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映画『悼む人』あらすじネタバレ結末と感想

映画『悼む人』の概要:2015年日本映画。高良健吾主演で贈るヒューマンストーリーで、祖父の死が原因で心に傷を抱えた青年が、新聞記事に載っているあらゆる人たちの死に向き合い旅をしながら悼んでいく物語。

映画『悼む人』 作品情報

悼む人

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:138分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:堤幸彦
  • キャスト:高良健吾、石田ゆり子、井浦新、貫地谷しほり etc

映画『悼む人』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

[miho21]

映画『悼む人』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『悼む人』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『悼む人』 あらすじ【起・承】

坂築静人(高良健吾)は死者を悼んでいる。
その様子はなんとも独特で、舞っているようにも祈っているようにも見える。
彼は幼い時、大好きな祖父を自殺とも事故とも言えない死に方で亡くした。
それがあまりにもショックだった。
大学生の時も親友を亡くした彼は、亡くなったことよりも1年後自分が友人の死を忘れてしまっていることの方にショックを受けた。

彼はその後会社を辞めた。
精神的に苦悩を抱えたが、自分なりに死に向き合う方法を見つける。
それが死人を忘れないで自分だけは覚えている「悼む」ということだった。
まず事故現場などに出向き、その亡くなった人が誰に愛され、誰を愛したかを知る。
そしていつまでも自分は忘れないでいると悼むのだ。

静人の母(大竹しのぶ)は末期癌だった。
病院を退院し在宅を選ぶ。
妹の美汐は妊娠している。
しかし相手の男が認知しないため、一人で育てる覚悟を決めていた。

ある日、事故現場でおかしなことをしている男を見つけた編集者の蒔野(椎名桔平)。
その男とは悼んでいる最中の静人だった。
たまたま他の記事を追っていた蒔野だったが、静人と話したことで彼の印象が強く興味を惹かれた。

一方で静人は甲水朔也という人物を悼みに、人も来ないような山の中へ向かった。
調度彼が悼もうとしたその瞬間、何をしているのかと女性に尋ねられた。
奈義倖代(石田ゆりこ)だった。
彼女は甲水と夫婦だった。
彼のことを根掘り葉掘り聞く静人に怪訝な表情を浮かべる倖代だったが、彼が人を悼んでいると聞いて興味を持ったのか彼の旅について行くことにした。

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映画『悼む人』 結末・ラスト(ネタバレ)

蒔野はネタになると思い、静人の家を訪ねた。
そこで「悼む人」として載せたブログで、様々な意見をもらっていると言って静人の話をしてみる。
しかし母親は「静人は誰にも迷惑をかけているわけではない、ブログも読まない」と突っぱねた。
意見をしたかったが静人の母親がどこか具合が悪そうなのが見て取れ、蒔野は退散する。

静人と倖代が旅をしていくうちに、静人に少しずつ心を開き始めた倖代は朔也の死について語り始める。
それは倖代が朔也の前に結婚していた旦那に暴力を振るわれ、シェルターに駆け込んだ時のこと。
そのシェルターの管理人が朔也だった。
女性に人気のあった彼だったが、倖代を選んだのだ。
幸せだったはずの倖代だが、ある日、朔也に「愛しているなら殺してくれ」と頼まれる。
頑なに拒む倖代だったがその度、「他の女性に頼む」と言われ自分のものにしておきたい気持ちが強まり殺してしまう。
それ以降朔也は倖代の亡霊となって出現しているのである。

真実を聞き、それでも旅を続けていく二人はいつしか惹かれあっていく。
そして一線を越えた二人。
遂に朔也は倖代の前から消えた。

母の体調が悪いことをネットで知った静人は自宅に帰ることに。
倖代は「これからは自分だけで旅に出る」と言う。
別れた二人。
静人は家路を急いだ。
母はもうまもなく息を引き取ろうとしている。

映画『悼む人』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『悼む人』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

行動が気になり集中出来ない

悼むという行動自体、勿論想像の範疇を超えていた。
不思議な祈り方で踊っているようにも、怪しいお祈りを捧げているようにも見える。
最初はこの行動が奇妙すぎて映画に集中出来ない。
この原作は小説であるという。
もしかしたら小説だと幻想的で、非常に想像力を掻き立てられるような描き方なのかもしれない。
しかし映像化して直接視界から見せるにはあまりにもギャグっぽく映ってしまう。

一体どうしたいのか伝わらない

死人を悼むとはそれは立派なことである。
しかし末期癌の母親を放っておいてまですることなのだろうか?
本末転倒も良いところである。
死に傷ついたのはわかる。
誰でもそうであろう。
しかし彼は自分のことしか頭に無い。
自分が見ず知らずの他人の死を覚え、悼むことで納得しようとしてはいるのだろうが見ている側は苛つかされる。
早く家に帰れと思ってしまう。
全て自己満足の世界の話である。

椎名桔平の必要性

この人の存在が全く意味不明。
粋がって調子に乗って殺されかけ、盲目になったところで静人の母に改めて会いに来る。
病気の父に最後まで会おうとはせず、特に静人に悼んでもらうわけでもない。
物語に必要だったのかどうかはさっぱりわからない。
むしろ、生き埋めにされるシーンを不必要に見せられて不愉快なくらいだ。
小説では活かされているのかもしれないが、映像では意味が成されていない。

亡霊の出現の気味悪さ

この物語のメインでもある甲水朔也と倖代とのエピソード。
冒頭からいきなり朔也が亡霊として出てくるのだが、この描写が非常に恐い。
というよりも、そのテイストで来ると思っていないで見ているからより驚くのだろう。
その後も霊の出現があれば統一感も出るが、何故ここだけ幽霊を強調するのか。
謎が残る演出であった。


静人は一体何がしたかったのだろうと疑問が残る作品でした。祖父の死で心に大きな傷を追ったのはわかりましたが、赤の他人の死を悼むことで静人は何を感じていたのでしょうか。
この作品の「悼む」という描写がかなり独特で作品の世界観とは合わない気がしました。末期ガンの母親に寄り添うわけでも無く、自分は赤の他人を悼む旅を続け、そこで出会った女性と一線を越えるなど静人は自分勝手で独りよがりな行動をしているとしか思えませんでした。
もう少し彼の心を理解出来るストーリーになっていたら楽しめたのかなと思います。(女性 30代)

映画『悼む人』 まとめ

正直想像とは違う作品であった。
もう少し穏やかで日本らしさの出る「おくりびと」のような作品なのかと期待してみたのだが意外にも違かった。
個人的に家族をないがしろにして旅に出たり、人助けをすることが好きな好意では無いので全く共感出来ない。
それどころが自己満足の何者でも無いと呆れてしまう。

主役の高良健吾の演技は主張しすぎないで良かった。
しかしどこか悼む人に成りきれていない感じが出ていて、逆に恥ずかしくなった。
わざわざオススメはしないが、見て楽しめるような演出にはなっている作品である。

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