映画『神々と男たち』の概要:アルジェリアのアトラス修道院で暮らす信心深い修道士たちが、イスラム過激派のテロ活動や抗争に巻き込まれてゆく。1996年に起きた事件を元にしたノンフィクション。
映画『神々と男たち』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
キャスト:ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデール、オリヴィエ・ラブルダン、フィリップ・ロダンバッシュ etc
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映画『神々と男たち』の登場人物(キャスト)
- クリスチャン(ランバート・ウィルソン)
- アトラス修道院の修道院長。修道士と医師を率いて生活を送っている。過激派との接触に備え、皆の意見を聞く。
- リュック(マイケル・ロンズデール)
- 修道院の慰謝。誰でも分け隔てなく診療し、看病するが、高齢であまり遠くに行くことができない。
映画『神々と男たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『神々と男たち』のあらすじ【起】
熱心に礼拝をする男たち。アトラス修道院は、敬虔なカトリック信者が生活している場所だった。
ある日バスの中で若者が心臓を刺され、犬のように投げ捨てられた。その理由は、髪の毛を隠していなかったからだという。犯人の男たちは信心深い振りをしているものの、コーランも読んでいない。指導者も殺された。修道院の者たちは、殺された人々が天国へ行けるように祈った。
政府軍とイスラム過激派は、ずっと内戦を続けていた。過激派の虐殺行為は毎日のように行われ、いつ修道士たちに被害があってもおかしくなかった。修道士たちは、修道院が武装し、警備をする必要があるかどうかを話し合った。
軍隊を入れたい者は?と問いかけたが、修道士たちは誰ひとり、軍隊に守られて生活したいと思っていないと主張した。テロリストが来たとしても、集団自殺をするために来たわけではないと。
修道院からそう離れていない場所で、クロアチア人が12人も殺害された。犯人はキリスト教徒を選別して殺していた。
映画『神々と男たち』のあらすじ【承】
クリスマスイブ、とうとう修道院に過激派たちがやって来る。銃は持ち込めないと伝えるが、銃を手放すことはできないと言う。修道士たちは外で話すことにした。
彼らは修道院にいる医師・リュックを連れて行こうとするが、リュック修道士は高齢で喘息があった。彼は連れて行くことができないと断る。過激派たちは、ならば薬をよこせと言い出した。100人の村人を毎日診ている状況では薬は全く足りておらず、そのまま伝えるととうとう怒りを露にする過激派たち。しかしないものは与えられない。
信仰者に一番親愛の情を抱くのはキリスト教信者である。だから隣人なのだ。帰ろうとした過激派たちに、今日は特別な日なんだと声をかける。クリスマス。王子の生誕を祝う日だと伝えると、すまん、知らなかったと手を出す男。修道士はその手を取った。
修道士たちはさらに話し合いを行うことにした。今回は難を逃れたが、もっと安全な場所に去るべきではないだろうか?
映画『神々と男たち』のあらすじ【転】
要求をすべて跳ね除けたことは宣戦布告と取られたかもしれない。しかし、クロアチア人は殺されている。自分たちが殺されるとすれば、もっと早くに殺されているのではないかと考える者もいた。
各自の良心に従い、この場所を発つかどうかを考えることにした。フランスに戻るか、アメリカに移るのか。村人を不安にさせないよう、少しずつ発つのか?色々と話し合ったが、どの案も結局は、この村を見捨てて逃げることと同じだった。3人は留まるべきだと言い、3人は去るべきだと言った。クリスチャンを含めて、2人はまだ決められないと言った。
恋は自然なことだと話した教師が、過激派に殺された。15歳の少女が密告したからだ。政府の職員も拷問され殺されている。フランスの内務省からは修道士たちに一刻も早い帰国の命令が出ていた。一方で村人たちは留まって欲しいと懇願する。修道士たちは、自分たちの意思決定は自分たちですると主張し、警備の提案も断るのだった。
映画『神々と男たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
幼い頃から宣教師に憧れ、信仰のために死ぬことは怖くないと想っている。しかし、ここで死ぬことには本当に意味があるのだろうか?生活、家族、祖国、未来の妻と子供を、既に捨てた身なのだと自分に言い聞かせるクリスチャン。
彼らは再度多数決を取った。留まるのか、帰国するのか。ここに留まりたい者は?と聞くと、手を挙げたのは全員だった。彼らはフランスからの帰国命令を無視することにし、信仰だけを掲げて最後までこの地に寄り添うことを決めた。
とうとうある夜、修道士たちの元に過激派が乗り込んできた。拘束され、寝巻きのままで雪の中を歩かされてゆく。吹雪の中を進み、とうとう誰も見えなくなった。
1996年、5月21日。その日修道院にいなかったジャン=ピエールとアメデの二人を除き、修道士は全員殺害された。犯人および殺害の状況は未だに謎のままである。
映画『神々と男たち』の感想・評価・レビュー
命の危機よりも信仰心を選んだ男たちの生き様を見せられるノンフィクション映画。一人ではなく全員が帰国命令を無視し、ほとんどそのまま亡くなっているという現実が突きつけられて心にダメージを負わされる。
時折挟まれる祈りのシーンから、信心深い彼らの生き様に説得力を感じる。これだけの強い信仰をもってしても訪れなかった平和とは一体何なのだろうか?思わず考え込んでしまう一作だった。(MIHOシネマ編集部)
「信仰心」とは?「命」とは?無信仰な私には考えられないほど深いもので、様々なことを考えさせられる作品でした。
幼い頃から修道士に憧れ、老いて身体が自由に動かなくなっても修道士として生きた男たちの物語。自分の命の重さや、何のために生きているのかを知っている彼らはどんな状況になっても、それを曲げることはありませんでした。
無信仰の人間からすると「そこまで」する必要があるのかと感じてしまうかも知れません。しかし、彼らの信仰心を考えると他人が口出しすることなど「間違い」でしか無く、信じるものを貫き通す生き方に感動しました。(女性 30代)
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