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映画『ハムレット(1948)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ハムレット(1948)』の概要:ローレンス・オリヴィエが制作・監督・主演を務め、シェイクスピアの同名戯曲を映画化。父王の死が叔父の手によるものだと知った王子ハムレット。彼は狂人を装い復讐を企む。そのせいで、周囲の人々や愛する女性をも悲劇に巻き込んでしまう。

映画『ハムレット』の作品情報

ハムレット

製作年:1948年
上映時間:153分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ローレンス・オリヴィエ
キャスト:ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、ベイジル・シドニー、アイリーン・ハーリー etc

映画『ハムレット』の登場人物(キャスト)

ハムレット(ローレンス・オリヴィエ)
先代王ハムレットと王妃ガートルードとの息子で王子。金髪の美しい青年で非情に賢い。父王の亡霊から叔父の罪を聞かされ、狂人のふりをして復讐しようとする。
オフィーリア(ジーン・シモンズ)
王の侍従長の娘。ハムレットへ恋心を抱いている。美しい歌声を持ち、清楚で純粋。美しくたおやかの女性であったが、心を病み小川へ身を投じる。
ガートルード(アイリーン・ハーリー)
ハムレットの母親。先代王ハムレットの妻で王妃であったが、クローディアスが即位すると共に再婚する。
クローディアス(ベイジル・シドニー)
王の弟で現デンマーク国王。ハムレットの叔父で母親の再婚相手。王座とガートルードを手に入れるため、兄王を毒殺する。
ホレーショ(ノーマン・ウーランド)
ハムレットの親友であり、忠実な臣下。全ての自称をハムレットの傍で見守り、悲劇を語り継ぐ役を負う。

映画『ハムレット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ハムレット(1948)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハムレット』のあらすじ【起】

亡くなった王が亡霊と化して姿を現すという噂があった。2度も目撃したと言う臣下から話を聞き、真意の程を確かめに露台へ来たホレーショ。時刻は深夜1時頃。亡くなった王が姿を現したため、驚愕。だが、王は鶏の鳴き声に驚いて姿を消してしまうのだった。

デンマーク国王が亡くなった後、王座を継いだのは息子のハムレットではなく、王弟クローディアスであった。先代王の王妃であった母ガートルードは、王弟と再婚し再び王妃として返り咲いている。王子ハムレットは父の死を深く嘆き、気落ちするばかり。現王は王子を実の息子のように扱ってくれるものの、ハムレットの悩みは父王の死ばかりではない。深く愛し合っていたはずの夫が亡くなった後、たったひと月で父とは真逆の性格であるクローディアスに嫁いだガードルードに対しても密かに憤っていたのだった。

そんな王子の様子を人一倍気にしているオフィーリア。彼女は王の侍従長の娘で、密かにハムレットへと思いを寄せていたが、父からはもう王子に近づいてはならないと言われてしまう。ハムレットもまた彼女を気にしていたが、そこへ臣下でもあり親友でもあるホレーショが訪れ、先代王の亡霊が現れたと告げるのだった。

早速その日の深夜、亡霊が現れるという露台へ向かったハムレット。凍えるほどの寒さの中、ようやく待望の亡霊が姿を現す。先代王はついて来いと言わんばかりに背を向ける。ホレーショや臣下の制止も聞かず、ハムレットは父の後を追った。
露台の最上部。果たしてそこに亡霊と化した父王がおり、話を聞いた王子。父はどうやら叔父の手によって毒殺されたらしい。そうして、暗殺された父王は息子へと復讐して欲しいと告げるのであった。

復讐を誓ったハムレットは、このことを誰にも明かさず、孤独な戦いへと身を投じることになる。
以来、食事も進まず満足に寝ることもせず、まるで狂人のような生活を送るようになったハムレット。

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映画『ハムレット』のあらすじ【承】

そんな王子がオフィーリアに深い愛情を向け、贈り物や手紙を送ることに良い顔をしない侍従長。自分の娘では王子に相応しいとは思えず、オフィーリアへも断るよう再三告げたが、ハムレットの行動は止まらない。そこで、侍従長は王と王妃へ訴えることにした。侍従長はどうやら王子が狂人と化したのは、娘への恋心からではないかと言う。彼はそのことに確信を持っていて、もしそれが違うならば、農家へと身を落とすとまで言った。

密かにその場面を窺っていたハムレット。侍従長の問いかけにはおかしな返答をする。侍従長は次にオフィーリアを連れて来て、王子と話をさせた。すると、ハムレットは彼女に対し、以前は愛していたが今は愛していない。今すぐ尼僧院へ入れと言い、去ってしまう。密かに物陰に隠れ、その様子を見ていた王は、ハムレットに異常性を見出すも狂人ではないと判断。英国へ留学させようと言い始める。

復讐で頭がいっぱいになり、孤独に耐えるハムレット。オフィーリアへの恋心は本物であったが、彼女のためを思い突き放した。物思いに耽り、狂ったふりをして機会を窺っている。そして、彼は王の本心を知るために劇団員を呼び寄せ、劇を催すことに決めるのだった。
演じる劇について、プロデュースを申し出たハムレットは、劇団員たちに厳しい注文を幾つも出した。観劇者は多くいるが、ハムレットの目的はただ1人。叔父が劇を見てどのような反応をするかである。

