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映画『10×10 テン・バイ・テン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『10×10 テン・バイ・テン』の概要:突如、誘拐され完全防音の10×10フィート四方の部屋へ監禁された女性。男性は彼女へとひたすらに名前を言えと問い詰める。激しい抵抗を示し必死に逃れようとする女性だったが、追い詰められた彼女はやがて、驚愕の真実を明らかにする。

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映画『10×10 テン・バイ・テン』の作品情報

10×10 テン・バイ・テン

製作年:2018年
上映時間:89分
ジャンル:サスペンス
監督:スージー・ユーイング
キャスト:ルーク・エヴァンス、ケリー・ライリー、ノエル・クラーク、ジェイソン・メイザ etc

映画『10×10 テン・バイ・テン』の登場人物(キャスト)

ルイス(ルーク・エヴァンス)
几帳面な性格で自宅の清掃をまめに行っている。殺人を自白させるため、綿密な計画を立てキャシーを誘拐するが、喧嘩にはあまり強くない様子。子煩悩で愛情深く、妻アラーナと一人娘を深く愛している。
キャシー(ケリー・ライリー)
赤毛の女性。生花店を営んでいる。実はキャシーという名前は死んだ双子の妹の名前で、本名はナタリー。元看護師。信心深く父親の不倫と妹の死から、罪を重ねる3人の患者を自分勝手に裁く。本性は傲慢で狡賢い。
アラーナ(オリヴィア・チェネリー)
ルイスの妻。黒髪の美しい女性。貞淑な妻を装いつつ、実は夫ルイスに隠れて密かに愛人と逢瀬を続けていた。

映画『10×10 テン・バイ・テン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『10×10 テン・バイ・テン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『10×10 テン・バイ・テン』のあらすじ【起】

生花店を営むキャシーはその日、いつも通りに朝食を済ませフィットネスクラブへ向かった。しかしその帰り、背後から男に襲われ手足を拘束された後、白昼堂々誘拐されてしまう。

連れて来られた場所は10×10フィートの完全防音で正方形の部屋。タイル敷きの床に壁色は白色で酷く無機質な部屋だった。男は部屋が完全防音であることを話し、口を塞いでいたガムテープを外したが、キャシーは助けを求めて叫ぶばかり。
男が去った後、ひたすら叫んだキャシーは部屋に換気口を発見したが、そこから漏れ出る声はとても小さい。建物の周辺は林に囲まれ隣家とも離れた場所にあったため、彼女の声は誰の耳にも届かなかった。

この家はどうやら男の自宅のようだ。男、ルイスはキャシーが無駄に助けを求めている間、
手早く誘拐の道具を片付け、全ての痕跡を消した。そして、彼女が落ち着くのを見計らって防音室へ。

キャシーは恐怖に怯えながら金をやるから解放しろと言う。だが、ルイスの目的は金ではなくただ、名を名乗れというものだった。彼女はフルネームを名乗ったが、ルイスは納得せず部屋を去ってしまう。

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映画『10×10 テン・バイ・テン』のあらすじ【承】

部屋から出たルイスはキャシーの所持品を探る。その頃、キャシーは後ろ手に拘束された腕を前へ回すことに成功。防音室へ戻って来たルイスへと反撃して部屋から逃走を図った。だが、男は銃を所持しており威嚇発砲してくる。そこでキャシーは泣き落としをして再び反撃。ルイスが怯んでいる間にスマホから助けを呼ぼうとしたが、家は圏外の場所にあるようだ。

仕方ないのでキッチンにて見つけた包丁で足の拘束を外し、窓を叩いて外へ助けを求めた。しかし、窓ですら防音処置がされているのか外へは声が漏れない。意識を取り戻したルイスは落ち着いた様子で、キャシーへと食卓につくよう促した。

食事が二人分用意されている。男が事も無げに食事を開始したため、キャシーは疑いながらも椅子へ座った。そこでルイスは再び、名前を問う。彼女はまたフルネームで名乗ったが、やはり男は納得しない。ルイスはただ、名前を名乗れと言っているだけでキャシーがきちんと名乗らなければ、本題へ入れないと言う。故にキャシーは名前を名乗った。だが、その様子に苛立ちを見せたルイス。彼は食事の皿を彼女へと投げつけ、再び取っ組み合いを展開。ルイスはキャシーの意識を奪うことに成功するが、そこへ来客の車を発見し急いで女を防音室へ。

来客はハウスキーパーのようだ。相手を丁重に追い返した後、ルイスは几帳面にもキャシーとの攻防で荒れた家の掃除を行う。そして、テレビの録画から医療ミスにて死亡した患者のニュースを見た。

映画『10×10 テン・バイ・テン』のあらすじ【転】

銃と椅子を手に防音室へ戻ったルイス。彼はキャシーの経歴を聞き、何か月も彼女を観察してきたことを明かした。故に、キャシーが嘘の経歴を話していることを知っていると言う。それでもキャシーが嘘の経歴を繰り返したため、威嚇のために銃を発砲。再び経歴を話すよう促した。

