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映画『不機嫌なママにメルシィ!』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『不機嫌なママにメルシィ!』の概要:フランス人俳優ギヨーム・ガリエンヌの自伝的戯曲を、ギヨーム自身が監督・脚本・主演(本人とママの1人2役)を務めて映画化した作品。女の子のようにして育ったギヨームが、葛藤の末に母親から自立していく姿を描く。ギヨーム・ガリエンヌの達者な演技が堪能できる。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』の作品情報

不機嫌なママにメルシィ!

製作年:2013年
上映時間:87分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ギヨーム・ガリエンヌ
キャスト:ギヨーム・ガリエンヌ、アンドレ・マルコン、フランソワーズ・ファビアン、ダイアン・クルーガー etc

映画『不機嫌なママにメルシィ!』の登場人物(キャスト)

ギヨーム・ガリエンヌ / ママ(ギヨーム・ガリエンヌ)
ギヨームはフランスの俳優。娘を欲しがった母親に、他の男兄弟とは違う扱いを受け、自分は女の子なのだと勘違いして育つ。母親の失望を恐れるあまり、自分が何者か分からなくなっていく。

ママはギヨームの母親。パリ郊外の豪邸で暮らすセレブで、かなりのヘビースモーカー。ギヨームのことをゲイだと勘違いしており、内心それでもいいと思っている。

パパ(アンドレ・マルコン)
女っぽい息子のことが心配で、何とか男らしくしたいと思っている。しかしなかなかうまくいかない。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『不機嫌なママにメルシィ!』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』のあらすじ【起】

フランスの俳優ギヨーム・ガリエンヌは、パリ近郊の裕福な家庭で生まれ育った。実家はかなりの豪邸で、セレブなママは自由気ままに生きている。ギヨームは男兄弟に囲まれて育ったが、ママは子供たちを呼ぶ時“男の子たちとギヨーム”と言った。ママは、ひ弱で甘えん坊のギヨームを女の子のように育て、ギヨーム自身も“自分は女の子なのだ”と思い込んでいた。

ある年の夏休み。スペイン語が話せるママに憧れていたギヨームは、スペインに短期留学させてもらう。ママが用意してくれた留学先は、低所得者の公団が並ぶ、スペインで一番汚い街だった。しかしギヨームのホームステイ先であるパキの一家は比較的健全で、ギヨームにお祭りを楽しむためのフラメンコを教えてくれる。

ギヨームは毎日8時間もフラメンコの練習をして、お祭り当日を迎える。地元の人たちと一晩中踊り明かしたギヨームは、自分が女の振り付けで踊っていたことを知る。女性から“すごく女っぽく見える”と言われ、ギヨームは“ママは聞いたら喜ぶだろう”と嬉しくなる。

ギヨームは、いつもママのことを観察していたので、ママのモノマネが得意だった。ママの実の母親である祖母まで騙されるほど、ギヨームはママそっくりに話すことができる。ギヨームは、それをとてもいいことだと思っていた。

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映画『不機嫌なママにメルシィ!』のあらすじ【承】

ギヨームのパパは、息子が女っぽいことを嫌っており、ママもパパには気を使っていた。パパは、スポーツをして男らしくなって欲しいと思っていたが、ギヨームは乗馬も水泳も全くダメだった。毛布を腰に巻き、貴族の夫人になりきって妄想の世界に入り込むギヨームを見て、パパは息子を男子校の寄宿舎に入れる。

男子校の寄宿舎は、まるでトルコの刑務所のような場所で、ギヨームはひどいいじめにあう。ギヨームはパパに手紙を書き、精神科のカウンセリングを受ける。精神科医の診察により、ギヨームは再び転校する。

次の転校先は自由な雰囲気のイギリスの学校で、ギヨームはその学校を気に入る。相変わらずボートや乗馬といった運動は苦手だったが、ヘマをするたびに励ましてくれるジェレミーという美青年の友人のおかげで、ギヨームは学校生活を楽しむ。

クリスマスで帰省した際、ついにパパもギヨームとママを間違える。ギヨームは“パパが自分を女だと認めてくれた!”と嬉しくなり、ますます女性らしさの研究に没頭する。

ギヨームは、ママだけでなく、祖母や伯母や学校の同級生などをじっくりと観察し、女性はそれぞれ違った息遣いをしているということを発見する。それはギヨームにとって、世紀の大発見だった。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』のあらすじ【転】

