・ルームというゲームのチケット。制限時間1時間で密室から脱出するというゲームである。
レストランにて食事後、黒塗りの高級車が迎えに来ている。タイラーとクリステン、友人のナターシャとアンダーソン夫婦、コンラッドとタビーがゲームへの参加者として車に乗り込んだ。スマホは没収され、ゲームでは自らが持つ知性と冷静さが試されるというわけだ。
クリステンはゲームのチケットを手に入れるため、ネット上を隈なく探したと言う。だが結局、見つけられなかった。そんな時、彼女の元に仕掛けの施されたキューブが届けられる。キューブの謎を解くと、エスケープ・ルームへのアクセス権とアドレスが現れるという仕掛けだった。キューブはゲームへの招待状だったのである。謎解きは小手調べといったところなのだろう。
しばらくの間、車に揺られた6人。ようやく車が停車する。そこでクリステンは、友人を含めタイラーにも目隠しをするよう促した。
映画『エスケープ・ルーム』のあらすじ【承】
車から移動し部屋へ入ったところで、目隠しを外したタイラーはまず、部屋を一通り見渡し室内灯を点灯。そこは古びた廃屋のような場所で、室内にはブラウン管のテレビが山と積まれ、背後には新聞の山、壁にはいくつもの壁掛け時計が配置されている。クリステンの姿はどこにもなかった。
ナターシャとアンダーソンは両手を拘束されていたが、繋がっている紐が酷く絡まっていた。室内は山小屋風のようで壁には熊のはく製が飾ってあった。2人はまず、絡まった紐をほどくことに。
コンラッドとタビーは実験室か手術室のような、無機質な部屋へ。コンラッドの股間には拘束具がつけられていた。
制限時間は1時間。謎を解くためには、互いに協力し合わなければならない。それぞれに最初の謎を解く。タイラーが脱出するには、扉の暗証番号が必要だった。そこで、扉の覗き穴が開きナターシャ達の部屋と繋がる。タイラーは彼らの部屋にある時計から暗証番号を閃き、扉の開錠に成功。開いた扉から鍵を発見し、2人の拘束を外した。3人は部屋から脱出するため、次なるヒントを探し出し、壁にかかっている動物の絵に注目。絵を並び替えると隣の部屋の窓が開いた。だが、防音ガラスなのか声は届かず。
恋人同士のコンラッドとタビーは2人の世界に入り込み、謎を解く素振りは見えない。そこで、彼らの部屋に扉があるのを発見し、タイラーは自分の部屋へ向かって隠し扉を見つける。扉を開けるには鍵が必要なようだ。壁掛け時計の秒針に注目したタイラーは、そこから鍵とカードを見つけ出し、妹カップルと合流した。
映画『エスケープ・ルーム』のあらすじ【転】
3つの部屋が繋がると、ブラウン管テレビに映像が映し出される。そこには、全裸で檻に入れられたクリステンの姿が映っていた。残り時間は41分。
一同はコンラッドとタビーがいた部屋へ。扉が閉まると点灯する文字盤を発見し、コンラッドがつけていた拘束具から謎のカードを入手した。謎を解くには、他にヒントが必要だ。タイラーの部屋で新聞の山から30年前のタイラーの誕生日の新聞を探し出し、クロスワードの答えから文字盤の答えを導き出した。
しかし、隣の部屋の扉は開かず、鍵が壊れてしまう。部屋にはコンラッドとタビーが再び閉じ込められてしまい、残されたタイラー達は他に方法がないかを考える。だが、そうしている間に、2人の部屋に謎のガスが注入開始。何のガスか分からないが、閉じ込められた2人は呑気にもキスをしつつ、いちゃついている。そこで、2人の体に異変が。
どうやら、皮膚が溶けているようだ。ガスは本格的に放出を始めたが、やはり扉は開かず。コンラッドとタビーの身体はどろどろに溶け、最後には血反吐を吐いて倒れた。酸ガスだったようである。残された3人は愕然とし、衝撃に震えた。
