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映画『消された女』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『消された女』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『消された女』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『消された女』の結末までのストーリー
  • 『消された女』を見た感想・レビュー
  • 『消された女』を見た人におすすめの映画5選

映画『消された女』の作品情報

消された女

製作年:2016年
上映時間:91分
ジャンル:サスペンス
監督:イ・チョルハ
キャスト:カン・イェウォン、イ・サンユン、チェ・ジノ、チ・デハン etc

映画『消された女』の登場人物(キャスト)

ナ・ナムス(イ・サンユン)
『追跡24時』をヒットに導いた名プロデューサーだったが、やらせ疑惑のせいで失脚。カン・スアの日記を見つけ、強制入院の事件を知る。その事件で再び表舞台へ復帰しようと考える。
カン・スア(カン・イェウォン)
精神科病院に強制入院させられた女性。継父である警察署長カン・ビョンジュの殺害容疑が掛かっており、警察の医療施設に拘留されている。

映画『消された女』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『消された女』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『消された女』のあらすじ【起】

『追跡24時』というテレビ番組をヒットさせたプロデューサーのナ・ナムス。だが、番組にやらせ疑惑の噂が立ち、停職処分を食らってしまう。一年後、燻っていた彼のところに上司が持ってきた仕事はホラースポット探索というつまらないものだったが、復帰を望むナムスは仕方なくその仕事を引き受けた。

企画の打ち合わせが始まったが、どれも退屈なものばかり。しかし、ナムスは企画書の中から出てきたある日記に興味を示す。それは『追跡24時』を担当していた時のナムスに送られてきた物で、精神科病院に強制入院させられた者が書いた日記だと説明される。

日記の最後には“カン・スア”という名が記載されており、ナムスにはその名に憶えがあった。その精神科病院は一年前に火事が発生しており、患者は全員死亡していた。ナムスはこの場所を探索することに決める。

取材のために精神科病院跡地へとやってきたナムスは、そこで大やけどを負ったハン・ドンシクという人物と遭遇。彼は長い間、やけどを放ったままにしており重傷だった。病院へ搬送されたが、彼の名前が日記に出てきたことから、ナムスの中に疑念が湧いてくる。

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映画『消された女』のあらすじ【承】

精神科病院が火災にあった同日、警察署長のカン・ビョンジュが娘に射殺されたという事件が発生していた。更に調べていったナムスは、ビョンジュの娘の名前がカン・スアだということを突き止めた。スアの証言によると事件当日は入院していたらしいが、その記録はどこにもない。

医療施設に入院しているスアを訪ねたナムスは刑事のふりをして質問をぶつけたが、彼女は何も答えなかった。だが、日記を見せてナムスが正体を告げると動揺を露にする。ナムスは、これは『追跡24時』向きの事件だと確信し、勝手に調査に乗り出していく。

ビョンジュは次の警察庁長候補と言われる人物で、スアは再婚した妻の連れ子だった。妻はビョンジュが殺害される二ヵ月前に病死していた。

ナムスはスアに話を聞くため、再度施設を訪れた。彼女の話ではいつもと変わらずに町をぶらついていた時、突然に男たちに車に押し込められたという。連れ去られた先で、ここは精神科病院だと説明されたが、スアの体は拘束されて猿ぐつわを噛まされていた。彼女は病気ではないと訴えたが聞き入れてもらえず、看護師たちからは日常的に暴力を振るわれた。だが、ハン・ドンシクという看護師だけは優しかったという。

調べを進めたナムスは、精神科病院のチャン院長がビョンジュの後輩だと知った。彼は次第にビョンジュが強制的にスアを入院させたのではないかと考えだす。精神保護法では、保護者と医師の診断書があれば正常な者でも強制的に入院させることが可能だったからだ。

映画『消された女』のあらすじ【転】

チャン院長の精神科病院では臓器売買が行われている噂も立っていた。強力な後ろ盾がいるため、裁判を起こすことすらできずに泣き寝入りした家族も多いという。スアにそのことを尋ねると、その事実はあったと説明される。

スアは入院患者からチャン院長のオフィスにある隠し通路の情報を聞き出して逃走を図る。逃走は成功し警察に保護されるが、チャン院長とビョンジュが繋がりを持っていたために、すぐに病院に舞い戻ってしまった。

