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映画『キカイダー REBOOT』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キカイダー REBOOT』の概要:日本政府は最先端のロボット開発に力を入れることを発表した。そのプロジェクトの責任者として、光明寺信彦が任命された。信彦は平和的利用を目的にアンドロイドを開発していたが、実際の目的は信彦の思想とは大きく異なるものだった。

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映画『キカイダー REBOOT』の作品情報

キカイダー REBOOT

製作年:2014年
上映時間:110分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
監督:下山天
キャスト:入江甚儀、佐津川愛美、高橋メアリージュン、原田龍二 etc

映画『キカイダー REBOOT』の登場人物(キャスト)

ジロー / キカイダー(入江甚儀)
光明寺信彦が作ったアンドロイド。良心回路が組み込まれており、人間を助けることが自分の使命だと思っている。光明寺信彦の娘のミツコと息子のマサルを守るよう、プログラミングされている。
光明寺ミツコ(佐津川愛美)
光明寺信彦の娘。大学生。仕事人間で家族を顧みなかった父に、嫌悪感を抱いている。やりたいことや好きなことが見つからず、流されるように日々を送っている。弟のマサルが反抗的なため、上手く接することができず悩んでいる。
光明寺マサル(池田優斗)
光明寺信彦の息子。ミツコの弟。光明寺信彦の研究データが体内に隠されているため、椿谷達に執拗に狙われる。
マリ(高橋メアリージュン)
ギルバート神崎が作ったアンドロイド。ジローよりも優れた戦闘能力を持っている。
ギルバート神崎 / ハカイダー(鶴見辰吾)
光明寺信彦のアシスタントとして、アメリカからやって来た研究員。光明寺信彦をライバル視している。ロボットに良心はいらないと言う光明寺信彦とは相反する考えを持っており、度々ぶつかるようになる。
光明寺信彦(長嶋一茂)
機械工学において、優秀な研究員。政府が押し進める最先端のロボット開発の「ARKプロジェクト」の主任研究員。
服部半平(原田龍二)
ネットジャーナリスト。研究中に事故死した光明寺信彦のことで疑問を抱き、光明寺ミツコを付き纏うようになる。副業で恋愛小説を書いている。
椿谷(中村育二)
国防大臣。「ARKプロジェクト」を推し進めている責任者。「ARKプロジェクト」の表向きの目的は、人間では解決できない物理的な問題が解決できるアンドロイドを開発するためとしているが、裏では有事の際、兵器となり先兵となる人造人間の開発を目的としている。
前野究治郎(伴大介)
光明寺信彦の恩師。心理学者。「感情こそが全ての構造の源である」という思想を持っている。光明寺信彦がこの思想を機械工学に取り入れた結果に誕生したのが、アンドロイドのジローである。

映画『キカイダー REBOOT』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キカイダー REBOOT』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キカイダー REBOOT』のあらすじ【起】

日本の社会では原発事故の修理を始め、福祉・介護の世界でも現在の既存のシステムでは賄えない部分が出ていた。そこで、内閣総理大臣の田部慎之介は、最先端のロボット開発に力を入れることを発表した。その開発プロジェクトは、「ARKプロジェクト」と名付けられた。光明寺信彦はARKプロジェクトの主任研究員として、人間では解決できない問題に対処するアンドロイドを開発するため、尽力を尽くした。

光明寺信彦はアンドロイドを、平和的利用を目的に開発していた。だが、アメリカからやって来た科学者のギルバート神崎は、アンドロイド達を戦わせ、戦闘能力で優劣をつけていた。ギルバート神崎は信彦とは違い、軍事的にアンドロイドを利用しようとしていたのだ。

大学生の光明寺ミツコは父の信彦が亡くなったため、弟のマサルと2人だけの家族になってしまった。しかも、記者の服部半平に父のことで付き纏われるようになる。父は研究中に事故死したのだが、ARKプロジェクトは中止されず続行されていた。服部はそのことに疑問を抱いているのだ。だが、ミツコは仕事ばかりで家族をほったらかしにしていた父についてあまり良い感情を抱いていなかったため、服部の話に興味を持てなかった。

