この記事では、映画『ゲーム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ゲーム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ゲーム』の作品情報
上映時間:128分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー、ジェームズ・レブホーン etc
映画『ゲーム』の登場人物(キャスト)
- ニコラス・ヴァン・オートン(マイケル・ダグラス)
- 父親の莫大な遺産と会社を引き継いだ投資銀行社長。妻と離婚し、サンフランシスコにある大きな屋敷でひとり暮らしをしている。家政婦のイルサや仕事関係者以外に、ほとんど人付き合いはない。父親は48歳の時に飛び降り自殺した。
- コンラッド・ヴァン・オートン(ショーン・ペン)
- ニコラスの弟。通称コニー。優秀で現実的な兄とは正反対の性格をしており、人生を楽しむ主義。母親の死後、薬物依存になり、精神科に通っていた。寂しい人生を送っているニコラスに、ある誕生日プレゼントを贈る。
- クリスティーン(デボラ・カーラ・アンガー)
- ゲームが始まってからニコラスの前に姿を現した謎の女。
映画『ゲーム』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ゲーム』のあらすじ【起】
サンフランシスコの大きな屋敷でひとり暮らしをしているニコラスは、48歳の誕生日を迎える。ニコラスは父親から引き継いだ大手投資銀行の社長で、忙しい日々を送っていた。妻のエリザベスとは離婚し、幼い娘とも離れて暮らしている。
今日もいつも通りのスケジュールをこなしていたニコラスに、弟のコニーから連絡が入る。兄弟は、ニコラス行きつけのレストランで、久しぶりに再会する。
コニーは、ニコラスに「CRSクラブ」の招待状を渡し、人生が楽しくなるから電話するように言う。この招待状が、コニーから兄への誕生日プレゼントだった。
仕事を終え、夜遅くに帰宅したニコラスは、家政婦のイルサが用意したハンバーガーとケーキの侘しい夕食をとる。ニコラスは、孤独な誕生日の夜、今の自分と同じ年で死んだ父親のことばかりを思い出していた。仕事も人生も順風満帆に見えた父親は、48歳の時に、この家の屋根の上から飛び降り自殺を図ったのだ。その出来事は、ニコラスのトラウマになっていた。
翌日、ニコラスは仕事のために訪れたビルに、CRSのオフィスが入っているのを見つける。ニコラスは好奇心から、CRSのオフィスを訪ねる。
対応してくれたのは、部長のファインゴールドだった。“このクラブは何を売っているのか”というニコラスの問いに、ファインゴールドは“人生の不満を満たす”と答える。ニコラスは何となくその答えを気に入り、申込用紙にサインをする。
早速入会に必要なテストが実施される。念入りな心理テストや体力テストが1日がかりで行われ、ニコラスはヘトヘトになる。最後に保険などの書類にサインをして、ニコラスはようやく解放される。ゲームにかかる経費は、全てコニーが支払うことになっていた。

映画『ゲーム』のあらすじ【承】
ところが翌日、CRSから不合格の電話がある。ニコラスはコニーにその事実を隠す。帰宅すると、玄関前には大きなピエロ人形が横たわっていた。ピエロ人形の口からは、見覚えのないキーが出てくる。
いつものように株価のニュースを見ていたニコラスは、キャスターが自分の名前を口にしたので驚く。キャスターには、こちらの行動が全て見えているようで、ニコラスは恐怖を感じる。
翌日、出張のため空港へ来たニコラスは、誰を見ても怪しく感じてしまう。出張の目的は、会社に損失をもたらした系列会社の社長アンソンを、解雇することだった。
ニコラスはアンソンに解雇の理由を説明し、書類にサインするよう迫る。しかし書類を入れたトランクがどうしても開かない。ニコラスは仕方なく、その日アンソンにサインさせることを諦める。
夕食のため、馴染みの高級レストランを訪れたニコラスは、クリスティーンというウエイトレスにワインをこぼされる。クリスティーンは支配人の怒りを買い、その場でクビにされる。
別席へ移ったニコラスは、ウェイターから“彼女を逃すな”というメモを渡され、クリスティーンを追いかける。すると、目の前の路上で見知らぬ男性が倒れ、意識不明となる。クリスティーンとニコラスは、倒れた男性と救急車に乗り、地下の駐車場へ入る。ところが急に全ての電気が消え、一瞬にして誰もいなくなってしまう。
