映画『蜂蜜』の概要:養蜂家の父と、母と共に暮らす少年ユスフ。様々な悩みとともに人生を送っているが、ある日仕事に行った父が帰ってこなくなってしまう。心配のあまり、ユスフは声が出なくなる。
映画『蜂蜜』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:セミフ・カプランオール
キャスト:ボラ・アルタシュ、エルダル・ベシクチオール、トゥリン・オゼン etc
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映画『蜂蜜』の登場人物(キャスト)
- ユスフ(ボラ・アルタシュ)
- 6歳の少年。父と母を愛し、愛されている。真面目な性格で学校の授業もしっかり取り組んでいるものの、文字を読むことが苦手。
- ヤクプ(エルダル・ベシクチオール)
- ユスフの父で養蜂家。ユスフに教え、庇いながら育てている。息子とは、森の中で一緒にいる時間が長い。
- ゼーラ(トゥリン・オゼン)
- ユスフの母親。いつも嫌いなミルクを飲むようにユスフに言うが、厳しいながらも優しさのある人物。
映画『蜂蜜』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『蜂蜜』のあらすじ【起】
木に登っている男がいる。どんどん登って行きかなり高くまで到達するが、体重を支えていた枝が折れかける。落ちる間際でギリギリ耐えてはいるものの、もはや時間の問題だった。
6歳のユスフは、山奥で養蜂家の父・ヤクプと、母・ゼーラと3人で暮らしていた。ユスフはヤクプと森の中にいる時間が好きだった。ゼーラもまた、ユスフのことを愛していた。
ユスフは学校で授業を受けていた。クラスメイトの女の子が当てられて教科書を読み上げる。上手に読めた子供は、先生から赤い札をつけてもらえるのだ。女の子の喋る内容をじっと聞いていたユスフは手を挙げ、スラスラと読み上げる。
ところが先生はその箇所ではなく、別の箇所を読むように指示する。ユスフは新しい文章を読むことができず、詰まりながら数文字喋って黙ってしまう。彼は聞くことはできたが、読むことができなかった。クラスメイトが皆笑い、先生は次回にしようと言った。落ち込み、帰っていくユスフ。
映画『蜂蜜』のあらすじ【承】
ユスフは、自分が見た夢の内容をヤクプに話した。ヤクプはそれを他人に話さないよう忠告する。ヤクプとひそひそ声で話すユスフ。またユスフはミルクが嫌いでゼーラからいくら言われても飲むことができなかったが、そんな時もヤクプはこっそりユスフを助けてくれるのだった。
ユスフがロバを連れたヤクプと話しながら森の中を歩いていると、突然ヤクプがその場に倒れ、痙攣をし始めた。ユスフは近くの水場から水を持ってきて介抱し、人を呼ぼうと走っていった。
ずっと、学校は真面目に出ていた。隣の席の子が宿題をやっておらず、怒られている。彼はユスフを見習うように言われた。
ある日、ミツバチがいなくなってしまった。養蜂箱には死骸ばかりが入っている。生計を立てている者達にとっては、生命線が絶たれたに等しい死活問題である。この事態にヤクプが一人、森の中へ蜂を探しに行くことになった。
映画『蜂蜜』のあらすじ【転】
ロバと共に出かけたヤクプはいつまで経っても帰って来ず、心配のあまりユスフは喋らなくなってしまった。ゼーラが心配してユスフの世話を焼いたものの回復の様子がない。警察官になりたい?将来なんになる?などと話しかけていたものの、ユスフは終始、どの問いにも無言だった。
ユスフは祖母の家に預けられることになった。皆がヤクプは戻ると言ってユスフを慰める。ユスフがたまたま通りかかった家からは、親父によろしくと声がかかった。微笑みを返すユスフ。
昇天祭が行われていた。たくさんの人々が集まり、踊っている。ユスフは彼らの中を歩き、走った。
祖母の家で預言者の話を聞かされたユスフ。彼はその話に希望を見出し、ヤクプは帰ってくると信じるようになった。その翌日、ゼーラとユスフは森へ行ったが、ヤクプを見つけることはできなかった。
映画『蜂蜜』の結末・ラスト(ネタバレ)
何日も経ったある日、ヤクプは事故にあったのだという情報を聞かされた。ミツバチの巣を仕掛けようと高所に登っていたところ、木の枝が折れてしまって助からなかったらしい。ユスフは気丈に振る舞おうとし、ゼーラのために嫌いなミルクを飲んだ。
授業では相変わらず文字が読めなかった。諦めず、一文字一文字を必死で読み取ろうとするユスフだったが、口から言葉が出てこない。何度も、何度も同じ場所を繰り返し続けるユスフのことを、今回はクラスメイトの誰も笑わなかった。先生がよくできたと褒め、ユスフを前に呼ぶ。ユスフはとうとう、赤い札をつけてもらった。クラスメイトはユスフに向かって拍手をする。その日、ユスフは走って帰っていった。
ヤクプは事故に遭い、帰ってこない。ユスフは森の中へと走っていった。どんどん走り、森の奥についたユスフは目を閉じて、そこで森に包まれるようにして寝息を立て、眠るのだった。
映画『蜂蜜』の感想・評価・レビュー
ユスフ三部作の三作目で、時系列では最初にあたる一作。詩人・ユスフの幼少期が描かれる。前二作を見ている状態で見始めると、ユスフという人間のルーツが見えてきて一番面白い作品だと感じられる。ただ、実際どの作品から見てもあまり問題はなさそうである。
家族と平和に暮らしているなかに不幸がふと訪れる様がリアルで、物悲しい。シリーズを通して変わらぬ映像美のなかで、悲しみの感情により特化して描き出された作品ではないかと感じた。(MIHOシネマ編集部)
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