この記事では、映画『ひらいて』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
映画『ひらいて』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2021年 |
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上映時間 | 121分 |
ジャンル | ラブストーリー |
監督 | 首藤凜 |
キャスト | 山田杏奈 作間龍斗 芋生悠 |
製作国 | 日本 |
映画『ひらいて』の登場人物(キャスト)
- 木村愛(山田杏奈)
- 高3の女子高生。成績優秀で友達も多いクラスの人気者タイプ。斜め前の席に座る西村たとえに好意を寄せている。
- 新藤美雪(芋生悠)
- 愛とは別のクラスの女子生徒。1型糖尿病を患っている。大人しく友達もおらず、愛とは真逆のタイプ。
- 西村たとえ(作間龍斗)
- 愛と同じクラスの男子生徒。賢いが物静かで地味なタイプ。どこか不思議な雰囲気を持っている。
- 多田健(田中偉登)
- 愛のクラスメイトの男子生徒。愛のことが好きで告白するが、相手にされない。
- 西村崇(萩原聖人)
- たとえの父親。外面は良いが、たとえに対しては支配欲が強く暴力的。
映画『ひらいて』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『ひらいて』のあらすじ【起】
高校生3年生の木村愛は、クラスメイト達と文化祭で披露するダンスの練習をしていた。すると、その輪から同級生の新藤美雪が抜けていった。愛があとを追っていくと、美雪が校舎の木陰で倒れていた。糖尿病を患っている彼女は、「ジュース」と呟いた。愛はすぐにジュースを買ってきて口移しで飲ませる。気がついた美雪は、気まずそうにその場を立ち去った。
愛は同じクラスの西村たとえに密かに想いを寄せていた。たとえに近付こうと気を引く愛だったが、ある日たとえが誰かから手紙を貰っていることを知ってしまう。その手紙の相手が気になる愛。
ある日の帰り、愛はクラスの多田達が夜の学校に忍び込んでテストの答案を盗む計画を聞く。そして「自分も行く」と言って彼らについて行った。愛の目的は、たとえのロッカーから手紙を見つけてその送り主を確かめることだった。
たとえのロッカーにあった手紙を盗み読んだ愛は、その送り主が美雪だと知る。手紙の内容から美雪とたとえが付き合っていることを知り、さらにショックを受ける。
映画『ひらいて』のあらすじ【承】
愛はたとえとの関係を確かめようと美雪に近づく。「遊びに行こう」と言って美雪を誘い出した愛は、「付き合ってる人はいるの?」と美雪に聞く。すると美雪は、たとえと付き合っていることを打ち明ける。
学校では話さないことにしていて、親にも内緒でキスもまだしていないという美雪。すると愛は「この間のジュースがファーストキス?」とからかう。そして、「ちゃんとやり直そうか」と言って無理矢理美雪にキスをする。
学校の三者面談。愛は、たとえと彼の父親が面談をしているのを見かける。父親は教師に愛想よく話しているが、たとえの表情は暗い。
ある日、クラスでは文化祭の展示制作が行われていた。その最中、愛はたとえと二人きりになり彼に告白する。しかし、たとえは「うそなんじゃないか」と冷たい態度を取る。拒絶された愛は怒って教室を飛び出す。
文化祭の前日、愛はたとえとのことがあってダンスのリハーサルに身が入らない。そこに美雪がやって来た。愛は急に美雪の手を引っ張って彼女を連れ出し、学校を抜け出す。
映画『ひらいて』のあらすじ【転】
美雪の家で愛は、「ずっと好きだった」といって美雪にキスをする。戸惑う美雪だったが、愛は彼女を押し倒し愛撫し始めた。そこへ美雪の母親が帰ってきて、美雪はあわてて部屋を出ていく。しばらくしてお茶とお菓子を持って部屋に戻ってきた美雪は、愛に糖尿病の話や支えてくれる両親の話をした。
後日の放課後、美雪の家の前で待っていた愛。美雪が帰って来るなりキスをする愛。美雪も今度はそれを受け入れ、二人はそのまま激しく愛し合う。
