この記事では、映画『岳 ガク』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『岳 ガク』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『岳 ガク』の作品情報

出典:https://video.unext.jp/title/SID0002517
| 製作年 | 2010年 |
|---|---|
| 上映時間 | 125分 |
| ジャンル | アドベンチャー |
| 監督 | 片山修 |
| キャスト | 小栗旬 長澤まさみ 佐々木蔵之介 石田卓也 |
| 製作国 | 日本 |
映画『岳 ガク』の登場人物(キャスト)
- 三歩(小栗旬)
- 世界中の山を制覇した登山のプロで、山岳救助ボランティア。いつも笑顔で元気。
- 久美(長澤まさみ)
- 北アルプスの山岳救助隊に配属された新人。芯が強く、頑固な一面もある。
- 野田(佐々木蔵之介)
- 北アルプスの山岳救助隊の隊長。三歩の過去を知る数少ない人間の一人。
- ナオタ(小林海人)
- 父親と一緒に、北アルプスで登山をしていた途中で父親とはぐれ、山の麓の食堂に助けを求めてやってきた小学生。
映画『岳 ガク』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『岳 ガク』のあらすじ【起】
山岳救助隊に配属された久美は、初めて遭難者の救助に立ち会った際、山岳救助ボランティアの三歩という青年と出会った。
山を知り尽くし、北アルプスでの遭難者救助で活躍を続ける三歩を、救助隊員たちは「山そのもの」だと認識している。
久美は三歩のもとで訓練を受けることになった。
ある日、久美と三歩が訓練を終えて、山の麓にある食堂に行くと、父親とはぐれたという少年・ナオタが助けを求めて来た。
三歩は一人で救助に向かい、ナオタの父を見つけるが、ナオタの父は亡くなってしまう。
ナオタは、父と一緒に食べるはずだったおにぎりを抱えたまま、父の亡骸の前で泣き崩れた。
その後、三歩はおにぎりを持ってナオタの通う小学校を訪れた。
ナオタが「お父さん、痛かったかな」と呟いたのに対し三歩は「痛かったと思う。足の骨が折れて、痛くても登ろうとして、落ちて、それでも登ろうとして。もし自分だったら諦めると思う。それでも諦めず、登ろうとしたのは、ナオタに会いたかったからだと思う」と答えた。
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映画『岳 ガク』のあらすじ【承】
久美は、休日も一人で北アルプスに行き、山で訓練を重ねていた。
そんなある日、久美は怪我を負った男性を発見した。
連絡を受けた救助隊の隊長・野田は久美に待機を命じたが、久美はそれに背き、単身で救助を試みた。
しかし久美が男性を背負い、岸壁を登ろうとしたところで男性は息絶える。
男性の遺体をフォールするよう指示を受けた久美は、そんな残酷なことは出来ないと反発するが「死体とけが人を一緒にするな」と一蹴されてしまう。
その後、三歩が久美のもとに駆けつけ、遺体をフォールした。
久美と三歩が下山すると、亡くなった男性の父親が三歩に詰め寄り、土下座しろと言った。
久美は三歩を庇おうとしたが、三歩は弁解しようとするでもなく、土下座した。
久美は遺体の扱い方や、簡単に土下座する三歩の態度に不満を持ち、苛立った。
久美は、不注意で軽いけがをした遭難者を怒鳴りつけ、なだめようとする三歩に対しても怒りをぶつけ、単独行動を取った。
その後久美は遭難し、救助されたが、救助ヘリの操縦者に「アマチュア」と言われ、落ち込む。
映画『岳 ガク』のあらすじ【転】
欠勤した久美の自宅へ、野田が訪ねて来た。
久美は野田から、三歩が初めて背負ったのは、三歩の親友だったという話を聞く。
三歩が、幼い頃からの親友と一緒に、大絶壁に挑戦していたときに親友が滑落して絶命。
三歩は2日かけて親友の遺体を山の麓に運んだという。
その後、久美は訓練で三歩と2人になった際、三歩に自分が山岳救助隊員を志したきっかけを話した。
久美の父は山岳救助隊長で、18年前の冬、北アルプスで救助活動中に亡くなった。
彼は久美に、カセットテープにメッセージを録音して残していた。
死の間際に録音されたメッセージには「どんなときも立ち止まらず、まっすぐ」とあった。
三歩は「まっすぐ上を向いて歩き続けろ」と久美に語りかけた後、赤いマフラーを久美の首に巻いてあげた。
久美が山岳救助隊に配属されてから2回目の冬、多重遭難が発生した。
救助隊員たちは総出で遭難者の救助に当たり、久美は結婚を控えた女性とその父親の救助に向かった。
久美以外の隊員たちは救助を終え、あとは久美が遭難者を救助出来れば全て解決だった。
映画『岳 ガク』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、北アルプスには爆弾低気圧が接近しており、犠牲者の数を最小限に抑えるために、救助隊も、救助ヘリも出動が制限された。
