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映画『ヒトラーの贋札』あらすじとネタバレ感想

この記事では、映画『ヒトラーの贋札』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヒトラーの贋札』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ヒトラーの贋札』の結末までのストーリー
  • 『ヒトラーの贋札』を見た感想・レビュー
  • 『ヒトラーの贋札』を見た人におすすめの映画5選

映画『ヒトラーの贋札』 作品情報

ヒトラーの贋札

  • 製作年:2007年
  • 上映時間:96分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ステファン・ルツォヴィツキー
  • キャスト:カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ、マリー・ボイマー etc

映画『ヒトラーの贋札』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『ヒトラーの贋札』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ヒトラーの贋札』のあらすじを紹介します。

第二次世界大戦の終結直後、モンテカルロの一流ホテルに、札束が入ったスーツケースを持ったサリー(カール・マルコヴィクス)が入ってくる。1936年のベルリン。パスポートなどを偽造する贋作師サリーは、本名サロモン・ソロヴィッチというユダヤ人だった。彼は犯罪捜査官のヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に捕らえられ、マウトハウゼン強制収容所に送られるが、彼のスケッチは親衛隊隊長に気に入られてナチスお抱えの画家になる。そして5年経ったある日、彼はザクセンハウゼンの強制収容所に移送される。そこではヘルツォークが囚人に贋ポンド紙幣を大量生産させる「ベルンハルト作戦」を指揮しており、贋札工場は隔離されていたが偽造に携わる囚人たちは厚遇されていた。そこでサリーは、元印刷工のブルガー(アウグスト・ディール)やコーリャらと共に、完璧なイギリスの贋ポンド紙幣を作り出す。ある日、アウシュヴィッツから送られてきた古紙から、仲間の子供たちが持っていたパスポートが見つかる。それは子供たちの死を意味しており、彼らは自分たちがナチスに協力し、同胞を苦しめているという現実に直面した。ブルガーは決起を促すがサリーは相手にしなかった。彼らの次の任務は贋ドル紙幣の生産だった。それにはブルガーの技術が必要だったが彼は協力せず、ヘルツォークは4週間以内に成功しなければ見せしめに5人を銃殺すると宣告する。作業員たちはブルガーを密告するべきだとサリーに訴えるが彼は拒否する。そんな中でコーリャが結核に侵される。サリーは国外逃亡を企てたヘルツォーク一家のパスポートを偽造して薬を手に入れ、贋ドル紙幣は期限までに完成した。しかし結核が親衛隊に発覚したコーリャは感染防止のために銃殺される。数日後、連合軍の侵攻を理由に作業は停止され機材が運び出される。親衛隊が去った夜、ヘルツォークは隠していた贋ドル紙幣を取りに戻るが、それを見つけたサリーは奪った銃で彼を殺害する。翌朝、囚人たちによって工場の扉が破られる。戦争から解放され、再びモンテカルロのカジノでサリーは狂ったように賭け続け散在してしまう。そして知り合った女性と海岸に佇むサリーは、「金は造れる」と彼女にうそぶくだけだった。

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映画『ヒトラーの贋札』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ヒトラーの贋札』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

生かされるという地獄

ナチスに協力させられる主人公が、元偽札作りの悪党という点が異色の題材である。ここではまっとうな人間ではなく犯罪者を主役に描いているが、戦時下の状況では善人、悪人関係なく、ユダヤ人というだけで収容所に送られていたのだから、ナチスの片棒を担ぐところのみに生きる道が残されているというのも皮肉な話である。生かされるか殺されるかも解らないまま偽札作りに協力させられるという状況は、死を待つしかない他の収容所とは違って、虜囚とされながらも生きる尊厳が複雑な心理で描かれる。死というものを目の前にぶら下げられ働かされるという生き地獄の中でも、アウシュビッツの囚人たちより恵まれている事を喜ぶ場面などを見ていると、個人差はあるだろうが極限状態の中では人の心がこれほどまでに不確かに変わるものかと痛感してしまう。

戦争と金

ナチスの強制収容所にしても、それ以降のパレスチナ問題にしても、実話レベルでユダヤ人が絡む話というものはあまりにも悲劇的である。中東とアフリカ、ヨーロッパを結ぶその地形から常に侵略にさらされ、3つの大きな宗教の聖地となっているのもその要因であり、個人的なレベルで言えば皆がささやかに平和を願って生きている筈なのに、その平和の象徴である神の名の下におびただしい血が流されたという事実を考えれば、宗教に依存する人の心理もまた怖ろしいものである。人類が通貨というシステムを発明したところから、その不幸が始まったと言っても差し支えはないだろうが、一見戦争に無縁と思われがちな”金”というものの存在が、目に見えない部分で大きな影響力を持ち、国家レベルで偽造されていたという希な実話である。贋造されたポンドは総額で1億3200万ポンドに上り、うち約50%がスパイへの報酬、武器調達用などの海外の秘密工作に使用され、その量は当時のポンドの全流通量の約10%に相当し、戦後ユダヤ人のイスラエルへの逃亡資金や、イギリス軍と戦う独立派の武器調達のためにも多くが使われたと言われ、戦後まで多大な影響を及ぼしたところはその規模の大きさに驚かされてしまう。


