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映画『キラー・メイズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キラー・メイズ』の概要:30代になっても大人になり切れないデイブは、現状を打開するため、3日間ぶっ通しで段ボールの迷路作りに没頭する。ところがそれは、モンスターが徘徊する殺人迷路と化し、彼自身が出られなくなってしまった。

映画『キラー・メイズ』の作品情報

キラー・メイズ

製作年:2017年
上映時間:80分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、アドベンチャー
監督:ビル・ワターソン
キャスト:ミーラ・ロヒット・クンバーニ、ジェームズ・アーバニアク、ステファニー・オーリン、カーステン・ヴァングスネス etc

映画『キラー・メイズ』の登場人物(キャスト)

デイブ(ニック・スーン)
うだつの上がらないアーティスト。これまで何かを最後までやり遂げたことがなく、そんな自分に嫌気が差し、誰も作ったことのない段ボールの迷路を作る。しかしその中は、彼の脳内が反映された異世界の迷路となり、自ら迷い込んで抜け出せなくなってしまう。
アニー(ミーラ・ロフィット・カンブハニ)
デイブの恋人。いつまでも子供っぽいデイブに呆れながらも、迷路から出られないデイブを助けるため、ゴードンたちと迷路に入る。
ゴードン(アダム・ブッシュ)
デイブの友人。アニーと一緒に迷路に入る。デイブが何かをやり遂げようとしていることに感心し、興味津々で迷路に入る。
ハリー(ジェームズ・アーバニアク)
デイブが連れてきた、ドキュメンタリー映像を制作するディレクター。カメラマンと音声と一緒に迷路に入り内部の様子を取材する。デイブたちのインタビューを試みる。

映画『キラー・メイズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キラー・メイズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キラー・メイズ』のあらすじ【起】

30歳を過ぎても大人になり切れないデイブ。段ボールの迷路を3日間作り続け、その中から出られなくなっていた。恋人のアニーが帰宅すると、段ボールの中から「迷子になった」と叫ぶデイブの声を聞こえてくる。内側から外に向けて継ぎ足すように作った迷路の中は、想像以上に大きくて出られないのだとデイブは言った。

彼の理解しがたい言動に、どっと疲れるアニー。しかし、段ボールを外側から揺らすと、中から異常に大きな音が響いたため、彼女はただ事ではないと気付く。呼び出されたデイブの友人のゴードンは、彼はハウスを見て感心する。なぜなら、これまで何一つ「やり遂げる」ことができなかったデイブが、生まれて初めて何かをやり遂げようとしていると感じたからだ。興味の沸いたゴードンは、他の友人も集めることにした。

映像ディレクターのハリーやカメラマンも含めた10名近くが集まり、段ボールハウスに入った。中に入るとみるみる天井が高くなり、見た目以上の大きさに広がった。そしてデイブの言った通り、ハウスの中は先の見えない迷路となっていた。

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映画『キラー・メイズ』のあらすじ【承】

アニーたちはデイブを捜すため、迷路の奥へ進んだ。大きなトランプの壁、キーボードの廊下など、デイブが制作した段ボールアートの数々を通り抜けると、巨大な顔面の化け物の部屋に辿り着いた。すると突然、大きな折り鶴がアニーたちに襲いかかってきた。

折り鶴の攻撃を振り切り、ひと休みするアニーたち。こんな異常な状況下で、ハリーはアニーにインタビューをしようとする。カメラを向けられ、的外れな質問をされて戸惑うアニー。そこに迷路を満喫している女友達のジェーンが現れて、足元にあった罠のスイッチを踏む。するとカラクリが作動し、ジェーンの頭は紙の斧でバッサリ切り落とされてしまう。彼女の首からは、血の代わりに赤い毛糸が吹き出していた。

段ボールの罠はさらに続き、カップルでやって来たグレッグとブリンは別の罠にかかり、グレッグの体が穴だらけとなる。アニーは早くこの場から逃げようと、カッターナイフで壁に穴を開けようとしたが、そこになぜか半人半牛のミノタウルスが現れて襲いかかる。ブリンは連れ去られ、アニーとゴードンとハリーやカメラマンは必死で逃げた。するとそこで、ようやくデイブと会う。