ミツコが家にやって来た服部とインターホン越しに応対していると、マサルの悲鳴が聞こえてきた。ミツコが急いで部屋に向かうと、マサルは窓を突き破って現れた覆面を着けた人物に連れ去られそうになっていた。ミツコはマサルを助けようとして、一緒にマンションの屋上に連れて行かれる。ミツコ達が訳が分からず戸惑っていると、突然青年が現れ助けられる。その青年は体で弾丸を弾き、ミツコとマサルのことを守った。倒した敵が再び立ち上がって襲って来たため、その青年は体を機械化させて戦った。覆面を着けた人間達を追い返すことには成功するが、巨大な機械で出来た化物が現れ、再び襲われる。青年はミツコ達のことを守りながら、化物を倒した。機械化を解除した青年が近寄って来るが、ミツコは怖くなり、思わず来ないでくれと叫んでしまう。そこに、騒動を聞きつけた服部が現れ、ミツコ達は保護される。

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映画『キカイダー REBOOT』のあらすじ【承】

昨日ミツコ達を助けたのは、ARKプロジェクト研究所から行方をくらませていたジローだった。ジローは信彦が作ったアンドロイドで、良心回路が内蔵されており、ギルバート神崎が作ったマリとは異なるプロトタイプだった。国防大臣の椿谷は信彦の研究データを収めた“光明寺ファイル”を探しており、マサルのことを必要としていた。だが、ギルバート神崎は“光明寺ファイル”を無視して、優れたアンドロイドを開発すればいいのではないかと進言した。しかし、椿谷はギルバート神崎よりも信彦の方が優れていると思っていたため、その訴えを却下した。

ミツコとマサルが服部の部屋を出て外を歩いていると、スーツを着た男達に追いかけられる。逃げ惑っていると、再び昨日の青年が現れ助けられる。その青年はジローと名乗り、機械であることを認めた。ジローは信彦によって、機能が停止するまでミツコ達を守るようプログラミングされていた。だが、ミツコは機械のことなど信用できないと、ジローと一緒にいることを嫌がった。

椿谷はロボット開発に力を入れていることについて、田部首相から苦言を受ける。物を作ることよりも、景気の回復の方が大事だと言うのだ。だが、椿谷は国を守るためには、危険な場所にも行けるアンドロイドの開発が何よりも大事だと考えていた。椿谷は開発スピードを上げるために、ギルバート神崎をARKプロジェクトのチーフに任命することを決める。

映画『キカイダー REBOOT』のあらすじ【転】

ミツコとマサルはジローに提案され、敵に見つからないようにするために野宿をすることになった。ミツコは不満を抱くが、マサルはジローと海で遊び、いつもよりとても楽しそうにしていた。ミツコ自身も紅葉を見て微笑んでいると、ジローからその紅葉を切ってプレゼントされる。だが、ミツコは「嬉しいけど、生きているモノは傷つけない方がいい。機械じゃないから」と言って憎まれ口を叩いてしまう。その日の夜、ミツコは言い過ぎたと思い、ジローに謝罪した。そして、守ってくれていることに感謝をした。ジローは「この体止まるまで君達を守る」と伝えた。その時、ミツコは幼い日に父から貰ったロボットも、同じセリフを言っていたことを思い出す。ミツコはジローに対して特別な思いを抱きかけていたが、ジローがアンドロイドであることを再認識し、悲しくなる。

ミツコ達が野宿をしていると、マサルが覆面を着けた人達に攫われてしまう。ジローは覆面達と戦いマサルを救出するが、そこにアンドロイドのマリが現れる。ジローはマリと戦うが、やられてしまう。マリはマサルの体に隠されたデータが必要であることを話し、ミツコとマサルに近づいてきた。ミツコがマサルの体を抱きしめて怖がっていると、ジローが再び立ち上がりマリと戦った。ボロボロになりながら戦う姿を見て、ミツコは悲しくなって止めてくれと叫んだ。しかし、ジローは戦うのを止めずマリに向かって行き、腕をもぎ取られてしまう。ミツコ達はジローに止めを刺そうとしたマリを止め、ついて行くことを条件にジローを助けてもらった。

ジローがもげた腕を持ってフラフラになりながら歩いていると、信彦の知り合いである前野究治郎に助けられる。前野はジローの良心回路について、自分の思想を信彦が具現化させたものであることを話した。前野は心理学者で「感情こそが全ての構造の源である」という思想を持っており、それを信彦が機械工学に取り入れたのだ。

研究チームが“光明寺ファイル”を発見したため、椿谷は“光明寺ファイル”を使って研究を進めるようギルバート神崎に指示を出した。だが、ギルバート神崎は自分の力が認められていないことに腹を立て、全てを破壊しようと密かに企てる。

前野はジローを服部に預けた。服部は機械に詳しい知り合いの本田宗五郎を頼り、ジローを修理してもらった。服部は調べを進め、ジローが光明寺信彦が作ったアンドロイドであることを突き止めていた。ARKプロジェクトは表向き人間達を助けるロボットの開発となっていたが、実は有事の際、兵器となり先兵となる人造人間の開発を目的としていた。しかも、信彦はその事実を知り、研究から抜けようとしていた。信彦は子供達と研究データを守るため、マサルの体に秘密のファイルを移植し、ジローに守らせていたのだ。