ナチス収容所での偽札製造という史実をもとにした物語は、戦争映画としてだけでなく、人間の倫理観を突きつけるドラマとして胸に迫った。サリーは生きるために贋札作りに協力するが、その行為が敵の戦争継続に加担してしまうというジレンマが重くのしかかる。特に仲間の印刷工ブルクが道義的信念から作業を sabotage し続ける対立構造は深く、収容所の中でさえ人間としての誇りを失わない姿に胸を打たれた。ラストでサリーが解放されても笑えない理由が痛いほど伝わる作品だった。(20代 男性)


収容所にいながら比較的良い待遇を受ける“特別作業班”という設定が、かえって精神的な地獄を生んでいることが印象的だった。サリーたちは衣食住を得る代わりに、自分たちが憎む政権のために働かされる。贋ドル紙幣が成功した瞬間の彼らの沈黙には、歓喜ではなく深い絶望があった。最も心に残ったのは、ブルクが道徳を守ろうとする姿勢と、それでも生きたいと願うサリーの葛藤の対比。解放後、サリーがカジノで贋札を使うシーンは皮肉と虚無感が混ざり合い忘れがたい。(30代 女性)


物語は派手な戦闘もなく、収容所内の密室劇のように進むが、その静けさこそが残酷だった。サリーは卓越した腕を買われ贋札作りを強制されるが、その才能を誇りに思う気持ちと、ナチスに利用される嫌悪感の間で揺れ続ける。その複雑な心情を描く演出が見事。ブルクの抵抗は“正しさ”かもしれないが、それによって作業班全員が命を危険に晒すという皮肉もある。ラストでサリーが生き残ることへの罪悪感を抱え続ける姿が戦後の影を象徴していた。(40代 男性)


収容所という極限状況の中で、「生きるために悪に加担する」ことが必ずしも簡単な選択ではないと痛感した。サリーは贋札作りの才能を生かしながらも、心の中では常に自分を責めている。その一方で、ブルクは倫理を守るために立ち向かうが、その姿勢が仲間の命を危険にする現実も突きつけられる。どちらが正しいとは言えない構造が非常に深い。解放後のカジノのシーンは、自由を得ても心は束縛されたままだという象徴的な結末だった。(50代 女性)


この映画は、戦争映画というより“倫理のドラマ”として非常に優れている。サリーがナチスに協力せざるを得ない状況は、善悪の境界線が曖昧になる瞬間を鋭く描き出していた。ブルクが命を賭して贋札成功を阻止しようとする一方、サリーは仲間たちを死なせないために作業を進めざるを得ない。どちらの立場も理解できる分、観ていて心が苦しくなる。ラストの虚無感は、生き残ること自体が罪になるという戦争の残酷さを象徴していた。(20代 女性)


サリーの職人的な誇りと、生き延びるための妥協との間にある葛藤が丁寧に描かれていた。彼は詐欺師として生きてきた過去があるにもかかわらず、収容所では仲間を守るために行動する一面も見せる。ブルクの道義心は崇高だが、その反抗によって全員が殺されかねない緊張感がずっと続くのが怖い。結局、彼らがどれほど努力してもナチスの掌の上でしか生きられない現実が重く伸し掛かってくる。ラストのサリーの孤独が胸に刺さった。(30代 男性)


本作は“収容所の中での優遇”という特殊な状況に光を当てた稀有な映画だ。特別班は衣食住を与えられるが、外の囚人たちの惨状を知ることで常に罪悪感を抱えている。サリーは生き延びるために贋札作りを続けるが、仲間が次第に道徳と本能の狭間で壊れていく様子がリアルすぎて辛い。ブルクの抵抗は英雄的だが、同時に悲劇的でもある。戦争が人の価値観をいかに歪めるかを突きつける力強い作品だった。(40代 女性)


サリーのキャラクターが非常に魅力的だった。彼は冷静で狡猾だが、仲間を守るために動く行動力も持つ。そんな彼が収容所で得た“安全”が実はナチスへの協力の産物であるという皮肉が、映画全体の緊張感を高めている。ブルクの抵抗が暴かれそうになるシーンは息が詰まるほどで、彼の信念が揺らがないことに胸を打たれた。解放後の世界でサリーが投げやりに贋札を使う姿は、勝者も敗者もない戦争の虚無を象徴しているようだった。(50代 男性)


