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映画『グッドナイト・マミー(2014)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『グッドナイト・マミー(2014)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『グッドナイト・マミー(2014)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『グッドナイト・マミー(2014)』の結末までのストーリー
  • 『グッドナイト・マミー(2014)』を見た感想・レビュー
  • 『グッドナイト・マミー(2014)』を見た人におすすめの映画5選

映画『グッドナイト・マミー(2014)』の作品情報


出典:Amazonプライムビデオ

製作年 2014年
上映時間 99分
ジャンル サスペンス
ホラー
監督 ヴェロニカ・フランツ
キャスト ズザンネ・ヴースト
エリアス・シュヴァルツ
ルーカス・シュヴァルツ
ハンス・エッシャー
製作国 オーストリア

映画『グッドナイト・マミー(2014)』の登場人物(キャスト)

ママ(ズザンネ・ヴースト)
事故で負傷し、顔を包帯で覆っている。手術前よりも荒く暴力的な性格になり、息子たちを困惑させる。
エリアス(エリアス・シュヴァルツ)
ルーカスと共に母の帰りを待ちわびていたが、母の変貌を不審に思う。
ルーカス(ルーカス・シュヴァルツ)
エリアスと共に母の帰りを待ちわびていたが、帰ってきた母から無視され悲しむ。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『グッドナイト・マミー(2014)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』のあらすじ【起】

とうもろこし畑で鬼ごっこをしたり、沼地の弾む地面の感触を楽しんだり、ルーカスとエリアスの兄弟は母親が病院から戻って来るのを待ちながら、自然の中で遊んでいた。車のクラクションの音を聞いた二人は急いで家に戻った。物音のする部屋に駆け付けると、母親が窓のブラインドを弄っていた。振り向いた母の顔を見て、二人は驚く。母は顔全部を覆うほどの包帯を巻いていた。母は、泥だらけの二人を見て、風呂に入ってくるように命じる。

病院から戻ってきた母にはある異変があった。何故か彼女はルーカスばかりを無視する。食事のときはルーカスの分だけ用意しないし、遊ぶ時も母はルーカスがいないかのように振る舞う。自分の食事を分けながら、エリアスは何か悪いことをしたのなら早い内に謝るようルーカスに言うが、ルーカスには母が自分を無視する理由に見当がつかなかった。

二人は明らかに母親の様子が変だと話し合った。手術が悪かったんじゃないか。寝る間際、二人は、母が病院に行く前に残した子守唄の録音テープを再生させた。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』のあらすじ【承】

真夜中、物音に気付いたエリアスは、洗面所に向かった。すると、そこには包帯を外した母がいて、爛れた肌に軟膏を塗っていた。ガラス越しにエリアスは母と眼が合った。エリアスは慌てて部屋に戻って身を潜めた。

家の呼び鈴が鳴った。どう対応すればいいか困った二人は母親を呼びに部屋に行く。しかし、母親はベッドで眠っていて目を覚まさなかった。来訪者は宅配業者だった。誰が注文したのかも解らない大量の冷凍ピザを置くと、宅配業者は帰っていった。

まだ容体が安定していないという母は天気の良い日もブラインドを閉めたまま部屋から出てこない。エリアスとルーカスは二人だけで森の中で遊んでいた。すると、二人は猫を見つけたので、家で飼うことにした。部屋に猫を隠すと二人の異変を察した母親が部屋に入ってきた。母親は部屋中を捜索するが、二人は猫を隠し通した。

自分たちを脅すように振る舞う母親に、二人は仕返しをすることにした。捕まえた虫を眠る母親の上に放した。母親は目を覚まさず、虫は母親の口の中に這っていった。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』のあらすじ【転】

明くる日、ルーカスとエリアスは部屋の壁にかけられた写真の一部が外されていることに気付いた。それはどれも手術前の母親が映っている写真だった。二人はインターネットで母親の名前を検索した。テレビのアナウンサーをしていた母の写真はネット上に沢山載っていた。検索結果から二人は自宅が競売にかけられていることを知る。

