この記事では、映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:サスペンス
監督:チャン・ジュナン
キャスト:ヨ・ジング、キム・ユンソク、チョ・ジヌン、チャン・ヒョンソン etc
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』の登場人物(キャスト)
- ファイ(ジ・ヨング)
- 幼い頃両親から誘拐され、その犯人達に育てられた高校生。
地味で大人しいが犯罪の英才教育を受けているため、銃やナイフを使いこなせる。 - ソクテ(キム・ユンソク)
- ファイを誘拐した白昼鬼のリーダー。ファイに厳しく怖がられている。
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』のあらすじ【起】
白昼から堂々と罪を犯す凶悪犯罪集団「白昼鬼」。
リーダーのソクテの言うことは絶対で、頭脳派のジンソン、銃使いのボムス、ナイフを得意とするドンボムにドライブ担当のギテ。
このメンバーで犯罪を続けていた。
彼らには息子がいる。
名前はファイト言い、言うことを良く聞く大人しい高校生だ。
彼は白昼鬼が昔襲った家にいた子供で、幼く殺すのには可愛そうだと思った男達は連れ帰り育てることにしたのである。
ファイが誘拐されたのは本当に幼い時で、彼にはその記憶が全く無い。
そのためファイは男達を本当の父親のように慕い、男達もまた本当の息子のように心配し愛してもいた。
それぞれ愛し方も心配の仕方も違かったが、中でもソクテはファイにとって一番恐い存在である。
男達はファイに殺しの方法を教え、それはある種のエリート教育でもあった。
ファイは子供の時から悪魔のようなものが見えると言っていた。
ある日、男達が犯行現場にファイを入れてみると、突然悪魔が見えたファイ。
そのせいで殺人を完了することが出来なかった。
ソクテはそのことを責め、ファイを監禁してしまう。

映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』のあらすじ【承】
そんなソクテがいる厳しい環境の中、ファイは従順に生活を送る。
ある日、父親達に殺人依頼の仕事が入った。
立ち退き要求を無視しているヒョンテクを殺害して欲しいというものである。
男達は今回仕事現場にファイを入れることを決め、つれて行く。
最初にその家に入ったのはファイだった。
家の中に小さな男の子の写真を見つけたファイは、部屋に描きかけの肖像画が並んでいるのに気がつく。
そして誰も居ないと思って入ったのだが、中には実は女性が1人。
ファイの姿を怖がって納戸に隠れていた。
しかし彼女の携帯のマナーモードが鳴ったことで、ファイはそこに誰か居ることを察知した。
だがファイはソクテ達にはそのことを内緒にする。
妻を心配し助けに来た夫・ヒョンテクはソクテ達に見つかってしまった。
そしてヒョンテクを捕まえると、ソクテは殺せとファイに命令をしてきたのである。
あまりに怒り狂っているソンテの剣幕に押され、ファイはヒョンテクを銃で殺した。
その間に隠れていた女性は脱出に成功したのだった。
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』のあらすじ【転】
ファイはヒョンテクを殺害した後、何かしっくりいかない思いにかられていた。
そして皆に内緒であの現場に戻ってみると、そこに脱走した母親が入ってくるのを目撃する。
見つからぬよう慌てて逃げ込んだ部屋は子供部屋のようで、ふと置いてあるチラシに目が止まった。
それは7年前に失踪した息子を探しているというもので、そこに写っている子供は自分とそっくりだったのである。
家の中にある家族写真を見て、ヒョンテクが自分の本当の父親なのだということに気がついた。
その時だった。
一階で物音がして行ってみると、ヒョンテクの妻が首をつって自殺しようとしている。
既に彼には自分の母親だという自覚が目覚めていたこともあり、「そんなことはダメだ
」と言い出した。
そしてファイが電話をして救急車を呼ぶ。
これをきっかけに自分が幼い頃誘拐され、犯罪者である男達に育てられてきたという事
実も知る日が来てしまった。
ファイは育てられた恩も忘れ、父親を殺されたというショックに押しつぶされる。
そして男達に復讐することを決めたのだった。
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』の結末・ラスト(ネタバレ)
ファイは残された母を守るため、亡き父親の復讐をするために自分が5人の父親を殺害しようと決心した。
最初に頭脳派のジンソンを殺害しにいく。
ジンソンはファイを留学させようと思っていたのだが、その前に過去を知られてしまったのである。
銃を構え、そのままジンソンを撃った。
だがこのまま非力な自分が大人の犯罪集団を殺害するのは難しいと考え、ヒョンテク殺害の依頼者と父親4人を罠に仕掛けお互いに殺し合いをさせることにする。
そのもめ事で父親二人は計画通り死んだ。
そして残った二人は最もファイを愛していたキテとソクテである。
