この記事では、映画『イテウォン殺人事件』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イテウォン殺人事件』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『イテウォン殺人事件』 作品情報

- 製作年:2009年
- 上映時間:99分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
- 監督:ホン・ギソン
- キャスト:チョン・ジニョン、チャン・グンソク、シン・スンファン、コ・チャンソク etc
映画『イテウォン殺人事件』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『イテウォン殺人事件』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『イテウォン殺人事件』のあらすじを紹介します。
997年春。イテウォンのハンバーガー店のトイレで、韓国人大学生チョ・ジョンピル(ソン・ジュンギ)が、首や胸など9カ所刺されて殺害される事件が発生。すぐに現場にいたアメリカ国籍の青年2人が捕まります。容疑者は、母親が韓国人で父親がメキシコ人のロバート・j・ピアソン(チャン・グンソク)、18才。
そして、友人のa・j、アレックス・t・チェン(シン・スンファン)、17才。警察が押収した証拠品は、ナイフ・靴・服など全て血まみれ。しかし、初期捜査が遅れたため、殺害現場の保存ができず捜査は難航。米軍の資料によると、ピアソンが有罪であると認定しているが、韓国の検察側はアレックスが刺したと考えた。
しかし、ピアソンの供述にもあやしい点が多い。”クールなものを見せてやるから来いよ!”という一言をどちらが言ったのか?パク・デシク検事(チョン・ジニョン)は、”殺したのはどっちなんだ?お前は米軍で殺したと認めたんだろう?”と訊くが、”友達だからさ”と答えるピアソン。
公判が開始され、証人としてピアソンとアレックスの友人が証言台に立つが、友人たちは次々と証言を変えてしまう。”2人が階段を上るところを見たが、現場は見ていない”と。法医学者の意見も得るが、どちらが犯人かという決定的な証拠は掴めなかった。次に現場検証が行われた。殺害現場で、ピアソンはいきなり、”ナイフの持ち方が違う!”と殺しを再現して見せた。
その様子に驚く、パク検事。彼が本当は殺したのではないのか?その後、検察はアレックスを殺人で起訴し、ピアソンも凶器所持と隠匿罪で起訴した。
1998年、再び公判が行われ、供述の再検証が必要との結論に。そのため、判決はソウル高等裁判所へ差し戻されてしまう。(事実上のアレックスの無罪が確定。)”誰が私の息子を殺したの?”と被害者の母親が悲痛な叫びを上げます。
こうして、アレックスは無罪、ピアソンは本国(米国)へ釈放となり、事件は未解決のまま裁判は終わってしまう。
映画『イテウォン殺人事件』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『イテウォン殺人事件』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
実話ベースの映画化作品との比較~クールなものを見せてくれたのはどれ?
実話ベースの映画化作品の衝撃度としては、「チェイサー」(08)やポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(03)が高くおすすめ。凄惨な殺害シーンや暴力シーンの迫力を見せつけられます。本作「イテウォン殺人事件」は、2作ほどの派手さはないものの、”未解決事件”がテーマであり、被害者家族の悲痛な思いとくやしさ、怒りに満ちています。
韓国では、初期捜査がうまく行われていない事が多く、それが冤罪や真犯人を逃すことに繋がっているようです。映画はいわば、”きちんと捜査してほしい”という警察や検察に対する挑戦状なんです!”死体に口なし”とはいいますが、何度も殺害シーンが流されます。被害者は、背後から首や胸を9カ所も刺されています。