その後、愛は美雪が眠っている隙に、美雪のカバンからスマートフォンを取り出す。そして、美雪になりすましてたとえにLINEを送る。
愛は夜の教室でたとえを待っていた。そこへ美雪からの連絡だと思っているたとえが現れる。そして、愛は美雪と寝たことをたとえに話す。突然服を脱ぎ下着だけになった彼女は、「私のものになって!」と訴えるがたとえは拒絶する。そして、愛の自己中心的な言動を非難し、罵倒した。
映画『ひらいて』の結末・ラスト(ネタバレ)
美雪は、東京の大学入試に向かうたとえを見送りに行く。その後、愛にたとえと東京へ行くことを話した。それを聞いた愛は、たとえが好きで美雪に近付いたことを告白する。美雪はショックを受けてその場を立ち去る。
それ以来、優等生だったはずの愛は、テストを白紙で出すなど問題行動を起こし始める。学校では噂が立ち、美雪もその様子を見て心配する。
ある日、帰宅中の愛は偶然美雪の姿を見かける。慌てている様子の美雪に話を聞くと、たとえの家でトラブルがあったと言う。二人は一緒にバスに乗り込み、たとえの家へ向かった。
たとえの家に着くと、彼の東京行きを反対している父親が怒鳴り声を上げていた。頭にきた愛は、思わずたとえの父親を殴りつけてしまう。
3人は家を逃げ出し、ラブホテルに泊まる。美雪がたとえのことを気遣っている姿を、愛はベッドの上から見ていた。
卒業式も間近になったある日、愛は机の中に入っていた美雪の手紙を読んでいた。すると、愛は突然教室を飛び出して美雪のクラスに走っていく。皆が驚く中、愛は美雪のところに歩いていく。そして、耳元で「また一緒に寝ようね」と囁いた。
映画『ひらいて』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ひらいて』に気まずいシーンはあるか?
映画『ひらいて』には、観る人によって「気まずい」と感じられるシーンがいくつか存在します。特に、登場人物たちの関係性が入り組んでおり、感情のぶつかり合いが激しい場面では、視聴者にとって居心地の悪さや不快感を覚える瞬間があるかもしれません。
例えば、主人公の愛が同級生のたとえに対して抱く一方的な思いが明らかになる場面では、その感情の強さがむしろ痛々しく映り、気まずい雰囲気を醸し出しています。愛は、たとえが別の女性である美雪を好きだと知りながらも、あえて彼に近づこうとします。そうした彼女の行動は、自分自身を追い込むだけでなく、観客にとっても共感しづらい部分があるのです。
また、愛が美雪に対して執着心を見せるシーンもあります。美雪がたとえと付き合っていることに強い嫉妬心を抱いた愛は、二人の仲を引き裂こうとするのですが、その方法が時として強引で、視聴者に不安を与えかねません。特に、愛が美雪に感情をむき出しにするシーンは、見ている側にとって非常に気まずく感じられる可能性があります。
このように、『ひらいて』には登場人物たちの複雑な感情のもつれや、三角関係ならではの緊張感が描かれているため、観客に不安や戸惑いを与えるシーンが少なからず存在しているのです。
映画『ひらいて』で愛が美雪に言った「また一緒に寝ようね」の意味とは?
映画『ひらいて』で、愛が美雪に対して「また一緒に寝ようね」と言うセリフは、表面的な意味を超えて、愛の内面に潜む複雑な感情や欲望、そして彼女の心の奥底にある思いを表現しています。
愛は、たとえへの恋心を抱きながらも、美雪という存在に特別な感情を持っていることが示唆されています。たとえと美雪の仲を引き裂こうとする一方で、愛は美雪自身にも惹かれており、彼女との絆を深めたいという願望を秘めているのです。「また一緒に寝ようね」というセリフは、愛が美雪との間に特別なつながりを求めている証なのです。それは単なる友情や愛情を超えて、二人の間に複雑な関係性を築こうとする愛の心の表れなのです。
また、このセリフには、愛が抱える孤独感や、他者とのつながりを切実に求める心の叫びも込められています。たとえへの恋心に执着する一方で、最終的には美雪との関係性に頼ろうとするかのように、愛は自分の居場所を探しているのです。「また一緒に寝ようね」という言葉は、そんな愛の心の葛藤や、他者に対する強い執着心を象徴しているのです。
映画『ひらいて』で、たとえは誰が好きなのか?
