映画『スパルタンX』の概要:トーマスとデヴィッドは移動車で、食事などを販売して生計を立てていた。ある日、デヴィッドの父に恋人と恋人の娘のシルヴィアを紹介される。シルヴィアはギャングに追われており、トーマス達は事件に巻き込まれていく。
映画『スパルタンX』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:サモ・ハン・キンポー
キャスト:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポー、ローラ・フォルネル etc
映画『スパルタンX』の登場人物(キャスト)
- トーマス(ジャッキー・チェン)
- 体を鍛えており、格闘技が得意。デヴィッドと同居している。デヴィッドよりも冷静に物事を考える性格。シルヴィアに一目惚れをし、デヴィッドと度々争っている。デヴィッドと共に「スパルタン号」と名付けられた車で、食事を販売している。
- デヴィッド(ユン・ピョウ)
- トーマスの従兄。トーマスと一緒に体を鍛えており、格闘技が得意。シルヴィアに一目惚れする。
- モビー(サモ・ハン・キンポー)
- 私立探偵マットの助手。マットが借金取りから逃げるため、モビーを所長代理に任命した。依頼主に頼まれ、グロリア親子を探す。間抜けで明るい性格。格闘技が得意。
- シルヴィア(ローラ・フォルネル)
- 14歳の頃に母のグロリアが入院してしまったため、スリをして生活費を稼ぐようになる。トーマスとデヴィッドの優しさに触れ、真面目に生きようと頑張る。使用人だったグロリアとロバス伯爵の娘。
- モンデール伯爵(ペペ・サンチョ)
- ロバス伯爵の弟。亡くなった兄がグロリア親子に財産を残しているのを知り、誘拐しようとギャングを仕向ける。
- ディノ(ジョセフ・ルイス・フォノル)
- トーマスと同じアパートに暮らすイタリア人男性。浮気をしては妻にバレて怒られている。
映画『スパルタンX』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スパルタンX』のあらすじ【起】
トーマスは従兄のデヴィッドと同居をしており、朝から一緒に体を鍛えていた。出かけようとしたとき、同じアパートに住む、イタリア人男性のディノが部屋に駆け込んできた。朝帰りをしてしまい、怒った妻に追いかけられているのだ。トーマス達は夫婦喧嘩に巻き込まれたくなかったため、仕方なくバルコニーから飛び降りた。
私立探偵のマットは電気代が払えないほど生活に困窮しており、1万ペセタの借金を抱えていた。マットは借金取りから逃げるため、助手のモビーに所長代理を頼んだ。モビーが所長代理になったことに浮かれていると、人探しを頼みにきた男性が現れる。依頼内容はグロリアという女性とその子供を探すことで、期限は2週間以内。成功すれば経費とは別に、2万ドルの報酬が貰えることになった。
トーマスとデヴィッドは移動車「スパルタン号」で、食事や飲み物を販売して生計を立てていた。いつもの広場で店を出していると、バイクに乗った男性達が現れる。移動車で食事をしていた客達は、男達を恐れて帰ってしまう。トーマス達は男達を懲らしめるため、協力して男達をバイクから引き摺り下ろした。
トーマス達はデヴィッドの父を見舞うため、“聖アガピト病院”を訪れた。デヴィッドの父は入院先で恋人ができており、病気も順調に回復していた。トーマス達はデヴィッドの父に紹介され、恋人のグロリアと娘のシルヴィアに会った。2人は美しいシルヴィアに一目惚れをした。
映画『スパルタンX』のあらすじ【承】
夜、トーマス達が仕事をしていると、道路の脇にシルヴィアの姿があった。シルヴィアは高級娼婦として、客と共に夜の街に消えていった。その後、シルヴィアは客と共にホテルに向かい、客の上着から財布を盗んで立ち去ろうとした。客はそれに気づきシルヴィアを咎めようとしたが、反撃され逃げられてしまう。シルヴィアはデヴィッドに助けを求め、移動車に隠れた。
トーマス達はシルヴィアを連れて家に帰った。すると、またディノが浮気をして、妻に追いかけられていた。ディノの妻が銃を持っていたため、トーマス達は話を聞いて必死に宥めた。その間に、ディノはシルヴィアに心を奪われ、抱きしめようと体を近づけていた。シルヴィアはその隙に、ディノの上着のポケットから鍵を盗んだ。ディノの妻は夫がシルヴィアにうつつを抜かしているのに気づき、怒って夫を追いかけ回した。
モビーが情報屋のデブの家に行くと、デブは誰かに襲われて倒れていた。モビーは気にせず、グロリアについて情報がないか尋ねた。グロリアは18年前娼婦をしており、その当時妊娠していたことは分かっていた。デブはその件で袋叩きにされたことをモビーに打ち明けた。そして、グロリアが住んでいる住所を教えた。
映画『スパルタンX』のあらすじ【転】
次の日、トーマス達が目を覚ますと、隠していたお金を盗んでシルヴィアがいなくなっていた。トーマス達はシルヴィアを探すことを決める。その頃、シルヴィアはディノの車を勝手に使い、モビーの車にぶつけて事故を起こしていた。シルヴィアは謝罪をすると、連絡先として車の中にあったディノの名刺を渡した。そして、モビーの財布を盗んでその場を離れた。
モビーはグロリアの部屋に行き呼び鈴を鳴らすが、応答がなかった。部屋の中では、シルヴィアが男達に捕らえられていた。シルヴィアはモビーに気づいてもらうため、落ちていた鍵を玄関の外に蹴った。モビーはそれに気づき、部屋に入って男達と格闘した。その隙に、シルヴィアは部屋から逃げ出した。
モビーは依頼主の男に会い、ギャングがシルヴィアを狙っていることを話した。依頼主の男はギャングの存在に心当たりがあるようだったが、詳しく話そうとはしなかった。代わりに大金を渡し、調査の続行を求めた。