映画『キラー・メイズ』のあらすじ【転】

デイブとアニーたちはトリックアートの部屋に逃げ込んだ。遠近法を利用した錯覚の部屋でしばらく遊んだ後、デイブは皆を抜け道に案内する。抜け道の排水管から転がり落ちると、全員が段ボールのパペット人形に変身していた。紙芝居の一部となった全員だったが、ミノタウルスに追われて次の穴に飛び込むと、人間の姿に戻った。

デイブはその場しのぎで壁を作り、ミノタウルスの侵入をひとまず防いだ。この迷路から抜け出すには、最後まで完成させるのが解決策だとデイブは考えたが、今は逃げるのが先だった。映写機が置かれた暗室で、モノクロ映像の上映を見た後、彼らの前に女性器をイメージしたトンネルが出現する。アニーは怪しく光るそのトンネルに入ろうとしたが、デイブは止めに入る。このトンネルは、人間を段ボール化する罠であった。そんなデイブの左腕は、すでに段ボールとなっていた。

ハリーはデイブにインタビューを始める。彼は大人になれない自分が嫌であり、ただ何かを作りたかっただけだと言い、本当は傑作が生まれるはずだったんだと悔やんだ。そこにミノタウルスが現れたため、彼らは再び逃げる。ゴードンは迷路の中心部を壊そうと提案するが、デイブは壊されるのが嫌だから中心部は作っていないのだと打ち明ける。

映画『キラー・メイズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

先を進むデイブたちは、全身段ボール姿となったブリンを見つける。彼女はハイタッチを求め続ける操り人形となっていた。彼女は突然、「人生は不完全な瞬間の積み重ねだ」という意味深な発言をすると、再びハイタッチを繰り返し始めた。

デイブは自分の手で迷路の心臓となる「さなぎ」を作り、迷路の中心に置くことを思い付いた。すると突然、デイブとアニーはループの世界に迷い込む。何度も朝食シーンを繰り返した後、どうにかループを抜け出した2人は、さなぎ作りに取り掛かった。

その間、ハリーはブリンの取材を続けていたが、人間を掴めるほどの巨大な手に襲われ、カメラマンが穴に落ちる。一方デイブは、ついにさなぎを完成させた。高速の回転盤に乗せると、それはあたかも動いて見えるゾートロープとなった。その回転が頂点に達した時、デイブは日本刀でさなぎをバッサリ切り捨てた。

中心部を壊された段ボール迷路は、大きな音を立てて崩壊する。デイブとアニーはアパートに戻るが、デイブの左手は、段ボールのままだった。ハリーと音声係とゴードンも助かるが、他の者たちの姿はない。彼らは部屋に散らかった段ボールを片付け、ゴミ集積場に捨てる。すると、そのゴミの中からミノタウルスが現れて、指でILY(I Love You)サインをするのだった。

映画『キラー・メイズ』の感想・評価・レビュー

大人になれない主人公が、巨大殺人迷路を作ってしまい、迷路から出るために自分の殻を打ち破るというストーリー。しかしこの映画の主役は、段ボールそのものだ。段ボールというのは味わいや温もりがある。工夫を凝らした段ボールアートがふんだんに盛り込まれ、見ているだけで十分楽しい。床、壁やカラクリ、そして人間までも全て段ボールで表現しようとする、制作会社の心意気にも感心する。後日、またあの段ボールを見てみたいと思えるような映画だった。(MIHOシネマ編集部)


ホラーという表記があったため、期待して鑑賞しましたが、想像とは全く違う作品で良い意味で裏切られました。
正直、この作品にホラー要素はありません。自分自身がよく分からなくなってしまう怖さや、一生この迷路から抜け出せないのではないかという精神的な恐怖心は感じるものの、助けに来てくれる友人の存在や、自分自身の殻を破ることが出来た達成感など、怖さよりも勇気や希望のような明るいものを感じとることが出来ました。
ものづくりが好きな人がワクワクするようなシーンの連続なので、子供が見ても楽しめるのではないでしょうか。(女性 30代)

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