映画『ひらいて』において、たとえが誰を好きなのかという問いは、物語の核心を突く重要な要素です。主人公の愛は、たとえに強い恋心を抱いていますが、たとえの本当の想い人は別の人物、美雪なのです。この三角関係が、物語に複雑な展開をもたらしています。
たとえは、愛に対しては友情や親しみを感じているものの、彼の恋愛感情は完全に美雪に向けられています。美雪はたとえにとって、かけがえのない大切な存在であり、彼女との関係性を何よりも大事にしているのです。たとえの心は、美雪との穏やかで静かな愛情に満たされており、愛に対してはロマンチックな感情を抱いていないことが明らかです。
しかし、物語が進行するにつれて、たとえは愛と美雪の関係に気づき、彼自身の感情も揺れ動くことになります。愛からの積極的なアプローチを受ける中で、たとえは美雪への思いを胸に秘めながらも、愛の存在を無視できなくなっていくのです。しかし最終的に、たとえは美雪との関係を選択し、愛の気持ちには応えません。
このように、たとえが心から愛しているのは美雪であり、物語全体を通して、彼の想いは一貫して彼女に注がれていることが示されているのです。
映画『ひらいて』のヒロイン・愛が「わからない」と言われる理由は?
映画『ひらいて』の主人公である愛が「わからない」と評される理由は、彼女の行動や感情が非常に複雑で、多くの観客にとって理解しがたい部分が多いからです。愛は、物語の中で強烈な執着心を見せ、同級生のたとえへの恋心を軸に行動していきますが、その過程で美雪に対する感情や行動が混乱を招くのです。
一見すると、愛はたとえに対して一途な恋心を抱いているように見えます。しかし物語が進むにつれ、彼女はたとえへの想いを超えて、彼と彼の恋人である美雪に対しても執着や嫉妬、さらには独占欲を抱くようになります。この感情の変化があまりに激しいため、愛の行動は理解しがたく、「わからない」と評価される一因となっているのです。
また、愛の行動は時として理性を欠いており、衝動的で自分本位な面が目立ちます。他人の感情を顧みずに、自分の感情を優先させる姿勢が際立つため、視聴者は愛に共感しにくくなり、彼女の真意が掴めないと感じることがあるのです。さらに、愛が美雪との関係にまで深入りし、複雑な感情のもつれを引き起こすことで、彼女のキャラクターをより捉えにくくしている側面もあります。
このように、愛の感情や行動が複雑怪奇で一貫性に欠けるため、視聴者は「わからない」と感じざるを得ない場面が多く存在しているのです。
映画『ひらいて』はどういう話の映画?
映画『ひらいて』は、恋愛と人間関係の複雑さを描いた青春ドラマです。物語の中心には、高校生の愛、たとえ、美雪という三人の登場人物がおり、彼らの恋愛感情や友情、心の葛藤が入り組んだ形で展開していきます。主人公の愛は、同級生のたとえに恋をしており、何とか彼に近づきたいと願っています。しかし、たとえには美雪という大切な彼女がおり、彼女に対して真摯な思いを抱いているのです。
そんな中、愛はたとえが美雪を好きだと知りつつも、彼に近づくためにさまざまな策を講じます。そしてついには、美雪と接触することで、二人の関係に割って入ろうとするのです。愛の行動は次第にエスカレートし、執着心や嫉妬心が彼女の中で渦巻いていきます。
一方のたとえは、美雪との関係を大切にしつつも、愛との間に微妙な距離感を感じており、彼自身も感情が揺れ動きます。『ひらいて』は、三人の若者の間で生まれる複雑な感情のもつれと、誰もが満たされることのない恋愛関係を描いた作品なのです。
この映画は、若者の恋愛が決して単純ではなく、さまざまな感情や欲望が交錯することを浮き彫りにしています。物語が進むにつれ、登場人物たちの感情は爆発し、複雑な関係性はさらなる混乱を招いていきます。『ひらいて』は、純粋な恋愛物語というよりは、恋愛に潜む人間の複雑な内面や、リアルな関係性の描写に重きを置いた作品なのです。
映画『ひらいて』のラストのセリフ「また一緒に寝ようね」の意味とは?
