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映画『キンキーブーツ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『キンキーブーツ』の概要:2006年公開のイギリス映画。実在の紳士靴メーカーがモデルになっており、起死回生のためにドラッグ・クィーン用のブーツを作ることにしたオーナーとドラッグ・クィーンの友情を描いたハートフル・コメディ。

映画『キンキーブーツ』 作品情報

キンキーブーツ

  • 製作年:2005年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:ジュリアン・ジャロルド
  • キャスト:ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ジェミマ・ルーパー etc

映画『キンキーブーツ』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『キンキーブーツ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『キンキーブーツ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『キンキーブーツ』 あらすじ【起・承】

ノーサンプトンは田舎町であった。
伝統のある靴工場の跡取りであるチャーリーは、煮え切らない優柔不断な男。
今度ロンドンに転勤になる恋人と一緒に街をでようと思っていた。
しかしロンドンに着くやいなや、父親の訃報が飛びこむ。

急いで帰国。
こうして彼は、不本意ながら4代目社長を引き継いだのだった。
蓋を開けてみると工場経営はうまくいってなかった。
気が弱くてリストラすることも、立て直す方法もアイデアも知らないチャーリー。

ある日彼は街で男性に絡まれている女性を発見し、助け出そうとする。
しかし相手の方が強くやられてしまった。
気を失い気がついた時、ローラというドラッグ・クィーンが立っている。
チャーリー助けた女性は、ドラッグ・クィーンだったのだ。

最初は動揺するチャーリーだったのだが、彼はあることに注目する。
それはローラが履いているブーツだった。
元々女性用に作られているものであるため体重が支えられずヒールは折れ、足の形にも慣れずフィットしていないのである。
チャーリーはひらめいた。
彼(彼女)ら向けの靴を作ったら、流行るかもしれないと。

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映画『キンキーブーツ』 結末・ラスト(ネタバレ)

チャーリーは早速とりかかった。
信頼できる従業員を呼び戻し、ローラをデザイナーとして雇った。
しかし工場の従業員は納得いかない。
何せ田舎の靴工場、ドラッグ・クィーンへの偏見が強かった。
そしてローラは自分の生き方に信念を持っている。
そのせいで気が強く、自己主張もするため打ち解けることが難しかったのである。

ある日男性従業員からの嫌がらせが酷くなり、ローラはトイレに閉じこもってしまう。
そこでローラときちんと向き合って話し合ったチャーリーは、ローラの心の中の葛藤と苦しみ、生い立ちや過去など背負っているものを知り自分を振り返った。

目指すは1ヶ月後のミラノの見本市だった。
より良い物を求め試行錯誤する従業員達。
チャーリーは前の性格とは別人で、すっかり職人気質の譲らない男になっていく。
そんな彼の変化についていけない従業員達。
しかしローラは彼の真意を伝えるため、わざと彼の本心を引き出し工場内のスピーカーをオンにした。
チャーリーの純粋な工場への思いは従業員にも届いたのだった。

ミラノ前日。
チャーリーはローラを食事に誘う。
そこで恋人が男性といるのを発見した。
チャーリーはローラに八つ当たりをし、傷つけてしまう。

翌日、遂に見本市の日が来た。
ローラは出来上がったブーツをドラッグ・クィーンの仲間達と履きショーを見せる要諦である。
しかし昨日のことに腹を立てたローラは姿を現さない。
仕方なくチャーリーは自分がブーツを履いてステージに出ることに。
中々うまく歩けず、動揺を隠せないチャーリー。

そこへローラ達はやってきた。
見事なショーを見せてくれたローラ達。
快進撃を見せてくれたのだった。

映画『キンキーブーツ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『キンキーブーツ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

良質なコメディ映画

この映画はとにかく映画としての質が良い。
それは描きかたや展開が上品なのである。
優柔不断でやる気の無い青年が靴工場を継ぎ、どうしてよいかわからぬまま自分なりの思いや信念を持ち成長していく。

そこで思いついたドラッグ・クィーンの靴。
ここらへんから物語は盛り上がり、コメディ要素も強まってくる。
知り合ったローラはドラッグ・クィーンであり彼女を靴のデザイナーに就任させドタバタしながらミラノの見本市を目指すわけである。

このローラと工場のスタッフとのやりとりがどうでも良いようで、実は映画にスパイスを与えている。
ここですんなりスタッフが彼女を受け入れるということは、難しい。
人はそれぞれ価値観も違い、中には偏見や差別する人間もいるからだ。
このやりとりがあるからこそ、ローラの人となりが受け入れられる瞬間が温かいのだ。

そしてローラとチャーリーのやりとりも秀逸。
無駄な台詞が一切無く、簡潔、手短に進んで行く。
親切や情熱が押しつけがましく無いのだ。
ここが非常に好感を持て、共感をし、そして引きずり込まれていく。
まるで自分が物語の中の登場人物になったかのようである。

ラストシーンではローラの魅力も全開。
偏見や差別を見ている側も無くなっていることに気がつかされる。
この映画の脚本家は非常に賢く、まとめるのが上手いのだろうという印象を持つ。
それくらい上質で、台詞のチョイスにも優れ、上品である。


私がこの作品を知ったのは、俳優の三浦春馬さんが亡くなった時でした。彼がミュージカル『キンキーブーツ』でローラを演じていたことを知り、作品を鑑賞しました。
特別な感情を抱きながら鑑賞したので、思い出補正もあるかもしれませんがとにかく素晴らしくて、映画好きなら誰もが満足できる作品だと思います。
地味な田舎の靴工場と派手で煌びやかなドラァグクイーンの靴。交わることなんて絶対にないと思っていた正反対の物がひとつになった時、最高にかっこよくて、最高にハートフルな結末が待っています。(女性 30代)

映画『キンキーブーツ』 まとめ

ドラッグ・クィーンを題材にしているということで想像するコメディはもっとドタバタしたものではないだろうか?
しかし本作品はヒューマン・コメディであり、実は人間そのものを描いている。

見ていくとわかるが差別や偏見は誰にでもあり、それはドラッグ・クィーンだからというものでもない。
普通に暮らす人間でさえ差別され、失敗すると蔑まれるものなのだ。
それを強く表現している質の良い作品である。

笑いあり感動ありのハートフル・コメディ映画とはこの映画のことだろう。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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