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映画『羊の木』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『羊の木』の概要:原作が山上たつひこ、作画がいがらしみきおの同名コミックの映画化。仮釈放された元殺人犯を受け入れた港町、魚深市。6人の仮釈放された人物たちが引き起こす問題を、市役所職員の月末一の視点を通して描く。

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映画『羊の木』の作品情報

羊の木

製作年:2017年
上映時間:126分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:吉田大八
キャスト:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香 etc

映画『羊の木』の登場人物(キャスト)

月末一(錦戸亮)
魚深市役所の職員。上司から市長直轄案件として、殺人犯6名の仮釈放を受け入れる事業を担当することになる。父親が6名うち一人、大田理江子の働くデイサービスに通っている。
石田文(木村文乃)
月末の幼なじみ。事実婚からの出戻りで魚深市に帰ってくる。月末たちとかつてのようにバンドセッションをするようになるが、そこに見学にきた宮腰一郎と付き合うようになる。
杉山勝志(北村一輝)
仮釈放された殺人犯の一人。あまり更生する意思はない。宮腰の居場所を被害者遺族に話し、その行く末を観察する。
大田理江子(優香)
夫を殺した罪で服役中だったが、仮釈放される。月末の父と出会い、恋に落ちる。月末からは反対されるが、父に全てを話し、受け入れてもらう。
福元宏喜(水澤紳吾)
酒に酔い、上司を殺害した罪で服役中だった。刑務所の中で、理容師の免許を取り、理髪店に勤めることになる。理髪店店主もかつて刑務所で理容師の免許をとっていた。
大野克美(田中泯)
元ヤクザ。顔に大きな傷があり、見るからにそれとわかる風貌をしている。そのせいで、働いていたクリーニング店の客は減ってしまうが、店主の理解により働き続ける。
宮腰一郎(松田龍平)
人当たりも良く、物腰が柔らかで殺人犯には見えないタイプの人物。しかしカッとなると簡単に人を殺めてしまう人物。未成年の頃から殺人を繰り返し、少年院にも収監されていた。

映画『羊の木』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『羊の木』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『羊の木』のあらすじ【起】

魚深市の職員、月末一は市に転入してくる6人の送迎を受け持つことになる。6人とも事情があるようで、中には刑務所へ迎えにいくこともあるのだった。

月末は上司に、6人ともムショ帰りの人物ではないかと問う。上司は、あっさりそうだと答え、自治体が仮釈放の受刑者を受け入れることになったと話す。6人が受刑者であることは課長と月末しか知らない市長直轄案件だった。

月末は、宮腰一郎を迎えにいく。彼は他の5人とは少し違い、親しげに話しかけてくる。そして、自分から刑務所に入った訳を話すのだった。

市役所に、幼なじみの石田文が転入届けを出しにくる。数年ぶりの再会で、月末は友人の須藤と文の三人で、昔のようにバンドセッションをするのだった。

ある日、港で不審死体が発見される。その現場で月末は、連れて来た一人の杉山勝志の姿を見かけるのだった。

市長直轄案件であるはずが、同僚の田代は6人のことを知っていた。彼は課長のパソコンを勝手に見て、その情報を得ていた。田代は、6人とも殺人犯であることを月末に話す。最初に出迎えた福元宏喜は、酔った勢いで自分の上司を刺し殺していた。刑務所に迎えにいった大野克美は、元ヤクザで抗争相手をワイヤーで絞め殺していた。そこまで聞いて、月末は田代の話を遮るのだった。

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映画『羊の木』のあらすじ【承】

6人は魚深市での生活に少しずつ馴染んでいっていた。杉山は、港で月末に出会い、不審死体について、自分はやっていないと言う。月末の父はデイサービスセンターで6人のうちの一人、大田理江子と出会う。月末たちのバンドセッションをしている所に、宮腰は見学にくるようになり、やがて自分のエレキギターを買ってくるのだった。そんな中、理髪店で働く福元宏喜は、自分の素性がバレたと思い、月末を呼び出す。しかし、理髪店店主も実はムショ帰りだったことを告白するのだった。デイサービスで大田は、月末の父とキスをする。大田は、ダメと言いながらキスをするのだった。そして、港にあがった死体は、殺人事件ではなく脳梗塞による事故だったことが判明し、月末は少し安心をするのだった。

魚深市の祭り「のろろ祭」が開催される。当日、田代の誘いにより6人は祭りに参加をする。宴会の席で福元が酔い、暴れ出す。大野が福元を張り倒し、宮腰がそれを羽交い締めにする。その様子を杉山は笑いながら眺めているのだった。祭りのハイライト、「のろろさま」を迎える儀式が始まる。「のろろ」と呟きながら街を歩く一行。同じ時、月末の父と大田を自宅に招き入れていた。そして、大田に抱きつこうとして転倒して入院することになるのだった。