2人は扉の開いたエレベーターに乗るが、エレベーターは動かない。ニコラスは昨日ピエロの口から出てきたキーを、半信半疑で差し込んでみる。するとエレベーターが動き出す。
しかしエレベーターは緊急停止し、2人は天井裏からロビーまで出る。そのビルは、CRSのオフィスがあったビルだった。ニコラスがそれに気づくと、突然警報音が鳴り出し、2人は警備員と犬に追われる。
中華街の雑居ビルに逃げ込んだ2人は、追っ手を巻いて、ニコラスの会社まで避難する。クリスティーンは、“400ドルでワインをこぼせと頼まれた”とニコラスに打ち明け、タクシーに乗って帰る。
映画『ゲーム』のあらすじ【転】
翌朝、ホテルで寝坊したニコラスは、秘書の電話で起きる。秘書は、ホテル・ニッコーからニコラスのカードを預かっているという連絡があったと伝える。
ニコラスはホテル・ニッコーでカードを受け取り、スウィート・ルームに案内される。その部屋には、ニコラスらしき男とクリスティーンらしき女性が、セックスをしている様子を撮影した猥褻なビデオや写真が散らばっていた。ニコラスは写真などをスーツケースにしまい、急いでホテルを後にする。
自分の車を尾行していた男に気づき、ニコラスの怒りが頂点に達する。ニコラスは、一連の出来事の首謀者は、自分を恨んでいるアンソンだと思い込んでいた。しかしそれは誤解で、アンソンはニコラスを恨んでなどいなかった。
ぐったりして帰宅すると、家の壁中にひどい落書きがしてあり、室内はめちゃくちゃにされていた。警察を呼ぼうとしたところで、怒り狂ったコニーがやってくる。
ニコラスは興奮しているコニーを乗せ、ドライブに出る。コニーはCRSクラブに騙され、何もかも奪われたと怒っていた。車がパンクし、ニコラスは車外へ出る。コニーは車のボックスにCRSのキーが大量に入っているのを見つけ、“奴らの仲間なのか”とニコラスを疑い始める。コニーはニコラスが止めるのも聞かず、怒ってどこかへ行ってしまう。
ニコラスは車を捨て、タクシーに乗る。しかしタクシーの運転手は車を暴走させ、走行中に車外へ飛び出してしまう。タクシーはそのまま海へ転落し、ニコラスは先ほど家に届いていたネジ巻きを使って、車外へ脱出する。
翌日、ニコラスは刑事とCRSのオフィスへ向かうが、すでにオフィスはもぬけの殻だった。ニコラスの話は刑事にも信用してもらえず、彼は独自で黒幕を探し始める。
ニコラスはクリスティーンの自宅を突き止め、彼女を訪ねる。しかしそこで謎の集団に狙撃され、2人は車で逃げる。クリスティーンはニコラスに、“口座は調べたか”と聞く。ニコラスが急いで銀行に電話すると、彼の口座のからは全財産の6億ドルが引き出されていた。
コニーもサザランドもグルだと言われ、ニコラスは頭を抱える。さらにクリスティーンに薬を飲まされ、そのまま意識を失ってしまう。
映画『ゲーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
メキシコの墓穴の中で目覚めたニコラスは、バスでアメリカへ帰り、トラックに乗せてもらってサンフランシスコまで戻る。ようやくたどり着いた自宅は競売にかけられており、ニコラスは銃とかき集めた現金を持って、コニーが宿泊しているホテルへ行く。しかしコニーは警察に拘束され、ナパの精神病院へ送られたと言われる。
ニコラスはエリザベスを訪ね、車を貸してもらう。今のニコラスが信用できるのは、彼女だけだった。ニコラスは今になってようやくエリザベスが自分のもとを去った意味がわかり、彼女に心から謝罪する。
偶然目にしたテレビのCMで、あのファインゴールドが、フィッシャーという名の俳優だったと知り、ニコラスは彼を脅して黒幕を聞き出そうとする。フィッシャーを連れてあのビルへ行くと、そこにはクリスティーンやタクシー運転手など、一連の出来事に関わった人物たちが、みんな揃っていた。
警備員に追われたニコラスは、クリスティーンを人質にとって屋上へ登る。クリスティーンは、ニコラスが持っている銃が本物だと気づき、ゲームを中止するよう無線で知らせる。これはあくまでゲームだと言っても、ニコラスは信用せず、タキシード姿で現れたコニーを撃ってしまう。そしてニコラスは、ビルの屋上から飛び降り自殺を図る。
もはやこれまでと思われたが、ニコラスは高級レストランに備え付けられた巨大なマットの上に落ち、そこに集まった人々に取り囲まれる。レストランにはイルサやエリザベスに加えて、死んだはずのコニーもいた。コニーは大事なことを見失っていたニコラスのために、この壮大なサプライズを用意したのだった。
散々な目にあったニコラスだったが、心からコニーに感謝し、莫大な経費の半分を支払うことにする。そして次の仕事へ向かおうとしていたクリスティーンを追いかける。クリスティーンは本名を明かし、“空港でコーヒーでもいかが?”とニコラスを誘う。