映画『キカイダー REBOOT』の結末・ラスト(ネタバレ)

ミツコ達は無事に解放され、ジローは任務を終えることになった、ミツコはアメリカに留学に行くことが決まっていたが、ジローのことが忘れられず複雑な思いを抱えていた。ジローもミツコに声を掛けることなく、遠くから見守っていた。そんなある夜、ジローはハカイダーと名乗るアンドロイドに襲われる。ハカイダーの語り口を聞いたジローは、ハカイダーがギルバート神崎であることに気づく。ギルバート神崎は自分の脳を機械に移植していた。だが、ジローにとってギルバート神崎は人間という認識のため、戦うことができず攻撃を止めてしまう。ギルバート神崎はジローに止めを刺そうとするが、マリが自分を止めにやって来た気配を感じ、ジローを始末せずにマリの元に向かった。

ARKプロジェクト研究所で大規模火災が発生した。暴れているのはハカイダーで、事態の収拾に向かった自衛隊も歯が立たない状態だった。ニュースでそのことを知ったジローは、自分の能力を上げることはできないか本田に尋ねた。本田には能力を上げることはできなかったが、力を抑制している回路を外すことはできた。だが、その回路は良心回路だった。

ジローは体を機械化させ、ハカイダーと相対した。ハカイダーは戦う前、自分が信彦を始末したことを打ち明けた。ジローはそのことに衝撃を受けながらも、ハカイダーに向かっていき、死闘を繰り広げた。その頃、ミツコは空港行きのバスに乗ろうとしていたが、服部とマサルに呼び止められ、ジローが戦っていることを教えられる。だが、ミツコは一緒に行くことを拒み、バスに乗り込んだ。だが、ジローに貰った紅葉の葉を見て考え直し、バスを降りてジローの元に急いだ。

ミツコは戦わないでくれとジローを説得するが、ジローは人々の心を守りたいからと、戦いを止めようとしなかった。それに腹を立てたハカイダーは、良心回路を狂わす電磁波を出した。ジローはミツコを襲いそうになるが、必死に耐えた。そして、自ら良心回路を切り、ハカイダーに向かっていった。ジローは機械の任務としてではなく、自分の意思で人間を守ることを決めたのだ。

ジローはハカイダーを倒すが、ギルバート神崎の心を改心させられなかったことを悔いていた。ミツコはそんなジローに、自分達は何度も助けられたと感謝を示した。ジローはミツコを抱きしめようとするが、そのまま倒れてしまう。ジローの体は、戦いによってボロボロになっていた。そして、ミツコの腕の中で、ジローは活動を停止した。ミツコはジローを抱きしめながら、いつか父のような研究員になり、ジローを直すことを誓った。

映画『キカイダー REBOOT』の感想・評価・レビュー

石森章太郎原作、キカイダーの誕生を描いた作品。良心回路を持ち、人間を守る事を使命だと信じているアンドロイドのジロー(キカイダー)が、自身を作った張本人、光明寺信彦博士の娘ミツコとマサルを守る為に自分を犠牲にしながら戦っていく中で、当初は家庭を顧みない父親を嫌っていたミツコが徐々にジローに心を開いていくのだが、ジローの後に作られた良心回路を持たないアンドロイドマリや、ハカイダーといった強敵が現れ、窮地に陥ってしまう。さらなる力を追い求めた結果、ミツコ達と自身を繋いでいた良心回路を切り、闘いに挑む。辛くも戦いに勝利するも満身創痍のジローはミツコに見守られながら活動を停止する。最終的にその姿にミツコは感銘を受け、自身も父親のような研究員になると誓うのである。最後に父親のやった事が報われるような終わり方となっており、大きな家族愛に触れる事のできる作品である。(男性 30代)


石ノ森章太郎原作の『キカイダー』というヒーローを知らなかった私は、子供向けのストーリーだと思って鑑賞しましたが、想像を遥かに超える大人向けのストーリーで、いつの間にか感情移入してしまいラストは涙が零れそうになりました。
「良心」を持ったアンドロイドであるジローは彼を作った博士とその家族を守るようにプログラムされてます。アンドロイドであるはずなのに「愛」をも感じさせる彼の姿からは、人間らしさを感じることも出来、ラストシーンでは自分の命を犠牲にすることで「家族愛」を教えてくれました。(女性 30代)

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