『このマンガがすごい!』大賞に輝いた大人気コミックがとうとうスクリーンに!二つの敵対する国に生まれた男女が徐々に心を通わせていく模様を描いた恋愛作品。ナランバヤルとサーラの不器用な二人の繋がりが、観る者全ての心を温める。
映画『金の国 水の国』の作品情報
- タイトル
- 金の国 水の国
- 原題
- なし
- 製作年
- 2023年
- 日本公開日
- 2023年1月27日(金)
- 上映時間
- 117分
- ジャンル
- アニメ
ラブストーリー - 監督
- 渡邉こと乃
- 脚本
- 坪田文
- 製作
- 谷生俊美
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 賀来賢人
浜辺美波
神谷浩史
沢城みゆき
木村昴
戸田恵子
茶風林
てらそままさき - 製作国
- 日本
- 配給
- ワーナー・ブラザース映画
映画『金の国 水の国』の作品概要
岩本ナオが2016年に執筆した同タイトルの漫画を実写映画化。『このマンガがすごい!』大賞にも輝いている大人気作であり、ファンの間ではいつメディア化されるかという話題で持ちきり。そして、とうとう念願のアニメーション映画化。声優を務めるのは、これまで何度も声優経験があり若手女優の中で最も勢いのあると言っても過言ではない浜辺美波。国を救うべく夫婦役を演じることになった二人の心優しい男女が、心を交わしていく様子を描く恋愛物語。
映画『金の国 水の国』の予告動画
映画『金の国 水の国』の登場人物(キャスト)
- ナランバヤル(賀来賢人)
- 豊かな水と自然に恵まれた国、『水の国』の建築士。貧しいが、頭の回転も早く家族のために真面目に働く青年。
- サーラ(浜辺美波)
- 水以外全ての資源を持つ『金の国』の93番目の姫。おっとりした性格で、国内ではあまり力を持っていない。
映画『金の国 水の国』のあらすじ(ネタバレなし)
水以外の全ての物資に恵まれた『金の国』と、水を含めた豊かな自然に恵まれた『水の国』。この二つの国は、長年険悪な関係性を保っていた。そして、両国はとうとう戦争を始めてしまう。そんな両国の関係性を見かねた神様は、『金の国』で一番美しい娘と『水の国』で一番賢い若者を結婚させるように命じたのだ。しかし、神の命に納得のいかない国王は、名ばかりの花嫁、花婿をそれぞれ差し向けてしまう。そうして巡り会ったナランバヤルとサーラ。両国を救うべく夫婦のフリを続けることになった二人だったが、互いに徐々に惹かれ合い…?
映画『金の国 水の国』の感想・評価
心温まる物語
本作の見所は、なんと言ってもその温かいストーリーだろう。敵対国同士が互いの利益のために、政略的なカップルを作り上げる。一見するとドロドロした昼ドラのような展開のストーリーだが、本作に不快感などは殆どない。純粋な男女が直向きに想いを交わす、とにかく心温まる恋愛ストーリーなのだ。『今年の漢字』に『戦』や『災』や『密』が選ばれるこのご時世。何かと心をざわつかせるような出来事が多い。そんな中、本作がもたらしてくれる癒しは多くの人にとって救いになることだろう。今の時代に必要な映画はこういったものなのかもしれない。人を愛すること、繋がることの大切さを思い出させてくれる一本。
美しい世界観
本作では、タイトルから分かるように金の国と水の国という2つの国が舞台。貿易の中心地で、街の至る所に金が散りばめられた美しい豪華絢爛な『金の国』と、豊かな自然が広がる『水の国』。方向性の全く違うこの美しい二つの国が、本作の大きな見どころの一つ。その世界観の素晴らしさは、映像化される前から大きな話題を呼んでいた。雑誌に連載されていた頃は、勿論二つの国ではモノクロで描かれている。それでも尚読者にその美しさが伝わるのだから、いかに作者の書き込みが緻密で素晴らしいものであるかが分かる。そして、映像化されることでその美しさには更に磨きがかかった。色とりどりの色彩で表現された両国は、まるで魔法がかけられたかのような幻想感をもって視聴者の心に届くのだ。旅行にも気軽に行けない今、本作で異国情緒感を味わうのも一興。
漫画家、岩本ナオ
岩本ナオという漫画家を知っているだろうか。普段から少女漫画を愛好している人ならば周知の事実であるが、彼女は今後の少女漫画家界を背負っていく期待の人材である。彼女が漫画家としてのキャリアをスタートさせたのは2004年のこと。前述したように本作で2016年に『このマンガがすごい!』大賞を獲得した岩本。そして、実は2017年にも、『マロニエ王国の7人の騎士』で同賞を獲得しているのだ。勿論、大賞を2年連続で獲得したのは彼女が初めて。まさに、破竹の勢いで今漫画界を席巻しているのだ。2021年には初となる個展も開催したばかり。これから益々の活躍が期待される岩本ナオ。そんな彼女の作品を、今からチェックしておこう。
映画『金の国 水の国』の公開前に見ておきたい映画
ハチミツとクローバー
最新作は、2017年の『このマンガがすごい!』で大賞に輝いた作品を映画化したもの。そんな『このマンガがすごい!』で、2年連続の1位を獲得したのが本作。主演は若かりし頃の櫻井翔。美大に入学した主人公が個性的な友人らに囲まれながら、芸術に恋に友情に心を大きく揺らしていく。羽海野チカ作品の魅力は、なんといってもその書き込まれた心理描写。それは、もう一つの代表作である『3月のライオン』からも見てとれる。青少年達の孤独や日々の葛藤、温かい人間模様などが見ている者の心を揺らすのである。男女問わず多くの読者を虜にした名作が、とうとう実写映画化。
詳細 ハチミツとクローバー
ロミオ&ジュリエット
敵対勢力同士の許されない恋。そんなストーリーを聞いて、本作を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。元々はウィリアム・シェイクスピアによる戯曲として発表された本タイトルは、これまで幾度となく映像化されてある。そんな中で、本作は1997年に制作されたもの。主演を務めるのは、なんと若かりし頃のレオナルド・ディカプリオ。本作の注目すべき点は、古典作品である本タイトルを当時の現代劇風として描きなおしている点。ディカプリオの美しすぎる相貌もあり、『最もセクシーなロミオ』としても評判が高い。モンタギュー家とキャピュレット家という敵対する名家に生まれてしまった二人は、決して許されない恋に落ちて…?