久美は救助対象の父と娘のうち、娘をヘリに乗せた直後、撤退命令を受ける。
泣きながら父を呼び続ける娘の姿と、父を失った自分が重なった久美は、ヘリに自分を引き上げるためのロープを切った。
久美と救助対象の男性は、クレバスに落下し閉じ込められた。
男性の足は雪の塊に潰されており、久美は雪の塊をよけようとするが、動かない。
男性が「娘の花嫁姿を見たかった」と呟くのを聞いた久美は「片足でもバージンロードは歩けます。足を切断して、ここから出ましょう」と訴え、男性は了承した。
たった一人で久美たちの救助に向かっていた三歩は、以前久美に贈ったマフラーを、クレバス近くで見つけ、久美の居場所を突き止めた。
三歩がクレバスの底に行くと、男性を背負ったまま息絶えている久美の姿があった。
三歩は男性の生存を確認し、久美に心臓マッサージと人工呼吸を行う。
久美は蘇生し、三歩は久美と男性を抱えて、隊に全員生存の報告をした。
映画『岳 ガク』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
小栗旬演じる島崎三歩の「山で生きるとはどういうことか」という哲学が心に残る。自然の美しさと厳しさをリアルに描いており、救助活動の現場シーンは息を呑む迫力だった。特に新人救助隊員・久美(長澤まさみ)が命を救えなかった苦悩を抱えながら成長していく姿に胸を打たれた。終盤、三歩が「山はいいぞ」と笑うシーンは、悲しみと希望が交錯する名場面。山を愛する人間たちの“生と死”が丁寧に描かれた秀作。(30代 男性)
映画を観て、山の美しさと同時に“自然の残酷さ”を痛感した。救助隊として働く人々の覚悟がリアルに伝わってくる。特に久美が初めて救助失敗を経験し涙するシーンは、観ているこちらも胸が締め付けられた。三歩の明るさの裏にある過去の喪失が明かされる終盤は涙なしには見られない。自然の前で人はあまりにも小さい――そんなメッセージが深く刺さる作品だった。(20代 女性)
原作漫画を読んでいたが、実写版も期待以上の完成度。小栗旬の笑顔に“命を懸ける男”の説得力があった。山岳救助のリアルな描写はもちろん、助けられなかった命に向き合う人間ドラマも見事。久美との関係性は師弟愛そのもので、ラストに彼女が三歩の言葉を思い出して立ち上がるシーンに涙。自然と人間の共存を考えさせられる深い一本。(40代 男性)
映像が圧巻。実際の山岳ロケの迫力は映画館で観るべきレベルだった。真っ白な雪原と吹雪の中での救助シーンは、まるで自分もその場にいるような臨場感。三歩の「山は人を試す」という言葉が重く響く。自然の美しさの裏にある“死と隣り合わせ”の現実を描いた本作は、ただの感動ドラマではなく、命の尊さを静かに訴えるヒューマン映画だった。(50代 女性)
序盤は明るくユーモアもあるが、中盤からの展開で一気に胸を打たれた。久美が救助に失敗し、自分を責める姿が痛々しいが、三歩の「助けたいと思う気持ちがある限り、間違いじゃない」という言葉が心に染みた。山という舞台を通じて“生きる意味”を問いかける本作は、人間ドラマとしても完成度が高い。最後の笑顔が深い余韻を残す。(30代 女性)
小栗旬と長澤まさみのコンビが最高だった。師弟のようであり、仲間のようであり、互いを支え合う姿に感動した。ラストで三歩が命を落とした仲間の名前を呟くシーンは静かで美しく、涙が止まらなかった。派手な演出ではなく、淡々と人間の強さと弱さを描いている点が素晴らしい。山に登る人だけでなく、誰にでも響く普遍的な物語。(40代 女性)
久美が三歩に「山が怖い」と泣く場面が印象的だった。山を愛している三歩が「怖いからこそ、登るんだ」と優しく答える。その一言が作品全体のテーマを象徴しているように思う。自然を征服するのではなく、敬い、共に生きる姿勢が美しい。雪山の描写も息をのむほどリアルで、自然ドキュメンタリーのような臨場感を感じた。(20代 男性)
「命を救う」という言葉がどれほど重いかを痛感した。都心では見えない“命の境界線”がこの映画にはある。遭難者の命を救えなかった久美の涙、仲間を失っても笑う三歩――どちらも“生き抜く覚悟”を持っている。単なる山岳映画ではなく、生と死を静かに描いた哲学的ドラマ。人間の弱さを受け入れる勇気をもらった。(50代 男性)
映画の中で最も心に残ったのは、三歩が亡くなった仲間の遺品を抱きしめるシーン。普段明るい彼の表情に、過去の痛みと悲しみが滲む。久美が彼の生き方を受け継ぎ、次の救助へと向かうラストは感動的だった。自然の厳しさだけでなく、そこに生きる人の優しさや覚悟を描いた名作。映像美も圧倒的で、何度でも観たくなる。(30代 男性)
『岳 ガク』は、“命の現場”を真正面から描いた作品。山岳救助の過酷さだけでなく、助けたいという純粋な想いが描かれている。三歩の笑顔は希望そのものであり、絶望の中にも光があることを教えてくれる。人の死を扱いながらも暗くなりすぎず、観る者に前向きな気持ちを残す稀有な映画。心が洗われるような感動を味わった。(40代 女性)
映画『岳 ガク』を見た人におすすめの映画5選
エベレスト 神々の山嶺(かみがみのいただき)
この映画を一言で表すと?