映画『ゲーム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画としては非常に面白い作品です。
少し怖いタイプのサスペンスでした。テンポ感もよく、中弛みも感じさせない良作です。
弟が兄への誕生日プレゼントに選んだのは、とある招待状。というところから物語は始まります。これだけ聞くと兄弟愛を描くハートウォーミングな内容と、思われるかもしれませんが、如何せんフィンチャー作品のため一筋縄ではいきません。
もし、自分がこのプレゼントを受けた立場だったら怒り狂うだろうな、と思います。
あまり事前情報をいれない状態で観ることをお勧めいたします。(女性 20代)
デビット・フィンチャー監督作品。練り込まれたシナリオがどんでん返しも含めて素晴らしい。
実業家のニコラス(マイケル・ダグラス)の誕生日に弟のコンラッド(ショーン・ペン)が「人生を変える」ゲームの参加カードをプレゼントする。それからというもの、ニコラスの周りでは奇妙な出来事が連発する。これまで培ってきた名声や財産などすべて奪われた状況に追い込まれていくと、ニコラスの価値観も次第に変化が見られるように。そして、別れた元妻にも素直に謝罪ができるニコラス。
彼に降りかかった災難はすべてゲームの中の出来事だった。しかし、ニコラスは人間性という大切なものを取り戻すのだった。(男性 40代)
まず、この作品は出来るだけネタバレを見ずに見て欲しい作品です。『セブン』のデヴィッド・フィンチャー監督作品で、マイケル・ダグラスとショーン・ペンが兄弟役を演じた今作。
全てを疑いながら見ていても、知らぬ間に作品の雰囲気に飲み込まれてしまい、鑑賞している私たちもゲームの世界と現実の世界がよく分からなくなってしまうでしょう。
何度も見て、もっと深く理解したくなる素晴らしい作品です。(女性 30代)
色んな意味で衝撃的すぎるオチ。それって映画としてありなの!?と思わず叫んでしまうくらい予想外だった。
かなり賛否が分かれそうだし、正直自分もあのラストに関しては色々と納得できない部分もあるが、さすが『セブン』や『ファイト・クラブ』など数々の名作を世に生み出したデヴィッド・フィンチャー監督、観ている間はものすごく面白かったので、興味がある人は試しに観てみるのも良いと思う。(女性 30代)
ラストまで何が本当なのか分からない緊張感が凄かった。裕福で冷めた人生を送るニコラスが、「CRS」という謎のゲーム会社に申し込んだことで、現実と虚構の境界が崩れていく様子は観ていて息が詰まるほど。最後に全てが「誕生日サプライズ」という種明かしになった瞬間、驚きと同時に感動すら覚えた。人生を見つめ直すきっかけとなる一作。(30代 男性)
途中までは本当に主人公が嵌められてるのか、陰謀なのか、それとも本当にゲームなのかが分からず、不安と恐怖の連続だった。あのホテルのシーンから一気に落ちていく展開は心臓に悪い。ラストで兄弟の愛情が発覚した時は鳥肌が立った。フィンチャーらしい演出と緻密な伏線回収が最高。(40代 女性)
「これはゲームです」という一言で観客を最後まで引っ張るアイデアの勝利。どこまでが演出でどこまでが現実か、全く予想がつかず、サスペンスとして一級品だった。特に自殺の直前で全てが「サプライズだった」と明かされるくだりは衝撃的だった。終わってからもう一度観直したくなるタイプの映画。(20代 男性)
サスペンス映画としてこれほど完成度が高い作品はなかなかない。ニコラスが冷淡な成功者から、人とのつながりを大切にする人間へと変わっていく描写が、最後の種明かしで一気に納得できる。映画の構造自体が観客を騙すゲームになっていて、終わった後に何度も考え直したくなる傑作だと思う。(50代 女性)
ラストでまさかの「全部サプライズでした!」という展開には正直賛否あると思う。私は素直に驚いたけど、ちょっとご都合主義すぎると感じた部分も。ただ、それまでの緊張感や伏線の貼り方が上手すぎて、観ている間は完全に引き込まれていた。フィンチャー作品としても異色で面白い。(40代 男性)
ゲームという設定を使って、人生の価値や人間関係を問いかける構成が見事だった。主人公がすべてを失ったように見えて、実はそこから得たものの方が大きかったという結末に感動した。ラストで兄弟に「ありがとう」と言うシーンが印象的で、冷たい男が変わっていく様が胸に残った。(30代 女性)
映画『ゲーム』を見た人におすすめの映画5選
ファイト・クラブ
この映画を一言で表すと?