モビーは友人のトーマス達に会い、シルヴィアを探していることを話した。ディノに電話をしたので、トーマス達の家に泊まったことは知っていた。だが、トーマス達にもシルヴィアの居場所は分からなかった。帰宅途中、トーマス達はシルヴィアとばったり会った。男に追われていたので助けるが、男はシルヴィアに財布を盗られた被害者だった。トーマス達が気づいたときには、既にシルヴィアの姿はなかった。
映画『スパルタンX』の結末・ラスト(ネタバレ)
トーマス達が家に帰ると、シルヴィアが待っていた。2人は話を聞くため、シルヴィアを自宅に招いた。シルヴィアは涙ながらにお金を盗んだ理由を話した。14歳の頃に母が入院してしまい、自力でお金を稼ぐにはスリしかなかったのだ。シルヴィアは親切にしてくれたトーマス達に感謝し、できるだけ早くお金を返すことを約束した。
トーマス達はスリを止めさせるため、シルヴィアを「スパルタン号」の店員として雇った。ある日、モビーはギャングの男達が小さな少女に頼み、「スパルタン号」で注文をするよう頼んでいるのを見てしまう。シルヴィアを誘き出そうとしているのだ。モビーは急いでデヴィッドに声を掛け、一緒にシルヴィアを助けにいった。トーマスが車を先回りさせたおかげで、何とかその場から逃げ出すことができた。
トーマス達は追手を掻い潜り、依頼主の男に会いにいった。依頼主はシルヴィアの父の執事であることを打ち明け、シルヴィアの両親のことを話した。シルヴィアの父はロバス伯爵で、グロリアは城の使用人だった。グロリアはロバス伯爵に襲われ、シルヴィアを身籠ったのだ。ロバス伯爵はグロリア親子に財産を与えると言い残し、既に亡くなっていた。シルヴィアをギャングを使って襲っているのは、ロバス伯爵の弟のモンデールだった。2週間以内にグロリア親子が見つからなければ、モンデールが遺産を手に入れることができるのだ。
トーマス達は救急隊員の振りをして病院に忍び込み、グロリアとデヴィッドの父親を連れ出した。だが、ギャング達に襲われ、グロリア親子が捕まってしまう。その夜、トーマス、デヴィッド、モビーはモンデールの屋敷に忍び込んだ。だが、トーマスとデヴィッドは捕まってしまい、痛めつけられてしまう。そこに、モビーが現れ、形勢が逆転する。トーマスとデヴィッドは手下と戦い、モビーはモンデールと戦った。そして、手下を倒したトーマス達がモビーと共に戦い、モンデールに勝利した。
トーマス達が仕事を行っていると、シルヴィアが現れる。3人は再会を喜び、抱きしめ合った。そこに、モビーが現れ、探偵のライセンスを取ったことを報告した。
映画『スパルタンX』の感想・評価・レビュー
ジャッキー・チェン主演のアクション映画。監督は自身もアクション俳優を務め、ジャッキーと何度も共演したサモ・ハン・キンポ
本作はジャッキーが後に選ぶ「ファイティングトップ10」で5位に選ぶほどクライマックスの白熱したバトルシーンは見事、また、カースタントにおいては当時「007」で起用されていたカースタントマンを欧米から多く招いており力の入りようがうかがえる。(男性 20代)
1984年の香港アクション映画。
スペインはバルセロナを舞台にジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハンが大暴れ。それぞれのキャラクターがわかりやすく、とても楽しく観られる作品だ。
やむを得ず悪党に成り下がったヒロインのシルビアを救うために、決死の戦いをみせるトーマスたち。モビーは調子のいい性格で頼りないが、どこか憎めないキャラクターだ。
そして、ジャッキー映画の代名詞である独特の練り込まれたアクションシーンは見応え十分。スタントを一切使っていないところが本当にすごい。(男性 40代)
ジャッキー、ユン・ピョウ、サモハンといえばの今作。タイトルこそ知っていましたが、実は鑑賞するのは初めてで映画好きとして残念なことをしていたなと感じました。
誘拐された美女を救い出そうとする3人組の笑えて、元気を貰えるアクションはとにかく素晴らしいです。香港の大スターである彼らのアクションシーンは人を楽しませる要素がたくさん詰まっていて、カッコイイだけでも面白いだけでもないのが本当に凄いですよね。
音楽もめちゃくちゃノリが良くてとても楽しく見られました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
ジャッキー・チェン出演作品は必ずといってよいほどラスボスがいる。
その最後の闘いが見ものであり、一番尺も長い。
あの手この手で必死に闘うわけだが、本作品のラスボスはジャッキー・チェン映画史上最も有名であるといってもよい。
というのも、最後の敵は本当に人気のあった格闘技の選手でベニー・ユキーデという人物だからだ。
俳優としてどうかではなく、格闘技選手としてはもちろん強い。
その人との手合わせはリアルそのもの。
ジャッキー・チェンのカンフーもいつもよりもスピードアップし、必死さが見てとれる。
この作品のラストシーンはジャッキー・チェン自身が出演した映画の格闘シーンベスト3に挙げており、本人の意気込みも感じることができる。
もう見ることの出来ない共演者の映画というのは大事である。
死んでしまったり、引退したり、またはスタークラスになっていくとそれが伝説になっていくこともある。
本作のように全員が香港スター、そして何より幼い頃から一緒に苦労を共にした3人だからこそ面白かったという作品が面白くないわけ無い。
ユン・ピョウの出番が少ない共演作品は今までもあったが同等の出番の多さはさほどない。
是非味わってもらいたい。