映画『羊の木』のあらすじ【転】

病院で大田と話す月末。大田は夫を殺害していた。セックスの時に首を締めてくれと言われ、締めすぎて殺してしまったと話す。月末は、もう父とは会わないで欲しいと言うのだった。

「のろろ祭」のことが全国紙に紹介される。記事の写真には杉山と宮腰が写っているのだった。大野の働いているクリーニング店は、お客が減っていた。大野は自分が元ヤクザだったことを告白し辞めようとする。しかし店主は、大野を引き止めるのだった。

新聞を見て宮腰にお礼がしたいという人物が、市役所を訪れる。しかし、市役所では何も教えてもらず、町の人たちに聞き込みをしながら宮腰のことを探していた。そして杉山と出会い、宮腰の情報を得るのだった。男は目黒といい、宮腰に息子を殺されたのだった。

文は、宮腰は付き合い初めていた。嫉妬した月末は、宮腰が殺人犯であることを、電話で文に話してしまう。しかしすぐに後悔をし、宮腰に電話をして、そうしてしまったことを謝るのだった。月末からの電話を切った宮腰は、目黒に襲われるのだった。もみ合う二人だったが、宮腰はその後、何事もなかったかのように文と公園で会い、キスとする。しかし、文は車の中で恐怖を感じ、逃げるように車を降りるのだった。

映画『羊の木』の結末・ラスト(ネタバレ)

大田は自分のおかした罪のことを月末の父に話していた。そして、一緒になりたいと月末に話すのだった。杉山は宮腰が目黒を殺害した現場を見ていた。そのことをネタに宮腰に脅しをかける。しかし、宮腰は杉山を車で轢き殺してしまうのだった。

月末は、昨日の電話ことの謝るため文に連絡をする。文も話したいと言い、月末の家で会うことになる。しかし、月末が家に帰ると宮腰が来ているのだった。部屋で話をする二人。宮腰は初犯で実刑を受けていた。それは未成年の時に何かしたことを意味するのだった。そのことを問う月末。しかし、宮腰は疲れたと言い、眠り、そして月末も眠ってしまう。

目が覚めると、宮腰が一緒に海を見に行こうと言う。宮腰の車で出かける二人。そこへ文から電話がかかってくる。その電話を取り上げ、岬にいくから一緒においでよと言う宮腰。岬に着くと、宮腰は一緒に飛び込もうと言う。断る月末の首を、宮腰はしめるのだった。

港では目黒の死体が上がり、宮腰の車が緊急手配される。遠くからはパトカーのサイレンが聞こえる。岬へ文も到着するが、宮腰は月末の手を引き、岬から海へ飛び込むのだった。最初に海面に顔を出したのは宮腰だった。その時、岬の「のろろ像」が倒れ、海面の宮腰を直撃する。その後で、月末が海面に顔を出すのだった。

杉山と目黒を殺した宮腰は死に、残りの4人は魚深市で日常を過ごしている。そして、海からは「のろろ像」が引き上げられるのだった。

映画『羊の木』の感想・評価・レビュー

過疎化した田舎に犯罪者を住まわせるという設定が、ありえないに決まっているが妙にリアルで、観ていたらありえるのかもしれないと思ってくるほどだった。中盤は少し中だるみしてしまった気はしたが、結末を観るまで何が起こるか分からなかったので楽しんでみることが出来た。

終始田舎独特の風景に薄暗さが重なり、薄気味悪さがストーリーに合っていて良かったと思った。犯罪者役として出ていたキャストの方の演技は素晴らしかった。(女性 20代)


気味の悪さや緊張感など、全体的な雰囲気作りが成功している作品。ストーリーに目を向けると少し深みがないと感じてしまうが、出演した俳優陣の演技など他の部分は素晴らしかった。主演の錦戸亮もアイドルとは思えない演技力を見せている。
雰囲気を壊すことなく、ストーリーを進行していくことは実は難しい。しかしこの作品はそれを実現している。これは監督である吉田大八氏が明確なビジョンを持って演出をしていた証拠である。今作とは全く違った作品も見てみたいと感じた。(男性 20代)


田舎の独特の閉塞感や謎の行事の空気感がリアルで、終始ほんのり不気味な雰囲気が漂い続ける作品でした。ありえない設定ではあるが、自分の身近にも起こるかもしれない状況で、自分だったらこの人たちを受け入れられるだろうかと思いました。
松田龍平さんの、すごく良い人にも見えるがどうしてもサイコパスにも見えてしまうような役作りが流石でした。他の出演者も実力のある方ばかりで、この作品のヒヤリとするような雰囲気がより強調されていると感じました。(女性 20代)

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