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映画『ハナミズキ』あらすじとネタバレ感想

映画『ハナミズキ』の概要:『ハナミズキ』は、一青窈の同名ヒット曲を基にしたラブストーリー。北海道に住む主人公とその恋人の高校時代から社会人までを描く。映画では流れないが、主演の新垣結衣は「ハナミズキ」の曲のカバーもしている。

映画『ハナミズキ』 作品情報

ハナミズキ

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:128分
  • ジャンル:ラブストーリー、青春
  • 監督:土井裕泰
  • キャスト:新垣結衣、生田斗真、蓮佛美沙子、徳永えり etc

映画『ハナミズキ』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

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映画『ハナミズキ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ハナミズキ』のあらすじを紹介します。

北海道で母と二人で暮らす高校生の紗枝は、将来英語を使った仕事がしたいと思い、東京の大学へ進学することを夢見る。紗枝は、地元で家業の漁師の仕事を継ごうとしている康平と知り合い、二人は恋をする。

高校卒業後、紗枝は早稲田大学に合格し、東京に引っ越す。地元で漁師をしている康平とは遠距離恋愛になってしまい、二人をつなぐものは固定電話だけ。紗枝は大学のサークル活動やバイトなどで忙しく、すれ違いが続く。一方、康平は父親を病気で亡くし、さらに家の借金で苦しむ。家族を背負っていかなければならない康平は紗枝と別れることを決意する。

その後、紗枝は就職活動が上手くいかずに悩むが、同じサークルだった北見の誘いで、ニューヨークで働くことを決める。英語を使って海外で働きたかった紗枝は、ニューヨークで生き生きと働く。そんなころ、北見からプロポーズを受ける。一方、康平は地元の幼馴染と結婚していた。しかし相変わらず借金に苦しんでおり、家庭も上手くいかずに離婚してしまう。一人になった康平は、借金のためにマグロ漁船に乗り込むことを決める。

紗枝は、北見との結婚を決意していた。ところが写真家の北見は、イラクで戦争に巻き込まれて亡くなってしまう。紗枝は大きな悲しみを抱え、カナダの港町を訪れる。そこで康平がこの地に来ていることを知るが、すれ違いで会えずに終わる。紗枝は康平の残した船の模型にメッセージを残し、日本へ帰る。

その後、港町に戻ってきた康平は紗枝のメッセージを見つける。そして北海道に戻り、二人は抱き合い再会を喜ぶ。

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映画『ハナミズキ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ハナミズキ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

青春×純愛×遠距離恋愛

この映画、本当にありきたりな純愛もので、遠距離恋愛でくっついたり離れたりというのは別の恋愛映画でも散々使い古されてきた構成である。おまけに、ヒロイン紗枝の二人目の恋人北見は、結婚寸前までいって亡くなってしまう。なんて陳腐なんだろうと思うが、一応リアリティを追求した一面もある。
北海道の片田舎で生まれその地で働くことを決めた康平の周辺は、確かにこんな人のこんな人生はあるだろうと思えるものなのである。
高校を卒業してそのまま地元で父親の漁師の仕事を継いで、紗枝と別れた後は地元の幼馴染と結婚する。そして借金で上手くいかずに離婚。
ただきれいな純愛だけではない一面をちゃんと描いているのである。こういう部分があったから、ストーリーにも深みができたのではないかと思った。

船の模型

紗枝と康平は、とにかくうまくいかない。元々価値観の違う人間だったと思うし、特に大学進学を機にすれ違いっぱなしなのである。カナダでは会えそうで会えずにニアミス。どこまでじれったいのかとやきもきさせられるが、二人の転機に必ず登場するのが、康平が紗枝にプレゼントした船である。
観ている方でも、だんだん「これがよりを戻すきっかけになるんだろうな」と予想がついてくる。案の定、カナダで紗枝が船を見つけ、これにメッセージを残すことで二人は再開する。こういう小物の使い方はうまいと感じた。

名曲「ハナミズキ」のメッセージとは

一青窈の歌「ハナミズキ」は、アメリカの「9.11」事件がきっかけで作られたものらしい。それを知っていると、なぜ恋愛映画?と思うのだが、歌詞は「君と好きな人が100年続きますように」というものなので、恋愛がテーマとも考えられる。

だが気になるのはその「君と好きな人が100年続きますように」は誰の目線なのか?ということ。こじつけられるかもしれないけれど、やはり主人公二人とは考えにくい。
では何なのか。
タイトルの「ハナミズキ」の通り、木なのではないだろうか。紗枝の実家にはハナミズキの木が植えられていて、紗枝の成長を静かに見守っている。そういう意味ではハナミズキが紗枝の幸せを願っていると考えることができるかもしれない。
それに、ハナミズキを植えたのは紗枝の亡くなった父である。よって、亡くなった父親が見守っているとも考えられるのではないだろうか。
そうでなければ、この映画の基が「ハナミズキ」である必要はないのだから。

映画『ハナミズキ』 まとめ

一青窈のヒット曲「ハナミズキ」が基になって作られた映画であることと、主演が新垣結衣、生田斗真であることに助けられた作品だったと思う。それだけで知名度は一気に上がった。あとは、ストーリー展開が単純で、女子中高生に共感されやすい内容であったことが人気の要因なのではないだろうか。

すれ違っていた二人が再開して結ばれるのは確かに感動できるが、すでに使い古された設定である。こういうのが好きで観る人もいるとは思うが、恋愛映画をたくさん観る人にとってはもう観飽きたものだろう。

映画のテーマともいえる「ハナミズキ」も、深読みしなければ結局何が言いたくてこの歌をテーマに映画を作ったのかが分かりにくいのも難点である。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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