すると、キャシーは観念したように本当の出身地を明かす。彼女の母親は看護師で父親はチームドクターだった。だが、父親はチアガールと駆け落ちしてしまい、それを苦にした双子の妹が自殺。大切な妹を失いつつも、彼女は勉強を続けやがて看護師になった。

そこで、ルイスは再び彼女へと名前を問う。だが、彼女はキャシーだと言い張る。するとルイスはキャシーという名前は、彼女の死んだ双子の妹の名前だと言う。それでも本名を口にしないことに焦れたルイスは、再び威嚇発砲。恐怖に苛まれた彼女は、とうとうナタリーという本名を明かした。その答えにようやく納得したルイス。彼がなぜナタリーを拉致監禁したのか。その理由は彼女自身が一番よく知っているはずだと、言葉を残して部屋を出た。

一人になったナタリーは逃走の際、密かに入手していたスマホで警察へ通報。かすかに電波が通じる場所があったのだ。だが、そのことに気付いたルイスが現れ、スマホを壊されてしまう。

看護師となったナタリーは勤務先を転々とし、やがて3件の不審死を出した病院へ勤務することになる。ルイスの妻アラーナは3人目の死亡者であった。事件後、ナタリーは看護師を辞めて病院を去ってしまう。事件は4年前のことで、看護師は全員が無罪とされたため、彼女は人生をやり直すために再出発したと話す。更に病院にも過失はないと判決が出ていたが、ルイスには納得のできないことばかりだった。

アラーナは普段からあまり飲酒しない生活を送っていた。1カ月前の検査では正常であったのに、死因は腎機能不全。しかも血液からはレイプ・ドラッグの薬物が検出され、泥酔状態だった。ナタリーに対しそれを訴えたルイス。しかし、彼女は事も無げに気の毒だったと言うのである。

映画『10×10 テン・バイ・テン』の結末・ラスト(ネタバレ)

しばらく時間を置いた後、再び防音室へやって来たルイス。ナタリーへと銃口を向けると、彼女は全てを白状すると言う。
敬虔なクリスチャンとして育てられた彼女は、父親が駆け落ちしたことで酷く阻害された生活を送った。そのため、縋るものは信仰しかなく妹も父親の罪に苛まれ自殺。ナタリーは教えに反する罪に対して、更に憎しみを深めた。
妹を救えなかったことで看護師になった彼女は患者を救う一方で、罪を重ねる人々を制裁しようと考える。

そこで、3人の患者を不審死に至らしめた。その内の1人がアラーナだったのである。アラーナは密かに別の男性と逢瀬を重ねていたと言う。故に、ナンシーは不倫する彼女を裁いたと言うのだった。

妻の不倫を疑ってもいなかったルイスは、ナタリーが語った真実に懊悩。少しドライブへ出て冷静さを保とうとする。すると、そこへ警察が現れ通報があったので車を調べていると言う。上手く言い逃れたルイスは、再び自宅の防音室へ戻った。

だが、ナタリーは密かに床のタイルを掘り返し拘束から逃れ、現れたルイスへと襲い掛かり外に逃れてしまう。彼女との激しい攻防を展開している最中、最悪なことにルイスの娘とハウスキーパーが帰宅。ナタリーは奪った銃でハウスキーパーを銃殺し、娘を人質に取った。
大切な愛娘を守りたいルイス。ナタリーは飽くまでも自分はキャシーだと言い張り、こうなったのは全てルイスのせいだと宣う。

だが、ルイスはナタリーの言動を全て録音していたため、彼女がいくら自分はキャシーだと言い張っても罪から逃れられることはできない。そこで、娘が抵抗を示したため、隙を突いてナタリーへと飛び掛かったルイス。再び取っ組み合いにて意識を奪い、録音データと娘を連れて逃走しようとする。しかし、車へ乗り込んだ時、ナタリーが銃を手に現れる。だが、銃は弾切れで使い物にならず。彼女はルイスを痛めつけ彼を殺そうとしてくる。それでもルイスはやられまいと抵抗。はねのけられた彼女は、車庫の扉を閉めるレバーへぶつかり転倒し、扉に挟まって息絶える。ルイスは満身創痍となりながらも愛娘を抱き締め、無事を確かめるのであった。

映画『10×10 テン・バイ・テン』の感想・評価・レビュー

過去にあった不審死事件の真犯人を拉致監禁して自白させようとする男と、死んだ双子の妹になりきって罪から逃れ続けようとする女との攻防を描いている。序盤は完全防音の部屋に突如、拉致監禁され不穏な雰囲気が漂いっぱなしだが、男はひたすら名前を言えとそればかりを問う。それに対し、女は異常なほどに抵抗し逃げようとする。名前を聞き出すだけなのに、かなりバイオレンスな展開。後半でその理由が明らかになるのだが、それまでは男が犯人で女が被害者だという印象を意図的に強めた演出がされている。

後半は血みどろで激しい攻防となるため、印象が変わる。男は時間をかけて綿密に計画を立てて実行したと思われるが、素人だけに爪の甘さが見られ、女に反撃されてばかりいる。これにより、いかに女が狡賢いかが分かる。短時間ながらも素晴らしく内容の濃い作品。(MIHOシネマ編集部)

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