映画『ジャージの二人』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「ジャージの二人」のネタバレあらすじ結末と感想

ジャージの二人の概要:長嶋有の同名小説を中村義洋監督が映画化した作品。54歳のおっとりした父親と32歳の無職の息子が、田舎の山荘で学校ジャージを着て夏休みを過ごす。息子役には堺雅人、父親役にはギタリストの鮎川誠がキャスティングされており、飄々とした親子を演じている。

ジャージの二人の作品情報

ジャージの二人

製作年:2008年
上映時間:93分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:中村義洋
キャスト:堺雅人、鮎川誠、水野美紀、田中あさみ etc

ジャージの二人の登場人物(キャスト)

息子(堺雅人)
32歳。最近になって仕事を辞め、現在は無職。小説家を目指しているようだが、特に何も書いていない。妻が浮気をしており、結婚生活もうまくいっていない。夏には父親と、祖母が住んでいた北軽井沢の山荘で過ごす。
父親(鮎川誠)
息子の父親。54歳でグラビアカメラマンをしている。3回結婚しており、息子は最初の妻との子供。3人目の妻との間には高校生の娘がいる。「なんかこう…」が口癖。3人目の妻ともうまくいっていない。
妻(水野美紀)
息子の妻。仕事関係の男と浮気をしており、それが夫にもバレている。夫の寛大さと優柔不断さに甘え、離婚せずにいる。
花ちゃん(田中あさみ)
父親の高校生になる娘。友達が少ない。ピアノを習っている。夏休みを利用して、北軽井沢へ遊びに来る。
遠山さん(大楠道代)
北軽井沢の山荘のお隣さん。地元在住で、この辺りの学校名に詳しい。長い付き合いだが、なぜか息子たちの山荘には絶対に入ろうとしない。
岡田さん(ダンカン)
父親の友人。1日だけ山荘へ遊びに来る。最近、妻が男を作って逃げてしまった。

ジャージの二人のネタバレあらすじ

映画『ジャージの二人』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

ジャージの二人のあらすじ【起】

東京のコンビニ。真夏の東京は34度の灼熱地獄で、息子はコンビニの冷蔵庫を開けて涼み、立ち読みを始める。そこへ、父親がやってくる。親子は毎年夏になると、祖母が住んでいた北軽井沢の山荘で数日を過ごす。涼しい北軽井沢は、避暑地として最高の場所だった。父親の愛犬のミロも連れ、親子は北軽井沢へ出発する。

山荘に到着した親子は、ここで生活するための準備を始める。普段は誰も住んでいない空き家なので、掃除も念入りにしなくてはならない。

一連の作業が終わってのんびりしていると、息子が少し寒いと言い出す。そこで父親は、祖母が集めていた近隣の学校のジャージを出してくる。息子は小豆色の桶谷小、父親は黄緑色の和小のジャージを選ぶ。親子は「和小」は何と読むのか話し合うが、結論は出ない。ここでは息子の携帯も圏外になっており、その日は2人とも家に連絡しないまま、布団に入る。父親は、最近不眠症気味だった。

翌朝、お隣(と言ってもかなりの距離がある)の遠山さんが山荘の前まで挨拶に来る。遠山さんは元気のいい中年女性で、この親子のことを昔からよく知っていた。息子は「お茶でもどうですか」と家に誘うが、遠山さんはそれを無視して、颯爽と帰っていく。

朝のニュースで東京が35度と知った親子は、静かにガッツポーズをする。山荘の温度計は23度を指しており、東京が暑ければ暑いほど、2人は得した気分になるのだった。

その日、息子の妻から山荘に電話がある。妻は仕事関係の男と浮気をしており、息子もそれを知っていた。妻の浮気は腹立たしいが、離婚するのも嫌で、息子は悶々とした日々を送っていた。

ジャージの二人のあらすじ【承】

スーパーへ買い出しに来た親子は、大安売りのトマトを大量に購入する。その後、ミロの散歩をしていた息子は、片手を高々と上げている女子高生と遭遇する。何かの挨拶かと思ったが、そうではなかったようで、息子は彼女の行動を不思議がる。

ここでは何もすることがないので、父親はテレビゲームの麻雀ばかりしていた。親子はいつ帰るかも決めておらず、まったりとした時間を過ごす。父親は、息子が仕事を辞めたことは気になっていたが、深くは追求しない。

翌日、遠山さんがカメラマンの父親にカメラの修理を頼みに来る。父親がそれを了承すると、遠山さんはトマトをくれる。しかし、やはり家には上がらなかった。

ミロの散歩中、再び片手を上げた女子高生に遭遇した息子は、理由を聞いてみる。この地域一帯、ほぼ携帯の電波が入らないのだが、この場所だけはアンテナが3本立つらしい。そのため、女子高生たちはここに来てアンテナを立て、メールを送受信していた。

父親に頼まれて買い物に出た息子は、顔見知りのおばさんから、またトマトをもらう。どうやら今年はトマトが豊作だったようだ。家にはまだ大量のトマトが余っていたが、息子はいらないとも言えず、トマトを受け取る。

帰り道、息子はあの場所へ行って、携帯で妻に電話をかける。電話は繋がったが、妻は誰かと一緒だったようで、すぐに切られてしまう。山荘へ来る前、息子は妻から浮気相手の子供が欲しいのだと告白されていた。

考え事をしながら歩いていた息子は、山の中で道に迷う。駅まで友人の岡田さんを迎えに行っていた父親の車と遭遇したので無事だったが、トマトは転んだ時に落としてしまった。

