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映画『グミ・チョコレート・パイン』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『グミ・チョコレート・パイン』の概要:大槻ケンヂの同名小説をケラリーノ・サンドロヴィッチ監督が映画化した青春コメディ。青春時代のかっこ悪さと切なさが、素晴らしいバランス感覚で表現されている。個性派揃いのキャスティングも面白く、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督の才能を感じさせる秀作。

映画『グミ・チョコレート・パイン』の作品情報

グミ・チョコレート・パイン

製作年:2007年
上映時間:127分
ジャンル:青春、コメディ
監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
キャスト:石田卓也、黒川芽以、柄本佑、金井勇太 etc

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映画『グミ・チョコレート・パイン』の登場人物(キャスト)

大橋賢三(高校時代:石田卓也 / 大人:大森南朋)
「自分はお前らとは違うんだ」と同級生をバカにしているが、本当は何もない自分にコンプレックスを抱えている冴えない童貞男子。映画好きで、昼ごはん代を削って、映画館に通っている。バンドではギターを担当するが、あまりやる気がない。結局は普通のサラリーマンとなり、38歳でリストラされて、実家に戻ってくる。
山口美甘子(黒川芽以)
賢三の同級生で、初恋の人。クラスでは普通の女子を装っているが、実はマニアックな映画ファン。映画を通して、賢三と仲良くなる。その後、学校を退学し、女優の道へ進む。21年間会っていない賢三に、意味深な手紙を送ってくる。
川本良也(高校時代:森岡龍 / 大人:マギー)
通称カワボン。賢三の親友。物知りで頼りになる。賢三とタクオの3人で仲が良く、昼休みや放課後は、ほとんど3人で行動している。賢三たちと組んだバンドでは、ドラムを担当する。大人になってからは、成人向けビデオ関係の仕事に就く。
小久保多久夫(高校時代:金井勇太 / 大人:甲本雅裕)
通称タクオ。実家が小さな電気屋を営んでおり、その店舗の2階を3人の溜まり場にしている。高校時代はセクシーな女性教師に憧れており、彼女を押し倒したことがある。バンドではベースと曲作りを担当する。実業家として成功し、電気屋を潰してビルを建てる。薄毛の家系で、カツラを愛用している。
山之上和豊(柄本祐)
賢三の同級生で、後にバンドの主要メンバーとなる。風貌も素行も怪しいので、クラスでは変人扱いされている。マニアックな音楽好きで、ノイズ系のバンドに詳しい。ギターの腕もプロ級。美甘子に好意を抱いている。大人になってからも、ライブハウスに出入りしている。
ジャイガー(犬山イヌコ)
ノイズバンド「自分BOX」の女性ボーカル。かなりぶっ飛んだ人物で、怖いもの知らず。人生そのものがロックといった感じの女性。ずっとライブハウスで働いている。
バイラス(山西惇)
ジャイガーのパートナーであり、自分BOXのメンバー。何を考えているのかさっぱりわからない人物だが、ジャイガーのことは愛している。後年、トラックにはねられて死亡。

映画『グミ・チョコレート・パイン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『グミ・チョコレート・パイン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『グミ・チョコレート・パイン』のあらすじ【起】

2007年。38歳の大橋賢三は、転勤先で会社をクビになり、3年ぶりに東京の実家へ戻ってくる。しばらく会わないうちに、父親は認知症になっており、謎の行動を繰り返す。賢三は驚くが、母親は「すぐ慣れるわよ」と言い放つのだった。

賢三は、留守中に届いた自分宛の郵便物の中に、山口美甘子からの手紙を発見する。美甘子は高校時代の同級生で、初恋の人だった。21年も会っていない美甘子からの手紙には、「あなたのせいなのだから」とだけ書かれていた。しかも、親友のカワボンから、「美甘子は去年の11月に自殺した」と聞かされ、賢三は衝撃を受ける。賢三は、高校時代にお世話になったグラビア写真と美甘子のブルマーを見つめながら、当時のことを思い出していく。

1986年5月。高校2年生になった賢三は、新しいクラスに馴染めず、鬱々とした日々を過ごしていた。映画やロックが好きな賢三は、チャラチャラした同級生たちを心の中でバカにしており、自分から壁を作っていた。楽しみと言えば、カワボンとタクオの仲良し3人組で、タクオの両親が営む電気屋の2階に集まり、タコハイを飲みながら騒ぐことぐらいだった。

そんなある日、馴染みの映画館へやってきた賢三は、同級生の山口美甘子と遭遇し、初めて言葉を交わす。賢三は美甘子に片想い中で、ブルマー姿の美甘子を隠し撮りしていた。美甘子もかなりマニアックな映画ファンだと知り、賢三はとても嬉しくなる。

お気に入りのレコード屋へ出かけた賢三は、同級生の山之上が、万引きしようとして捕まった現場に遭遇する。山之上は、いつも彫刻刀で自分の机を掘っているような怪しい奴で、賢三と同じく、クラスで孤立していた。その山之上が万引きしたのは、かなりマニアックなノイズバンドのレコードだった。ちょうど店内には、「自分BOX」というノイズバンドのジャイガーとバイラスがいて、山之上のことをかばってくれる。自分BOXのファンだった山之上は、2人に会えたことに感動していた。その一部始終を見ていた賢三は、この一件をカワボンとタクオに報告する。

