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映画『不能犯』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『不能犯』の概要:マインドコントロールで人を殺す男“不能犯”と、彼を追いかける女性刑事の活躍を描いたサスペンス。電話ボックスに連絡先を残すと、殺人を代行してくれるという都市伝説があった。それを実行していたのは黒いスーツの男。彼の目的は一体なんなのか。

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映画『不能犯』の作品情報

不能犯

製作年:2017年
上映時間:106分
ジャンル:サスペンス
監督:白石晃士
キャスト:松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣佑、間宮祥太朗 etc

映画『不能犯』の登場人物(キャスト)

宇相吹正(松坂桃李)
殺人の代行をする黒いスーツの男。マインドコントロールを使い、相手を操って死に至らしめる。彼の眼を見ただけで、人は誰でも暗示にかかってしまう。宇相吹というのも偽名で、彼の出自、目的など、一切が不明である。
多田友子(沢尻エリカ)
杉並北警察署の刑事。正義感が強く、曲がったことが嫌いな熱血派。
百々瀬麻雄(新田真剣祐)
多田と組むことになった新人刑事。
川端タケル(間宮祥太朗)
以前、多田に逮捕された不良少年。だが、多田の熱意によって更生し、少年院を出た今では立派な板前となった。
木村優(真野恵里菜)
宇相吹に依頼をするひとり。両親が離婚し、父親に引き取られたが、父親が働かなくなり、体を売らなくてはならなくなった。姉の理沙を羨ましく感じており、それが次第に殺意へと変わっていった。
夢原理沙(芹名星)
木村優の姉。ジュエリーデザイナー。両親の離婚後、母親に引き取られた。医者の婚約者がいるが浮気癖が強く、頭を悩ませている。
夜目冬美(矢田亜希子)
多田の先輩にあたる刑事。過去に河津の息子を取り調べた際、彼を信じることができず、結果、留置所で自殺されてしまう。そのことをトラウマとして引きずっており、そのことを宇相吹に利用されてしまう。
河津(安田顕)
ベテラン鑑識官。息子を亡くしている。息子の死に夜目は関係ないという態度をとっているのだが、本心は違う。

映画『不能犯』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『不能犯』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『不能犯』のあらすじ【起】

ある都市伝説が広まっていた。それは、殺したい相手の情報を書いた紙を電話ボックスの裏に貼りつけておくと、自分の代わりに何者かが殺してくれるというものだった。ただし、その殺意が純粋なものでなかったら、殺人を依頼した本人も殺されてしまうという。

最近、不可思議な事件が起こるようになっていた。原因不明の心臓発作による死亡事故が多発していたのだ。ある日、闇金融の社長がカフェで死亡した。死因は心臓発作だったが、社長の顔は蜂に刺されたような跡でいっぱいだった。事件を担当した多田友子が、店の防犯カメラを確認したところ、社長は死ぬ直前に、黒いスーツの男と会っていた。苦しみだす社長を前に、男はカメラを振り返り、薄気味悪い笑みを浮かべる。

社長の検視結果では、ただの心臓発作によるショック死だった。この黒スーツの男が事件に関係しているのは明らかだったが、彼が直接、手を下しているわけではない。この映像だけでは殺人者と断定することはできず、“不能犯”として扱われ、罪を問うことはできない。多田は鑑識官の河津から、そう説明を受けた。

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映画『不能犯』のあらすじ【承】

ある夫婦が殺され、多田は新米刑事の百々瀬、先輩刑事の夜目と現場を訪れる。現場付近で黒スーツの男が目撃されていたことから、この事件にもその男が関わっているのではないかと考えていた矢先、野次馬の中に、その黒スーツの男を発見。取り調べるため、任意同行での連行を要求すると、男はすんなりと承知した。

黒スーツの男は、宇相吹と名乗った。宇相吹はマインドコントロールの使い手だった。彼に見つめられた者は、彼の言ったことに影響を受け、行動、思考を操られてしまうのだ。彼はこの能力を使い、依頼された人々を殺していた。都市伝説になっている電話ボックスの殺人代行者は、この宇相吹だったのだ。