詳細 ロミオ&ジュリエット
サマーウォーズ
前述したように、美しい異国情緒は本作の大きな見どころの一つ。その美しい光景を映画にすることでどのようにして表現するのか、その点に大きな注目が集まっている。最新作でアニメーション制作を手掛けるのがマッドハウス。そのマッドハウスが2009年に手がけたのが、この『サマーウォーズ』である。『サマーウォーズ』を手がけたスタジオであればきっと大丈夫、と安堵する人も多いことだろう。それだけ本作は多くのファンから愛され続ける名作となったのだ。監督は言うまでもなく、日本が誇るアニメーション映画監督の一人である押井守。これまで彼が発表してきた数多くの作品の中でもトップレベルの人気を誇るのが本作。数学が得意な男子高校生が、世界の滅亡をかけた大事件に巻き込まれていく。
詳細 サマーウォーズ
映画『金の国 水の国』の評判・口コミ・レビュー
『金の国 水の国』
超絶大傑作。これこそ岩本ナオの真骨頂。国境を越えた出逢い、力強い”愛”が巨大な壁を破壊する。嘘偽りのない純粋な想いが断絶された世界に橋を架けるラストは圧巻。
暖色系の優しい色彩美、綺麗な背景とそれを包み込む朗らかな世界観に涙する。ご都合主義で結構、これぞ映画だ。 pic.twitter.com/ba9GyGKrPg
— なまたまご (@Ace_r_kaede) January 28, 2023
『金の国水の国』鑑賞しました。
面白さと感動に溢れる素敵な映画でした。
緊張と緩和の構成具合が程よく、誰にでも見易く分かりやすいストーリー、そして主人公2人の声を担当した賀来賢人さんと浜辺美波さんの違和感の無さ、全て含めて良作映画を観たと満足出来る作品でした。 pic.twitter.com/FFUYfUAH6c— ヤマタノ カツミ (@GBsinsinkan) January 28, 2023
『金の国 水の国』
とある国のお姫様と若者のおとぎ話。芯がありつつ全体的に柔らかい雰囲気、そして主人公2人の内に秘めた強さと美しさにとても惹かれる。世界観や展開、キャラクター全てが愛おしい。「心が洗われるような」という言葉がぴったりな映画。傑作 pic.twitter.com/dCExsjQri1— ムービーメン (@Stan_n_movie) January 28, 2023
「金の国 水の国」
ロミジュリ的な設定を引用しているが、悲劇によって希望を強調するのではなく、本作はストレートに平和と希望を訴える物語である。それは大国による侵略戦争が続く今だからこそ心に強く響くメッセージとなる。現代的なアレンジの下で出逢った男女が世界を変えていく姿に涙。傑作! pic.twitter.com/1Le17G2XCG
— れじみ (@rejimi31) January 29, 2023
『金の国 水の国』鑑賞。仲の悪い二国の男女が出会い恋に落ちる、良くも悪くも古典的・童話的な物語だが、ファンタジックな中東イメージの豪華絢爛な美術と、日本アニメでほぼ見かけないキャラ造形がフレッシュで楽しめた。資源を巡る戦争を食い止める話として見ると意外なほど現代に刺さってる感も。 pic.twitter.com/91lL47KtPF
— ぬまがさワタリ (@numagasa) January 30, 2023
金の国水の国短評
こいつはすげぇ…余裕の年ベス候補です
世界観がどストライクだし、元々少女漫画ということもあって少し眩しいくらいの恋愛描写と、丁寧に描きあげられた「国」の描写が本当に見事
それぞれの登場人物にしっかりバックボーンがあり、感情移入もしやすい
この漫画が凄いに選ばれるわ… pic.twitter.com/3IteBWpZPg— Himmel@ポイズンアイビーに雑に殺されたい (@ttb78312109) January 28, 2023
映画『金の国 水の国』のまとめ
近年、少年漫画や青年漫画を愛読する女性が急増している。歴史的ヒットとなった『鬼滅の刃』なども、その多くのファンが女性ファン。一方で、少女漫画を楽しむ男性も多いのだ。今や、『少年』漫画や『少女』漫画といった肩書きは、最早本当にただの肩書きとなったのだ。本作も、『少女』漫画ではあるが老若男女誰であれ楽しめる内容に仕上がっている。普段『少女』漫画を読まないからといって避けてしまうのはあまりにも勿体無い。美しい背景と心温まるストーリー、誰にも愛されるキャラクターの揃い踏みのこの作品を嫌いになる人などいないのだ。また、原作も全1巻という手に取りやすい長さ。是非この機会に、映画だけでなく原作も楽しんでみよう。
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