ギヨームは、思春期を迎えても自分を女だと思い込んでいたが、ジェレミーたち同級生は異性と恋に落ちていく。ジェレミーにも彼女ができ、ギヨームは深く傷つく。ママは“そっちの人も幸せになれるわよ”と言って、ギヨームを慰める。よくよく話を聞いてみると、ママはギヨームのことをゲイだと思い込んでいた。しかしギヨームは、“自分は女の子だから男の子に恋しているだけでゲイではない”と思っていた。

この認識の違いは、なかなか他人には伝わらない。そのおかげで兵役は免除されたが、ギヨームは精神科へ通い続けることになる。精神科医は、ギヨームに何か性的トラウマがあるのではないかと推測し、トンチンカンな質問を続ける。いろいろと疲れてしまったギヨームは、温泉の療養施設へ行く。

療養施設では手荒なマッサージや腸内洗浄をされ、ギヨームはフラフラになる。パリへ帰ってから再び精神科医のセラピーを受けるが、ギヨームは自分が何者なのか分からずに苦しんでいた。

ママは“恋をすれば自分がわかる”と息子にアドバイスする。ママは結婚前に何度も女性と体の関係を持っていたが、レズにはならなかった。その経験上、ギヨームがゲイなのかどうかは、本気で恋をする相手の性別でわかるだろうと思っていた。

ギヨームはママの助言に従い、ゲイが集まるクラブへ行ってみる。そこでカリムという男性にナンパされ、彼の部屋までついていく。しかしカリムは、ギヨームがアラブ人ではないとわかると、彼を追い出してしまう。カリムは、アラブ人としかやらない主義だった。

次にナンパされたのはイケメンの白人男性で、ギヨームは再び男の部屋へついていく。しかし、男性の馬のような股間を見て、ギヨームは恐ろしくなる。ギヨームは馬が怖かった。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』の結末・ラスト(ネタバレ)

ずっと自分は恐怖を抱えて生きてきたのだと気付いたギヨームは、恐怖を感じる相手を克服しようと決意する。まずは今1番怖い馬への恐怖を克服するため、乗馬クラブへ通い始める。

逃げずに馬と向き合い、苦手な乗馬に挑戦することで、ギヨームは少しずつ変わり始める。“馬を信じろ”というコーチの言葉に励まされ、ギヨームはついに馬を乗りこなすことに成功する。

次にギヨームは女子会に参加し、女性たちと楽しい時間を過ごす。そこでアマンディーヌという美しい女性に出会い、彼女に恋をする。ギヨームは勇気を出して彼女に声をかけ、女性への恐怖を克服する。そして、自分はずっとママを失望させることが1番怖かったのだと気付く。

数ヶ月後。ギヨームはママに“ゲイじゃないと気付いた男の子の話を芝居にしてみる”と報告する。ママに“その男の子が100パーセントストレートだという証拠は?”と聞かれ、ギヨームは“女性に恋をしたからだ”と答える。それを聞いて、ママは明らかに動揺していた。ママにとって、ギヨームが他の女性を愛するようになることは、とてもショックなことだった。

ギヨームは、アマンディーヌと結婚すると報告し、ママへの感謝を込めた芝居を上演する。いろいろと苦しんできたが、ギヨームは今もママを心から愛していたし、ママの愛にも感謝していた。ギヨームの芝居を見にきたママは、“今の僕があるのは母のおかげだ”というセリフを聞き、優しい笑みを浮かべる。

映画『不機嫌なママにメルシィ!』の感想・評価・レビュー

テンポよく進んでいく展開になっているので、ストーリーも考えすぎることなく入り込める作品になっていてよかった。気軽に楽しめる内容かと思いきやまじめな内容で、こんな風に歪んでいってしまうこともあるんだなと鑑賞後は自分の育った環境を振り返り、色々と考えさせられる作品だった。

ギヨーム・ガリエンヌの演技はとても素晴らしくかったが、特に女装しているシーンでは全身どこを見ても女性だったのでその表現力や演技力の高さに感動した。(女性 20代)

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