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映画『滑走路』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『滑走路』の概要:激務の中で仕事への理想を失った厚生労働省で働く青年。自殺者リストから同じ歳の青年を見つけ、死を選んだ理由を調べ始める。一方で、才能を認められ始めた切り絵作家の女性は過去と現在の違和感を重ねる。

映画『滑走路』の作品情報

滑走路

製作年:2020年
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:大庭功睦
キャスト:水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓 etc

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映画『滑走路』の登場人物(キャスト)

鷹野(浅香航大)
厚生労働省で働く若手官僚。日々の激務に追われ、理想を追求できず仕事の意義を問い続けている。そのうえ、過去に幼なじみを裏切ってしまった後悔に囚われ続け苦悩する。
翠(水川あさみ)
30代を迎えた切り絵作家。ようやく才能を認められ始め、優しい夫に支えられていた。しかし夫の優しさに違和感を覚え始め、少しずつ日常が歪み始めてしまう。
須羽シュンスケ / 学級委員長(寄川歌太)
中学2年生。学業は優秀、シングルマザーである母親の代わりに家事もこなす「良い子」であった。しかし幼なじみの裕翔をいじめから救ったことを機に、悩みを抱え込むようになる。

映画『滑走路』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『滑走路』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『滑走路』のあらすじ【起】

学級委員長のシュンスケは優秀な生徒だ。授業には上の空で落書きに没頭していても、担任の質問には答えられてしまう。ある日。幼馴染の裕翔が酷いいじめにあっていることに気付き、スマートに助け出すのだった。

厚生労働省で働く若手官僚の鷹野。不眠症に悩みカウンセリングを受けている。仕事量を減らすようにカウンセラーには助言されるが、そうもいかず日々プレッシャーと闘っている。

切り絵作家として芸を追求する翠。美術教師である夫・拓己は、翠の仕事に理解があり家事も分担し支えてくれている。30代を迎え、翠は才能を認められ始めた。しかし、拓己との間に子供が欲しい気持ちも強まっている。新しい仕事と家庭のバランスに悩む翠に、拓己は「翠の好きなようにすればいい」と背中を押すのだった。

シュンスケは裕翔の代わりにいじめの標的になってしまった。いじめに屈することのないシュンスケだったが、裕翔がいじめに加担したことにより心が折れてしまう。シングルマザーで帰りの遅い母親には、いじめについて相談することはできなかった。

映画『滑走路』のあらすじ【承】

非正規雇用の待遇を機に自殺した人たちのリストが、NPO団体により鷹野の部署に持ち込まれた。厳しい追及の中、対応を終えた鷹野だったが上司はその内容に納得せず、鷹野を責め立てた。

そんな鷹野を見守る同僚は「ばあちゃんっ子だったのに、亡くなっても泣けなかった」と自身の心の疲弊を明かし、退職することを告げた。「何のために仕事をしているのか」と同僚に問われた鷹野は、NPO団体から託されたリストに再び目を通し始めた。

鷹野はリストの中で目に留まった、同じ25歳の青年の自死について調べ始めた。職場や恋人への聞き込みを開始し、生前の青年の写真に夜な夜な見入ってしまうのだった。

翠は編集者の言葉に影響を受け、拓己に子づくりについて打ち明けた。しかし拓己は「どっちでもいい」と返答する。翠は途方に暮れてしまった。

シュンスケはトイレに捨てられた自分の荷物をかき集め帰ろうとした時、廊下に飾られた一枚の絵に目を奪われる。偶然鉢合わせた作者の天野。二人はこの日初めて会話を交わす。

後日、いじめっ子から逃げていたシュンスケは図書館で勉強する天野と遭遇する。天野の家庭環境について知ったシュンスケは、寄り添って勉強を教えるようになる。一方で裕翔は不登校になった。時折、学級委員長は裕翔のことを考え物思いにふけるのだった。

映画『滑走路』のあらすじ【転】

妊活を始めた翠だったが、拓己は苛立つ時間が増え、すれ違うようになっていた。作品作りに没頭する翠だが、拓己は酔って帰宅した日失業したことを初めて明かす。

「私が支える」と前向きに励ます翠だが、拓己は翠の頬を平手打ちした。「翠を尊敬している」と言う拓己だが、不安定な表情に翠は戸惑いを隠せない。寝室に籠り、泣きじゃくる拓己に翠は何も声をかけられなくなってしまった。

眠ることができなかった翠は学士時代の思い出が頭によぎった。それは学級委員長との思い出である。学級委員長のおかげで数学のテストを乗り切った天野(翠)。学級委員長の力になろうとするが、大人に相談することでいじめが悪化するのを恐れた学級委員長は「現状維持」を望んでいた。

翠は匂いに敏感になり、妊娠検査をした。結果は陽性。しかし拓己は「どっちでもいい」と曖昧な答えしか与えてくれなかった。

自殺した青年・シュンスケの恋人から中学時代のいじめについて聞いた鷹野。すぐに鷹野の記憶は繋がり、幼なじみのシュンスケだと気づく。

鷹野は中学時代いじめられていたが、シュンスケに助けられた。しかし鷹野は一人だけ逃げたことを後悔し、心に闇を抱えていたのだ。鷹野の記憶の中にいる「シュンスケ」という少年は翠の記憶の中にいる学級委員長と同じ少年だった。

映画『滑走路』の結末・ラスト(ネタバレ)

中絶を選択した翠。その時、作品を見た中学時代の同級生から久しぶりに連絡が来た。そこで翠はシュンスケが自殺したことを知る。

天野はシュンスケの気持ちを全て肯定し、前に進む勇気を与えた。シュンスケは引きこもっている裕翔の元を訪ね、一緒に歩みだそうと声をかけた。しかし裕翔は「お前が全部悪い」と突き返してしまうのだった。

幼いころのシュンスケが映ったホームビデオを一人再生する母親。そこへ鷹野が訪ねてきた。鷹野はシュンスケのカバンから抜き取った数学の教科書を返しに来たのだ。しかし、母親は「シュンスケに代わってあなたが生きなさい」と教科書を突き返し、亡き息子の人生を託した。

翠は中絶を決意した。拓己にそのことを明かすが、「翠が決めたことなら」と他人ごとのような答えが返ってきたことに翠は絶望した。

天野は父親の仕事の都合で3年生になる前に、福岡へ引っ越すことになった。シュンスケは天野と話すきっかけになった絵を学校から盗み出し別れを告げに走り出す。偶然にも車を見つけ出したシュンスケは思いの丈を叫ぶのだった。

拓己とは離婚した翠。数年後、個展を開き拓己と再会した。お互いに再婚はしていない二人。拓己が立ち去った後、翠の元には「ママ」と幼い息子が駆け寄った。

映画『滑走路』の感想・評価・レビュー

「忘れてと言ってあげられなくてごめんね」と涙しながら鷹野に伝えたシュンスケの母親(坂井真紀)の演技が脳裏に焼き付いた一作である。決して明るい物語でも、わかりやすい内容でもない。しかしそれでも目を離してはいけないと思える、この作品の熱量に圧倒されてしまった。原作者は、歌人・萩原慎一郎。彼が残した「歌集 滑走路」を元に物語は展開していく。時間軸も異なるそれぞれのドラマは名前で繋がっていく展開。確実に明るい光が差し込むまとめ方が秀逸である。(MIHOシネマ編集部)

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