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映画『いばらの王 King of Thorn』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『いばらの王 King of Thorn』の概要:突如、世界中に石へと変貌し死に至る奇病が蔓延。治療法を確立するため、コールドスリープのカプセルに入った少女。次に目覚めた時には世界が一変していた。メデューサという病の謎を巡るSFアクションアニメ。

映画『いばらの王 King of Thorn』の作品情報

いばらの王 King of Thorn

製作年:2010年
上映時間:109分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス、アニメ
監督:片山一良
キャスト:花澤香菜、森川智之、仙台エリ、大原さやか etc

映画『いばらの王 King of Thorn』の登場人物(キャスト)

カスミ・イシキ(花澤香菜)
メデューサに罹患した少女。シズクとは双子の姉妹。メガネをかけ、気が弱い。シズクとの間にトラウマを持っている。
マルコ・オーエン(森川智之)
イギリス軍少尉。全身にタトゥーを入れており、粗野な物言いが特徴。メデューサとヴィナスゲートについて調査するため、身分を隠しコールドスリープに入る。タフで頼りになる存在。妹についてトラウマを持っている。
シズク・イシキ(仙台エリ)
カスミとは双子の姉妹。快活な性格。カスミに再会を約束するが、実はメデューサの適合者で、後にいばらの王となる。

映画『いばらの王 King of Thorn』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『いばらの王 King of Thorn』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『いばらの王 King of Thorn』のあらすじ【起】

2012年12月、ニューヨーク。原因不明の病が発生。政府は人の身体を石へと変化させてしまうこの病を、メデューサと名付けた。原因不明のために治療法も特定できず、病はS級伝染病と認定される。
メデューサは30日から60日の潜伏を経て、その後12時間で石化。致死率は100パーセント。感染は瞬く間に広がり、世界は混乱の渦へ落とされた。

そんな中、科学研究会社ヴィナスゲートはコールドスリープにより、未来に治療法の確立を目指すことを推奨。しかし、コールドスリープの枠は160人までと決まっていた。
国家安全保障はこれを取り入れ、プロジェクトを執行。画して世界中から160人の人選が行われる。それは子供から大人まで、年齢も様々だった。

2015年10月、スコットランドに選ばれた160人と付き添い人が到着。その中には双子の女子高生、カスミとシズクも入っていた。コールドスリープに選ばれたのは、メガネをかけたカスミの方で、左手首に認証ブレスレットを装着後、双子は離れ離れとなった。

コールドスリープと城の維持はアリスというシステムが行い、期間は100年以上が可能だと言う。そして、認証ブレスレットを持つ者は、アリスによって保護対象と認識される。
カスミはこれから100年、眠り続ける。双子のシズクとは恐らく、もう会うことはないのだろう。分かってはいたが、2人は再会を約束して別れた。
諸手続きを経て、カプセルへ。アリスの案内でカスミは目を閉じた。

夢の中で、シズクに生きろと言われて目を覚ましたカスミ。起き上がると薄暗い施設内には、太い茨の蔦が生い茂っていた。時が来たのか、次々にカプセルが排出され覚醒を促す。目覚めた人々は状況が掴めずにいた。

それらを茫然と見ていたカスミ。自分も下へ降りようとするが、飛んで来た鳥のような生物に驚愕し落下。どうにか怪我をせずに降りるが、カスミの悲鳴で鳥のような生物が大群で押し寄せて来る。

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映画『いばらの王 King of Thorn』のあらすじ【承】

生物が人を襲うことを知り、慌てて逃げ惑う患者達。だが、エレベーターは機能しておらず、下では見たこともない生き物が罠を張っていた。生き残ったのは、たったの7人。内1人は幼い少年だった。
外では見たことのないモンスターが闊歩しており、自分達はメデューサに罹患している。しかも、施設が機能していないということは、もうカプセルにも戻れない。
7人は議論の末、施設の上部へと向かった。