ナムスは『追跡24時』でこの企画を放送したいと上司を説得した。彼はスアがビョンジュから暴行されていたのではないかと推測していた。日記の中に“悪魔”という記述があったからだ。それを彼女に質問したが、彼女はビョンジュのことをすっかり忘れ、継父だということすら憶えていない。そんな時、ハン・ドンシクが病院から姿を消す。また、スアもナムスからの取材を拒否するようになってしまった。

考えたナムスは『追跡24時』の中でドンシクが生きていることをスアにだけ分かるように放送した。反応を示したスアはナムスの面会を許可する。そして、今まで話していないことを語りだした。入院していた彼女を救い出そうとしていたイ・ウジンという人物がいたというのだ。彼はドンシクの協力で病院の場所を突き止め、救助に来てくれた。だが、チャン院長に発見されて重傷を負わされたという。

臓器売買のために殺される寸前、入院患者のひとりがチャン院長のオフィスで火事を起こした。パニックになったことで窮地を脱したスアは、ウジンを連れて脱出を試みる。だが、彼は焼けただれた患者の一人に掴まれて業火の中に消えていき、結局、助かったのはスアだけだった。

映画『消された女』の結末・ラスト(ネタバレ)

ナムスはスアからビョンジュとの関係を聞き出そうとする。多少強引な方法だったが、スアは動揺しながらも真実を話し出した。火事と共に病院を抜け出した彼女は、今まで自分と母に酷いことをしてきたビョンジュを殺そうと自宅へと向かった。だが、チャンとの闇の繋がりがバレることを恐れた彼は、すでに拳銃自殺していたという。

『追跡24時』が放送され、ナムスはビョンジュとチャン院長の繋がりについて報道。娘を入院させたこと、その病院で火事が発生したことでビョンジュの悪事が露呈されたことを世間に伝えた。その結果、スアはビョンジュ殺害容疑が晴れて無罪となる。ナムスは今回のことを高く評価され、再び人気プロデューサーへと舞い戻った。

スアが医療施設を退院する日、ナムスは彼女を迎えに行った。去り際、彼女は精神科病院ではボールペンも凶器になるので持たせてもらえないと言った。その言葉に引っ掛かりを感じたナムス。スアの日記を捲った彼は、その字がボールペンで書かれていることに気がつく。

実は、病院に強制入院させられたのはスアの母だった。スアの話ではイ・ウジンという男が助けにやってきたと言っていたが、ウジンはスアの実父の名前だった。実際に母を助けに行ったのはスアで、業火の中に消えたのはウジンではなく母だった。ビョンジュも自殺したのではなく、彼女が殺害したのだ。全ては母を殺し、自分を酷い目に合わせたビョンジュに復讐するためのスアの策略だったのである。

映画『消された女』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

どんでん返しを意識しすぎて物語に整合性が無くなっている気がする。ドンシクがどこに消えたのかも謎だし、ナムスが日記を発見するのも運に任せすぎている。マスコミを躍らせるのは容易いのかもしれないが、警察や病院を出し抜くことは難しい気がした。ナムスが選ばれた理由もとても弱い。一度は軽くあしらわれたマスコミを使って、華麗に復讐を達成するのは面白いが、そのためにはマスコミやナムスにもっと酷い目にあっていなくてはカタルシスが生まれない。(MIHOシネマ編集部)


韓国映画のあるあるが詰まった作品です。記憶喪失になったり、継父や実母の複雑な関係、そしてラストの大どんでん返しは韓国映画では見慣れたものですが、今作はラストの数分で今まで見てきた全てを覆してしまうような大どんでん返しがあるので、少しやり過ぎ感がありました。
謎の女と謎の日記、鍵を握る存在としてはとても面白い設定ですが、全て仕組まれていた事だと気づくとゾッとします。
ラストに向けてスピード感が増しますが、中盤は少々テンポが悪いのでそこで諦めずにぜひ最後まで見て欲しいです。(女性 30代)


観ていて本当に胸が締め付けられました。ジヨンが精神病院に無理やり監禁されるシーンから、理不尽な暴力と隠蔽がリアルに描かれ、恐怖と怒りを感じました。ラスト、彼女が自らの手で真実を暴く姿に、涙が出ました。(20代 女性)


精神病院の描写がとにかくリアルで恐ろしかったです。誰も信じてくれない中で、ジヨンがひとり真実を訴え続ける姿に心打たれました。記者ナムスとの絆が少しずつ築かれていく過程も胸に響きました。(30代 男性)


