この記事では、映画『ハイ・ライズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ハイ・ライズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ハイ・ライズ』の作品情報

上映時間:119分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ
監督:ベン・ウィートリー
キャスト:トム・ヒドルストン、ジェレミー・アイアンズ、シエナ・ミラー、ルーク・エヴァンス etc
映画『ハイ・ライズ』の登場人物(キャスト)
- ロバート・ラング(トム・ヒドルストン)
- 中層階に引っ越してきた中年男性。普段は医者として働く。精神的に異常者が多い人が多く集まるマンションの中で良識を持っているように見える。
- アンソニー・ロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)
- ラングたちが住む高級マンションのオーナー兼建築家。マンションの最上階に住む。自身が設計したマンションであったが、富裕貧困の縮図となってしまったことに憤りを感じている。
- シャーロット・メルヴィル(シエナ・ミラー)
- ラングの1つ上の階に住む女性。一人息子がいるが結婚はしていない。マンションの人間関係にやたら詳しい。
- リチャード・ワイルダー(ルーク・エヴァンス)
- マンションの下層に住む住人。テレビ関係の仕事をしているが最近はほとんど仕事をしていない。上層に住む人間を妬んでいる。
映画『ハイ・ライズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【起】
荒んだ高層マンション。だが、荒廃したマンションに住むロバート・ラングは、何の動物の肉かわからない、骨付き肉を食しながらそこでの生活に満足していた。
マンションが荒廃化する3か月前。医者として働くラングは40階建ての高層マンションに引っ越す。25階の一室に入居したラングは新生活を始める。
ある日、ラングはベランダで休んでいると1つ上の階に住むシャーロットから週末パーティの誘いを受ける。彼は誘いに乗ることを決める。
ラングは勤務先の病院へ行き、人体の解剖方法について教示する。解剖途中、見学していたマンローは気絶してしまい検査に回される。
ラングはその後、シャーロットが主催するパーティに参加する。そこでラングは家族持ちが多く住むのが下層階、富裕層が多く住むのが上層階であることを知る。
翌日、シャーロットのパーティで飲み過ぎたラングは仕事を休む。そこへシャーロットがラングの部屋に訪ねてくる。マンション内にあるプールに誘われたラングは、シャーロットと一緒にプールに行くことにする。
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【承】
プールで泳ぐシャーロットをプールに入らずスーツ姿で鑑賞していたラング。そこへマンションの最上階に住むロイヤルに仕えるシモンズに呼ばれる。
シモンズに案内されたラングは、最上階専用のエレベーターに乗りロイヤルと会う。ロイヤルはこのタワーマンションを設計した建築家であった。ラングを気に入ったロイヤルは、マンション内のジムでスカッシュとロイヤルの妻が主催するパーティに参加しないか誘う。ラングも快諾し家に戻る。
その夜、シャーロットの部屋を訪れたラングは性的関係を結ぶ。互いに恋愛感情はなく情事のみを楽しんでいた最中、シャーロットの息子トビーが来てしまい中断する。
ロイヤルの妻が主催するパーティに足を運んだラング。参加者は全員上層階に住む富裕層であった。参加者は全員中世ヨーロッパのコスプレをしており、何も聞かされていないスーツ姿のラングは周囲の人間から嘲笑される。しまいにはシモンズに強制的にエレベーターに乗せられ帰宅を余儀なくされる。ラングは屈辱的な扱いに怒りを覚えるもエレベーターに怒りの矛先を向ける以外できなかった。怒り狂っている最中、エレベーターに乗っていると突如停電となり運転が止まってしまい、階段で帰宅するのであった。
映画『ハイ・ライズ』のあらすじ【転】
翌日、ロイヤルと約束したスカッシュに顔を出したラング。停電について下層階に住む人間から不満が出ていることを話すもロイヤルはあまり気に留めていなかった。
勤務先に着いたラングは先日のマンローの診断結果に目を通す。問題はなかった。だが、同じマンションに住み、自分より上階に住むマンローへの嫌がらせとしてマンローには診断結果に問題があったと嘘をついてしまう。
マンションでは下層階に住む子供たちがプールで遊んでいた。だが、そこへ富裕層が子供たちを追い出しパーティを始めていた。下層階に住む映画監督のワイルダーは、子供たちを率いて抗議するためプール施設に乗り込む。ワイルダーの暴動により富裕層たちはプール施設から出て行くのであった。だが、プールでは富裕層に住む女性の愛犬の死体が浮かんでいた。
その後、下層階に住む人間たちのパーティが行われる。ラングもパーティを楽しんでいたが、その最中、ラングによって嘘の診断を信じ絶望したマンローは飛び降り自殺をしてしまう。