海水の冷却装置を見に来たところで、1人がモンスターに殺される。川に飛び込んだ5人は助かるが、カスミは泳げずに溺れかける。全身にタトゥーを入れたマルコに助けてもらった。しかし、息つく間もなくモンスターの群れに襲われて走る。銃を見つけて、どうにかモンスターを倒し防御扉を閉鎖した。
倒れたモンスターが突如、石化。メデューサは人間にしか感染しないと言われていたが、恐らくは突然変異するほどの時が、経過しているのだろうと推察される。

一先ずは、安全な部屋に避難した一行は、情報を集める。だが、有力な情報は集まらない。そんな時、マルコが生き残りの中に健常者を見つける。メガネの技師だ。彼は咄嗟にカスミを人質にして逃亡。残されたマルコ達は装備を整える。そして、モニターからコールドスリープに入ってまだ、たったの2日しか経っていないことを知る。

その頃、カスミは地揺れの反動で意識を失っていた。その間に過去の記憶を夢に見る。彼女の傍には、いつだって双子の姉シズクがいた。
目が覚めたカスミは室内に並ぶ水槽を見る。その中には、モンスター成れの果てのような生き物が安置されていた。
奥の部屋から声がしたため、そちらへ向かって話を盗み聞いた。

映画『いばらの王 King of Thorn』のあらすじ【転】

マルコと技師が会話している。技師の男はカプセルの開発者だった。彼はヴィナスゲートが密かに研究していたデータをメモリーにコピーし、カスミに託す。そして、彼女を庇ってモンスターにやられてしまった。

運良くマルコが助けに入り、逃げ延びるカスミ。マルコには助けられてばかりである。襲い来るモンスターから2人は逃げ続けた。しかし、カスミがメモリーを落としてしまい、証拠が燃えてしまう。

他の仲間と合流したカスミ達。そこで、マルコがイギリス軍の少尉であることが明かされる。彼はヴィナスゲートを、バイオテロの容疑で調査していたのだった。
地震が多発していた。その拍子に、避難場所の扉が開いてしまう。急いで閉めるも、扉からヴィナスゲートのリーダーが飛び込んで来る。一行は彼から事情を聞きながら、移動することにした。

8年前、流星群が空を走った。その直後、近くの村が奇病で全滅。生き残ったのは、1人の少女だけだった。奇病は後にメデューサと呼ばれるようになるが、それと同時に現れたUMAの方が問題だった。リーダーは調査を続け、UMAが少女の空想から具現化したものと想定。更に調査を進めた結果、メデューサは高度な精神活動を有する生物に干渉し、進化を促す存在であることが分かった。リーダーはメデューサに罹患した患者を集め、一気に進化を促すことにしたのだった。

コールドスリープ起動直後、1人の少女がラボに運び込まれた。少女は2人目の適合者で発するエネルギーは膨大だった。故に暴走しそして、それは今も尚、継続中なのだった。リーダーは連続する地響きで、瓦礫に埋もれてしまう。

前方に立ち塞がったモンスターを倒すために、黒人の男性が犠牲になる。
そうしている間に、少年は出口へとひた走った。カスミ達は下方に溜まり続ける海水に飛び込む。しかし、流木にぶつかって意識を失ってしまうカスミ。またもマルコに助けられた。
ようやく外へ脱出した一行。そこで、変わり果てた城を目にする。
彼らは城へと近付くが、そこは茨の蔓で覆われ、再び中へ入ることもできそうになかった。

映画『いばらの王 King of Thorn』の結末・ラスト(ネタバレ)

シズクと約束をした場所に向かったカスミは、そこで撮影クルーの機材を発見。記録からシズクが適合者であることを知り、単独で城へ向かった。
彼女はマルコの制止を振り切って城内へ。茨の蔓が意志を持って暴れ狂う。そして、巨大なモンスターと化して空に羽を広げた。それはまるで、いばらの王のようだった。

