映画『神に選ばれし無敵の男』の概要:ポーランドのユダヤ人の町で慎ましく暮らしていたジシェは、その怪力をエージェントに買われて、ショウビジネスの世界に足を踏み入れる。華やかな世界を期待してベルリンを訪れたジシェだが、そこにあったのは、競争と不信に塗れた人たちだった。
映画『神に選ばれし無敵の男』の作品情報
上映時間:130分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト:ティム・ロス、ヨウコ・アホラ、アンナ・ゴウラリ、ウド・キア etc
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映画『神に選ばれし無敵の男』の登場人物(キャスト)
- ジシェ(ヨウコ・アホラ)
- ユダヤ人の鍛冶屋。怪力の持ち主だが、温厚な性格。常々、自分の力を発揮する場所を求めていた彼は、エージェントのスカウトを受けてベルリンに向かう。
- ハヌッセン(ティム・ロス)
- ナチスに傾倒しつつあるドイツの気運を見抜き、それに乗じて権力者との繋がりを得ようとする。ユダヤ人を非難してドイツ人の賛同を得るが、実は彼自身もユダヤ人。
映画『神に選ばれし無敵の男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『神に選ばれし無敵の男』のあらすじ【起】
1932年のポーランド東部。鍛冶屋のジシェは弟のベンジャミンを連れて、レストランにやってきた。しかし、隣の席の素行の悪い連中に悪態を吐かれ、食事を台無しにされる。挙句、そいつらはベンジャミンに手を出そうとしたから、ジシェは腹を立て、レストランのテーブルや椅子を放り投げ、力尽くで素行の悪い連中を追い払うことにした。店を壊された店主はジシェに弁償を迫る。金のないジシェは、丁度町にやって来ていたサーカス団の余興で稼ぐことにした。世界一の力持ちを自称する男との決闘だ。
小さなサーカスの会場に大勢の観客が集まっていた。その中央にヘラクレスの名前を冠した一人の大柄の男が入場する。次に、ジシェの名前が呼ばれた。ジシェは上着を脱いで戦いの準備を整える。大岩を持ち上げる力比べ。ヘラクレスは用意された大岩の中でも一番大きなものを持ち上げた。それを見たジシェは、なんと大岩を抱えたヘラクレスごと抱き上げた。観客へのアピールも終わり、試合が始まった。勝利を掴んだのはジシェだった。
映画『神に選ばれし無敵の男』のあらすじ【承】
父と共に仕事をしていたジシェの前に自動車に乗った都会の男が現れた。名前をアルフレートと言い、自分はエージェントであると紹介した。アルフレートは芸人としてジシェをベルリンに連れて行きたがった。しかし、一家は清く慎ましく生きることを望んでいたので、その話を断った。アルフレートは諦めず、車中泊をしながら、良い返事がもらえるのを待った。彼の熱意と、自慢の弟のベンジャミンを褒められたことに気を良くしたジシェは、一日だけベルリンに来て、芸事の世界がどんなものか知って欲しいというアルフレートの話を聞くことにした。
都会には沢山の人がいて、その暮らし振りはとても華やかだった。アルフレートの見せてくれた世界にジシェとベンジャミンは感動した。その晩、ジシェは弟に胸中を打ち明ける。自分は神様から力という才能を授かった。それには何らかの理由があるに違いない。ジシェはそれが何なのか確かめてみたかった。
家に戻ったジシェは父にベルリン行きの相談をするが、まずは家族で過ごしの祭りを終わらせてからだと言われる。祭りの日、父は家族にジシェが世の中に出ると話した。どこに行っても自分を見失うなという忠告と共に父はジシェを後押しした。
映画『神に選ばれし無敵の男』のあらすじ【転】
アルフレートから一等席の汽車のチケットを渡されていたが、ジシェは徒歩でベルリンを目指した。チケットは換金して、母の洋服代にしようと考えていた。旅の途中、ジシェは牧草を積んだ荷車が泥濘にはまっているのを助ける。荷車の持ち主である男たちはジシェの怪力に感動し、礼がしたいと言う。ジシェは荷車に乗せて欲しいと頼み、男たちは快諾した。荷車の男たちはジシェの話に快活に笑う。彼の旅は楽しいものになった。