気分が悪くなる人もいると思うので観るときは注意して下さい。血まみれで被害者の顔が見えないほど凄惨です。映画化がきっかけとなり、”イテウォン殺人事件”の再捜査が今も続けられています。今度こそ、犯人が捕まり、罪を償ってほしい。目を見開いたまま亡くなった、被害者の顔が忘れられません。
アイドル映画とあなどってはダメ!ときめく俳優たちの競演
本作は、チャン・グンソク主演の法廷サスペンス。チャン・グンソクといえば、ドラマ「美男ですね」(09)や「ファンジニ」(06)などで人気の俳優。繊細な演技と子役時代から積み重ねてきたキャリアで”無敵”な存在感を持っています。本作では、殺人の容疑者役に挑戦。頭が良く、クールな顔をして警察や検事をだます男。
優男な印象が消えて、瞳の色からも犯罪者の匂いがします。人気者とはいえ、汚れ役をすることに抵抗はなかったのでしょうか?彼の演技の引出しが拡がったように思います。ぜひ、静かなる狂気をこの映画で体験してみて下さい。彼以外にも面白い俳優がいます。「王の男」やドラマ「トンイ」などで存在感を示した検事役のチョン・ジニョンです。
”殺したのはどっちなんだ?”と悩みながら、アレックスの方を有罪にします。声がいい。冷静だが、熱いハートを感じます。チョン・ジニョンが出演すると、画面全体が引き締まる感じと自然な演技が素晴らしい!単調な公判シーンでも、見続けていられますね。そして、被害者役のソン・ジュンギ。殺される運命だったけど、明るく演じてくれました。台詞は少ないけれど、強く印象付けられます。
実際の未解決事件をもとに描かれた今作。容疑者をチャン・グンソクが演じているということでかなり期待して鑑賞しましたが、彼の役への入り込みっぷりが半端ではなく、この作品に対する熱意を感じさせられました。
未解決事件のため、最後まで犯人は明らかになりませんが、多少の脚色はあるにしてもここまで細かく、リアルに描けるのならば捜査の時点で分かっていることはもっとあるのでは無いか、犯人の手がかりが本当はあるのでは無いかと韓国の警察に対する不満を感じてしまいました。
暗い作品ですが、こういった事実を知ることはとても大切だと思います。チャン・グンソクが演じていることにより興味を持ちやすくなっていると思うので、沢山の人に知って欲しい作品です。(女性 30代)
実際に起きた事件を基にした作品ということで、観ている間ずっと緊張感がありました。物語は、イテウォンのハンバーガー店のトイレで起きた刺殺事件を巡り、二人の容疑者の証言が食い違うところから始まります。どちらも相手が犯人だと主張し、警察や検察も決定的な証拠を見つけられないまま捜査が進んでいく展開は非常にリアルでした。特に印象に残ったのは、事件の真相が曖昧なまま裁判が進み、司法制度の限界が浮き彫りになる点です。犯人が明確に断定されない結末はモヤモヤしますが、逆にそれが実際の事件の複雑さを強く感じさせる映画でした。(30代 男性)
映画『イテウォン殺人事件』は、観終わったあとに重い気持ちが残る作品でした。事件の被害者は何の関係もない一般の青年で、突然理不尽な暴力に巻き込まれて命を奪われます。その一方で、容疑者の二人は互いに責任を押し付け合い、真実がなかなか見えてきません。検察が必死に証拠を積み上げようとするものの、言葉の壁や証言の矛盾が捜査を難しくしていく様子がとてもリアルでした。最後まで完全な真相が提示されないことで、逆に事件の恐ろしさと社会の問題が浮かび上がる映画だと感じました。(20代 女性)
サスペンス映画として観始めましたが、単なるミステリーではなく社会派ドラマの要素が強い作品でした。二人の容疑者のうち、誰が実際に刺したのかをめぐる証言の食い違いが物語の中心ですが、観ているうちに司法制度や捜査の難しさにも焦点が当たっていきます。特に、外国籍の容疑者が関わることで手続きが複雑になり、事件の解明が遅れていく様子が印象的でした。最終的に完全な決着がつかない形で物語が終わるため、観客としては消化不良にも感じますが、それこそがこの事件の現実を表しているのだと思いました。(40代 男性)