極限の世界に挑む男たちの“生と死”を描く圧倒的スケールの山岳ドラマ。
どんな話?
天才クライマー・羽生丈二(阿部寛)と、彼を追うカメラマン・深町誠(岡田准一)が、世界最高峰エベレストの頂を目指す物語。極限の自然の中で、人間の執念・孤独・信念が交錯する。山という存在に魅せられた人間たちの“生きる意味”が問われる重厚な作品。
ここがおすすめ!
『岳 ガク』同様、山と人間の関係を真摯に描いた映画。圧巻のロケ映像と、阿部寛と岡田准一の魂の演技が胸を打つ。生死をかけた挑戦の中で、人がなぜ山に登るのかという根源的な問いに迫る壮大なドラマだ。息をのむ雪山の映像は必見。
アルピニスト(The Alpinist)
この映画を一言で表すと?
孤高の登山家が命を懸けて“自由”を追い求める、実話のドキュメンタリー。
どんな話?
カナダ出身の若き登山家マーク・アンドレ・ルクレールを追ったドキュメンタリー。命綱を使わない“フリーソロ登攀”に挑む彼の姿は、常識を超えた美しさと狂気を兼ね備えている。自然と対峙する人間の孤独と自由がリアルに映し出される。
ここがおすすめ!
『岳 ガク』のように、自然と真摯に向き合う人間の姿に心を動かされる。実際の映像が持つ緊迫感はフィクションを超える迫力。ナレーションも最小限に抑えられ、マークの“生き方”そのものが観る者の胸に響く。圧倒的な映像美と静かな感動が共存する傑作。
劔岳 点の記(つるぎだけ てんのき)
この映画を一言で表すと?
山に挑むこと、それは人間の誇りと信念を試す壮大な記録。
どんな話?
明治時代、測量技師・柴崎芳太郎(浅野忠信)が、地図に未踏の山“劔岳”を記すために命懸けの登山を行う物語。過酷な自然と闘いながらも使命を全うしようとする男たちの気高さと信念を描く。
ここがおすすめ!
『岳 ガク』が描いた“山に生きる人の覚悟”を歴史的スケールで体感できる一本。撮影は実際の山岳で行われ、CGをほとんど使わない迫真の映像が圧巻。人間の小ささと自然の偉大さを感じる日本映画史に残る名作だ。
南極料理人
この映画を一言で表すと?
極限の地で生きる人間たちの“笑いと絆”を描いた温かな人間ドラマ。
どんな話?
南極観測隊の料理人として派遣された男性(堺雅人)が、過酷な環境の中で仲間たちと過ごす日々を描く。氷点下50度の世界での生活を通して、人間らしさと小さな幸せが丁寧に描かれる。
ここがおすすめ!
『岳 ガク』の緊張感とは対照的に、“極限環境の中でも笑い合える人間の強さ”を感じさせる。堺雅人の優しい演技と、仲間との交流が心を温める。自然と向き合うだけでなく、そこに生きる人間のドラマが好きな人におすすめ。
127時間(127 Hours)
この映画を一言で表すと?
究極のサバイバルを通して“生きるとは何か”を問う衝撃の実話。
どんな話?
登山家アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)が渓谷で落石に腕を挟まれ、127時間にわたって孤独な生存をかけた闘いを繰り広げる。実際の出来事を基にした作品で、極限状態での心理描写が圧巻。
ここがおすすめ!
『岳 ガク』で描かれた“自然の厳しさと人間の強さ”を、極限まで突き詰めた作品。ジェームズ・フランコの熱演と臨場感ある映像が観る者を引き込む。生きることへの執念と希望が胸を打つ、究極のヒューマンサバイバルドラマ。






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