工場跡地の高所からキテともみ合い落ちそうになったキテだったが、ファイは思わずライフルを差し出し捕まらせた。
キテはファイに泣きながら謝罪し、ファイも彼は助けようとしていたのであった。
しかし手が滑りそのまま落下、死んでしまう。
最後に残ったのがソクテだった。
ソクテは病院に入院しているファイの母親に会いに行き、ファイのことを話す。
ソクテとヒョンテクは知り合いだったのだ。
話しが終わると彼女を殺害する。
そこへファイが入って来て、発狂した。
自宅に戻ったソクテを追い、ファイが彼に銃を向けた。
ソクテは彼なりにファイを愛し、ファイが居ればいいのだと言って抱き寄せる。
しかし次の瞬間ファイは彼の腹を撃ち抜いた。
全てが終わった。
その後ファイは大通りで演説する政治家を狙い、高層ビルから射撃する。
見事命中し世間が騒がしくなる中、ファイはヴァイオリンを入れるようなケースを抱えどこかに消えていくのだった。
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
犯罪グループに誘拐され、家族のように慕ってきたファイだったが、ある日の殺人依頼がきっかけで復讐を始め、様々な感情と共に葛藤していくファイの気持ちが複雑であった。ヒョンテクが実の父親であった事や、知らず仕事として撃ち殺してしまい、目の前で母親が殺されていく姿など、高校生のファイにとってかなり過酷な場面が多くあった。育ての親を次々と殺していくが、特に愛されていたキテとソクテを殺すシーンが見所であり、胸が苦しくなった。(女性 20代)
ファイが育ての親である犯罪者たちに裏切られ、最終的に彼らを殺していく過程は、予想を超える衝撃の連続でした。特に、自分が実の父を殺していたと知るシーンは胸が締めつけられるような重さがあり、感情的に深く揺さぶられました。アクションと心理描写が見事に融合し、韓国映画の底力を感じる一作。殺人マシンのように育てられた少年の悲劇と、人間としての目覚めが絶妙に描かれていました。(20代 男性)
少年が冷酷に育てられながらも、内に秘めた人間らしさを捨てきれず、葛藤し続ける姿に心を打たれました。母との再会のシーンや、最後に彼女の元を去る選択には、彼なりの愛と自立が感じられ、涙が止まりませんでした。犯罪映画でありながら、家族とアイデンティティを問う作品としても非常に優れていると思います。ラストの余韻も深く、何度も思い返してしまいます。(30代 女性)
冷静な演出と過激な暴力描写のギャップが印象的でした。主人公ファイが実の父を撃ってしまった事実に気づく瞬間、彼の精神が壊れていく演技は鳥肌もの。育ての親たちの異様な愛情表現も不気味で、家族の概念を問われる作品だと感じました。韓国映画らしいダークさとリアリズムが前面に出た秀作だと思います。(40代 男性)
「少年×復讐」という題材に惹かれて鑑賞しましたが、想像以上に深い内容でした。血で血を洗うような展開の中で、少年が見せる揺らぎがとてもリアルで、心をえぐられました。特に、彼が自分の出生の秘密を知り、それを乗り越えようとする強さには感動すら覚えました。暴力の連鎖に抗おうとする少年の姿に希望を見出すことができました。(10代 女性)
最初から最後まで目が離せない緊張感。映画全体に漂う重苦しい空気が、ファイの心情そのものを映し出しているようでした。育ての親たちが一人ずつファイの手によって裁かれていく展開は、まるで彼の魂の浄化のようで、美しさすら感じました。映像美も素晴らしく、特にラストシーンの静けさが心に残ります。(50代 男性)
非常に暴力的でダークな映画ではありますが、その中に確かな人間ドラマがありました。少年が見せる冷静さと、心の中に潜む怒りや悲しみの描写がとても繊細で、共感すらしてしまう自分がいました。普通の青春映画とは全く違うけれど、成長物語としても非常に力強い一作です。見終えた後、しばらく言葉が出ませんでした。(30代 男性)
息子と一緒に観たのですが、正直、親として色々と考えさせられました。愛とは何か、育てるとはどういうことか。この作品は、血のつながりと愛情の間にあるギャップを鋭く突いてきます。暴力の連鎖の中で、ファイが選んだ道は決して正解ではないかもしれませんが、それでも彼なりの答えを出したのだと思います。(40代 女性)
重い映画でしたが、ファイというキャラクターにどこか惹かれてしまいました。無垢だった少年が、育てられ方によってあんなにも変わってしまうという事実は、本当に恐ろしく、そして悲しい。彼のように選択肢を持たなかった人間が、それでも「自分の人生」を選ぶ姿勢に、救いを感じました。韓国映画らしい濃密な人間ドラマです。(20代 女性)
テーマがとにかく重いですが、演出と演技が素晴らしく、のめり込んでしまいました。主人公が実の父を殺した事実を知らされた瞬間の絶望的な表情は、見ているこちらの心をえぐるほど。ファイが最後に見せた微笑みは、本当に救いだったのか?何度も考えさせられます。簡単には答えが出せない作品です。(50代 女性)
映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』を見た人におすすめの映画5選
母なる証明(原題:마더 / Mother)
この映画を一言で表すと?
