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映画『オーディション(2000)』あらすじとネタバレ感想

映画『オーディション(2000)』の概要:三池崇史監督が製作した2000年公開のホラー映画。原作は村上龍の同名小説で、映画のオーディションに来た女性の中から再婚相手を探した男性が体験する恐怖を描いた作品。

映画『オーディション』 作品情報

オーディション

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー
  • 監督:三池崇史
  • キャスト:石橋凌、椎名英姫、國村隼、松田美由紀 etc

映画『オーディション』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『オーディション』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『オーディション(2000)』のあらすじを紹介します。

ビデオ制作会社を経営している青山は、7年前に妻を亡くし息子を男手一人で育ててきた。
ある日、高校生になった息子から再婚したらどうかと薦められる。
そのことを親友の吉川に相談してみる。
プロデューサーでもある吉川は、今度の新作映画のオーディションに参加してその中から探してみてはどうかと提案してきた。

立場を利用し、一緒にオーディション選考に参加することにした青山。
何となく気になる女性を見つける。
それが麻美だった。
吉川は反対するも、連絡を取り合うようになった。
最初は良き相談相手として、次第にお互い恋愛感情を持つようになる。

遂に結婚願望まで持った青山は、プロポーズしようと旅行に誘う。
一夜を共にした翌朝、麻美の姿は消えていた。
実は彼女の素性をしるものは皆無といってよかった。
彼女が所属する事務所のディレクターは行方不明。
週に3回アルバイトをしているというスナックは場所も不明。

ひたすら彼女の履歴書から爪痕を探す青山は、彼女が通っていたバレエスクールの行ってみる。
しかしそこで奇妙な車いすの初老に出会えただけだった。

しばらくすると麻美と連絡がとれた。
聞くと彼女は幼少期に両親が離婚、叔父夫婦に虐待され、バレエスクールでも肉体的な虐待を受けていたようだった。
そのことが麻美の愛情の感覚を捻じ曲げていた。
痛めつけつけることが愛情だと思っていたのだ。
行方不明のディレクターも彼女の仕業であった。

麻美は青山に筋肉注射を打った。
体の自由を奪われた青山は体を痛めつけられ、左足を切断される。

そこへ息子が帰宅。
息子は麻美を階段から突き落とし殺すのだった。

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映画『オーディション』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『オーディション(2000)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

三池監督の長所と短所が詰まっている

三池監督といえば世界に進出している監督である。
その映画は賛否両論、特に心理ホラー映画は意見が割れるところである。
本作品はアメリカの怖いホラー映画ランキングで唯一ベスト10に入った日本映画である。
そのため興味を持った人も少なくないだろう。

三池監督の映画は痛さの描写が多い。
これは長所であり短所である。
好きな人には待ってました!ということであるし、嫌いな人は絶対見たくない。
曖昧なファンはいないということになる。

本作品も前編は中年男性と若い綺麗な女性の恋愛映画である。
石橋陵演じる青山が再婚相手を探し、目に留まった女性と次第に親しくなっていく。

しかし後半にはとんでもない結末が待っている。
不幸な生い立ちの彼女は人に危害を加えることでしか愛情を表現できないのだ。
確かに青山のことは愛している。
だからこそ無くしたくなく、その愛を表現したくて彼を痛めつける。
その描写が非常にえぐい。
傷つけるシーンはカメラワークで映していない、ある程度鑑賞者の想像力に委ねる演出だ。
しかしその演出が見事すぎて、見ているだけで気持ちが悪くなる。
見るのをオススメするとは言い難いが、このジャンルが好きなら満足できるだろう。
多少のB級さはあるが、もしかしたらそこはわざとかもしれない。

石橋陵の安定した魅力

実は石橋陵が良い。
2時間ドラマ俳優というイメージがあったのだが、本当に良い役者だ。
顔の表情で性格や言いたいことがわかる、そんな上手さがある。
わざとらしく無いセリフの言い回しも耳あたりが良いのだ。
ベテラン俳優の風格であろうか、その雰囲気に余裕が見られ安心して映画にはまりこめた。


石橋凌がとにかく渋いです。内容は痛々しい描写が多く、かなりハードなので好き嫌いが分かれると思いますが、石橋凌のファンの方は間違いなく楽しめる作品でしょう。
麻美の愛が歪みすぎているのでなかなか共感は出来ませんが、愛しているからこそ傷つけてしまう、手離したくないから自由を奪ってしまうという束縛のような感情なのでしょうか。
さすが三池崇史と言える作品ですが、人を痛め付けるような描写が苦手な方にはおすすめ出来ないので気をつけて下さい。(女性 30代)

映画『オーディション』 まとめ

ホラー映画というと幽霊を想像しがちだ。
特に今世界ではJホラーの人気が高まっている。
もちろん期待もされることだろう。
しかし本当に怖いのは実は人間である、というのが本作品の醍醐味である。
人間というのは厄介な生き物で、一筋縄にはいかない。
それぞれ生きてきた過去が違い、価値観もそれぞれ。
その中で毎日のように新しい出会いがあり、話を合わせ生活してくのだ。
これにどれだけの怖さが付きまとうか、意外と人は知らない。
この映画を見るとそれが露呈されていて、新しい出会いに二の足を踏んでしまうかもしれない。
1度見たら2度と見たくない映画にランクインしてしまう映画。
それがこの映画である。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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