映画『ゴジラVSビオランテ』の概要:幅広い世代に長年支持を受けている、大人気シリーズ『ゴジラ』。今作はシリーズの17作目にあたり、例年のゴジラ作品よりも、より大人向けの内容となっている。ゴジラの危機から、人間は生き残れるのか。
映画『ゴジラVSビオランテ』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:アクション
監督:大森一樹
キャスト:三田村邦彦、田中好子、高嶋政伸、峰岸徹 etc
映画『ゴジラVSビオランテ』の登場人物(キャスト)
- 白神英理加(沢口靖子)
- 源壱郎の娘。爆発に巻き込まれ命を落とすが、父親の手によって、ある形でこの世に復活を果たす。
- ゴジラ(薩摩剣八郎)
- 地球を度々危機に陥れている大怪獣。今作では、5年の時を経て再び日本に姿を現した。
- 白神源壱郎(高橋幸治)
- 遺伝子工学の分野においてその名を知らぬ者はいない科学者。ある組織に恨まれ、娘を殺されてしまう。
映画『ゴジラVSビオランテ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゴジラVSビオランテ』のあらすじ【起】
1985年、突然のゴジラの強襲によって多大な被害を受けた新宿新都心。そんな地獄のような時から一夜明け、自衛隊は、ゴジラの影響と思われる残留放射能を調査していた。さらに、激しい戦いで、街のあちこちにゴジラの体の破片が飛び散っていた。ゴジラの体の一部があれば、謎に包まれていたゴジラの秘密に迫ることができる。そう考えた政府は、ゴジラのパーツを回収させるのだった。
しかし、そう考えているのは日本政府だけではなかった。アメリカのバイオメジャーもまた、ゴジラの細胞、通称G細胞を狙っていたのだった。そして、見事にG細胞を手に入れてみせたバイオメジャー。しかし、そんなバイオメジャーに襲いかかる者がいた。それは、サラジア共和国のシークレット・サービス工作員だった。その工作員はバイオメジャーのスパイを射殺し、G細胞を奪い取るのだった。サラジア共和国には、遺伝子工学の分野においてその名を知らぬ者はいない、白神博士という人物がいた。
映画『ゴジラVSビオランテ』のあらすじ【承】
そして、持ち帰ったG細胞をもとに、白神博士が研究を始めるのだった。しかし、そんな白神博士を付け狙う存在がいた。それは、サラジア共和国に大事なG細胞を盗まれた、アメリカのバイオメジャーである。そして、バイオメジャーは復讐のため、白神の研究室を爆破した。この爆発で、白神はG細胞を失っただけではなく、なんと、最愛の娘、英理加までも失ったのである。
そして、それから5年の月日が経過した。その頃、恐ろしいニュースが日本を震撼させていた。なんと、倒れたはずのゴジラが、三原山で復活を果たしたのだ。このままでは、再び東京に被害が及んでしまう。なんとかゴジラを止めようと、日々権威者達による議論が交わされることとなる。
その中で、一つの案が浮上したのだ。それは、『抗核エネルギーバクテリア』、通称ANEBという作戦だった。ゴジラの体内には核物質が含まれており、その核物質を食べるバクテリアを開発することで、ゴジラの動きを止めようと考えたのだった。
映画『ゴジラVSビオランテ』のあらすじ【転】
しかし、核物質を食べるということは、世界に存在する核兵器などにも影響を及ぼすということである。このバクテリアが完成すれば、世界情勢が大きく変わってしまう。しかし、悩んでいる間にもゴジラが今にも暴れだすかもしれない。政府は観念して、ANEB作戦を推し進めることとなった。
そこで協力を仰いだのは、遺伝子工学に明るい白神だった。白神は、一週間だけG細胞を貸してもらうという条件のもと、ANEBに協力することにした。G細胞を手に入れた白神は、手元にある娘の遺伝子をもとに、新たな生物を生み出した。そして、その生物は急激に成長、巨大な薔薇のような怪獣、ビオランテとしてこの世に誕生したのだった。
一方、その頃バイオメジャーが日本にとある声明を出していた。それは、ANEBを手渡さなければ、ゴジラのいる三原山を爆破し、ゴジラを暴れさせるというのだ。日本政府はその要求に応じようとするが、なんと、シークレット・サービスが横からANEBを奪っていってしまう。
映画『ゴジラVSビオランテ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ANEBを手に入れられなかったバイオメジャーは、宣言通り三原山を爆破する。そして、とうとうゴジラが復活、暴走を始めるのだった。ビオランテとゴジラが対峙するものの、ビオランテはゴジラに敗北してしまう。
政府は唯一の希望である、ANEB奪還作戦に打って出る。そして、なんとかANEBを取り戻すことに成功するのだった。政府は、ゴジラにANEBを打ち込んだ。さらに、一度は敗れたビオランテがパワーアップして復活を果たす。ビオランテの中には英理加の心が眠っており、英理加は父親達を守るために再びゴジラと対峙した。
そんな英理加をサポートするように、先ほど打ち込まれたANEBが少しずつ効果を発揮し始めた。体内の核エネルギーをバクテリアによって食べられ、さらに、ビオランテの攻撃を受けたゴジラはとうとう地に倒れた。しかし、ゴジラを倒したビオランテも、限界を迎えていた。ビオランテは最後に「ありがとう」というメッセージを残して、この世を去るのだった。一方、ゴジラは一命を取り留めており、そのまま海へと姿を消したのだった。
映画『ゴジラVSビオランテ』の感想・評価・レビュー
ゴジラシリーズ第17弾。平成VSシリーズと呼ばれるシリーズ第一弾。ゴジラの細胞により作られた植物生命体「ビオランテ」とゴジラとの対決する姿を描く
昭和のゴジラシリーズとは対照的に徹底して人類の脅威として描かれた84年版のゴジラから続く物語として描かれている。登場するビオランテは最終的に120メートルとゴジラの全長80メートルより大きい点が斬新であるが昭和シリーズから一新されたバトルシーンは新時代のゴジラを象徴する作品となっている。(男性 20代)
稀に見る植物系の怪獣ビオランテが登場する作品。今までの作風とは異なり、少し哀愁のあるストーリーとなっている。ビオランテは、ゴジラの細胞と、遺伝子工学の博士が自分の娘の遺伝子を使う事で誕生した怪獣であり、自分の父を含めた人間を守る為にゴジラと対峙するのだが、一度はゴジラに倒されてしまうのである。しかし、再び復活し、自分の命にかえてゴジラを倒すという展開。ある意味人間のエゴが生み出したともいえるビオランテが散っていくシーンは、なんとも複雑な気持ちになってしまった。(男性 30代)
前作『ゴジラ(1984)』と世界観を共有し、対ゴジラのオリジナルの部隊・メカが登場するなど、後に続く平成VSシリーズの基礎となった作品。
バラとゴジラ、更には人間の細胞を組み合わせて生まれた怪獣ビオランテの登場、音楽にすぎやまこういちを起用するなど、ゴジラ作品の中でも、どこかファンタジックな雰囲気を醸し出し、またセリフも妙に印象に残る、不思議な魅力を持った作品。
ゴジラのデザインが前作に比べ、小顔でマッシブな体格になり、後作品でも基礎となった。(男性 20代)
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