映画『ひらいて』の最後で、主人公の愛が美雪に対して放つ「また一緒に寝ようね」というセリフは、物語全体を象徴する非常に重要な言葉です。このセリフには、愛が抱える複雑な感情が凝縮されており、表面的な意味合いを超えた、深い意味合いが込められているのです。
物語を通して、愛はたとえに強い恋心を抱き、彼との関係を築こうと奮闘してきました。しかし、たとえの心は美雪という大切な存在に向けられていたのです。愛は、美雪に対しても特別な感情を抱くようになり、彼女との間に何らかのつながりを求める欲望が芽生えていきます。物語が進行するにつれ、愛の感情はたとえへの恋愛感情だけでなく、美雪に対する執着や共感へと変化していくのです。
「また一緒に寝ようね」というセリフは、愛が美雪との間に築いた特別な瞬間を、もう一度体験したいという願望の表れなのです。それは単なる肉体的な関係を超えて、精神的な結びつきや、二人の間で共有した感情的な親密さを再び感じたいという切なる思いを表しているのです。愛にとって、美雪との絆は、たとえを介してではなく、直接的に感じた唯一無二の親密な関係であり、その一瞬を永遠のものにしたいという願いが込められているのです。
また、このセリフには、愛の孤独感や不安感、他者との関係性に対する切実な思いも反映されています。愛は常に他者との距離を感じており、その隔たりを埋めたいという強い欲求を抱えているのです。美雪とのつながりを失いたくないという、愛の胸の奥底にある思いが、このセリフに集約されているのです。
映画『ひらいて』が気持ち悪いと言われる理由とは?
『ひらいて』が「気持ち悪い」と評される理由は、登場人物たちの感情や行動が非常に複雑で、一般的な恋愛映画とは一線を画す不安感や不快感を喚起するからです。映画の中で描かれる愛の行動は、純粋な恋愛感情というよりは、執着心や嫉妬心、さらには他人のプライバシーを侵害するような行為であり、観客にとって共感しがたい部分が多いのです。
例えば、愛がたとえに対して異常なまでの執着を見せるシーンでは、感情が制御不能になる様子が赤裸々に描かれており、観客に不快感を与えかねません。彼女は、たとえへの恋心という純粋な感情を超えて、彼の恋人である美雪に接近し、二人の関係に介入しようとします。このような行動は、視聴者に不安を抱かせ、愛のキャラクターが単なる恋に落ちた女性ではなく、感情のコントロールができない人物として映るため、気持ち悪さを感じさせるのです。
また、映画全体の雰囲気も重苦しく、暗いテーマが中心となっています。純粋な恋愛というよりは、人間の心の奥底に潜む嫉妬心や執着心が描かれているのです。こうした感情の表現は、視覚的にも心理的にも観客に重圧を与え、気持ち悪いと感じる要因となっているのです。
さらに、愛と美雪の間に生まれる奇妙な関係性や、ラストに向けての愛の言動が、物語全体に不安定さを呼び込み、一般的な恋愛映画とは異なる不気味な雰囲気を醸し出しているため、「気持ち悪い」という印象を与えているのです。
映画『ひらいて』で、なぜたとえは愛にキスをしたのか?
映画『ひらいて』の中で、たとえが愛にキスをするシーンは、物語の核心を突く重要な場面であり、同時に非常に複雑な意味合いを持っています。このキスには、たとえの揺れ動く感情や内面の葛藤が如実に表れているのです。
たとえは物語全体を通して、愛に対して友人以上の感情を抱いていないように振る舞っていますが、実は愛が自分に強い思いを寄せていることを感じ取っています。一方で、たとえ自身は美雪に対して真摯な愛情を抱いており、彼女に一途な気持ちを注いでいます。しかし、愛から向けられる熱烈な感情を完全に無視することもできず、たとえの心は揺れ動くのです。愛にキスをすることは、たとえが愛の気持ちに応えられない現実を知りつつも、二人の間に生じた微妙な感情の揺らぎを表現する行為だったのかもしれません。
また、たとえ自身が抱える内面のストレスや葛藤も、このキスに影響を与えていると考えられます。美雪との関係を大切にする一方で、愛の積極的なアプローチや感情の深さに戸惑うたとえ。彼は愛を完全に拒絶することができず、心の中で感情が激しく揺れ動いているのです。キスという行為は、その瞬間の感情に流されてしまった結果であり、理性では制御できない衝動的な行動だったのかもしれません。
さらに、たとえは愛との間に友情や特別な絆を感じている部分もあり、その感情がキスという形で表出されたとも解釈できます。しかし、このキスは同時に、たとえの内面に渦巻く混乱を象徴しているのです。彼は本当に誰を愛しているのか、そして自分の行動がもたらす影響について、明確な答えを持ち合わせていないのです。
たとえのキスは、彼の複雑な感情と内面の葛藤を体現する行為であり、物語の本質に迫る重要な場面なのです。
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