映画『イテウォン殺人事件』を観て、実話をベースにした作品の重みを改めて感じました。犯人をめぐる二人の若者の証言がまったく違い、どちらが本当のことを言っているのか分からないまま物語が進んでいきます。事件の現場となったトイレの狭い空間で何が起きたのかを想像すると、とても怖くなりました。特に印象的だったのは、検察官が真相を突き止めようとする姿です。証拠や証言を一つ一つ検証していく過程がリアルで、裁判の難しさがよく伝わってきました。静かながら強い社会的メッセージを持つ映画だと思います。(30代 女性)
実際の事件を題材にしているため、エンターテインメントというよりはドキュメンタリーに近い感覚で観ました。イテウォンのレストランで起きた刺殺事件を巡り、二人の容疑者が互いを犯人だと主張する構図が非常に不気味です。どちらも完全に信用できない態度を見せるため、観ている側も誰が真実を語っているのか判断できません。さらに証拠が乏しいため、裁判が難航していく展開には強いストレスを感じました。最終的に真実がはっきり示されないラストは衝撃的で、現実の事件の闇をそのまま見せられたような気持ちになりました。(20代 男性)
この映画は、単なる犯人探しの物語ではなく、司法制度の問題を浮き彫りにした作品だと感じました。容疑者の証言が食い違う中で、検察がどちらを起訴するべきか悩む場面はとても緊迫感があります。証拠の不足や言語の違い、外交的な問題などが絡み合い、事件が複雑になっていく様子はとても現実的でした。特に印象に残ったのは、被害者の家族の姿です。事件の真相がはっきりしないまま時間だけが過ぎていく様子が悲しく、観ていて胸が痛くなりました。社会の不条理を強く感じさせる映画でした。(50代 男性)
映画『イテウォン殺人事件』は、終始不穏な空気が漂うサスペンスでした。二人の容疑者がそれぞれ違う証言をすることで、事件の構図がどんどん複雑になっていきます。どちらも自分の無実を主張しながら相手を犯人だと断言するため、観ている側も混乱してしまいます。捜査が進むにつれて新しい証言や証拠が出てきますが、それでも決定的な真実にはたどり着けません。ラストで完全な答えが示されないため、観終わったあとに考え込んでしまいました。現実の事件の重さをそのまま描いたような、印象に残る作品でした。(20代 女性)
サスペンスとしての緊張感はもちろんありますが、この映画の怖さは現実に起きた事件だという点だと思います。ハンバーガー店のトイレという身近な場所で突然殺人が起きるという設定だけでも衝撃的です。さらに容疑者が二人いて、互いに責任を押し付け合うことで真実が見えなくなっていく展開がとても不気味でした。検察や警察が証拠を探していく過程も丁寧に描かれていて、事件解決の難しさがよく分かります。最後まで真相がはっきりしない結末は不安が残りますが、それがこの映画の大きな特徴だと思いました。(30代 男性)
実話を基にしたサスペンスとして、非常に考えさせられる映画でした。事件の真相を追う検察の視点が中心になっているため、捜査の過程がとてもリアルに描かれています。容疑者の一人が未成年であることや、もう一人が外国籍であることなど、さまざまな要因が事件を複雑にしているのが印象的でした。証拠が十分でない中で判断を迫られる司法の難しさも強く伝わってきます。被害者の立場を考えると非常にやるせない気持ちになりますが、社会の問題を考えるきっかけになる映画だと感じました。(40代 女性)
映画『イテウォン殺人事件』を見た人におすすめの映画5選
チェイサー
この映画を一言で表すと?
元刑事の男が連続殺人犯を追い詰める、息をのむ緊迫の韓国クライムサスペンス。
どんな話?
元刑事で現在は風俗店を営む男は、所属する女性たちが次々と失踪していることに気づく。最初は借金を抱えて逃げたのだと思っていたが、調べていくうちに同じ客に呼ばれた女性たちが姿を消していることを知る。彼は自ら犯人を追い始め、やがて凶悪な連続殺人犯の存在にたどり着く。警察も巻き込みながら、時間との戦いの中で犯人を追う緊張感あふれる物語。
ここがおすすめ!
韓国サスペンス映画の傑作として評価の高い作品で、終始張り詰めた空気が続く緊迫感が魅力です。犯人が早い段階で明らかになるにもかかわらず、そこからの心理戦と追跡劇が圧倒的な緊張を生み出します。主人公の執念深い行動や警察の捜査の描写もリアルで、観る者を最後まで引き込みます。社会の闇と犯罪の恐ろしさをリアルに描いた衝撃作です。
殺人の追憶
この映画を一言で表すと?