ベルリンに着いたジシェはアルフレートの事務所を訪ねる。すると、神秘の館という見世物小屋を経営するハヌッセンという男の下で仕事を貰えるという話になった。ハヌッセンは不況や失業のような負の印象で客を惹きつける、ジシェとは真逆の男だった。ハヌッセンはジシェが舞台に立つ前に演技を学ぶよう言いつけた。
ジシェの初舞台は拍手喝采のまま終わった。しかし、舞台から見た光景は彼の思い描いていたものとは違っていた。故郷を懐かしんだジシェはハヌッセンに仕事を辞めると打ち明ける。ハヌッセンはここでなら、いずれ権力を手に入れられると言って彼を引き留めた。
映画『神に選ばれし無敵の男』の結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、楽屋にベンジャミンと母がやって来た。ベンジャミンはジシェの変貌に泣き出す。弟の涙に動揺したジシェは楽屋の鏡で自分を見つめ直した。そして、彼は改めて自分が何者なのかに気付く。ジシェは舞台に立つと観客の前で自分がユダヤ人であることを暴露する。観客の中にはナチスの軍人もいた。騒然する劇場内を沈めるため、ハヌッセンが割って入った。
これまで働いた分の給料を受け取りハヌッセンの劇場を後にしようとしたジシェ。しかし、ハヌッセンはジシェを手放そうとしなかった。ジシェのおかげでユダヤ人の客が増えて収益が上がったことにハヌッセンは喜んだ。劇場からの帰り、ジシェはユダヤ人司祭のエーデルマンに声をかけられた。ユダヤ人社会に勇気を与えてくれたジシェに教会に来てほしいと司祭は頼み込んできた。教会でジシェは大勢の参拝者に歓迎された。
ハヌッセンは昇給を約束し、ジシェを再び舞台に上げた。観客席は物々しい雰囲気に包まれていた。ジシェを応援にきたユダヤ人とハヌッセンを応援するドイツ兵が集っていた。
争い合うユダヤ人とドイツ人を前に悲しんだジシェはエーデルマンに相談する。エーデルマンは彼を正しい者と称した。外見は普通の人間と何ら変わらないが、世界を変える力を持っている。その代償に心を酷く傷つける運命が待っているとエーデルマンは言った。
芸人を辞めたジシェは故郷に帰った。彼がドイツ人の前でユダヤ人の誇りを取り戻したことは、町の人にも伝わっていて、行き交う人たちみなが彼を歓迎した。町の人は、早く帰って弟に会ってやれと言った。ベンジャミンはジシェが家を出てから毎日、玄関の前で彼が帰って来るその日を待っていたのだ。
ジシェは町の広場で、これから恐ろしいことが起こると訴えた。今はまだドイツは大規模な軍隊を持っていないが、いずれポーランドにも襲撃をしかけてくるだろう。ユダヤ人を異常なまでに敵視するナチスを見たジシェにはそういう予感があった。しかし、町の人は耳を貸さない。ベンジャミンだけがジシェの話を信じ、工場で身体を鍛え始めた。ジシェはベンジャミンに腕力ではなく自分の長所である知恵を伸ばせと説いた。
些細な怪我から足を切り落とすことになってしまったジシェ。十一回もの手術の末、彼は亡くなる。それは彼が危惧していたナチス政権発足の二日前のことだった。彼の物語は今もユダヤの人々の間で語り継がれている。
映画『神に選ばれし無敵の男』の感想・評価・レビュー
ユダヤ人の間で語り継がれる物語を映像化した今作。心優しい力持ちと言うとMARVELの『ハルク』を思い出しますが、まさに今作の主人公ジシェもハルクのような男で、優しさと強さを兼ね備えた彼の人柄にとても感動しました。
自分が持つ力を「誰かのため」に発揮したいと思う人って本当に凄いなと思います。その力があれば自分のためにお金を稼ぐことも出来るのに、あえて「人のため」に力を使うことを選んだ彼はとても素晴らしい人間でした。何を信じ、何のために生きるか、正しい選択をすることが大事だと感じます。(女性 30代)
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