カスミは城内のメインコンピューターでシズクの居場所を調べる。
ヘリに乗り込み、カスミの救出へ向かおうとしていたマルコは、茨に攻撃されて城内へ舞い戻る。少年と女性はヘリと共に墜落してしまった。

カスミと合流したマルコは、共にシズクの元へ向かう。塔の上、レベル0のラボにいるはずだった。
しかし、中へ入るとそこは、コールドスリープの施設。マルコは妹の姿をしたアリスと問答する。彼は自らの首筋に埋め込まれた生体チップを取り除き、夢から覚めることができた。
そうして、適合者を制御するアリスの機能を停止する。

適合者として、茨を這わせるシズクの姿を見たカスミは、繰り返し似たような夢を見せられていたが、現実を受け止めて覚醒。たった1人の家族であるシズクを救おうとする。
恐らくこれは、適合者であるシズクの夢が具現化しているのだ。カスミは必死に声を掛け続け、台座に横たわる少女を見た。しかし、少女には自分と同じ傷痕がある。これにより、カスミは自分が死んだことを思い出した。

丘の上で約束をした際、カスミはシズクと揉み合いになり、崖から落下して死亡していたのだ。ショックを受けたシズクは、一気に進化し暴走。そして、夢によりカスミを生み出したのだった。シズクは嫌がる半身を助けるため、無理矢理に引き剥がして投げ飛ばす。

吹き飛ばされたカスミを、すかさずマルコが受け止めた。意志を取り戻した茨の城は、脆くも崩壊していく。シズクは落下していくカスミとマルコを、最後の力を振り絞って助けた。
その後、マルコはカスミに、孤独になっても後に残る誰かを励ます存在になれと言葉を残し、息を引き取る。

生き残った少年と手を繋ぐカスミ。彼女は少年の両親がいるところへ、誰かの願いがあるところへ2人で向かおうと言い、歩き始めた。

映画『いばらの王 King of Thorn』の感想・評価・レビュー

マルコが良い男すぎて、ラストで息を引き取ったところが悲しすぎた。もう少し救いがあれば良かったなと個人的には思った。見終わった後、陰鬱とした気持ちになった。物語のスタートから多くの人が殺され、グロいシーンが多かったと思う。メデューサという奇病や化け物の存在など、謎が少しずつ解き明かされていくのはおもしろかった。でも、万人受けするような作品ではないと思う。サスペンスやSFが好きな人向けで、一人でじっくり楽しむ作品。(女性 30代)


原作は漫画家、岩原裕二の『いばらの王』で、今作には童話『いばら姫』の要素をアレンジして加え、CGとセルの融合によって制作されている。スペインやベルギー、イギリスなど各国で開催された映画祭へ選出・出品され高い評価を得ている。
主人公は双子のうちの1人だが、終盤で彼女の正体が判明するという展開には非常に驚かされた。かつ、少女をことある毎に助けるイギリス軍少尉が酷く男前でタフ。いつ死んでもおかしくない状況でありながらも、最後まで生き残るしぶとさが凄い。夢を具現化する能力により茨の王ができあがるのだが、具現化された生物は創造主が亡くなっても生き続けるのかと不思議に思った。高評価も頷ける良作。(女性 40代)


『眠れる森の美女』のお話を知っていますか?「いばら」に「眠りにつく少女」というあらすじをサラッと見た状態で、勝手に『眠れる森の美女』をイメージして鑑賞してしまったので、全く違った世界観やストーリー展開に驚きました。
病気が蔓延した世界で、感染を防ぐために「コールドスリープ」という特殊な眠りにつくという手段を取るストーリー。抽選で選ばれた人間が目を覚ました世界は想像もしないものでした。
こういう作品はどれも同じように思えてしまってなかなか見ないのですが、実際に鑑賞してみると世界観やストーリーもしっかりしていて奥が深いなと感じました。(女性 30代)

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