宇相吹は夜目にマインドコントロールで恐怖を与え、取り調べ室を後にした。翌日、夜目は自宅のバスルームで手首を切って死亡。自殺の可能性が濃厚だと思われたが、実は、宇相吹のマインドコントロールによる依頼殺人だった。

宇相吹は、夜目殺しの依頼人と待ち合わせをしていた。そこに現れたのは河津だった。河津は過去に息子を亡くしており、そのことに夜目は大きく関わっていた。復讐を成し遂げ、喜ぶ河津に、宇相吹は“あなたの殺意は純粋ではない”と言う。河津がハッとして気がつくと、警察署の中に立っていた。今まで宇相吹と二人きりだったというのはマインドコントロールで、本当は多田たちがいる前で話していたのだ。自分が夜目殺しの依頼人だとバレてしまった河津は逃走するが、途中、階段から転げ落ち、首を折って死亡してしまった。

映画『不能犯』のあらすじ【転】

多田は昔に逮捕した不良少年・タケルが働く店に飲みに行った。すっかり更生したタケルに安心しつつ、最近では宇相吹の事件のほかに、爆弾事件も起こっていることを耳にし、顔を曇らせる。

タケルの店からの帰り、多田の前に宇相吹が現れた。多田には宇相吹のマインドコントロールが効かなかった。それを知った宇相吹は“あなたなら、僕を殺してくれるかもしれない”と口にした。そして、殺す覚悟ができたらここへ来いと、住所が書かれたカードを置いていく。

宇相吹は、次なる依頼人・木村優と接触する。優は、両親の離婚によって別々になった姉・理沙に復讐してほしいと依頼。母に引き取られた理沙は成功し、医者の婚約者までいる。一方、父に引き取られた優は、体を売らなくてはいけないほど借金に追われていた。手紙を送っても、会いに行っても無視されたことで、殺意が芽生えたのだ。

宇相吹に暗示をかけられた理沙は、事故をおこしてしまう。婚約者の病院へと運ばれるが、幸い、命に別状はなかった。しかし、そこで婚約者が看護師の女性と仲良くしているのを目撃。宇相吹による暗示で、浮気していると思わされた理沙は、思わず医療機器で婚約者を刺し殺してしまう。

優の依頼は姉を殺すことではなく、姉の手で婚約者を殺させることだった。依頼が達成されたことを宇相吹から伝えられた優は喜ぶが、実は理沙は優に手紙を書いていた。そこには一緒に働かないかという言葉と、結婚式の招待状が入っていた。優は自分のしてしまったことに驚愕し、そのまま、首を吊って自殺してしまう。後日、それを聞いた理沙は号泣した。

爆弾事件に新米刑事の百々瀬が巻き込まれた。一命はとりとめたが、重体に陥る。

多田は捜査に限界を感じ始めていた。そして同僚に“宇相吹を止めるには、殺すしか方法はないのかもしれない”とこぼす。自分にはマインドコントロールは効かないので、自分なら殺せるのではないかと。だが、それは人として、警察官として超えてはいけないものだ。多田は悩み始める。

多田と刑事の話を盗み聞きしていた理沙は、刑事に刃物を突きつけて人質にし、宇相吹のところへ連れていけと言いだした。多田はカードの住所へと車を走らせた。宇相吹と遭遇した理沙は、多田に殺せと命令する。しかし、多田はそうしなかった。理沙は意を決して、自分の首を切り、そのナイフを宇相吹に握らせた。そして、多田に“こいつが私を殺したと証言してほしい”と言い残し、絶命する。

宇相吹は逮捕され、取り調べを受けることとなった。宇相吹は“多田刑事が全てを知っている”とだけ答えた。多田は、嘘をついて宇相吹を逮捕するか、真実を言って釈放するかの選択を迫られる。結果、多田は後者を選び、宇相吹は釈放されていった。

映画『不能犯』の結末・ラスト(ネタバレ)