映画『ハイ・ライズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
マンローが自殺したにも関わらず警察を呼ばすにマンションから出て行こうともしない住民たち。さらに停電に対する住民の不満を皮切りにマンションの上層階と下層階の抗争が激化しマンションは荒れ始める。
マンション内にあるスーパーは売買機能を失い、商品の奪い合いが起きる。ラングはペンキを取り自宅を塗装し、模様替えした自宅にてワイルダーの妻と性的関係を結ぶ破天荒な行動を始める。一方最上階は、シモンズ筆頭に乱交状態に陥るなど、マンション内では異常な状況になっていた。
ワイルダーは異常な状態のマンションに終止符を打つべくロイヤルとの接触を試みる。シャーロットの息子がロイヤルとの間にできた子供だと知ったワイルダーは、シャーロットを襲う。その後、ワイルダーは最上階に侵入し、持っていた銃でロイヤルを殺害する。また、ワイルダーも付近にいた女性たちに鋭利な刃物で刺され命を落とす。
マンションは荒廃し物静かな状態になる。ラングは犬の肉を食しながら荒廃したマンションに居心地の良さを感じていた。次のタワーマンションの失敗に期待を膨らませながら荒廃した生活を継続するのであった。
映画『ハイ・ライズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
この手の映画の感想は非常に困る。恐らく資本主義社会である現代の世界の縮図をマンションの階層で表現し、性的かつ暴力的な描写を入れることで芸術作品として昇華しているのだと思う。だが、作品のストーリーが全く伝わらない。途中からマンション内の抗争描写が消え、ただ意味深なシーンだけが展開される。完全に監督の頭の中だけで完結されているストーリーをただただ見せられている感じ。それを芸術だと押し切られてしまったら反論はできないが面白いかと言われると否。結局、映画とは作り手と受け手が双方納得できる落としどころにできるかが作品の評価ポイントになると今作をみて痛感した。(MIHOシネマ編集部)
閉鎖された高層マンション内で階層社会が崩壊していく様子が、非常に象徴的で印象に残った。最初は些細なトラブルだったものが、徐々に暴力や無秩序へとエスカレートしていく過程がリアルで怖い。特に上層階と下層階の対立が激化し、文明的な生活が崩れていく描写は、人間の本性を突きつけてくるようだった。ラストの虚無感も含めて、強烈な余韻を残す作品。(30代 男性)
スタイリッシュな映像と音楽が印象的だが、その中で描かれる内容はかなり狂気的。住人たちが徐々に理性を失っていく様子は見ていて不安になる。主人公も傍観者のようでありながら、いつの間にかその狂気に染まっていくのが怖かった。最後にはすべてが崩壊しているのに、誰もそれを止めようとしない世界観が印象的。(20代 女性)
この作品はストーリーを楽しむというより、テーマや空気感を味わう映画だと感じた。階層社会のメタファーとしてのマンションという設定が秀逸で、上と下で生活がまったく違う点が興味深い。後半の無秩序な暴動や荒廃した生活は極端だが、人間社会の縮図のようにも見える。好みは分かれるが、考察しがいのある作品。(40代 男性)
正直かなり難解で、すべてを理解できたわけではないが、映像や演出のインパクトは強かった。パーティーから暴動へと変わる流れや、次第に荒れていく生活環境が異様。特に食料や電気が不足しても住人たちがその状況に適応してしまうのが不気味だった。人間の順応性の怖さを感じる作品だった。(30代 女性)
文明が崩壊していく様子を一つの建物内で描くというアイデアが面白い。最初は小さなトラブルだったのに、やがて暴力や支配へと発展していく流れが説得力を持って描かれている。主人公が次第に無気力になり、状況を受け入れていく姿が印象的で、希望のない結末が心に残る。(50代 男性)
最初はおしゃれな映画だと思って観ていたが、途中からどんどん不穏になっていく。住人同士の対立が激しくなり、理性が崩れていく様子が怖い。特に子どもたちまでその環境に順応しているのが印象的だった。明確な答えを提示しない終わり方も含めて、観る側に解釈を委ねる作品だと思う。(20代 男性)
社会風刺としての側面が強く、単なるドラマやサスペンスではない点が面白い。階層ごとの価値観や行動の違いが、徐々に暴力として表出していく様子がリアル。特に上層階の傲慢さと下層階の不満がぶつかる構図が印象に残る。ラストの荒廃した世界は象徴的で、考えさせられる内容だった。(40代 女性)
視覚的な演出や色彩の使い方が独特で、映画としての個性が際立っている。ただ、物語はかなり抽象的で、明確な起承転結を求める人には向かないかもしれない。終盤の混沌とした状況は圧倒的だが、どこか現実離れしているようで、逆に寓話として受け取ると面白い。(30代 男性)
人間の欲望や本能がむき出しになる様子が生々しく、見ていて不快感すら覚えた。だが、それこそがこの作品の狙いなのだと思う。秩序が崩れるとここまで簡単に暴力が広がるのかと考えさせられた。終盤の混乱した状況でも日常を続ける姿が、逆に怖かった。(10代 女性)
映画『ハイ・ライズ』を見た人におすすめの映画5選
スノーピアサー
この映画を一言で表すと?