ナターシャは夫アンダーソンに対し、扉の鍵を壊したことを責め立て失望。一方、タイラーは妹の死を深く哀しみそして、テレビ画面に映されたクリステンの姿に目を留める。これはゲームではなく、現実である。彼はそれを自覚し危機感を募らせ、本気で出口を探し始めた。
映画『エスケープ・ルーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
タイラーが部屋で人が1人通れるだけの通気口を発見。彼を筆頭にナターシャとアンダーソンが続いた。しかし、途中でやはり謎かけが準備されている。更に彼らを追うように、ダクトが閉じる仕掛けが発動。音が近付く中、必死に謎を解き先へと進んだタイラーとナターシャ。だが、アンダーソンは足が挟まってしまい、ダクトの扉に胴体を真っ二つにされ息絶えてしまうのだった。
夫の死体を見つめたナターシャは恐怖に震えつつ、タイラーの後を追う。しかし、ようやく出たかと思ったら同じ部屋へ戻って来てしまう。絶望に打ちひしがれた2人だったが、そこでナターシャが次のヒントを発見。その謎を解いた途端、部屋には大音量で音楽が流れる。
ナターシャは彼に対し、利己的で見栄ばかり張るタイラーの本性は、クリステンを始め誰もが知っていたと白状。すると、彼は部屋に流れている曲は、自分が大嫌いな曲でそれを知っているのはクリステンだけだと言う。そこで、彼は熊のはく製の口奥にあるレバーを発見。それを引っ張ると出口の鍵が開く。
だが、レバーを離せば鍵がかかる。更に出口の扉を開こうとすれば、レバーを引っ張る人の手首が砕ける仕掛けが施されていた。扉は非常に重く、ナターシャの力では開けることができない。ナターシャがレバーを引っ張り、扉はタイラーが開けることにした。そうして、彼はナターシャを犠牲にし、1人で外へ。
廊下の突き当りにはカードを差し込む場所がある。タイラーは震えつつも全てのカードを差し込み、開いた扉へ入った。だが、そこにもクリステンはいない。大画面のモニターには恋人が映し出され、扉が閉まると同時に2分の制限時間が課せられた。
彼女を責めたてるばかりのタイラーと、泣きながら謝るばかりのクリステン。2人の前にはボタンが2つ。自分を助けるか、相手を助けるか。
制限時間1秒前、2人は咄嗟にボタンを押した。タイラーは自分を助け、クリステンは彼を助けた。すると、タイラーは背後から杭を刺され息絶えてしまう。
対して、クリステンは檻から解放され逃亡に成功。彼女は近くの公衆電話へ向かい警察へ助けを求める電話をかけたが、途中で何者かに通話が乗っ取られてしまう。彼女は相手の男がエスケープ・ルームの主催者であることを知るが、助かったのは友人達か自分のどちらかと問われ、その場に倒れてしまうのだった。
映画『エスケープ・ルーム』の感想・評価・レビュー
完全密室からの脱出劇を描いている。その過程でそれぞれの人間性が顕わになり、無為に命が奪われる。『ソウ』シリーズとも似た境遇だが、あれらの作品よりは大した仕掛けが施されているわけではない。犯人は現実からの逃避をプレゼントしているつもりらしく、ターゲットにのみ接触する。
謎解きが中心であるため、それによって命を奪うのはおまけのような演出。友人や家族たちは追い詰められることによって本性を顕わにするため、関係性は歪み秘密が露呈する。そんな様を如実に描いた作品。(MIHOシネマ編集部)
『CUBE』や『SAW』シリーズが大好きな私はこの作品本当に面白くて最高でした。日本の作品で言うと『カイジ』や『世にも奇妙な物語』にもこんな展開があった気がします。密室から抜け出すためには謎を解き、何かを犠牲にしなければならない。
謎解きのトリックや仕掛けが面白く、飽きることなく見られました。また脱出する過程で彼らの本性が明らかになっていくのもありがちですが、ストーリーをさらに面白くしていて見応えがありました。(女性 30代)
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