映画『グォさんの仮装大賞』の概要:2012年の中国映画。家族との確執や老いへの不安などそれぞれの思いを胸に、老人ホームで暮らすじいさんたちがTVの仮装大賞に出場するためバスでホームを脱走するロードムービー。
映画『グォさんの仮装大賞』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:104分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:チャン・ヤン
- キャスト:シュイ・ホァンシャン、ウー・ティエンミン、リー・ビン、ヤン・ビンヤン etc
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映画『グォさんの仮装大賞』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『グォさんの仮装大賞』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『グォさんの仮装大賞』のあらすじを紹介します。
中国にある、とある小さな老人ホームの物語。
妻に先立たれたグォさんは、確執がある息子夫婦から見放され仕方なく友人・チョウさんが暮らすホームを訪れた。
満室で断られてしまうもチョウさんと同室でということで許可が降りたため、早速入居することになった。
ホームには認知症の女性や重病を患っている老人たちばかりがいた。
その中でうまくなじめないグォさんは心を弱らせていく。
そんなグォさんを心配したチョウさんは、仲間を集めて色々なプレゼントをし元気づける。
少しずつだが前向きになるグォさんだった。
ある日チョウさんはテレビの仮装大賞に出場しようと提案する。
しかしホーム側は、家族の承諾無しでは天津までの移動は許可できないという。
そこでどのような演目をするか家族の前で披露しようと練習が始まった。
しかしこの仮装は老人にとってはハードだと家族は大反対。
元々バスの運転手であったチョウさんとグォさんはぼろぼろのバスを購入し、ホームから脱走しようと提案。
グォさんは人生最後の楽しめる計画を実行しようとする。
バスに乗り込んだ一行は、久しぶりの外の自由な世界に誰もがワクワクしていた。
車椅子でも認知症でも遠足気分ではしゃいだのだ。
久しぶりの感覚だった。
そして無事天津で仮装大賞に出場することができたのだった。
映画『グォさんの仮装大賞』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『グォさんの仮装大賞』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
世界で問題視される高齢化問題
世界中でかなり重要な問題になっている高齢化。
本作品は内容こそコミカルに描かれ喜劇として映画化されているが、実はかなり現実的な問題が提起されている。
家族との確執や金銭問題、ホームの満室状態など日本でもニュースで聞く内容ばかりだ。
そんな社会派の問題を笑いありのハートフルコメディにしちゃうあたり、監督のセンスを感じてしまう。
また老人ホームを舞台に描いてはいるものの、バスで外に出てしまうというロードムービーにしたのも正解。
このことで老いと向き合う切ない老人たちの姿が一気に明るいものとなる。
シリアスでありながら朗らか。
若い人も本作品をできれば鑑賞して欲しい。
こんなに見やすい映画は無いのだから。
キャラ設定の甘さ
本作品の悪いところはキャラクター設定の甘さだろう。
例えばホームの女性医院長、この人は性格が良いのか悪いのか最後までわからない。
善悪が表にでないため感情が乗りづらい。
バスに乗り込む老人たちは体や老の特徴ははっきりしているものの、性格や過去が会話に出てくる程度。
もう少し回想シーンなどを細かく盛り込み、各人にスポットを当てれば個人の哀愁を強く感じることができ感動も倍増になったはずである。
仮装大賞の身近さ
正確には明言していないが、恐らく日本の欽ちゃんの仮装大賞をモデルにしている。
本選は日本で行われるというあたりそのことがはっきり伺えるし、点数のつけかたも同じだ。
日本を意識して製作しているとより見やすく、身近になることは誰でも同じ。
仮装大賞のシーンを是非見て欲しい。
老人たちのユーモラスたっぷりの仮装は可愛らしく、そして切なく人生の最後を楽しんでいる彼らを涙なしでは観ることが出来ない。
仮装大賞と聞けば、日本人の誰もが思い浮かべるあの番組。誰もが知る伝説的な番組に出演しようと頑張るおじいちゃんたちの物語でした。
「欽ちゃんの仮装大賞」というタイトルは出てこないものの、作中のセリフなどから番組が容易に想像できます。
しかし、参加するメンバーはお年を召したおじいちゃん。認知症があったり、体力が衰えていたりで仮装大賞への旅はスムーズには進みませんが、楽しいことをしようと明るく前向きな彼らの姿はすごく素敵でした。
優しくて温かい気持ちになれる作品です。(女性 30代)
映画『グォさんの仮装大賞』 まとめ
老人福祉問題をテーマにした勇気ある作品。
しかもシリアスで暗くなりがちなテーマなのに、コミカルで明るくしてしまうあたりがセンスの良さを感じる。
そしてなにより若者に見てもらいやすいカジュアルさが良いだろう。
年寄りが片寄せあって鑑賞するのではあまりに寂しい。
そして今現在実際にホームにいる人々や、その家族にも是非見て欲しい。
老いは誰にでも来るし、それはどんな形でどんな場所で迎えることになるのか誰にもわからない。
この人たちのように最後まで笑って楽しく暮らしたいと思う人が増えるだけで、この社会問題は変わってくる。
毎年嫌なニュースが多い中、リアルな社会問題をコメディタッチにすり替えてくれると映画界も少し明るく盛り返すかもしれない。
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