「母の愛は、狂気すらも凌駕するサスペンスの極み」
どんな話?
知的障害のある息子が殺人事件の容疑をかけられたことをきっかけに、母親が真実を求めて奔走する物語。彼女の狂気すれすれの行動は、観る者の心を締め付け、次第に予想を裏切る衝撃の真実が浮かび上がってきます。
ここがおすすめ!
「家族」と「愛」の歪んだ形を描く本作は、『ファイ』同様、重厚な人間ドラマとサスペンスが融合。緻密なストーリーテリングと圧巻の演技で、鑑賞後もしばらく心に残る作品です。特に母親役キム・ヘジャの演技は必見。
オールド・ボーイ(原題:Oldboy)
この映画を一言で表すと?
「復讐劇の頂点にして、トラウマ級の衝撃作」
どんな話?
15年間監禁されていた男が、突然解放されたのを機に自らの監禁の理由と真相を探るサスペンス。次第に明らかになる恐るべき過去と陰謀の全貌は、観客を呆然とさせ、深い余韻を残します。
ここがおすすめ!
『ファイ』と同じく、暴力、復讐、そして歪な人間関係がテーマ。チェ・ミンシクの狂気じみた演技とスタイリッシュな演出、驚愕のラストに圧倒されること間違いなし。韓国映画の金字塔的存在。
レオン(原題:Léon: The Professional)
この映画を一言で表すと?
「孤独な殺し屋と少女の、哀しくも美しい絆」
どんな話?
プロの殺し屋レオンと、家族を殺された少女マチルダが出会い、奇妙な同居生活が始まる。復讐を誓う少女と、無骨で不器用な男の間に芽生える心の交流が、暴力と共存しながら描かれます。
ここがおすすめ!
『ファイ』の少年と父性をめぐるドラマが刺さった人に響く、感情豊かなガンアクションドラマ。ナタリー・ポートマンの鮮烈なデビュー作としても知られ、何度観ても心を揺さぶられる名作。
悪魔を見た(原題:악마를 보았다)
この映画を一言で表すと?
「復讐の連鎖は、人を“悪魔”に変えていく」
どんな話?
婚約者を殺された国家情報員が犯人を捕まえた後、あえて殺さず逃がし、繰り返し復讐を与えるという異常なサスペンス。復讐者と加害者の立場が交錯しながら、道徳や人間性が試される物語です。
ここがおすすめ!
『ファイ』と同じく、過激な暴力と心理描写が際立つ韓国のバイオレンス映画。どこまでが正義なのか、どこからが狂気なのか、観る者の価値観を激しく揺さぶります。強靭なメンタル必須の一本。
プリズナーズ(原題:Prisoners)
この映画を一言で表すと?
「愛ゆえに狂気に堕ちた父親の葛藤スリラー」
どんな話?
娘が誘拐され、警察の捜査に業を煮やした父親が、自ら容疑者を監禁・拷問し始める。正義と狂気の境界を越えていく彼の姿と、それを追う刑事の執念が交差する緊迫のサスペンスです。
ここがおすすめ!
『ファイ』に通じる、家族と暴力、選択の重さを描いた骨太な人間ドラマ。ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの演技も圧巻で、終始張り詰めた緊張感に惹き込まれます。
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