ある日、家に連れてきた猫が殺されているのを見つけた二人。母の仕業だと思い、水槽に猫の死体を入れてリビングに置き、暗に母親を非難した。すると母親は激高し、二人が捕まえていた虫を猫の水槽に沈めた。怒ったエリアスは、お前なんか母親じゃないと怒鳴る。すると、母親はエリアスを部屋に連れ込み、あなたが母親だと唱えるよう命じ、それからルーカスとは二度と話さないよう命じた。エリアスが頷かないでいると母親は二人を部屋に閉じ込めた。

二人は髪形を揃え、同じ服を着ることでどちらがエリアスでどちらがルーカスか、母親が区別できないようにした。それから、家を出る準備を始めた。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』の結末・ラスト(ネタバレ)

母親の隙を突いて逃げ出した二人は町の教会に助けを求めに行った。一緒に警察へ行って母親のことを証言してほしい。二人は神父の車に乗ったが、連れて来られたのは警察署ではなく、母親が待つ自宅だった。何かあったのか。神父は母親にそう尋ねた。事故で別れが。そこまで言って、母親は口を詰まらせた。

明くる日、母親が眼を覚ますと四肢を拘束されていた。仮面をつけた息子が見下ろしている。解けと息子に命じるが、子供たちは母を返せと、一枚の写真を突きつける。その写真には母と母に良く似た女性が映っていた。息子たちは捕えた母親と写真の母親を見比べて、母親じゃない証拠を探すが外見は母親そのものだった。

ルーカスとエリアスは捕えた母親から本物の母親の居場所を聞き出すため、拷問にかける。虫眼鏡を使って陽の光で肌を焼くが、母親は泣き叫ぶばかりで息子の質問に答えない。口を接着剤で封じたり、歯磨き糸で口の中を痛め付けるが、母親の口から息子が求める答えは出てこない。エリアスは遂に、家に火を付けようとする。母はもう一度「振り」をするから母親だと信じて欲しいと訴える。ルーカスがいる振りをする。彼がまだ生きている振りをすると。エリアスが見ている兄弟は、彼の幻覚だった。エリアスは事故でルーカスが亡くなったことを受け入れられず、幻の彼と遊んでいたのだ。エリアスは最期に母に尋ねた。ルーカスは今、何をしている?しかし、母親にはルーカスの姿は見えない。答えられなかった母親を見捨て、エリアスは家に火を付けた。

真夜中のとうもろこし畑を歩くエリアスとルーカス。畑を抜けて草原に出ると、母親の幻が二人の前に現れた。

映画『グッドナイト・マミー(2014)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

静かな田舎の一軒家を舞台にした本作は、じわじわと不安を煽る演出が抜群でした。特に、母親の行動がどんどん不可解になっていく中で、「この人は本当に母親なのか?」という疑念が自然と湧いてきます。そして終盤、実は双子の兄ルーカスは事故で亡くなっており、弟エリアスが幻覚を見ていたという真実が明かされた時、全身に寒気が走りました。想像力を刺激するタイプのホラーとして非常に秀逸です。(20代 男性)


最初は静かでミニマルな映像に退屈すら感じましたが、母親の行動の異常さが徐々に露わになっていく展開に引き込まれました。双子の兄弟の視点で進むため観客は常に母親を疑ってしまいますが、ラストのどんでん返しで自分が“騙されていた”と気づかされるのが恐ろしかったです。静かながらも残酷な、心理ホラーの傑作でした。(30代 女性)


母親の顔が包帯で覆われているだけで、これほどまでに不気味な印象を与えるとは…。登場人物は少ないのに、緊張感が途切れない。真実を知ってから見直すと、エリアスの行動の裏にある孤独や喪失感がさらに際立ちます。視覚的な派手さよりも、精神的にゾッとするホラーが好きな方におすすめしたい作品です。(40代 男性)


最初は母親が怖くて恐ろしい存在に見えていたのに、ラストに明かされる真実によって、全ての見方が逆転しました。エリアスの心が作り出した“兄ルーカス”の存在に涙が止まりませんでした。ホラーというジャンルに収まりきらない、深い人間ドラマがありました。静かだけれど心に深く突き刺さる映画です。(20代 女性)


