映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』の概要:ジョン・F・ケネディが暗殺される。夢半ばに命を落とした夫のことを人々の記憶に残すべく彼女がとった行動とは…。実話をもとに暗殺後に起きた舞台裏を描いた本作。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:パブロ・ラライン
キャスト:ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、リチャード・E・グラント etc
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』の登場人物(キャスト)
- ジャクリーン・F・ケネディ(ナタリー・ポートマン)
- ジョン・F・ケネディの妻。暗殺された夫を過去の人と忘れ去れることを避けるべく、彼の葬儀に力を入れる。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のあらすじ【起】
ジョン・F・ケネディの妻でジャッキーとの愛称で呼ばれていたジャクリーン・F・ケネディは夫の暗殺事件に関する真相について雑誌の取材を受けていた。
1963年の11月22日、パレードに参加していたジョン・F・ケネディが暗殺される。妻でジャッキーとの愛称で親しまれたジャクリーン・F・ケネディは目の前で自分の夫が命を落とす。
必死に撃ち抜かれた夫の頭部を押さえるもジョンは即死しておりショックを受ける。ホワイトハウスへ戻るエアフォースワンの中でジャッキーは、泣きながら自身に付いた夫の血を拭き取り、起きた事実に困惑し受け止めきれずにいた。
だが、ジャッキーの気持ちの整理がつかないまま、亡くなったジョンの後任としてジョンソン副大統領の大統領就任式がエアフォースワンの中で臨時的に始まる。周囲の対応から先ほどまでいた夫の存在が消え去るような感覚に陥るジャッキー。そこへ夫の弟ボビーが到着する。
ジョンの棺を運ぶ車中でボビーはジャッキーを励ます。ジャッキーは運転手や側近に過去暗殺された大統領の名前を言うが彼らは知らなかった。だが、リンカーンの存在は皆知っていた。ジャッキーはリンカーンのように人々の記憶に残ってほしいという思いが強くなっていく。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のあらすじ【承】
病院に着きジョンの検死が行われる。その後、ホワイトハウスに到着したジャッキーは、夫の血が付いた服から着替える。
リンカーン大統領の葬儀は盛大に行われていたことを知っていたジャッキーは、実際に行われていた葬儀の詳細を側近たちに調べさせる。
多くの人が参列し華やか葬儀が行われていたリンカーン大統領と同じように執り行いたいというジャッキー。だが、周囲からはリンカーン大統領在籍時のときとは異なり、危険も伴うので難しいと反対されてしまう。だが、納得できないジャッキーは反対を押し切り実行する意思を固める。
一方、ジャッキーとジョンの間には2人の子供がいた。子供たちに父親が死んだことを伝えなければいかないジャッキーは、側近にアドバイスを貰いながら2人に話す。
まだ幼い2人に事実を隠さず伝えたジャッキー。理解は難しくも子供たちも母の言葉に耳を傾ける。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のあらすじ【転】
ジョンが亡くなりジョンソンが新たな大統領となったことで、ホワイトハウスにあるジャッキーたちの部屋は次の大統領一家へ渡さなければいけなかった。
ホワイトハウスにある家具や服、雑貨など身支度を進めるジャッキー。今後子供たちを女手一つで育てていかなくてはならない。ジャッキーは、同じく夫を失った先人たちファーストレディたちが行ったように、家にある家具などを売り払い生活する覚悟を決める。
ジャッキーは、夫が生きていた頃によく一緒に聴いていたミュージカル「キャメロット」のレコードをかける。
夫の楽しい思い出と最愛の人を失った悲しみ、今後の生活など、一瞬にしてジャッキーの生きる世界が変わったことで彼女の精神が不安定になっていく。
ジョン殺害容疑で逮捕されていたオズワルドが護送中に暗殺される事件が発生する。このまま葬儀をあげると子供たちも危険が伴うため、ジャッキーは葬列を馬車の予定から車へ変更する意思をボビーに伝える。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』の結末・ラスト(ネタバレ)
身にかかる不幸に嘆くジャッキーは、神父に胸の内に抱える気持ちを伝える。そんなジャッキーに神父は、神の御業がいつか訪れると優しく語り掛けるのであった。
一方、ボビーも兄の功績が全てジョンソン新大統領の手柄となることに不満があることをジャッキーへ伝える。ジャッキーも夫の功績が奪われることに納得できないもののどうすることもできない現実に打ちひしがれる。
神父やボビーとの会話から覚悟を決めたジャッキーは、不安定な精神状態から脱却する。葬列も当初予定していた馬車で行うと決めたジャッキーは、周囲の反対を押し切り実行する。
葬儀ではジャッキーの思いが国民へ伝わり、ジョン・F・ケネディの名前は歴史に刻まれることとなる。
口ではジャッキーは夫のためと言いつつも、本当は自分のために派手な葬儀を行ったことに彼女自身は気づいていた。彼女の行動がやりきれない自分の気持ちを壮大な葬儀という形で消化したにすぎなくとも、その行いのおかげでジョン・F・ケネディは後世に語り継がれる存在となる。
映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』の感想・評価・レビュー
誰もが一度はその名前を聞いたことがあるアメリカ元大統領ジョン・F・ケネディ。だが、その名前が後世にも知れ渡る舞台裏に妻の存在があったとは知らなかった。
正直、映画の後半までジャッキーにあまり感情移入はできなかった。なぜなら葬儀は夫のためだと周囲に言いつつ、彼女の行動や言動からかなり私的感情で動いていたように見えたからだ。だが、物語終盤で彼女に情を移せた。それは彼女が自分のための葬儀だと自覚していたからだ。
最愛の人を突如失ったとき、人は冷静ではいられない。ジャッキーの行動も冷静な人はまずやらない。では冷静さを欠き私的な行動で動くことが悪いことなのか?いや違う。彼女の個人的な気持ちが結果的に国民の心を動かし、ジョン・F・ケネディという存在を神格化させたのだ。それは彼女の強い意志無くしては成し得なかった偉業である。今を生きる人は偉人たちが行ってきた歴史の舞台裏に目を向けなくてはいけないことをこの映画で教わった。(MIHOシネマ編集部)
ジョン・F・ケネディや暗殺事件を描いた作品は見たことあるが、ジョンの妻ジャッキーのことを描いた作品は見たことがなかったので非常に興味をそそられた。しかも、ジャッキー役をナタリー・ポートマンが演じたのが、良かった。愛する人を突然失った悲しみと、幼い子供を抱えこれからどう生活していこうと途方に暮れる気持ち、ジョンを皆の記憶に残したいと頑張る気持ちなど、ジャッキーの思いがダイレクトに伝わってくる作品だった。(女性 30代)
日本で生まれて生きてきた私にとってジョン・F・ケネディは歴史上の人物という認識でしかなくて、彼についてもそれほどよく知りません。しかし、彼のことを描いた作品はいくつもあり、私自身も鑑賞したことがあります。それほど、ジョン・F・ケネディという人物はアメリカ国民にとって大きな影響を与えた人物なのでしょう。
今作で描かれていたのはその「妻」のお話。夫を亡くしてからの彼女の強く、勇敢な行動は同じ女性の目線で見ても素晴らしいなと感じます。彼女のおかげでジョン・F・ケネディはこれほどまでに偉大な人物となったのでしょう。(女性 30代)
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