映画『ザ・エージェント』の概要:1996年公開のアメリカ映画。アカデミー賞作品賞・主演男優賞など全部で5賞を受賞したヒューマン映画で、スポーツ・エージェントの一人の男が仕事を頑張る上で本当に大事な物に気がついていく物語である。
映画『ザ・エージェント』 作品情報
- 製作年:1996年
- 上映時間:138分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:キャメロン・クロウ
- キャスト:トム・クルーズ、キューバ・グッディング・Jr、レニー・ゼルウィガー、ケリー・プレストン etc
映画『ザ・エージェント』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
映画『ザ・エージェント』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ザ・エージェント』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ザ・エージェント』 あらすじ【起・承】
ジェリー・マグワイア(トム・クルーズ)は、全米屈指のスポーツエージェンシーSMIに所属する有能なエージェントだ。
しかし会社は金儲けのことばかり。
クライアントを引き受けすぎることが原因で、細やかなケアが出来ないことを疑問に感じていた。
そんな彼は思いきってクライアントを減らすことを提案する。
このことに賛成したのは同僚だけ。
彼は会社の方針に合わないと解雇されてしまった。
意見に賛成だったドロシーはマグワイアについていくことにする。
マグワイアは独立した。
しかし今までのクライアントは全て以前の会社に持って行かれてしまった。
唯一残ったのがNFL中堅選手のロッド。
公私共に親しくなっていく二人は、いつしか友人というに相応しい関係になっていった。
マグワイアはシングルマザーのドロシーと結婚。
しかし彼の焦りから関係はぎくしゃくし始めていた。
映画『ザ・エージェント』 結末・ラスト(ネタバレ)
ロッドは特別有能だったり、人と違う技能があるということで注目されている選手では無い。
しかもNFL業界には若い亜選手がたくさん入ってくる。
歳をとっても働くことはほぼ不可能だった。
しかしロッドには養わなければならない家族もいるため、高額で契約年数も長い物が欲しい。
現実的に今の彼では認めてもらえる場所も実力も無かった。
だがチャンスは突然やってくる。
これはチームにとっても重要な試合。
そんな大舞台で彼は周囲のマークがきつい中、敵を蹴散らしながら走り抜けた。
誰もが認める見事なタッチダウン。
観客もみんな大興奮の様子である。
ゴールの衝撃で気を失っていたロッドが目を覚ますと、そこは夢ではない、現実の世界だった。
エージェントとしてのマグワイアの手伝いもあり、無事大口の契約を獲得したロッド。
やり遂げた彼の姿を見て、「自分にとって本当に大事な物とは何か?」と考えたマグワイアはドロシーの元に急ぐのだった。
映画『ザ・エージェント』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ザ・エージェント』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
大きな感動は無いが全部が良い流れ
本作品は感動作品である。
それもアクション作品が多いトム・クルーズが主演を演じたヒューマン物語の名作に呼ぶにふさわしい作品だ。
スポーツ・エージェントのマグワイア、周囲が彼から離れていく中で唯一信頼してくれた選手。
彼との交流は仕事上だけではなく、シングルマザーとの結婚で悩む心や独立して気力と熱意だけで頑張るマグワイアの心を癒してくれた。
いつしか二人の絆は確固たるものになっていくわけなのだが、ここまでの流れに大きな感動や盛り上がりは無い。
静かに流れていく。
そして、中盤。
複数の契約が無いと家族を養っていけないロッドはいよいよ見せ場が到来する。
何とチームにとっても大事な試合でまんまと活躍。
もちろん大きな契約をマグワイアの協力もありすることになる。
もちろんそうなるだろう。
映画なのだから。
想像できる範囲のラストであり、そうなってもらわないと困るのだが、ありきたりに見えるこの最後がすごく心地よい作りになっている。
撮影手法が珍しいわけでもないのに飽きずに見ることができ、当たり前の仕事や日常を切り取ったかのように映している作品なのだ。
人の心の動きを細やかに描き、平面に奥行きを与えている、そんな印象だ。
監督の魅力
この監督は映画の1シーンを写真のように美しく見せるのが特技である。
それも特別珍しいシーンではなく、ありきたりな日常を芸術的に美しく見せるのだ。
本作品ではその要素は残念ながら薄いが、それでも強弱が無い作品なのに面白いと思わせるのにはこのような技法が用いられているからであろう。
アクションに定評のあるトム・クルーズがアクション一切無しの人間ドラマを演じた今作。個人的にトム・クルーズがあまり好きでは無いので、誰かに勧められたら彼の作品を見るというスタンスです。今作もトムを語る上で欠かせない作品とオススメされたので鑑賞しました。
正直、よく出来すぎています。会社の方針に疑問を抱き独立。そこから選手と仲良くなり彼のために良い契約先を見つけ、全員がハッピーになるというストーリーは先の読める、工夫のない展開ですが、だからこそ安心して見られるのでしょう。(女性 30代)
タイトル要素は5割。もう5割はヒューマンドラマです。正直エージェントのことは詳しく描かれていない印象です。主人公のエージェントとしての腕が最後まで良く分からず、必死に電話でカマかけているか、裏切られて焦っている姿しか記憶にありません。スポーツのエージェントってこんなに非情な世界なんですかね。ネチネチしていて相当ストレス溜まる仕事ですよ。主役の男性陣が終始自信なさげな表情をしていて、肝の据わった女性陣・子供達がいなければ総崩れだっただろうなと思います。(男性 20代)
映画『ザ・エージェント』 まとめ
トム・クルーズを語る上で外せないのが本作品である。
スポーツ・エージェントという面白いテーマを人の心の動きと共に描いた完全ヒューマンドラマで、非常にまとまったきれいな作品である。
特別な盛り上がりはないものの、万人受けするタイプのヒューマン系作品で見やすい。
ありがちではあるのだが、それがこの作品の醍醐味である。
安心して観ることができるのも作品の魅力のうちといっても良いのだ。
仕事とは何か、人生とは何かをゆっくり考えさせてくれる質の良い映画。
時間がある時にゆっくり観て欲しい作品である。
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