未解決事件を追う刑事たちの執念を描いた、圧倒的な余韻を残す実録サスペンス。
どんな話?
1980年代の韓国で実際に起きた連続殺人事件をもとにした物語。田舎町で女性ばかりを狙った残忍な殺人事件が発生し、地元の刑事たちは犯人を捕まえるため奔走する。しかし証拠は乏しく、容疑者は浮かんでは消えていく。やがてソウルから優秀な刑事が派遣されるが、事件はますます混迷を深めていく。犯人の姿が見えないまま捜査が続く中、刑事たちは次第に追い詰められていく。
ここがおすすめ!
ポン・ジュノ監督による名作で、実際の未解決事件をベースにした重厚なサスペンスです。刑事たちの焦りや無力感がリアルに描かれており、事件が解決しないまま時間だけが過ぎていく不気味さが強く印象に残ります。ユーモアと緊張感が絶妙に混ざり合った演出も見事で、ラストシーンは映画史に残る名場面として語り継がれています。
セブン
この映画を一言で表すと?
七つの大罪をテーマにした連続殺人事件を追う、衝撃的なクライムスリラー。
どんな話?
大都市で発生した奇妙な連続殺人事件。被害者たちはそれぞれ「七つの大罪」に関連した方法で殺されていた。ベテラン刑事と新人刑事のコンビは、この異常な事件の犯人を追い続ける。次々と見つかる残酷な犯行現場、そして計算された犯人の計画。やがて二人は犯人に近づいていくが、その結末には想像を超える衝撃が待ち受けていた。
ここがおすすめ!
デヴィッド・フィンチャー監督によるダークな雰囲気の傑作サスペンス。陰鬱な映像と緻密なストーリー構成が観る者を深く引き込みます。犯人の動機や思想が徐々に明らかになっていく展開は非常にスリリングで、ラストの衝撃は映画史でも屈指の強烈さ。犯罪映画の中でも特に完成度の高い作品として、多くの映画ファンに支持されています。
告白
この映画を一言で表すと?
静かな語り口で進む復讐劇が、観る者の心を揺さぶる心理サスペンス。
どんな話?
中学校教師の森口は、ある日クラスの生徒たちに衝撃の事実を告げる。自分の幼い娘が学校のプールで亡くなったが、それは事故ではなくこのクラスの生徒による殺人だというのだ。犯人を知っている森口は、警察に任せるのではなく自分なりの方法で復讐を実行しようとしていた。彼女の語りから始まる物語は、さまざまな人物の視点によって少しずつ真実が明らかになっていく。
ここがおすすめ!
中島哲也監督による独特の映像表現と緻密な構成が光る作品です。物語は一人の語りから始まり、登場人物ごとに視点が変わることで事件の真相が立体的に浮かび上がっていきます。人間の心理や復讐の連鎖を深く掘り下げたストーリーは非常に刺激的で、観終わったあとに強烈な余韻が残ります。日本映画のサスペンスとして高い評価を受けている作品です。
ゾディアック
この映画を一言で表すと?
実在の未解決事件を追い続けた人々の執念を描く、重厚な実録サスペンス。
どんな話?
1960年代後半のアメリカで、ゾディアックと名乗る連続殺人犯が世間を震撼させる。新聞社や警察に暗号文付きの手紙を送りつけながら犯行を繰り返す犯人に対し、刑事や記者たちは長年にわたって捜査を続ける。しかし犯人は捕まらず、事件は次第に迷宮入りしていく。やがて事件を追い続ける人々の人生にも大きな影響を与えていくことになる。
ここがおすすめ!
デヴィッド・フィンチャー監督が実際の事件を徹底したリサーチで描いた作品です。派手なアクションはないものの、捜査の過程や証拠の分析が非常にリアルで、観る者をじわじわと引き込みます。事件を追う人々の執念や苦悩が丁寧に描かれており、未解決事件の不気味さが強く伝わってきます。実録サスペンスとして高い完成度を誇る一本です。



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