こんなに観る側の解釈を揺さぶるホラーは久しぶりでした。伏線の張り方が巧妙で、鑑賞中は完全に双子目線で母親を疑ってしまった自分が怖くなります。後半にかけての“真実”の暴露からは、恐怖というより喪失と悲しみが支配する空気に圧倒されました。リメイク版ではなく、ぜひこの2014年版を観てほしい。(30代 男性)


一見してシンプルな物語のようで、実は観客の認知すら操作してくる恐ろしい脚本でした。母親を縛り上げてまで“真実”を追い求める双子に感情移入していたはずが、気づけば加害者の視点だったという衝撃。家族の崩壊と喪失が、これほど静かに恐ろしく描かれる映画は稀有だと思います。(50代 女性)


終盤で「ルーカスは最初から存在しなかった」と分かったときのゾクッとする感覚が忘れられません。あの冷たい湖のような映像美と、感情を削ぎ落とした演出が逆に恐怖を増幅させていました。ホラーというより、悲劇と錯乱の物語であり、人間の心の闇に触れる作品として非常に完成度が高かったです。(40代 男性)


子どもが母親を“本物かどうか”疑うという設定にまずゾッとしたのですが、実はその疑いこそが誤っていたという皮肉な構造に驚かされました。エリアスの苦しみがじわじわと伝わる演技も素晴らしく、視覚だけでなく心に訴えるホラー映画でした。母親の叫びは、ずっと耳に残っています。(20代 女性)


派手な音も演出もないのに、こんなにも緊張感が持続するホラーは初めてでした。母親の顔が見えないことで、観客の想像力を掻き立てる演出がうまい。そして、すべてが狂っていたのは実は“子ども側”だったというラストの反転。観終わった後に、もう一度最初から観直したくなる良質な作品です。(30代 男性)


子どもが生み出した“兄の幻影”に操られるかのような展開は、どこか『ババドック』にも通じる恐怖でした。エリアスの中に潜む罪悪感や喪失の重みが、母親を加害者に仕立ててしまう構図が切なくてたまらない。母親の苦悶の叫びもまた、子を想うがゆえの悲鳴だったのだと気づいたとき、本当に苦しかったです。(50代 男性)

映画『グッドナイト・マミー(2014)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『グッドナイト・マミー(2014)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ババドック 暗闇の魔物

この映画を一言で表すと?

母子の心の闇が具現化する、静かに恐怖が迫る心理ホラー。

どんな話?

夫を亡くした母と息子が、一冊の不気味な絵本「ババドック」に出会い、それをきっかけに家の中に正体不明の“何か”が現れはじめる。母子関係と精神的トラウマが交錯するストーリー。

ここがおすすめ!

『グッドナイト・マミー』と同じく、親子関係と心の病を軸に展開する不穏な作品。恐怖はジャンプスケアではなく、感情と空気感からじわじわと忍び寄るタイプで、深い余韻が残ります。

ヘレディタリー/継承

この映画を一言で表すと?

家族に潜む“呪い”と“狂気”が連鎖していく、新世代ホラーの傑作。

どんな話?

祖母の死をきっかけに、家族の中で次々と不可解な出来事が起こり始める。やがてそれは家系に受け継がれたある“秘密”にたどり着き、想像を絶する結末へと向かっていく。

ここがおすすめ!

家族という閉ざされた空間の中で、静かに狂気が増していく構造が『グッドナイト・マミー』に通じます。映像と音の演出が異常なまでに精密で、観終わった後も心に残る恐怖体験が味わえます。

ザ・ウィッチ

この映画を一言で表すと?

信仰と恐怖が交錯する、静謐で不気味な“17世紀版家族崩壊劇”。

どんな話?

17世紀のニューイングランドを舞台に、信仰心の強い家族が魔女の呪いとされる事件に見舞われ、疑心と狂気に陥っていく。娘はその中心で“異端者”として追い詰められていく。

ここがおすすめ!

