映画『ハリーとトント』の概要:老人ハリーと愛猫トントの旅を描いたロードムービー。出演はアート・カーニー、エレン・バースティン。アート・カーニーが第47回アカデミー主演男優賞を受賞。ポール・マザースキー監督の1974年製作米国映画。
映画『ハリーとトント』 作品情報
- 製作年:1974年
- 上映時間:111分
- ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
- 監督:ポール・マザースキー
- キャスト:アート・カーニー、エレン・バースティン、チーフ・ダン・ジョージ、ラリー・ハグマン etc
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映画『ハリーとトント』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ハリーとトント』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ハリーとトント』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ハリーとトント』 あらすじ【起・承】
ニューヨーク、マンハッタン。72歳の老人ハリー・クームス(アート・カーニー)は、茶猫のトントと暮らしていた。ところが、市の区画整理で住んでいたアパートを追い出されてしまう。
ハリーは、トントと一緒に長男バートの家に行くが、バートの妻に気兼ねしてしまい、うまくいかない。そのため、娘シャーリーを頼ってシカゴへと向かうのだった。
ところが、猫のトントが一緒なために、飛行機に乗ることができない。バスで向かおうとするが、トントがトイレ中に逃げ出してしまい、途中でバスを降りてしまう。
仕方なく、ハリーは免許が切れていたが、中古車を買うことに。
旅の途中で、ハリーは家出中の娘ジンジャー(メラニー・メイロン)と出会う。ジンジャーに言われて、ずっと気になっていた初恋の女性ジェシー(ジェラルディン・フィツジェラルド)に会いにゆく。
彼女は、ダンサー。記憶を保つのが難しくなっていたが、2人は楽しい時間を過ごした。
ハリーと共にシカゴへやってきたジンジャーは、シャーリーに実家に戻った方がいいと言われるが、ハリーと共に旅を続けることを選んだ。ハリーも、シカゴで暮らそうという娘の申し出を断るのだった。
映画『ハリーとトント』 結末・ラスト(ネタバレ)
ハリーは、次にロサンジェルスに住む次男エディ(ラリー・ハグマン)のもとへ身を寄せようとするが、エディは離婚と倒産を経験しており生活が大変だと知った。
一緒には暮らせないが、お金を送るからと約束して別れた。
そんな旅の途中で、健康食品を売るウェイド(アーサー・ハニカット)と会い、親交を深めた。ウェイドの後に売春婦のステファニーと知り合い、ラスベガスへ。
またラスベガスに住む、インディアンの長老サム(チーフ・ダン・ジョージ)に体の不調を治してもらう。
海辺の街で暮らし始めたハリーは、ある日、愛猫トントの様子がおかしいことに気づいた。慌てて、動物病院に連れてゆくが、トントは死んでしまう。
ハリーは、この老齢の猫の死を静かに受け止めるのだった。
その後、海辺を歩いていて、愛猫トントによく似た猫を見つけた。ハリーは思わず、その猫を抱きしめた。
海辺には少女が1人いて、砂の城を作っていた。ハリーは、その様子を見つめていた。
そして、ハリーも少女の隣りに座り、砂に触れるのだった。
映画『ハリーとトント』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ハリーとトント』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
こんな猫なら振り回されてみたい!老後の人生を紡ぐ、ちょっと素敵な旅
猫って気ままに生きているように見えて、実は小悪魔。ちゃんと計算して生きているのではないかと思います。とにかく、茶トラの猫トントがかわいい!犬のようにしつけをして、ということが出来ないので旅行には不向きだけど、連れてゆきたくなりますね。
「ハリーとトント」は、そんな猫との旅を描いたものだが、実は自分の理想の女性を猫になぞらえているのではないかと思う。だから、散歩中に猫をリードでつないでいるのは逃げないようにするためなので、すごく自然なこと。
見どころは、トントが逃げ出してしまい、シカゴ行きのバスを途中下車するシーン。
猫が思い通りにならないのは分かっているのにその後、中古車を買うハメになってしまう。
だけど、もしトントがいなかったら?ハリーは、素直に娘の家にお世話になったかもしれない。そして、猫のせいにすれば自由に生きてゆけるではないか。
老人ハリーを演じる、アート・カーニーの表情がいい。老人だって、誰にも頼らずに生きてゆけるんだ!という元気な力を感じます。今から40年ほど前の作品なのに、現代の老人を取り巻く状況は変わっていない。
むしろ、若さや時間を持て余している老人も多いかもしれない。
そんな老人と猫好きにこそ、観てもらいたい。
猫好き必見の映画ベスト3
こわもて男の隣には、猫。という構図がよく見られます。猫好きなら、1度は観ておきたい映画を紹介します。
まず、宿敵プロフェルドが猫を抱くシーンが印象的な「007は二度死ぬ」(67)。日本が舞台で、日本人ボンドガールが2人もいる!不思議な作品です。
次におすすめなのは、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13)。
コーエン兄弟が、売れないミュージシャンの不運な1週間を描いたコメディ。60年代のフォーク・ソングが好きな人にもおすすめ。“ユリシーズ”という名の預かり猫に翻弄される主人公の歌に泣けます!
最後にイッセー尾形が主演した、「先生と迷い猫」(15)。
堅物な元校長先生と、地域猫ミイが織り成す、心の交流を描いた作品です。
地域猫ミイを演じる、ドロップちゃんの可愛さに癒されますよ。やっぱり、誰かに頼りにされるっていいなぁ。猫といると、自然に人は笑えるのかもしれない。
年寄りのお爺ちゃんと、一匹の猫が旅をする心温まるロードムービーです。とにかくこのコンビが両方無理してないキャラクターになっていて、ザ・お爺ちゃん&ザ・猫なんです。お互いが互いを大好きっていう態度ではなくて、自由に楽に振舞っているのだけれど、一緒じゃないと物足りないなぁという距離感なんです。なので絆がより強く感じられて、そして別れが本当に切ない。トントの前で明るく歌って見せたハリーの場面は大号泣でしたよ。(男性 20代)
映画『ハリーとトント』 まとめ
猫と人間の歴史は、とても古く、メソポタミアや古代エジプトの時代から飼われていたようです。古代エジプト時代では神として信仰を集めていました。
「ハリーとトント」の関係は、年老いた恋人同士のよう。トントがいることで移動手段が限られてしまっても、ただそばにいてくれればいいんです!人間の良き恋人ですね。
見どころは、愛猫トントによって振り回される主人公が、バスで途中下車するシーンと、初恋の相手ジェシーとのダンス・シーン。老いは避けられないものだけど、いくつになっても友情を育むことができるなんて、素敵だと思いませんか?
海辺のラスト・シーンも印象的で、新しい猫との新たな旅を予感させます。
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