自分自身すら信じられなくなる、衝撃のアイデンティティ崩壊ドラマ。
どんな話?
退屈な日常に倦んだ男がカリスマ的な男タイラーと出会い、「ファイト・クラブ」という秘密の地下格闘クラブを立ち上げる。やがてその活動は暴走し、男は次第に現実との境界を見失っていく――。衝撃のラストは必見。
ここがおすすめ!
『ゲーム』と同じく監督はデヴィッド・フィンチャー。主人公の価値観が劇的に変わっていくプロセスや、ラストにすべてが覆る展開が秀逸。現代社会への風刺も鋭く、一度観たら二度目を観ずにはいられない傑作です。
トゥルーマン・ショー
この映画を一言で表すと?
自分の人生が作られたものだったと気づいた男の静かな反乱。
どんな話?
保険会社で働くごく普通の男トゥルーマン。だが、彼の日常は全てテレビ番組の一部で、彼以外の全員が俳優だった。徐々に異変に気づいていく彼は、自分の“現実”を壊し、真実を求めて動き出す。
ここがおすすめ!
『ゲーム』と同様に、主人公が自分の人生が「仕組まれていた」ことに気づいていく過程がスリリング。感動的な結末とメッセージ性の強さで、サスペンスだけでなくヒューマンドラマとしても秀逸です。
プリズナーズ
この映画を一言で表すと?
誘拐事件をめぐる父親の狂気と執念が絡む、心理サスペンスの極み。
どんな話?
小さな町で少女が失踪。警察が容疑者を釈放したことに納得できない父親は、自らの手で真相を追い始める。しかし、正義と狂気の境界は次第に曖昧に…。観る者の倫理観が揺さぶられる重厚なサスペンス。
ここがおすすめ!
『ゲーム』と同様に、観る者の予想を裏切る展開が続き、張り詰めた緊張感が最後まで続く。家族愛と人間の闇に深く切り込むストーリーは、サスペンス好きにとって堪えられない作品です。
メメント
この映画を一言で表すと?
記憶を失った男が“逆再生”で真実を追う、驚愕の構成美。
どんな話?
短期記憶を失った主人公が、妻を殺した犯人を探すため、写真とメモ、そしてタトゥーを頼りに事件の全貌に迫る。物語は結末から始まり、時間が逆行する構成が観る者の思考を翻弄する。
ここがおすすめ!
『ゲーム』のように、「何が真実なのか?」を問い続ける構造が秀逸。観る者自身が混乱しながらも引き込まれていく、極上の脳内ミステリー。クリストファー・ノーラン監督の出世作でもあり、映像構成がとにかく巧妙。
ザ・ゲーム(2006/邦題:カオス)
この映画を一言で表すと?
誰が味方で誰が敵か、すべてが二転三転する極上の心理戦。
どんな話?
強盗事件を担当する刑事が、容疑者の供述を通じて驚くべき事実に巻き込まれていく。事件は複数の視点で語られ、観る者の予想を幾度となく裏切る。誰が嘘をつき、誰が本当の黒幕なのか。
ここがおすすめ!
まさに『ゲーム』と似た「騙される快感」を味わいたい人にぴったり。脚本の緻密さと、終盤にかけての怒涛のどんでん返しは見ごたえ抜群。ラストまで目が離せない緊張感が続く傑作です。
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