『グッドナイト・マミー』と同様、家族の信頼が崩れゆく中で恐怖が生まれる構成。じわじわと迫る演出、重厚な美術、無音に近い音響など、感覚を研ぎ澄ませて観たくなるホラーです。

ザ・ロッジ(The Lodge)

この映画を一言で表すと?

密室の中で膨れ上がる“疑念”と“罪悪感”が生む極限のサイコホラー。

どんな話?

父親の再婚者である継母と2人の子どもたちが、雪に閉ざされた山荘で孤立する。やがて不可解な現象が続き、疑心と過去のトラウマが3人を追い詰めていく。

ここがおすすめ!

監督が『グッドナイト・マミー』と同じドイツ系コンビということもあり、作風の共通点が多くあります。冷たく硬質な映像、どこまでも静かな狂気、そして予想を覆すラストが魅力です。

ヴィジット

この映画を一言で表すと?

“祖父母の家”という安心が、不安と恐怖に一変する異常空間スリラー。

どんな話?

母と離れて祖父母の家に滞在することになった姉弟。だが、夜ごと奇行を繰り返す“おじいちゃん・おばあちゃん”の様子に次第に恐怖を感じ始める。カメラが映す“真実”とは…。

ここがおすすめ!

『グッドナイト・マミー』と同じく、家族の中に潜む違和感がテーマ。徐々に正体が明らかになっていく過程がスリリングで、視点が子ども側にあるため感情移入しやすく、緊張感が持続します。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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映画のネタバレあらすじ

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ルーカスとエリアスが本物の母の居場所を聞き出そうとするシーンは、昆虫好きの子供のイタズラから徐々に過激になっていき、気が付かない間に常軌を逸してしまっているという見せ方がうまい。
    ベッドに母を縛る過程やボンドで口をふさぐなどのシーンを全て映すのではなく、残酷描写からは遠いイメージの子供部屋の映像と合わせることで、薄気味悪さと怖さを倍増させている。
    見えないからこその恐怖も加わり、想像してしまって気持ち悪くなる部分は多い。

    手作りのお面をかぶって母の前に出てくるルーカスとエリアスの姿は、お面の色合いも相まって印象的。
    エリアスの夢の中で、母の対内から昆虫が出てくるなど、残酷描写が苦手だったり虫嫌いの場合は気を付けたい。

    ルーカスとエリアスが母と手をつなぎ消えていくラストシーンは幻想的で、後味の悪さを少なくさせている。

  2. 匿名 より:

    メインの出演者がルーカスとエリアスの少年2人、そして母の3人で構成されていて、ほとんど家の中だけの撮影という低予算のサイコホラー映画。

    母がなぜ整形手術をして父親がいないのか、ルーカスの事故が何だったのかすら描かないために、見ている側も手探り状態で始める作品。
    しかしそれらを描かなかったことで、ルーカスが幻だとわかりにくくなっている。

    寄付を募りに来た2人組に早く気付いてと焦るお決まりのシーンや、包帯で顔を覆った不気味な母におびえる2人の少年、いつの間にか立場が逆転していくというストーリーの見せ方がうまい。

  3. 匿名 より:

    主人公の幻覚や二重人格というオチは多いので、またこのパターンかと思わせる部分は多い。
    エリアスが泥だらけなのに対してルーカスが汚れていないこと、ルーカスの言葉はエリアスが言い直さないと他人に話が通じない、といった部分でルーカスの存在が幻だとわかってしまう。
    しかしルーカスとエリアスが双子の兄弟であり、髪型までそっくりににする設定が、どっちが幻覚でどっちが実物だかわかりにくくして見ている側を惑わせる。

    また、最初は包帯ぐるぐる巻きの顔で得体のしれない不気味な母と、本物の母親かどうかを疑い怯える2人の少年という構図がいつの間にか入れ替わっているストーリーと、入れ替わったことに違和感を抱かせない演出は上手い。
    ルーカスが死んだ事故のシーンを見せないからこそ、疑う余地がない“ルーカスの存在”、中盤まで母の顔が包帯ぐるぐる巻きだからこそ“母は偽物”というエリアスの思い込みに、見ている側も巻き込まれる作品。