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映画『ナイロビの蜂』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ナイロビの蜂』の概要:外交官のジャスティンは赴任先のアフリカで、妻を殺されてしまう。犯人は強盗だったと知らされるが、ジャスティンは妻の死に不可解な点を感じ、独力で捜査を始める。すると、彼はアフリカで行われていたイギリスと製薬会社による数々の不正を目の当たりにしていった。

映画『ナイロビの蜂』の作品情報

ナイロビの蜂

製作年:2005年
上映時間:128分
ジャンル:サスペンス
監督:フェルナンド・メイレレス
キャスト:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ユベール・クンデ、ダニー・ヒューストン etc

映画『ナイロビの蜂』の登場人物(キャスト)

ジャスティン(レイフ・ファインズ)
イギリスの外交官。アフリカに赴任中、妻が強盗に襲撃され殺される。妻の死に疑問を感じたため、真相を解き明かそうとする。
テッサ(レイチェル・ワイズ)
新聞記者で、ジャスティンの妻。アフリカで行われている新薬の人体実験にイギリスが関与していることに気付き、捜査をする。
サンディ(ダニー・ヒューストン)
ジャスティンの同僚。彼自身にも妻がいるが、テッサへの恋心を秘めている。

映画『ナイロビの蜂』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ナイロビの蜂』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ナイロビの蜂』のあらすじ【起】

ケニアのイギリス大使館に襲撃されたと思しき軍用車両から白人女性と黒人男性の遺体が見つかったという報せがもたらされる。サンディはジャスティンに殺された女性は彼の妻であるテッサの可能性が高いと打ち明ける。ジャスティンは哀しみを堪えながら、サンディに連絡をくれたことを感謝する。

マスコミ向けの記者会見で、政府は記者から「国連による承認がない中、イギリスは誰の地図を基準にイラク侵攻を決定したのか」と問われる。超大国に従って、ベトナム戦争の二の舞を演じるのか。広報担当のジャスティンは、自分は代理で出席しているに過ぎないから返答する立場にないと言う。一人の女性記者がその答えに加熱してジャスティンに罵倒を浴びせる。他の記者は女性記者の罵声に呆れ返り、退席してしまった。残された女性記者は冷静さを取り戻し、自分の失態を嘆く。女性記者には何か個人的に戦争について思うところがあったのだろうと思ったジャスティンは、彼女に声をかけた。それがジャスティンとテッサの知り合うきっかけとなった。

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映画『ナイロビの蜂』のあらすじ【承】

ジャスティンは安置所を訪れ、死体を確認することになった。泥や血に塗れ、焼き爛れていた死体には白い布がかけられていた。検死官が布を捲って死体の顔をジャスティンに見せる。その死体は間違いなくテッサのものだった。死体の傍らで、ジャスティンはテッサの思い出を振り返っていた。

アフリカ行きが決まったジャスティンの下にテッサが現れ、同行を申し出た。彼女と恋仲になっていたジャスティンは彼女の申し出を断ることができなかった。

アフリカ滞在中、テッサは子供を身ごもった。テッサの入浴中、二人の共用のコンピュータに一通のメールが届く。そのメールはテッサ宛てで、彼女の浮気を臭わすものだった。ジャスティンは彼女を信じたいと思いながらも、会話の中で探りを入れる。しかし、疑念の解消にはいたらなかった。

浮気相手と疑われるのは、医者のアーノルドだった。彼と共にスラム街の取材に向かいたいと言い出すテッサ。ジャスティンは妊娠を理由に危険なことは控えてくれと頼んだ。

映画『ナイロビの蜂』のあらすじ【転】

ジャスティンはテッサを連れて政府高官が集うパーティに出向いた。ジャスティンの妻になってもテッサの勝気な性格は変わらず、要人の不正や政策について追及しようとする。それを見たサンディは彼女が不穏の種になっているとジャスティンに警告する。

テッサの赤子は流産してしまった。失った子供の代わりを求めるように、テッサは同じ病院に入院していた十五歳の妊婦が生んだ赤子に自分の母乳を分け与えていた。アーノルドがジャスティンに流産の経緯を説明するためテッサの下を離れたとき、彼女はその場に居合わせたサンディに、自分が入院しているこの病院で、少女が殺された証拠を手に入れたと言う。それを渡すから準備が整ったら、行動を起こしてほしいとサンディに頼むテッサ。サンディはジャスティンの経歴に傷を付けることになると警告した。

テッサはケニアで行われている新薬の人体実験疑惑について調査していた。その被験者の提供に病院が関与しているのではないか。ケニアの人たちの生活に踏み込もうとするテッサを心配し、ジャスティンはアーノルドとの調査を辞めて欲しいと頼む。そんな彼にテッサは反発心を抱いた。

サンディはテッサの情報をイギリスに持ち帰ったが、本国からの返答はないと言った。深入りするなと警告してくるサンディに、テッサは自分の身体を好きにしていいから協力して欲しいと申し出る。サンディは取引に応じた。

映画『ナイロビの蜂』の結末・ラスト(ネタバレ)

テッサの死に関連して彼女の家に強盗が押し入った形跡があるという。警察の捜査の後、ジャスティンはテッサの部屋を捜索する。すると、ジャスティンは妻がサンディとも浮気していた痕跡を見つけてしまう。

ジャスティンは妻の葬儀の後、テッサの仕事仲間に彼女とアーノルドの関係を尋ねた。テッサの仕事仲間の話でアーノルドは無実だったことが発覚する。彼は同性愛者でテッサと恋愛関係に発展することは有り得なかったのだ。