偽札づくりの技術が命を救うという皮肉が作品全体に漂っており、そのアンビバレンスが強い印象を残す。サリーは自分の技術によって生かされているが、それは同時に敵の戦争遂行に加担しているという事実でもある。ブルクの道徳的抵抗は、人間としての誇りを守るための最後の砦であり、観客にも深い問いを投げかける。ラストでサリーが街に消えていく姿には、希望よりも傷が残されたままの痛みがあった。(30代 女性)


本作を観て強く感じたのは、“生き延びることすら罪になりうる”という戦争の残酷さだった。サリーは贋札作りの才能で比較的よい環境に置かれるが、その裏で他の囚人たちは厳しい状況に置かれ続ける。ブルクの抵抗とサリーの現実的な判断がぶつかる場面は、本作の核心。どちらが正しいというより、それぞれが戦争に押しつぶされた結果の選択だと痛感する。エンディングの虚無感は深く、戦争映画として非常に余韻が長い一本だった。(20代 男性)

映画『ヒトラーの贋札』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヒトラーの贋札』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

シンドラーのリスト(1993)

この映画を一言で表すと?

「絶望の中で人間が人間であることを選ぶ」、歴史映画の頂点に立つ名作。

どんな話?

第二次大戦下、実業家オスカー・シンドラーは、ナチスの迫害により命の危機に瀕するユダヤ人たちを工場で働かせることで救おうとする。黒白映像を基調とした重厚な表現が、戦争の残酷さと人間性の輝きを際立たせる。実話に基づく強烈なドラマ。

ここがおすすめ!

収容所を描きながらも“生の尊厳”を深く掘り下げており、『ヒトラーの贋札』の持つ現実の重さをより深く体験できる。犠牲、選択、倫理──極限状況で揺れる人間の姿が圧倒的な説得力で描かれ、観る者の心を強く揺さぶる作品。

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004)

この映画を一言で表すと?

独裁者の終末を徹底的なリアリズムで描いた衝撃の歴史劇。

どんな話?

ナチス政権崩壊の最終局面、総統地下壕でのヒトラーと側近たちの混乱と崩壊を描く。忠誠、狂気、希望の消失が交錯し、戦争終結までの12日間を生々しく映し出す。史実に基づく緊迫のドラマで、戦争の末路を克明に刻む。

ここがおすすめ!

『ヒトラーの贋札』同様、歴史を“内部から見つめる”視点が特徴的。ナチスという巨大組織の終焉を徹底的にリアルに描き、独裁体制の崩壊の瞬間を体感できる。緊張感と重圧に満ちた名演が光る、歴史映画好きに必見の一本。

戦場のピアニスト(2002)

この映画を一言で表すと?

生き抜くことの痛みと強さを描く、静かで壮絶な戦争ドラマ。

どんな話?

ナチス占領下のワルシャワで、ユダヤ人ピアニストのシュピルマンは家族と引き離され、過酷な状況の中で生き延びようとする。逃亡、飢え、孤独に苛まれながらも、音楽への希望だけを胸に戦い続ける。実話を基にした胸を打つ物語。

ここがおすすめ!

極限状況の中に漂う“人間の尊厳”が強く心に残る点で、『ヒトラーの贋札』と非常に相性が良い。派手さはないが、静かで深い絶望と、その中にわずかな希望を描く力が圧倒的。アドリアン・ブロディの名演も必見。

ソフィーの選択(1982)

この映画を一言で表すと?

“選ばされる苦しみ”を描いた、魂を揺さぶる心理ドラマ。

どんな話?

ホロコーストを生き延びた女性ソフィーは、戦後アメリカで新たな生活を送るが、過去の悲劇的な“選択”に囚われ続けている。若い作家スティンゴとの交流を通して、彼女の心の深い傷が次第に明らかになっていく。

ここがおすすめ!

倫理的ジレンマ、罪悪感、記憶の重さ──『ヒトラーの贋札』の持つテーマと深く響き合う作品。メリル・ストリープの圧巻の演技が世界的評価を受け、観終わった後もしばらく心を離れないほど深い余韻を残す名作。

メフィスト(1981)

この映画を一言で表すと?

権力に魂を売る芸術家の姿を描いた、鋭い政治ドラマ。

どんな話?

演劇俳優ヘンドリックは成功を求めるあまり、ナチス政権と結びつき、知らず知らずのうちに体制の道具となっていく。彼が選ぶ“妥協”と“成功”の代償が徐々に露わになり、芸術家の誇りと倫理が揺らいでいく姿を描く。

ここがおすすめ!

『ヒトラーの贋札』のサリーが抱える“生きるための妥協”と重なるテーマを別角度から描く作品。体制に協力することの責任、誇り、葛藤──そのすべてが鋭く突き刺さる。知的で深いドラマが好きな人に特におすすめ。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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