いよいよ演劇開始前、ハムレットはホレーショに王の様子を逐一観察するよう命令し、両陛下を迎えた。そうして、演劇が開始。その内容はハムレットが亡霊に聞いた叔父の行動そのものだった。すると、クローディアスは酷く動揺し、劇中でありながらも突如、悲鳴を上げ逃げ去ってしまうのである。このことで、ハムレットは亡霊の言葉が真実であることを確信するのだった。

一方、逃げ出して神に懺悔するクローディアス。王座とガートルードを手に入れるため、彼は確かに兄を毒殺した。だが、クローディアスはその後、深い罪悪感に苛まれ孤独にも悲嘆に暮れていたのである。その姿を目にしたハムレットは、復讐の好機だと刃を向けるものの、ふと思い直す。今、復讐を遂げてしまえば、叔父は天国へ召されてしまうと。

映画『ハムレット』のあらすじ【転】

刃をしまったハムレットは母の元へ。口論となった挙句、物陰に隠れていた侍従長を誤って殺害してしまう。更に母を厳しく咎めた王子は、やがて亡霊の影を目にし、復讐を遂げろと叱責される。
そんな息子を目にした母は、本当に狂ってしまったのかと疑ったが、正気に戻ったハムレットに許され、懺悔して心静かに過ごすよう諭される。そうして、息子は侍従長の遺体を引き摺って、ガートルードの部屋から去って行くのだった。

翌日、叔父から英国へ留学しろと告げられたハムレットは、ガートルードだけに挨拶をして言いつけ通りに英国へ。
ハムレットからはフラれ、父を殺されたオフィーリアはとうとう心を病んでしまい、城内をふらふらと歩き回るようになる。王の命によりホレーショが傍につき、見守ることになった。
そんな折、英国へ旅立ったハムレットから、王と王妃それぞれに手紙が届けられる。そして、手紙はホレーショへも届けられた。

一方、オフィーリアの兄が留学先から急きょ帰国し、父の死因について両陛下へ詰め寄ってくる。誰もが心を病んだオフィーリアに胸を痛め、その様子を見守っていたが、時に正気へと戻りまともに話すこともある。彼女は頭に花冠を乗せ、近くの小川へと身を浮かべそのまま亡くなってしまうのだった。

その後、手紙によってホレーショと合流したハムレットは、墓穴を掘る男と出会う。男が言うには、この墓に入るのはかつて女だった者らしい。つまり、死者は女性である。すると、そこへ葬儀の列がやって来る。ハムレットとホレーショは、離れた場所からその様子を見ていたが、現れたのは両陛下とオフィーリアの兄。そして、話を聞くところによると、どうやら亡くなったのはオフィーリアのようだった。

映画『ハムレット』の結末・ラスト(ネタバレ)

ガートルードは花を手向けながら、オフィーリアをハムレットの妻に迎えたかったと言う。ところが、彼女の兄はそれをよしとしない。そこへ堂々とハムレットが登場。憤りを隠せない兄とハムレットが争い始める。ショックを受けたハムレットは、深い悲しみを抱きその場から去ってしまう。

残されて泣き暮れる兄へクローディアスが近寄る。彼は悲痛を称える兄へ復讐を唆し、ハムレット暗殺計画を持ちかけるのだった。
一方、ハムレットはオフィーリアの兄と仲直りがしたいと考えていた。そこへ、模擬試合の話が舞い込む。すでに賭けが成立しているため、拒否はできないと言われる。相手はオフィーリアの兄でかなりの剣の使い手だった。

普通に考えても勝てる相手ではない。それでも拒否はできないため、仕方なく引き受けることに。ハムレットはオフィーリアの兄へ真摯に謝罪し、互いに剣を持った。まさか相手の剣が本物で、且つ毒が塗ってあるとは思いもしないハムレット。
一同が見守る中、いざ試合が開始される。合計12本の試合が行われる予定だったが、なかなかの腕を見せるハムレット。順当に勝ち抜いていく。勝てないことに焦った兄は思わず王子へと刃を向けてしまい、剣が真剣であることを知らしめてしまう。

ハムレットは卑怯な手に腹を立て、相手の剣を奪いやり返した。ところが、ハムレットが試合をしている間にガートルードが倒れてしまう。クローディアスが保険にと用意していた毒入りのワインを飲んだためだ。王妃はそれが毒入りであることを察しつつ、息子を守ろうとしたのだった。

全ての画策がクローディアスの仕業だと知ったハムレットは、王へと襲い掛かり毒が塗られた剣で何度も突き刺し命を奪う。ハムレットも毒の剣で傷をつけられているため、じきに死へと至るだろう。彼はホレーショに支えられながら、母へと別れを告げこの悲劇を忘れないために親友へ語り継ぐよう遺言を残す。そうして、静かに息を引き取るのだった。

映画『ハムレット』の感想・評価・レビュー

ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇『ハムレット』は、今や誰もが知る名作である。彼が制作した戯曲の中で最も長いと言われており、主人公ハムレットが復讐を誓ったことで、悲劇が次々と起こる。

本作は1948年制作の白黒映画で当時の作品としては、カメラワークなどが革新的であり現代にも通じるものがある。衣装も様々なデザインを用いており、なかなかに興味深い。ハムレットと言えば恋人だったオフィーリアである。有名画家ミレーが彼女を描いた作品を発表するなど、オフィーリアは代表的な悲劇の犠牲者であったと思われる。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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