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映画『金メダル男』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『金メダル男』の概要:子供の頃にかけっこで金メダルを手に入れて以来、1番になることにとりつかれてしまった男の話。何度も何度もくじけながらも、金メダルを目指し続ける男の人生の行く末とは?

映画『金メダル男』の作品情報

金メダル男

製作年:2016年
上映時間:108分
ジャンル:コメディ、青春
監督:内村光良
キャスト:内村光良、知念侑李、木村多江、ムロツヨシ etc

映画『金メダル男』の登場人物(キャスト)

秋田泉一(壮年期:内村光良 / 青年期:知念侑李)
1番になることに執念を燃やす男。ひとつのことにこだわらず、1番をとれるジャンルを探し続ける。
亀谷頼子(木村多江)
元・アイドル歌手だが、黒歴史だと思っている。泉一が有名になった時、マネージャーとして彼につくことになる。
横井みどり(土屋太鳳)
泉一の部活の後輩。部活動に熱心で、泉一には憧れているようだ。
村田俊太郎(ムロツヨシ)
劇団「和洋折衷」の団長。同性愛者。

映画『金メダル男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『金メダル男』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『金メダル男』のあらすじ【起】

1964年、東京オリンピックの年に秋田泉一は生まれた。9才の頃、小学校の運動会でかけっこの1等賞をとったことから金メダルの素晴らしさに目覚める。

絵や書道、工作など、あらゆる1等をとることに固執して神童と呼ばれるものの、中学生でその輝かしい経歴は途絶えてしまう。思ったよりも背が伸びなかったのである。

水泳部では溺れ、剣道部では好きな女子に負け、陸上部でも得意なはずだった短距離走でクラスメイトに勝つことができない。中学生活の間、泉一は何をやっても1等をとることができなかった。

高校に入学しても、諦めず1等ばかりを狙う泉一。成績での1位を目指していたものの、彼の頭では達成はかなわなかった。気付けば周りに友達はおらず、泉一はいつも一人で目標に挑んでいるのだった。

ある日、クラスメイトの竹岡が泉一に話しかけてきた。彼は映画館で泉一を見たらしく、映画について話しているうちに仲良くなることができた。泉一は、竹岡が所属しているバスケ部に入部することに決める。

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映画『金メダル男』のあらすじ【承】

結局バスケ部もうまくいかずにやめた泉一。目的が見つからないままで高校2年生となった彼は、アイドル・北条頼子の「私のサンクチュアリ」という曲に衝撃を受けて、自分を表現することを始めた。

立ち上げたのは「表現部」。詩や絵のときもあれば、俳句の時もある。文化祭で「坂本龍馬・その生と死」というパフォーマンスを披露した泉一は、それが受けたことで勢いを取り戻す。

やがて3年生になると後輩もできた。女子生徒の横井に惹かれていった泉一は、創作ダンスの練習中に彼女にキスをする。しかし次の日、彼女は退部。さらに後輩たちからも、そろそろ引退してほしいと言われるのだった。

高校を卒業して上京した泉一は、寿司職人に弟子入りした。仮装大賞、クイズ番組などあらゆるテレビ番組に応募していくがどれもうまくゆかず、ジャニーズ事務所にも入れなかった。結局寿司職人にもなることはなく、スカウトされた小さな劇団に入団する。

劇団では泉一は看板役者となるものの、ある日座長の村田に迫られて逃げ出す。翌日、座長は劇団を解散してしまった。

映画『金メダル男』のあらすじ【転】

泉一は、自転車で世界を回る旅を始めることにした。中国、ベトナム、ミャンマーと進むものの、使っていた自転車を盗まれる。その後も諦めずにアラスカ、ヨーロッパとあちこち進み、インド、タイ…と移動しながら様々なことに挑戦していた。

太平洋を横断していた泉一は、嵐に遭って海に落ちる。無人島に漂着し、絶体絶命な状況に陥ってしまったが、ピンチのたびに今までの人生経験をいかして乗り切る。遠くを船が通り、助け出されたのは実に7ヶ月後だった。

39歳で帰国した泉一は、一躍時の人となった。テレビ番組に引っ張りだことなり、バラエティやクイズなどにも頻繁に出演したものの、やがて世間からは飽きられていった。

忙しい期間に自分の仕事を支えていた亀谷というマネージャーが、高校生の頃に自分が好きだった、あの北条頼子だと気付いた泉一。頼子は自分がアイドルだったことを隠していたが、何度も何度もアタックした泉一はついに、彼女と結婚することとなった。

映画『金メダル男』の結末・ラスト(ネタバレ)

夫婦でお笑い芸人を目指してみたり、ダンス大会に出てみたりと色々挑戦していたものの、頼子の妊娠をきっかけに泉一が就職することを決意。家族のためにデパートで働き始め、そして息子の究一が誕生した。

ある日、引っかかってしまった垂れ幕を下ろそうとした泉一は、うっかりそのまま落ちてしまう。垂れ幕につかまったままで落ちた泉一のパフォーマンスは評判を呼び、またテレビで取り上げられるほどの話題になった。

何度も何度もパフォーマンスを繰り返すうちに、とうとう本当に落下して骨折した泉一。なんとか復帰してくるも、既に新しいパフォーマーが彼の座を奪っていた。しかも、なんと高校時代の表現部の後輩だった。

塞ぎ込む泉一に、究一が自分で作った金メダルをくれる。泉一は前を向き、カメラマンに転職した。

泉一はもう51歳になっていた。しかしまだ自分はゴルフをしたことがないということに気付く。カメラマンをやめた泉一は、また挑戦を始めるのだった。

映画『金メダル男』の感想・評価・レビュー

コメディではあるが、泉一という男の人生の浮き沈みを一緒に体感していくことで、親近感が生まれてほっこりと見てしまう。常に1位を目指す彼の一生懸命さ、空回りっぷりが憎めない。

「彼に最も向いているものは何なのか?」という疑問を持ちながら興味深く見ているところに、「いつまでも自分の向いているものを探し続けることこそが彼の才能なのだ」と気付かされる。新しいことに挑戦し続けるということも、一種の「ひとつのことを究める」なのかもしれない。(MIHOシネマ編集部)


競争心や対抗心が全く無い私。小学校の運動会での徒競走もいつも微妙な順位でしたが、特に悔しいと思うことも無く、大人になっても「1番になりたい」と思うことはありませんでした。
今作で描かれていたのは一人の男が人生をかけて「金メダル」を追い続ける姿でした。Hey! Say! JUMPの知念侑李と内村光良が同じ人物を演じるのは無理があるのでは…と感じていましたが、違和感は全く無く、寧ろとても合っていたと思います。
「挑戦」することは大変なことではなくて「楽しい」ことなのだと教えてくれる作品でした。(女性 30代)


全てにおいて一番になろうとすることは、全てが中途半端に終わることなのかもしれません。他人との競争はその時々で状況が変わるし、キリが無いと思います。しかし、何にでも臆する事無く飛び込んでいく姿勢は、大いに見習うべきでしょう。ちょっとした経験も、何かの役に立つかもしれません。秋田泉一という男の人生を約2時間に詰め込んでいますから、淀み無く展開していき退屈しません。劇中に漂う温かさとか柔らかな空気は、内村光良の人柄がそのまま反映されているのでしょう。(女性 30代)

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