息子の留守中、妻から山荘に電話があったので、父親は妻に電話するよう息子を促す。息子は妻に電話して、子供の一件がどうなったか尋ねる。子供が欲しいという妻の頼みは、浮気相手に断られたらしい。

その夜、岡田さんが息子の部屋で寝ることになり、親子は布団を並べて眠る。父親は、息子夫婦がうまくいっていないのではないかと心配していた。父親は息子に、自分も妻とうまくいっていないのだと打ち明ける。父親には、すでに2回の離婚歴があった。明日帰ることにした親子は、そんなことをボソボソ話しながら、眠りにつく。

翌日、ずっと携帯を気にしていた岡田さんを、息子はあの場所へ連れて行ってやる。岡田さんは、男を作って家出した妻に電話をかけ、「頼むよ!」と絶叫していた。2人は岡田さんを駅まで送り、山荘を片付けて東京へ帰る。帰る前、お互いに着ていたジャージを交換する。帰り際、父親が昔ここでジョンとヨーコを見たという話を聞き、初耳だった息子は驚く。

ジャージの二人のあらすじ【転】

1年後の夏。親子は去年と同じコンビニで待ち合わせをして、北軽井沢の山荘へ向かう。今年は息子の妻も一緒だった。ミロは鼻の頭にオデキができており、父親はガンではないかと心配していた。そんな父親は、携帯電話を持つようになっていた。

息子と妻は2人でミロの散歩へ行く。妻は何となくウキウキしており、息子の腕に手を回す。すると、息子は驚いて妻の手を振り払う。汚い物のように扱われ、妻はショックを受ける。

今年のジャージは、息子が和小、父親が田井小だった。妻は東京で買った赤のジャージを持参していた。

仕事のため、一足先に妻は東京へ帰る。駅で妻を見送りながら、息子は1ヶ月前の出来事を思い出す。その日、息子は妻のアドレス帳を勝手に見て、妻と浮気相手のプリクラを発見する。妻は1月には浮気相手と別れたと言っていたのに、プリクラの撮影日は4月になっていた。息子がそのことを問い詰めると、妻は「大事な物だから返して欲しい」と言って泣いていた。

また男2人になって寂しくなった親子は、息子のブログで山荘への訪問者を募ることにする。しかし、文章を考えているうちに、こんな退屈で汚い山荘には誰も来ないということに気づき、ブログへの掲載を諦める。

そんな中、思いがけず父親の娘の花ちゃんがやって来る。花ちゃんは、息子の腹違いの妹で、まだ高校生だった。花ちゃんを迎えに行った帰り道、父親はイノシシの親子を目撃する。山荘に着くと、遠山さんがやって来る。遠山さんは息子に「かのうしょうね」と声をかける。息子は、ミロのオデキが「化膿症」という病名なのかなと思う。父親は、思春期の花ちゃんに友達が少ないことを心配していた。花ちゃんは、息子の妻が置いていった赤のジャージに着替える。

花ちゃんは、レンタルビデオ店に行きたがるが、山荘にはビデオデッキがない。それを知って、花ちゃんはすっかり機嫌が悪くなる。

ジャージの二人のあらすじ【結】

花ちゃんが携帯を使いたがっていたので、息子はミロの散歩ついでに、あの場所へ連れて行ってやる。花ちゃんは、両親の今後を心配していた。そのまま滝を見に行った2人は、道に迷ってしまう。花ちゃんの提案で、ミロに道案内を任せてみるが、山荘にはたどり着けない。

2人は湖までのハイキングコースを歩き、湖にある公衆電話から父親に助けを求めることにする。小銭を出す時、息子の財布にプリクラが入っているのを見つけた花ちゃんは、それを見たがる。しかし、それは息子の妻と浮気相手のプリクラだった。花ちゃんがしつこいので、息子はそのプリクラを湖に捨ててしまう。

父親が車で迎えに来てくれて、山荘に戻った花ちゃんは、遠山さんに電話をかける。遠山さんがビデオデッキを貸してくれると言うので、3人はレンタルビデオ店へ行く。その帰り、遠山さんの家に寄って、ビデオデッキを借りる。そこで夕飯をご馳走になりながら、父親が大自然専門のカメラマンだったという話を聞く。花ちゃんは、父親の意外な一面を知って嬉しくなる。

その日の深夜、花ちゃんのピアノの先生が亡くなったという連絡が入る。花ちゃんはビデオ鑑賞を切り上げ、明日帰ることにする。父親も一緒に東京へ帰り、断っていた大自然の撮影の仕事を受けることにする。息子は、「花ちゃんは大丈夫だと思う」と父親に伝えておく。

翌朝、遠山さんがカメラを持ってやって来て、3人の写真を撮ってくれる。遠山さんは、父親と息子が親子に見えないと言っていたが、よく見ると2人は似ているなと思う。その後、父親と花ちゃんは東京へ帰っていく。

1人になった息子は、パソコンの前に座り、小説を書き始める。外はひどい嵐になっていたが、息子は集中してひたすら書く。朝になり、息子は小説を書き終える。嵐も過ぎ去り、また遠山さんがやって来る。遠山さんは、写真を現像してくれていた。しかし、やはり家には入らなかった。その時、息子は「かのうしょう」というのが、自分の着ているジャージの「和小」の読み方だと知る。

息子は携帯を持ってあの場所へ行き、妻からのメールを受信する。妻は、息子の寛大さに甘えてきたことを反省し、しばらく1人で暮らすつもりだと書いていた。息子も内心は、そうするのがいいだろうと思っていた。息子は何となくスッキリして、「和小はかのうしょうです」と父親にメールを送る。

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