映画『グミ・チョコレート・パイン』のあらすじ【承】

ノイズバンドというジャンルすら知らなかった3人は、自分BOXのライブ映像を入手する。彼らのライブは、なんだかよくわからないけれど「すごい!」としか言いようがなくて、3人は衝撃を受ける。単純な3人は、その場でノイズバンドを結成する。

それぞれのパートは、カワボンがドラム、タクオがベース、賢三がギターに決まった。しかし、3人とも全くの初心者で、楽器もない。これではあまりに心細いので、音楽雑誌にメンバー募集の告知を出しておく。

お金のない賢三は、どうやってギターを調達するか悩んでいた。ところが、父親が大学時代にバンドを組んでいたことが発覚し、愛用のギターを譲ってくれる。父親のギターは、有名な「Gibson」もどきの「Gibbon」という代物だったが、賢三はありがたくこれを使わせてもらう。

その頃、賢三のクラスでは、女子のブルマーが盗まれる事件が多発していた。賢三は、山之上のカバンからブルマーがはみ出ているのを目撃するが、そのことは黙っておく。山之上は、クラスの男子にからかわれ、「お前ら、全員斬ってやる!」と叫ぶような危ない奴だった。

美甘子が好きだと言っていた映画の最終日。賢三は、彼女に会えることを期待して、映画館に行ってみる。賢三の読み通り、美甘子は映画館にいた。その日、賢三と美甘子は一緒に帰り、映画について語り合う。2人は趣味がよく似ており、とても気が合った。美甘子に「今日はすごく楽しかった」と言ってもらい、賢三は舞い上がる。

メンバー募集の告知を見て、カッター・ボーイと名乗る男から連絡がある。その正体は、なんとあの山之上だった。山之上は、正直言ってあまり関わりたくない人物だったが、ギターの腕前はプロ級で、ノイズバンドにも相当詳しかった。しかも、彼の家は金持ちで、自室でバンドの練習ができる。3人は、山之上をメンバーに加えることにして、本格的な練習を開始する。バンド名は、カワボン発案の「キャプテン・マンテル・ノーリターン」に決まった。山之上の自宅を訪れた賢三は、とりあえず彼のカバンから、美甘子のブルマーを盗んでおく。

映画『グミ・チョコレート・パイン』のあらすじ【転】

自分BOXのライブへ行った山之上は、ジャイガーに声をかけられ、キャプテン・マンテル・ノーリターンのライブ出演を決めてくる。まだ曲も完成していないのに、来月には初ライブをすることになり、4人は焦る。しかし、ジャイガーには逆らえないので、とにかく曲作りを急ぐことにする。

そんなある日、賢三は美甘子に誘われ、オールナイトの上映会へ行く。翌日の日曜日は、バンドの歌詞の締切日だったが、賢三の頭の中は美甘子のことで一杯だった。2人は1本だけ映画を鑑賞し、あとはロビーで話をする。その途中、映画館が火事になり、2人は夜の公園へ移動する。

その日、美甘子は、「人生はグミ・チョコレート・パイン(ジャンケンをして勝った人が先へ進んでいくゲーム)だと思う」と語る。美甘子は、心の中で周りの同級生をバカにしているくせに、自分は一歩も前に進めていないと焦っていた。賢三には、美甘子の気持ちがとてもよくわかった。美甘子は、バンドを組み、自主制作映画を撮りたいと考えている賢三を「すごい!」と褒めてくれる。ライブのチケットは渡しそびれたが、賢三は最高に満たされた気持ちで、美甘子と別れる。

賢三は、美甘子との甘い時間をそのまま歌詞にするが、山之上のロックな歌詞を見て、自分のダサい歌詞が恥ずかしくなる。山之上は、なぜか賢三に敵意を持っているようだった。

それからしばらくして、美甘子は学校を休みがちになり、そのまま来なくなってしまう。賢三は彼女のことが心配でたまらなかったが、具体的にどうすることもできず、悶々とした日々を過ごしていた。

そんなある日、遅刻して登校した賢三は、校長室の前で美甘子と会う。美甘子はパーマをかけ、急に大人っぽくなっていた。彼女は、校長から呼び出されたようだった。

教室へ行くと、同級生たちがグラビア雑誌を見て大騒ぎしていた。その雑誌には、美甘子のヌード写真とともに、彼女が大物映画監督の新作映画でベッドシーンに挑戦するという記事が掲載されていた。賢三は、美甘子を侮辱する同級生を殴ろうとして、派手に転んでしまう。美甘子は、退学処分になっていた。