最初から最後まで緊張感が途切れず、一気に引き込まれました。権力によるねじ伏せと、それに抗うジヨンの強さに、終始圧倒されました。真実を求める戦いの果てに訪れる希望が、とてもリアルで感動的でした。(40代 女性)


予想以上に重くて、社会派サスペンスとしてもレベルが高かったです。ジヨンが訴える真実がどれだけ無力に見えても、絶対に屈しない姿勢に胸が熱くなりました。エンディングの余韻が長く残る作品でした。(20代 男性)


静かな怒りが心に刺さる映画でした。ジヨンが何度も絶望しながらも、真実のために諦めなかった姿が強く印象に残っています。精神病院という舞台設定も、権力の恐ろしさを際立たせていました。(50代 男性)


救いのない展開が続く中で、それでも希望をつなごうとするジヨンの姿に涙が止まりませんでした。社会の闇をえぐるようなストーリー展開で、観ていて苦しくなる瞬間も多かったですが、ラストは少しだけ救われました。(30代 女性)


ジヨン役の演技が圧巻でした。感情を押し殺した静かな演技から、激情をぶつける場面まで、すべてに説得力がありました。韓国社会の闇を鋭く描いた作品で、観た後しばらく考え込んでしまいました。(40代 男性)


「もし自分だったら」と考えずにいられない恐ろしさがありました。精神病院という閉鎖的な世界で、真実が無力化される絶望感。ナムス記者とのバディ感も絶妙で、ラストの展開には心から拍手を送りたくなりました。(20代 女性)

映画『消された女』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『消された女』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

殺人の追憶

この映画を一言で表すと?

「未解決事件に翻弄される男たちの絶望と執念」

どんな話?

1980年代の韓国で実際に起きた連続殺人事件を題材に、無力感と焦燥に駆られながら犯人を追う刑事たちの姿を描くサスペンスドラマ。正義とは何かを問う、心に深く刺さる傑作です。

ここがおすすめ!

静かに胸をえぐるような余韻が、『消された女』と通じるものがあります。権力、絶望、真実への執念が交錯する重厚なストーリーに、観た後もしばらく心をつかまれ続けることでしょう。

7番房の奇跡

この映画を一言で表すと?

「冤罪と親子愛が胸を打つ、涙なしでは観られない感動作」

どんな話?

知的障害を持つ父親が冤罪で投獄され、娘との絆を守ろうと奮闘する物語。刑務所内で仲間たちと築かれる温かい交流と、切ない運命を描きながら、社会の理不尽さにも鋭く迫ります。

ここがおすすめ!

冤罪や社会的弱者への視線が丁寧に描かれており、『消された女』が持つ”闘う者たち”のテーマとリンクします。涙なしでは見られない感動と、静かな怒りが共存する作品です。

目撃者(The Witness)

この映画を一言で表すと?

「見てしまった恐怖と、誰も助けてくれない孤独」

どんな話?

夜中に起きた殺人を目撃してしまった男が、自分の身を守るために黙り込む恐怖を描くサスペンススリラー。加害者に脅え、周囲も冷たくなる中で、孤独な戦いが始まります。

ここがおすすめ!

無関心と恐怖に囲まれる閉塞感が圧倒的。『消された女』同様、理不尽な状況下で必死に抗おうとする人間のリアルな葛藤が描かれています。静かだけど恐ろしく引き込まれる一本です。

隠された時間

この映画を一言で表すと?

「子どものまま心を閉ざした男と少女の、幻想と現実の狭間」

どんな話?

失踪した少年が突然大人の姿で戻ってくるという不可解な事件を描いたミステリードラマ。ファンタジー要素を交えながら、喪失と再生を静かに語りかけます。

ここがおすすめ!

「信じてもらえない痛み」というテーマは、『消された女』にも共通。ミステリアスでありながら、心にじんわりと染みる余韻を味わえる作品です。優しいけれど切ない物語に惹かれる方におすすめ。

トガニ 幼き瞳の告発

この映画を一言で表すと?

「見過ごされてきた闇を暴き出す、衝撃の実話映画」

どんな話?

ろう学校で起きた児童虐待事件を題材に、真実を隠蔽しようとする大人たちに立ち向かう教師の姿を描いた衝撃作。実際の社会問題を基にした、痛切なヒューマンドラマです。

ここがおすすめ!

強い社会的メッセージと、声なき者たちへの深い共感が光ります。『消された女』のように、権力に抗い声を上げるテーマに心を打たれた人には、絶対に観てほしい作品です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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