列車内に再現された階級社会を描く、極限のディストピア・サスペンス。
どんな話?
地球が氷河期に突入した世界で、生き残った人類は永久に走り続ける列車の中で生活している。車両ごとに厳格な階級が存在し、最後尾に押し込められた貧困層の人々が反乱を起こす。前方へ進むにつれ、社会の構造と隠された真実が明らかになっていく物語。
ここがおすすめ!
『ハイ・ライズ』と同様に閉鎖空間の中で階級社会が描かれており、その対立構造が物語を強く引っ張る作品です。上へ進むほど見えてくる真実と、崩壊していく秩序の描写が秀逸。アクションと社会風刺が融合した見応えのある一本です。
パージ
この映画を一言で表すと?
すべての犯罪が許される夜、人間の本性が剥き出しになる恐怖の実験。
どんな話?
年に一度、12時間だけすべての犯罪が合法となる「パージ」の夜。安全なはずの家庭に避難していた一家は、ある出来事をきっかけに外の狂気に巻き込まれていく。暴力と恐怖が支配する中で、彼らは生き延びるための選択を迫られる。
ここがおすすめ!
秩序が崩壊したときに人間がどのように変わるのかを描く点で、『ハイ・ライズ』と強く共通しています。閉鎖された空間での緊張感と倫理の崩壊がリアルに描かれ、観る者に強いインパクトを与える作品です。
クローバーフィールド/パラドックス
この映画を一言で表すと?
実験の失敗が異常な世界を引き寄せる、混沌としたSFスリラー。
どんな話?
エネルギー問題を解決するための宇宙実験が失敗し、乗組員たちは異常な現象に巻き込まれる。次々と現れる不可解な出来事により、現実そのものが歪み始める。閉鎖空間での恐怖と混乱の中、彼らは真実を探ろうとする。
ここがおすすめ!
閉鎖空間の中で徐々に秩序が崩れていく点や、現実が歪んでいく不安感が『ハイ・ライズ』と共通しています。理解しきれない現象と混乱が観る側にも伝わり、考察したくなる要素が多い作品です。
ロブスター
この映画を一言で表すと?
奇妙なルールに支配された社会で描かれる、歪んだ愛と孤独の物語。
どんな話?
独身者は一定期間内にパートナーを見つけなければ動物に変えられるという世界。ホテルに集められた男女は、期限内に恋人を見つけるために奇妙なルールの中で生活する。主人公はその制度に疑問を抱きながら、自分なりの選択を模索していく。
ここがおすすめ!
社会のルールや価値観が極端に歪められた世界観が、『ハイ・ライズ』の持つ風刺性と通じています。独特のユーモアと不気味さが同居し、人間関係や社会の在り方について考えさせられる作品です。
時計じかけのオレンジ
この映画を一言で表すと?
暴力と秩序の狭間で揺れる人間性を描く、衝撃的な問題作。
どんな話?
暴力に快楽を見出す青年アレックスは、犯罪行為を繰り返していたが、やがて捕まり更生プログラムを受けることになる。強制的に暴力を嫌悪するように仕向けられた彼は、自由意志を奪われた状態で社会に戻される。
ここがおすすめ!
人間の本能や社会の抑圧といったテーマが、『ハイ・ライズ』と共鳴します。強烈な映像表現と倫理的な問いかけが印象的で、観る者に深い思考を促す作品。芸術性の高い問題作として必見です。



みんなの感想・レビュー