賢三は必死で美甘子を追いかけ、彼女と話をする。ちょうど写真屋の店主から、彼女を隠し撮りした8ミリの現像フイルムをもらっていたので、餞別にそれを渡しておく。

美甘子は、試写会で尊敬する映画監督に声をかけられ、あっという間に映画出演が決まったらしい。賢三だけには話したかったが、誰かに言ったら夢で終わってしまうような気がして、黙っていた。美甘子は賢三に、「自分の実力が試されるのはすごく怖い」と本音を漏らす。賢三は、「山口なら絶対大丈夫」と、彼女を励ます。美甘子は、告白されることを期待していたようだが、この時の賢三にはそんな余裕がなかった。美甘子は少し寂しげに微笑み、踏切の向こうへ去っていく。そしてこれきり、2人が会うことはなかった。

映画『グミ・チョコレート・パイン』の結末・ラスト(ネタバレ)

それから21年。38歳になった賢三は、美甘子から思いがけない手紙をもらい、彼女の死を知った。賢三は、カワボンと会って、詳しい話を聞く。美甘子は末期ガンを患い、病気を苦にして自殺していた。

2人は、実業家として成功したタクオに会いにいく。3人の溜まり場だった電気屋は解体され、ビルになっていた。久しぶりに会ったタクオは、カツラを被った成金親父になっており、2人を連れてコスプレ・パブへ向かう。この店のママは、高校時代にタクオが憧れていた、かつての恩師だった。タクオは、その恩師に対しても、横暴な態度を取る。

パブを出た3人は、溜まり場の隣のボロアパートで暮らしていた男が、タクオの高級車を破壊している現場に遭遇する。男は、タクオのビル建設のせいで、20年近く住んでいたアパートを追い出されていた。男は復讐を果たし、高笑いして逃げていく。すぐそばの駐輪場には、なぜか賢三の父親がいたので、3人は賢三の父親も連れて、タクオの自宅へ向かう。

タクオの自宅には強盗が押し入り、警察が来る騒ぎになっていた。タクオは、あの隣人の男が犯人だと訴えるが、警官は相手にしてくれない。この警官は非常に態度が悪く、タクオのカツラを奪い、彼をばかにする。怒ったカワボンが警官を殴り、賢三の父親は高価な壺を破壊し、みんなはこの破茶滅茶な状況が可笑しくなってくる。賢三とカワボンとタクオは、久しぶりに大笑いする。

後日、賢三は初ライブをしたライブハウスを訪ねてみる。そこには、今でもジャイガーがいて、賢三は嬉しくなる。ジャイガーに腕を引かれ、ライブハウスに入った賢三は、そこで山之上と再会する。山之上は、ずっと賢三に謝りたいと言い続けていた。

山之上は、美甘子が自殺する1週間前に彼女を見舞い、賢三への手紙を預かっていた。山之上は、勝手にその手紙を開封し、3枚あった手紙の最後の1枚だけを、賢三に郵送した。山之上は、ずっと賢三のことが羨ましかったのだと言って、土下座して詫びる。山之上も、高校時代から美甘子のことが好きだったのだ。

自分の死期を悟った美甘子は、あの頃のことをよく思い出し、賢三に告白されていたらどうなっていただろうと考えていた。そんな時、あの時の8ミリフイルムが出てきて、初めてそれを見る。そこには、ブルマー姿の自分が映っていて、美甘子は嬉しくなる。そして手紙に、「ここまでやってこれたのは、何万分の一かは、あなたのせいなのだから」と、賢三への感謝の言葉を綴っていた。

手紙を読んだ賢三の脳裏に、美甘子が去り、バンドからも脱落し、本気で自殺を考えた日の記憶が蘇る。あの時、橋から飛び降りようとしていた賢三は、謎の土星人に「死んだらオナニーできないぞ」と説得され、自殺を思いとどまった。そして土星人とジャンケンをして、チョキで勝ったのだ。

賢三は「また来るわ」と山之上に声をかけ、ライブハウスを出る。山之上とジャイガーは、ライブハウスの舞台上に、あの頃の山之上とタクオとカワボンの幻を見る。そして、外へ出た賢三は、チョキを出して走っているあの頃の自分の幻を見る。賢三は優しい笑みを浮かべ、あの頃の自分に「転ぶなよ」と声をかけるのだった。

映画『グミ・チョコレート・パイン』の感想・評価・レビュー

まさしく、これぞ青春映画と言えるような作品。青春時代の苦しい気持ち、甘酸っぱい気持ち、将来を考えて不安になる気持ちがぎゅっと詰まっている。主人公の大橋賢三のことを馬鹿な奴だなと思いつつ、共感できる部分も少しあった。ド派手なアクションシーンがあるわけでも、ダメな主人公の性格がガラリと変わるわけでもないが、懐かしい気持ちを思い出せてくれる作品。賢三と美甘子の特別な関係性が、ちょっと切なかったけど素敵に感じた。(女性 30代)


青春時代の恥ずかしくなるような恋愛模様や、夢を追う姿を描いた作品は沢山ありますが、今作の面白いところはその後の「大人になった」彼らが描かれていることです。
ずっと変わらないことって、物凄く難しくてかっこ良くも、かっこ悪くもあると感じました。バンドや映画などキャラクターたちの趣味嗜好が全面に押し出されているので、語るというよりも見て「感じる」作品でした。何かを分かろうとする前に、とりあえず見て欲しい作品です。(女性 30代)

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