ジャスティンは妻の遺した手掛かりを手に、ある村に向かった。そこでは医師団による村人の治療が行われていたが、危険性を患者に伝えずに新薬の使用を強要していた。ジャスティンがその現状を目の当たりにしたとき、地元警察がやってきて彼を拘束した。警察はジャスティンに賄賂を要求するが、そこにサンディが現れ、彼を助ける。サンディは自分たちが捜査を進めているから手を出すなとジャスティンに警告した。

尚も捜査を続けていると、ジャスティンは帰国を命じられ、旅券も奪われた。更に無期限の長期休暇を与えられ、新薬の人体実験に関する捜査からは手を引けと上司のバーナードから迫られる。

ジャスティンはテッサの従兄とその息子の協力を得て、捜査を続行した。パスワードで保護されていた妻のメールデータを覗き見る。捜査資料の中に混じって、夫婦の仲睦まじい一時を納めた映像データも残っていた。実家に還ったジャスティンは、テッサとの幸せな時間を思い返した。すると、今まで堪えていた悲しみが溢れ返り、彼は妻の死の報せ以来、初めて嗚咽した。

ジャスティンはテッサの従兄の協力を得て、イギリスを脱出する。妻の知人に会いにフランスを訪れたジャスティンは滞在していたホテルで何者かの襲撃を受ける。犯人はジャスティンに暴行を加えた後、これ以上踏み入れば妻の二の舞だと脅した。

脅しに屈することなく、ジャスティンはアフリカに向かった。サンディを問い質すと彼は新薬を研究している製薬会社とイギリスの癒着を打ち明けた。ジャスティンはサンディが妻を愛したことを非難しなかったが、テッサの信用を裏切ったことを罵った。

サンディの下を訪れた帰り、ジャスティンの下に新薬の実験責任者が現れる。妨害工作を疑ったジャスティンだが実験責任者の意図は違った。彼は社内の権力闘争に巻き込まれ、現職を追い出されようとしていた。自分が破滅するなら、経営陣も道連れにしたいと考えた実験責任者はジャスティンに新薬で死んだ者たちが埋葬された場所を教える。

外交官時代の仲間から暗殺者に狙われていると知らされたジャスティンは妻が襲撃された場所に向かった。

イギリスでジャスティンの葬儀が開かれた。自殺として報告された彼の死だが、追悼の場でテッサの従兄の口からジャスティンが集めた証拠が暴露される。国ぐるみによる不正と暗殺が公になり、教会は大騒ぎになった。

映画『ナイロビの蜂』の感想・評価・レビュー

正義感が人一倍強いテッサですが、そんな彼女の性格が好きです。真面目で情に厚い性格だからこそ、真剣に問題に向き合い、事件に巻き込まれてしまったのだと思います。テッサが行ったことはお節介かもしれませんが、人を助けたい気持ちが伝わってきて、この人良い人だなと感じてしまいます。夫・ジャスティンを愛していながら、他の男性に色仕掛けをしてしまったテッサですが、彼女を責める気にはなれません。一番可哀相だと感じたのは夫・ジャスティンで、彼はテッサを信じ、最終的に命を落としてしまいます。ラストで製薬会社の悪事が暴かれるので、それだけが救いです。(女性 20代)


女性らしさ、男性らしさがすごく表れている映画だと思って観ました。
社会の闇の渦の中、主人公達が命まで失くしてしまうような大きな話なのだけど、家庭という小さな社会に当てはめてしまった…
ジャスティンは優しい、その眼差しは心から優しくて、だけど臆病で、愛する人の不都合な真実を見ようとしない、その感じが私の思う男性らしくて。
ただジャスティンは、テッサが亡くなった後、彼女の見た真実を見ようと彼女の足跡を辿る、深い愛に心が震えました。
もちろん社会派サスペンスとしても見応えがある映画です。(女性 40代)


内容が少々難しく、かなり重いです。音楽がほとんど流れず、ドキュメンタリーのようなタッチなので深刻に感じます。しかも、容赦ないエンディングにしばらく落ち込んでしまいました。原作の小説を書いたジョン・ル・カレが随分昔、ある男から聞いた話が元になっているそうです。治験はしなければならないでしょう。しかし、人体実験をして誰かが犠牲になっていいはずがありません。ストーリーは非常に恐ろしいですが、アフリカの広大な大自然には癒されました。(女性 30代)


本作は、アフリカのナイロビを舞台に、大手製薬会社と治験会社との結託を描いた社会派サスペンス作品。
ナイロビが人体実験場と化し、10代に満たない子どもたちが副作用の犠牲になる姿は心が痛んだ。
また、英外交官のジャスティンと殺された妻ティッサの夫婦愛と絆の強さに感動し、同時に切なさを感じた。
そして、ドキュメンタリータッチなカメラワークは、不可解な死を遂げた妻の謎を解明する夫目線で描かれていて見応えがあり、アフリカの貧困問題や日常生活の様子も捉えられていて非常に考えさせられた。(女性 20代)


製薬会社の不正な人体実験を描きながらも夫婦愛も絡めている良質なサスペンス映画です。
テッサの描写が最初は雑と言うか、出会いの時点からあまり好きではなく「愛はあったのか?」と思っていました。謎解きのように彼女が死んだ後、これまでの軌跡を追っていくと、本当のテッサが浮かび上がってくる感じがする演出は素晴らしいです。そして、ビル・ナイの清々しいまでの悪役ぶりがすごいです。
最後はとても切ない終わり方で、アフリカの風景がただただ美しく感じます。(女性 30代)

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