百々瀬の見舞いに行った多田は、病院内でタケルと出会った。タケルは多田のために弁当を作ってきてくれたが、それには睡眠薬が入っており、多田は気を失ってしまう。目を覚ますと、多田の前には二つの携帯電話があった。更生したと思っていたタケルは、実は爆弾事件の犯人だった。そして、多田に選択を迫る。ひとつの携帯は百々瀬の病室、もうひとつの携帯は近くの幼稚園に置いた爆弾に繋がっている。どちらかを10分以内に選べ、と。

迷う多田とタケルの前に、宇相吹が現れた。タケルもまた、宇相吹に殺人依頼をしたことがあった一人だったのだ。タケルは宇相吹を殺そうとするが、マインドコントロールで逆に殺されそうになってしまう。多田は思わず宇相吹を刺し、タケルを助けた。タケルを拘束した多田は、電話機を全て壊して百々瀬の病室へと急いだ。

多田は百々瀬の病室の爆弾を持って屋上へと走る。力づくに拘束を解いたタケルは、公衆電話から百々瀬の爆弾へ電話をかけた。間一髪、爆弾は屋上で爆発し、被害者は出ずに終わる。タケルは、今度は幼稚園の爆弾に電話をかけだすが、そこに宇相吹が現れ、“爆弾は君の足元にある”と暗示をかけられる。マインドコントロールにかけられたタケルは、そのまま、あるはずのない爆弾によって爆死してしまった。

しばらくして、多田は宇相吹と再会する。宇相吹は多田に刺されたが、急所を外していたため助かっていた。宇相吹は多田に“いつ殺してくれるのか”と問いかける。“純粋にあんたを殺したくなったら殺す”と答える多田。この世界に、まだ希望が残っていると信じている多田は、“希望であんたを殺す”と叫んだ。それを聞いた宇相吹は、不気味な笑みを浮かべて立ち去っていった。

映画『不能犯』の感想・評価・レビュー

漫画原作の映画化。主役の設定は広がりもあるし斬新で面白いと感じたが、とにかくキャラクターが弱い。どこかで観たような大量殺人鬼やサイコパスの演技の一類型でしか無く、神にも届くような能力を持った超人には見えない。これは演技や脚本というよりも原作がそうだから、というのが理由だろうが、それこそ演出の力でなんとかするべきところではないだろうか。そこまで有名作品でもないのにそのまま実写化してどうする。(男性 30代)


今作を見て感じたのは全体的なチープさである。ストーリーの質やキャラクターが特に薄いのである。正直安い深夜ドラマを見ているような感覚だった。
原作の漫画は未読であるが、実写化は失敗だったのかもしれない。漫画だと読者の想像力によって物語やキャラクターが膨らんでいくが、映像化となると映像で見たものをそのまま受け取ってしまうので、演出や脚本が非常に重要になってくる。今作ではそこの部分が少し足りなかったのではないだろうか。
人によって評価はそれぞれだと思うが、私は映画館に足を運んで鑑賞する価値はないと感じてしまった。暇な時に自宅で観るのがベストだと思う。(男性 20代)


幻想や幻覚を操り殺害するという、圧倒的な超能力を駆使する男が主人公です。法の外から忍び寄る黒い存在。異常な行動の裏に世直しの信念を持つ存在。ダークヒーローは格好良いの一言に尽きます。ただ、能力者が唯一であったために拮抗する展開があまりなく、物語としては単調だったのが残念です。沢尻エリカさんの演技が演劇風でミスキャストだと思います。戦隊ヒーローを演じる姿を見た世代なので、今作の松坂桃李さんの厨二感漂う暗いキャラクターには驚きと新鮮さを感じました。(男性 20代)


特殊能力による殺人を描いた作品で、現実離れした内容となっているが、迫力、緊迫感も凄まじく大好きな作品。
目を見ただけでマインドコントロールにかかってしまうというなんとも言えない設定だが、松坂桃李の綺麗な顔によってなんだかしっくりきてしまう。ただ自分の殺したい人を殺すという話ではなく、復讐の依頼を受けた相手を殺したりと、全てに意味がある。ドラマ版、映画版ともに物語のあらすじも面白く、非常によくできた作品だと思う。(女性 20代)

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