映画『ハイ・ライズ』の概要:新しく建設された高級タワーマンション。40階ほどある高いマンションの上階に住むほど富裕層とされていた。25階の中層階に引っ越してきた医者のラングは、上層階の下層階に住む住居人の抗争に巻き込まれていく。
映画『ハイ・ライズ』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ
監督:ベン・ウィートリー
キャスト:トム・ヒドルストン、ジェレミー・アイアンズ、シエナ・ミラー、ルーク・エヴァンス etc
映画『ハイ・ライズ』の登場人物(キャスト)
- ロバート・ラング(トム・ヒドルストン)
- 中層階に引っ越してきた中年男性。普段は医者として働く。精神的に異常者が多い人が多く集まるマンションの中で良識を持っているように見える。
- アンソニー・ロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)
- ラングたちが住む高級マンションのオーナー兼建築家。マンションの最上階に住む。自身が設計したマンションであったが、富裕貧困の縮図となってしまったことに憤りを感じている。
- シャーロット・メルヴィル(シエナ・ミラー)
- ラングの1つ上の階に住む女性。一人息子がいるが結婚はしていない。マンションの人間関係にやたら詳しい。
- リチャード・ワイルダー(ルーク・エヴァンス)
- マンションの下層に住む住人。テレビ関係の仕事をしているが最近はほとんど仕事をしていない。上層に住む人間を妬んでいる。
映画『ハイ・ライズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【起】
荒んだ高層マンション。だが、荒廃したマンションに住むロバート・ラングは、何の動物の肉かわからない、骨付き肉を食しながらそこでの生活に満足していた。
マンションが荒廃化する3か月前。医者として働くラングは40階建ての高層マンションに引っ越す。25階の一室に入居したラングは新生活を始める。
ある日、ラングはベランダで休んでいると1つ上の階に住むシャーロットから週末パーティの誘いを受ける。彼は誘いに乗ることを決める。
ラングは勤務先の病院へ行き、人体の解剖方法について教示する。解剖途中、見学していたマンローは気絶してしまい検査に回される。
ラングはその後、シャーロットが主催するパーティに参加する。そこでラングは家族持ちが多く住むのが下層階、富裕層が多く住むのが上層階であることを知る。
翌日、シャーロットのパーティで飲み過ぎたラングは仕事を休む。そこへシャーロットがラングの部屋に訪ねてくる。マンション内にあるプールに誘われたラングは、シャーロットと一緒にプールに行くことにする。
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【承】
プールで泳ぐシャーロットをプールに入らずスーツ姿で鑑賞していたラング。そこへマンションの最上階に住むロイヤルに仕えるシモンズに呼ばれる。
シモンズに案内されたラングは、最上階専用のエレベーターに乗りロイヤルと会う。ロイヤルはこのタワーマンションを設計した建築家であった。ラングを気に入ったロイヤルは、マンション内のジムでスカッシュとロイヤルの妻が主催するパーティに参加しないか誘う。ラングも快諾し家に戻る。
その夜、シャーロットの部屋を訪れたラングは性的関係を結ぶ。互いに恋愛感情はなく情事のみを楽しんでいた最中、シャーロットの息子トビーが来てしまい中断する。
ロイヤルの妻が主催するパーティに足を運んだラング。参加者は全員上層階に住む富裕層であった。参加者は全員中世ヨーロッパのコスプレをしており、何も聞かされていないスーツ姿のラングは周囲の人間から嘲笑される。しまいにはシモンズに強制的にエレベーターに乗せられ帰宅を余儀なくされる。ラングは屈辱的な扱いに怒りを覚えるもエレベーターに怒りの矛先を向ける以外できなかった。怒り狂っている最中、エレベーターに乗っていると突如停電となり運転が止まってしまい、階段で帰宅するのであった。
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【転】
翌日、ロイヤルと約束したスカッシュに顔を出したラング。停電について下層階に住む人間から不満が出ていることを話すもロイヤルはあまり気に留めていなかった。
勤務先に着いたラングは先日のマンローの診断結果に目を通す。問題はなかった。だが、同じマンションに住み、自分より上階に住むマンローへの嫌がらせとしてマンローには診断結果に問題があったと嘘をついてしまう。
マンションでは下層階に住む子供たちがプールで遊んでいた。だが、そこへ富裕層が子供たちを追い出しパーティを始めていた。下層階に住む映画監督のワイルダーは、子供たちを率いて抗議するためプール施設に乗り込む。ワイルダーの暴動により富裕層たちはプール施設から出て行くのであった。だが、プールでは富裕層に住む女性の愛犬の死体が浮かんでいた。
その後、下層階に住む人間たちのパーティが行われる。ラングもパーティを楽しんでいたが、その最中、ラングによって嘘の診断を信じ絶望したマンローは飛び降り自殺をしてしまう。
映画『ハイ・ライズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
マンローが自殺したにも関わらず警察を呼ばすにマンションから出て行こうともしない住民たち。さらに停電に対する住民の不満を皮切りにマンションの上層階と下層階の抗争が激化しマンションは荒れ始める。
マンション内にあるスーパーは売買機能を失い、商品の奪い合いが起きる。ラングはペンキを取り自宅を塗装し、模様替えした自宅にてワイルダーの妻と性的関係を結ぶ破天荒な行動を始める。一方最上階は、シモンズ筆頭に乱交状態に陥るなど、マンション内では異常な状況になっていた。
ワイルダーは異常な状態のマンションに終止符を打つべくロイヤルとの接触を試みる。シャーロットの息子がロイヤルとの間にできた子供だと知ったワイルダーは、シャーロットを襲う。その後、ワイルダーは最上階に侵入し、持っていた銃でロイヤルを殺害する。また、ワイルダーも付近にいた女性たちに鋭利な刃物で刺され命を落とす。
マンションは荒廃し物静かな状態になる。ラングは犬の肉を食しながら荒廃したマンションに居心地の良さを感じていた。次のタワーマンションの失敗に期待を膨らませながら荒廃した生活を継続するのであった。
映画『ハイ・ライズ』の感想・評価・レビュー
この手の映画の感想は非常に困る。恐らく資本主義社会である現代の世界の縮図をマンションの階層で表現し、性的かつ暴力的な描写を入れることで芸術作品として昇華しているのだと思う。だが、作品のストーリーが全く伝わらない。途中からマンション内の抗争描写が消え、ただ意味深なシーンだけが展開される。完全に監督の頭の中だけで完結されているストーリーをただただ見せられている感じ。それを芸術だと押し切られてしまったら反論はできないが面白いかと言われると否。結局、映画とは作り手と受け手が双方納得できる落としどころにできるかが作品の評価ポイントになると今作をみて痛感した。(MIHOシネマ編集部)
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